BYODとは?意味からメリット・デメリットを解説
近年はIT技術の発達やリモートワークの推進により、業務にモバイルデバイスを取り入れる企業が増えてきました。特にスタートアップ企業などでは、効率化やコスト削減に向けて、個人のモバイルデバイスを仕事に利用する動きが注目されています。 このようなモバイルの使用により、業務効率化を目指す考え方が「BYOD」です。この記事では、BYODとは何か概要からメリット・デメリットまで詳しく解説します。興味のある方はぜひ参考にしてください。
BYODとは
BYODとは、「Bring your Own Device」の頭文字をとった言葉で、従業員が個人で所有しているデバイス(パソコンやスマートフォン)を業務に利用することを意味します。ここ最近はBYODの考え方が浸透しており、ベンチャーなどの小規模企業では、フリーアドレス方式と合わせて導入している場所が多いです。 BYODを業務形態にする企業が増えた要因としては、パソコンやスマートフォンのスペックが向上したことが関係しています。パソコンは起動するまで数十秒程度しか必要とせず、処理スピードやセキュリティレベルの高いものが提供され、ビジネスでの利用が可能になりました。 また、アカウントを複数作成して登録できるクラウドサービスが無料で利用できることや、各デバイスを遠隔で管理できるサービスが誕生したことも影響しているでしょう。
BYODのメリット
BYODは日本ではまだまだ導入されていませんが、アメリカなど海外では一般的になっています。実際、どのようなメリットがあるのか以下で解説します。参考程度にご覧ください。
デバイスの持ち運びを少なくする
BYODは、従業員がデバイスを持ち運ぶ手間を減らせる点がメリットです。個人のデバイスを利用することができるため、社用のパソコンやスマートフォンを持ち運ぶ必要が無くなります。 中には、自分が所有しているパソコンと社用のパソコンの機種が異なり、充電コードやバッテリーを複数持ち運ぶ人もいたため、BYODの活用は従業員にとってかなりのメリットになるでしょう。 他には、個人と業務で分ける必要がないので、連絡や仕事の管理がしやすくなります。急な仕事でも対応できるため、滞りのない業務を行える点は魅力的です。
デバイス機器の導入コストを削減できる
BYODを活用することで、企業が社員に提供するデバイスを導入導入する必要がなくなるため、大幅なコスト削減に繋がります。特に従業員が多い企業では、デバイスの導入コストが大きく、個人のパソコン利用を許可するだけで大幅な経費削減になるでしょう。
シャドーITを未然に防ぐことができる
シャドーITとは、会社が許可していないソフトウェアやサービス、デバイスの利用をすることです。リモートワークの普及により、個人のデバイス管理が難しくなり、情報漏洩といったシャドーITに関連する問題が増えています。このような課題を解決するのが、BYODです。 一見、BYODはシャドーITを促進するような施策に思えますが、デバイスで利用するソフトウェアやツールの運用ルールなど、セキュリティ教育を行うことを前提としています。ルールに従ってデバイスを利用するため、シャドーITよりもリスクを下げた運用を期待できるでしょう。
BYODによるリスク
BYODでは、活用するメリットも多いですが、運用するリスクも存在します。どのようなリスクが潜んでいるか解説するので、ぜひ知識として理解してください。
セキュリティリスクが高まる
BYODでは、個人のデバイスを利用するためプライバシーを考慮したセキュリティ対策になります。例えば、会社で準備したデバイスなら使用ログを記録し、異常があった時に備えて監視することができますが、個人のデバイスの場合、それができません。 また、デバイス本体の管理も難しくなります。個人のデバイスは個人の所有物であるため、持ち運び時の紛失可能性が高いです。盗難にあった場合は、情報漏洩の危険性にさらされるため、さまざまな面でリスクが高まるでしょう。 他には、プライベートで使用したウェブサイト経由でウイルスに感染する可能性もあります。セキュリティソフトのインストールや使用ルールなど、細かい部分を規定として設けることが大切です。
労務管理が複雑になる
BYODを活用することで、業務とプライベートが混同してしまう可能性があります。休日や自宅に帰宅しても、自己判断で仕事をしてしまう従業員が増えるケースがあり、管理体制の見直しや強化が大切です。 また、常に仕事の連絡が入るため、デバイスを持ち運ぶ必要がでてくるなど、精神的なストレスになることもあるので、運用方法はしっかり決めるようにしましょう。
BYODによる業務効率化を目指す
この記事では、BYODについて概要からメリットまで詳しく解説しました。 個人のデバイスを業務に利用できるため、企業の経費削減に繋がり、仕事への取り組みが容易になる点はメリットです。一方で、プライベートの時間をコントロールできない従業員がでてきたり、デバイスの紛失による情報漏洩など、リスクも多いです。 会社でBYODの運用ルールをしっかり定めて、効果的な施策にできるよう進めていくことで、さまざまな効果を得ることができます。気になっている方は、上記のメリット・デメリットを理解し、自社に適した運用を目指しましょう。