今さら聞けないビッグデータとは?内容と活用方法

ITは今もなお、急速に進化を続けています。

わからないこと、知りたいことは昔と違ってネットサーフィンをすれば、すぐに情報が見つかるような時代です。

パソコンやスマートフォンを駆使したデジタル技術やインターネットの活用は、私生活だけでなく、仕事においてもなくてはならないものとなりました。

その一方で、情報はすぐに入手できますが、情報量が多過ぎるという課題もあります。

世の中に出回っている情報の中には真実ではない偽の情報なども多分に含まれており、人間の処理能力では全てをインプット、および情報の精査をすることはできません。

また、情報は収集するだけでは価値はありません。

入手した情報の取捨選択、そしてその情報の活用方法を検討し、方策を実行することで初めて活かされるものです。

今回は、そんな課題を解決してくれる可能性がある「ビッグデータ」について見ていきます。

ビッグデータの定義とはなにか。具体的に何ができるのか、今後の可能性について解説をしたいと思います。

ビッグデータとは

そもそもビッグデータとはどういうものか、解説をします。

ビッグデータとは、人間では全体を把握することが困難な巨大なデータ群のことをいいます。

言葉通りの大量のデータという意味合いだけではなく、5Vと呼ばれる
Volume(量)
Variety(多様性)
Velocity(速度・頻度)
Veracity(正確性)
Value(価値)
の意味合いを含めたものがビッグデータの特徴とされています。

また、総務省ではビッグデータの定義を以下の4つに定めています。

1.官民データ活用推進基本法を踏まえ、国や地方公共団体が保有している『オープンデータ』。
2.企業が保有する、農業やインフラ管理からビジネスに至る産業や、企業が保有するパーソナルデータ以外の『ノウハウをデジタル化・構造化したデータ』。
3.企業が保有する、工場等の生産現場における機器から収集される『M2Mと呼ばれる産業用データ』。
4.個人の属性情報、移動、行動、購買履歴、ウェアラブル機器などから収集された個人情報を含む『パーソナルデータ』。

以上のデータを官民双方で有効活用していくことで、イノベーションの加速と経済発展への貢献を期待されています。

中でも、企業が保有しているデータについては、利用の観点から『産業データ』として位置付けられています。

産業データに関連する領域については日本の競争力を特に発揮できると期待されており、今後も様々なノウハウがデジタル化されていくと想定されています。

ビッグデータが注目されるようになった背景

ビッグデータが注目されるようになった背景には、ITの発達やネットワーク環境の拡充などがキッカケにあります。

2000年代以降、スマートフォンの普及やSNSの台頭など、多くのデジタルサービスが誕生、普及していきました。

それに伴いデータ量も増幅したことで、データ処理をするためのパソコン機器のスペック向上や、データを蓄積、管理するための構造見直しなど、多くの面で進化を遂げていきました。

また、情報は鮮度が命であることから、データの更新頻度なども併せて重要視されることとなります。

その後はSociety5.0に向けた政府の指針のもと、データ利活用の推進がされていきました。

以上がビッグデータに関心が集まることになった経緯であり、今や様々な場面でビッグデータの活用が注目されています。

ビッグデータでできること

ビッグデータを構成するデータは、
『構造化データ』
『半構造化データ』
『非構造化データ』
の3つに分類されています。

構造化データとは、数値や文字列など、二次元の表形式に変換可能なデータを意味します。

半構造化データとは、内容に規則性はあるが、二次元の表形式への変換可否が不明なデータを意味します。

非構造化データとは、音声や動画など、二次元の表形式への変換ができないデータを意味します。

ではこれらの種類のデータを使って何ができるのかを解説します。

精度の高い予測

ビッグデータはAIと掛け合わせることにより、その真価を発揮します。

人間では取り扱いきれない程の膨大で多様な情報の中から必要なデータを抽出し、そのデータをAIに解析させることで客観的な根拠に基づいた精度の高い予測や分析をおこなうことができます。

