顔認証検温システムの特徴とは?導入のメリット・デメリット・注意点を紹介
新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐために、施設に入る際はマスクの着用と検温が必要になっていることが多くなりました。
また、オフィスや医療機関でも入室が制限されているエリアがあります。
その部屋に入る際には、ICカードをかざしたり、暗証番号を入力したりすることで認証を行っている場面が多いです。
今回は、認証と検温を即座に行える顔認証検温システムについて解説していきます。
この記事では、
・顔認証検温システムとは何か
・顔認証検温システムの特徴
・顔認証検温システム導入のメリット、デメリット
・顔認証検温システムの導入事例
について解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
顔認証検温システムとは
顔認証検温システムとは、非接触型の顔認証と検温を素早く同時に行うことができるシステムです。
コロナウイルスの拡大によって、オフィスに入るときの認証を非接触にしたり、検温を行うことで体温が規定以上の方の入室を断ることができたりするなどの導入メリットがあります。
顔認証検温システムの特徴
顔認証検温システムの特徴として、顔認証と検温を同時に素早く行うことができます。
従来では、認証と検温は別々の機器で行うことが多かったですが、同時に行えるため利用者と運用者の手間を減らすことができます。
また、素早く検温を実施できるため、人の流れを止めることなく従業員や来客者の健康管理を行うことも可能です。
顔認証検温システム以外の検温機の特徴
顔認証検温システム以外の検温機の特徴として、認証と検温をそれぞれ別の機器で行うことができます。
ICカードなどの専用ツールを使って認証を行い、検温機を使って検温を行うというように、別々に機器を用意します。
それぞれは、安価に利用できるのが大きなメリットです。
ただ、接触型となることが多く、認証や検温のたびに消毒などを行う必要があり、運用者の手間がかかってしまうことがあります。
顔認証検温システムを導入するのか、それ以外のシステムを導入するのかをしっかりと検討をする必要があります。
顔認証検温システム導入のメリット
ここからは、顔認証検温システムを導入するメリットを解説していきます。
感染症の拡大を防ぐことができる
顔認証検温システムを導入するメリットとして、素早く検温と認証を行えるため、感染症の拡大を防ぐことができます。
体温が高い人がいた場合は、即座にアラートを鳴らすことが出来るため、間違って場内に入ってしまうことを防げるでしょう。
また、認証システムにより登録者以外の入室を制限できるため、陰性証明を出した方などをあらかじめ登録することで、感染者の入室を防ぐことも可能です。
非接触で素早く検温ができる
顔認証検温システムを導入するメリットとして、非接触で素早く検温を行うことができます。
利用者にシステムの測定可能な位置に顔を移動してもらうことで、素早く検温を行うことが可能です。
万が一、検温で異常な値が出た場合は、システムが周囲に知らせることができるため、素早く適切な対応を行うことも可能です。
また、非接触のため利用するごとにアルコール消毒などを行う必要がありません。
不審者の侵入を防ぐことができる
顔認証検温システムを導入するメリットとして、不審者の侵入を防ぐことができます。
顔をシステムに近づけた際に、顔認証システムが素早く登録者か未登録者かどうかを判断します。
その結果、未登録の不審者の侵入を事前に防ぐことが可能です。
また、認証のデータも残せるシステムもあるため、不審者の顔情報を残すことができます。
そのため、顔情報をもとに職員に周知したり、システムに不審者登録をしたりすることで次回以降の来訪に対応することができます。
マスクをつけていても認識することができる
顔認証検温システムを導入するメリットとして、マスクをつけていても認識することができます。
認証の精度が高くなっているため、マスクを着用しているかどうかもシステムが判断して、認識することができます。
その結果、マスクをしていても正常に認証を行うことができます。
また、マスクをしていない方に、マスクを着用するようシステムから呼びかけることも可能です。
顔認証検温システム導入のデメリット
ここからは、顔認証検温システムを導入するデメリットを解説していきます。
機器のコストが高いことが多い
顔認証検温システムを導入するデメリットとして、システム機器の導入コストが高いです。
従来は検温機で測定したり、ICカードで認証したりすることで比較的安価に、検温も認証も行うことができていました。
顔認証検温システムを導入することで、専用機器の導入が必要になるため、費用が高くなってしまいます。
また、必要な出入り口に設置する場合は、機器台数も多くなるため、費用が高くなってしまいます。
ただ、費用以外の感染拡大防止などのメリットも大きいため、メリットも踏まえて導入の検討が必要です。
電源が必要
顔認証検温システムは電源がないと、システムの利用ができません。