予測の精度が高ければ、ビジネスをする際において正しい意思決定をおこなうことが可能になります。

具体的には後述しますが、
・天気予報
・売上予測
・顧客行動予測
など、様々な分野での利用が考えられます。

データの可視化

メモやノート、個人フォルダからその人の記憶の中まで、人間が持つ情報には個人差があり、かつそのデータの管理方法も様々です。

そういった情報をビッグデータとして一元的に管理することができれば、誰しもが同じ量と質の情報を取得することができます。

企業内でも
「〇〇さんに聞かないと分からない」
ということがなくなる可能性があるでしょう。

情報は資産です。

情報を適切に管理することで、ビジネスで競争上の優位性を保つことができます。

作業の効率化

ビッグデータとして情報を蓄積、集約することで情報管理コストを抑えることができます。

データの収集には時間コスト、人的コストが発生します。

ビッグデータを使えば短時間で大量の情報収集をすることができ、作業の効率化を図ることが可能になります。

ビッグデータの活用例

上述したビッグデータの可能性を踏まえ、実際の企業活動においてビッグデータをどのように活用することができるのかを解説します。

売上予測

ビッグデータを使って過去の売上データを分析し、傾向やトレンドを抽出することができれば、商品の売上予測をおこなうことができます。

売上予測をもとにした販売計画や予算計画、在庫管理やコスト管理など、様々な戦略立案や方策決定を推し進めることが可能になります。

特に消費期限が短い商品や、流行に左右されやすい業界では、こういったデータが大きくビジネスに貢献してくれるでしょう。

顧客ニーズの調査

人の思考は十人十色で規則性がないように思われますが、AIを使えば人間では捉えきれない視点で特徴性を見出すことができる可能性を秘めています。

「Aの商品を買っている顧客はBの商品もセットで買う傾向がある」
「Cの商品を買う顧客の大半は未婚である」

などのような顧客のニーズや特徴、動向を捉えることができれば、新規事業の検討など企業のマーケティング戦略に活かすことができます。

サービスの向上

消費者心理の分析やデータ化は、これまで扱いが難しいものとして位置付けされていました。

人それぞれに環境や状況が異なり、それらの行動を分析する場合には、大量のデータ処理が必要になるからです。

ですが、この分野についてもビッグデータの活用が期待されています。

顧客ニーズを把握することができれば、顧客1人1人の属性に応じた最適な商品開発やサービス促進など、顧客満足度向上や企業ブランドのイメージ向上を図る施策を実行することができます。

業務改善

企業活動において人の力は必須であり、日々の業務において人的資本があらゆる場面で割かれています。

ビッグデータを使えば、これまで情報収集や分析に割いていた時間を削減することが期待できます。

そのため、より生産性の高い業務へのシフトチェンジを推し進めることが可能となります。

ビッグデータ活用における今後の課題

ここまで紹介したように、ビッグデータの活用はビジネスのあらゆる場面において新たな価値を創造することが期待されています。

しかしその一方で、活用を推進するにあたって課題も多くあります。

データの信用性

ビッグデータの情報源によっては、データの活用前にそのデータを疑うところから始める必要があるかもしれません。

例えば上述した『構造化データ』の中に不完全なデータが含まれていた場合、正しい分析結果を得ることはできません。

データを収集する機器の異常があれば、その期間の数値は本来得られるデータとはかけ離れたものになります。

更に、データの活用方法が医療や金融の現場など、小さなミスも許されない様な業界の場合には、特に注意が必要でしょう。

だからこそ、データ品質の担保が重要になります。

また、それに加えてデータの取捨選択をすることも大事です。

ビッグデータだからといって、何でもかんでもデータがあればいいというわけではなく、不必要なデータは取り除く必要があります。

何をするためにビッグデータを使うのか、データ活用の目的を見据えた上でのデータ収集をおこなうことが肝心です。

情報セキュリティ

ビッグデータの情報量は膨大です。

それらの情報が流出した場合、その影響範囲は甚大です。

情報漏洩は、企業経営を傾けるだけのリスクがあります。

情報はどこで誰が狙っているかわからないため、悪意あるサイバー攻撃への備えなどが必要になります。

ビッグデータのような機密情報については万全なセキュリティ対策をするために、セキュリティ面に優れたシステムの導入や管理の徹底が重要です。

個人情報の取り扱い

上述したようなセキュリティ対策だけでなく、コンプライアンス面においても徹底が必要です。

人や物のデータには、個人を特定できてしまうような情報が多く含まれています。

意識変革を促すために、企業としての情報資産の取り扱いに対する考え方を周知、浸透させることが重要です。

特に実際のビッグデータを取り扱う部署や担当者に対しては、情報モラルに対する教育を徹底する必要があります。

データ管理コスト

ビッグデータを活用するにあたっては、そのデータの作成や保管方法の検討など、多くの準備が必要です。

それらの準備にかかる時間や、データの維持管理などには相応の運用コストが発生します。

また、ビッグデータを効果的に扱うためには、データサイエンティストのような一定の知識やスキルを持った人材を囲い込む必要があるといった人的費用も発生します。

その一方で、ビッグデータを活用できるかはやってみないとわからないという側面がありますので、費用対効果の算出が難しいといわれています。

以上のようにビッグデータの活用にはまだまだ課題が多く残っていますが、その課題以上に価値を生み出せる期待があることから、ビッグデータの活用は世界的に進んでいくことが見込まれています。

ビッグデータの活用・管理ならAMELAに

今回は、
「ビッグデータとはなにか」
について、改めて見てきました。

多くのデータを活用すれば、今まで以上にスムーズなビジネスが行える可能性があるでしょう。

一方で、課題の部分でも触れたように、管理やデータの信頼性に関しては、十分な注意が必要です。

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