そのため、機器を電源の近くに設置するか、設置場所の近くまで電源コードを延長したり、新たに電源コンセントを作ったりする必要があります。
事前に認証する情報を設定する必要がある
顔認証検温システムでは、顔認証を行うため、事前に認証を許可する方の顔情報を登録する必要があります。
運営側の手間がかかる事に加え、許可する人全員の顔情報を取得するために
・過去の映像などから切り取る
・顔写真を送ってもらう
・その他データを探す
といった事が必要になるため、参加者としても手間がかかります。
顔情報は個人情報にあたるため、情報漏えいを防止するなどの管理方法に気を付ける必要があります。
単体のイベントならそこまで気にする必要はないかもしれませんが、定期的に利用する顔写真なのであれば、データ管理が重要になってきます。
顔認証検温システムの導入事例
ここからは、顔認証検温システムを導入した事例を解説していきます。
医療機関
感染リスクが高い医療機関で働いている医療スタッフの健康管理のために、顔認証検温システムを導入しています。
また、来客者の健康状況の確認やマスク着用の確認を行うためにシステム導入を行っています。
システムによって、健康状況を確認できるため、医療スタッフの感染リスクや手間を減らすことができます。
その結果、医療機関で働いている医療スタッフや患者の健康を守ることが可能です。
商業施設
商業施設の入退場システムとして、顔認証検温システムを導入しています。
商業施設は、不特定多数の人が集まる場所ですし、業者の出入りも多いです。
過去のトラブルを起こした人物の情報をシステムに登録し、その方が入場した際にシステム側から通知を行うことや警備を強化することができます。
その他に、顔認証を利用した決済サービスを利用することで、店舗スタッフと来客者のやり取りを減らし、感染リスクを減らすことが可能となりました。
オフィス
オフィスの入退室に顔認証検温システムを導入することで、円滑に認証を行えます。
入退室管理システムと顔認証検温システムを連携させる必要がありますが、非接触で認証を行えるため、感染防止を行うことが可能となりました。
また、従来の入退室で利用していたICカードなどを紛失することや、自宅に忘れて入れなくなることなどが無くなり、セキュリティの観点からもメリットが大きい事例です。
顔認証検温システム導入の注意点
顔認証検温システムのメリット・デメリットを解説していきましたが、システム導入にあたり注意点があります。
ここからは、顔認証検温システムを導入する際の注意点を解説していきます。
設置場所を検討する必要がある
顔認証検温システムを導入する注意点として、設置場所を検討する必要があります。
顔認証検温システムを利用するためには、電源が必要ですが、それ以外にも照明や日光などの光の当たり具合を確認する必要があります。
朝方と夕方で光の当たり具合によっては、認証が正しくできないこともありますので、認証制度を高める上でも、設置場所をしっかりと検討することをおすすめします。
個人情報の取り扱いをきちんとする必要がある
前述しましたが、顔情報をシステムに登録する場合、個人情報の管理が必要です。
また、退職した職員の情報を消去することも必要なので、通常の運用にも気を付ける必要があります。
マイナンバーの取り扱いなどは、近年ルールが変わったりもしているため、同様に顔情報も最新の取り扱いルールを確認しておきましょう。
類似品が出回っている可能性がある
昨今、顔認証検温システムを導入する施設やオフィスが増えているため、様々な機器が出回っています。
機器によって、検温や認証の精度が異なっているため、体温が高くても検温時に異常値が出ない場合や、顔認証を簡単に許可してしまう場合があります。
そのため、事前に導入する機器を試すなど、意図した動きをしている機器か確認することをおすすめします。
また、実際に導入している店舗などの実績を確認しておきましょう。
将来的に使い続ける事を考える
今は、基本的にどこの店に入るのにも検温が求められます。
しかし、一旦世界的にコロナが落ち着いてきた場合、
「検温 + 顔認証」
という機能自体が不要になる可能性があります。
顔認証検温システムは、検温と顔認証が一緒になっているからこそ、機材が高価です。
前述したように、ICカードを用いた認証だけなら、それほど高価な機器は必要ありません。
そう考えると、世の中の動向を意識して導入する必要があるでしょう。
また、もしシステムの販売会社が、リースなどのように、月単位・年単位での契約が出来るのかを確認しておきましょう。
セキュリティシステムもAMELAに
今回は、現在多くの店舗で利用されている顔認証タイプの検温システムについて見てきました。
人の出入りが多い施設や、医療施設などの危険度の高い場所では、積極的に取り入れていくのが良いでしょう。
一方、この状況だからこそ、急速に顔認証の精度や、センサーの精度が上がったのも事実でしょう。
これらを、他の技術と組み合わせると、別のビジネスチャンスが生まれるかもしれませんね。
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