いま増加する「直行直帰」とは?直行直帰には勤怠管理ツールがおすすめ!
新しい仕事のやり方としても増加している「直行直帰」。
営業職の現場では以前から採用する企業があり、テレビコマーシャルでも放送されているので、聞いたことがあるという人は多いかと思います。
直行直帰は、社員の負担を軽減して、業務の効率を上げる働き方なのですが、同時に、労働時間の算定や労働内容の把握など、さまざまな課題が発生します。
この記事ではまず、いま増加する「直行直帰」について、具体的にどのような働き方なのか、この方式が抱える課題を確認しましょう。
そして、課題の多い直行直帰の管理には、勤怠管理ツールがお勧めです。
なぜ勤怠管理ツールがおすすめなのか、その理由についても解説していきます。
直行直帰について
まずは、直行直帰が何か、どのような働き方なのかについて解説します。
合わせて、この方式を導入する際に気になる、勤務時間の算出についても、少し見ていきましょう。
直行直帰とは
直行は「会社へ出勤せず、目的地へ直接向かうこと」で、直帰は「会社へ立ち寄らず、直接退勤すること」です。
このふたつを合わせて「直行直帰」と呼びます。
つまり「現場や客先へ直接出向き、会社へ戻らずに帰宅する」働き方が直行直帰です。
この方式は、飲食店や小売業者、営業職などのように、客先に出向くことの多い職業で採用される方式です。
朝早くから目的地へ出向く必要があるケースや、仕事を終えて会社へ寄らなくて良いケースなどで行われます。
よってこのやりかたは、仕事の効率を重視した方式であるといえます。
例えば、定時が18時で客先を17時半に出た場合。
会社に戻るのに1時間かかれば、戻った時点ですでに残業時間になっています。
こういった場合、直接帰宅してしまった方が、社員的にも会社的にも得をする可能性があるのです。
しかし、出社や退勤の手間を省き、時間を有効活用できるという利点がある一方、勤務時間の把握が難しいというデメリットもあります。
この方式を採用することで発生する問題については、後ほど詳しく解説します。
直行直帰の労働時間
直行直帰を採用する際に焦点となるのが、働いている時間のうちどれくらいが労働時間に含まれるのかどうかという問題です。
実は、勤務時間に含まれる場合と含まれない場合、どちらもあるのです。
これについて、少し解説します。
労働時間に含まれる場合
直行直帰は多くの場合、労働時間に含まれます。
具体的には、「会社や上司からの指示があった」「移動時間も業務を行っている」などです。
前者は就業時間前に現場へ到着しなければならない、直行直帰の指示があった、取引先との会食をしたなどが当てはまります。
後者は、移動時間でも電話対応が可能であったり、顧客の案内をしていた場合などが含まれます。
このような場合に直行直帰をすると、勤務時間に含まれ、残業手当の支給などが発生します。
労働時間に含まれない場合
直行直帰が労働時間に含まれないケースもあります。
それは「会社・上司からの指示がなかった」「移動時間に行動の束縛がない」場合です。
前者は、自己判断や同僚との相談によって直行直帰を行う、後者は移動時間で読書などが可能といったシチュエーションが該当します。
こうした場合、直行直帰であっても、通常の通勤・退勤と同じ扱いになり、労働時間に含まれません。
当然ですが、直行直帰中に喫茶店に入るなどの私用を行った場合も労働時間外となります。
指示があったかどうかがポイント
このように、この方式では「上からの指示があったかどうか」が、労働時間の算出において重要なポイントになります。
厚生労働省労働基準局の解釈でも、労働時間というのは、「使用者の指揮命令下に置かれている時間」を指すため、自己判断で直行直帰を行うケースでは、勤務時間に含まれないことになります。
しかし実際には、直行直帰について、どこまでを勤務時間に含めるのかは、企業によって対応や解釈が異なります。
こうした手法は近年増加したものであるため、勤務時間の算出方法も、まだまだ模索している状態なのです。
直行直帰の管理方法
通常の業務と違ってオフィスに立ち寄らない働き方である直行直帰。
タイムカードなどで労働時間の記録ができないため、通常の業務とは別に管理方法を考える必要があります。
ここでは、直行直帰の労働時間の管理方法をいくつか解説します。
労働時間の報告・スケジュールの共有
労働時間が不透明になってしまう直行直帰では、事前にスケジュールや仕事にかける時間を定めておく方法があります。
スケジュールの共有や、日報などでの労働時間の報告などを義務づけることで、勤務時間を把握しやすくなります。
届出書などの報告ルールを策定
一般的に「直行直帰届出書」と呼ばれる届出の提出を義務づける方法もあります。
届出には、直行直帰を行う理由や、その日のスケジュールなどを盛り込みます。
業務の管理のために、業務の開始と終了のタイミングでの連絡や事後報告を求めるなども効果的です。
いずれにせよ、この方式の採用には、運用のための報告ルールを策定しておく必要があります。
事業場外みなし労働時間制を適用する
労働基準法第38条に定められる「事業場外労働のみなし労働時間制」を適用するという方法もあります。
これは、労働者がオフィス外で労働をすることで、使用者の指揮監督が及ばず、労働時間の算出が困難な場合に適用されます。
この制度を適用することで、使用者は勤務時間の算定義務を負わず、あらかじめ定められた時間を勤務したものとしてみなすことになります。
しかし、制度の適用条件から外れるケースも多いため、この制度で対応できる場面は限定的です。
勤怠管理ツールの導入
通常の業務やアルバイトで使用される勤怠管理ツールを、直行直帰の労働時間を管理するのに使うやりかたもあります。
現在はさまざまな勤怠管理ツールが登場しており、外出先からも操作できるタイプも多いです。
GPS機能や打刻機能によって、直行直帰の管理が簡単になります。
現状、勤怠管理ツールの導入が、直行直帰の労働時間を把握する最良の方法と言われており、数多くの勤怠管理ツールが登場しています。
直行直帰の問題点
時間を効率的に使える、現代の働き方にも対応している直行直帰ですが、使用者の指揮監督が及ばないため、さまざまな問題点があります。
労働時間の算定が困難である点に加え、社員の行動が把握できない、常に不正の可能性がつきまとうなど、直行直帰の導入には、多くの課題があります。
ここでは、そうした直行直帰が抱える課題を詳しく確認していきましょう。
労働時間の算出が困難
ここまでも何度か触れましたが、直行直帰の一番の問題点は、やはり労働時間の算出が困難であるということです。
労働時間の把握に広く使われているのはタイムカードですが、この方式ではオフィスに行くことがないため、タイムカードは使えません。
出先から会社へ連絡を入れて、他の人にタイムカードを押してもらうという方法をとる企業もあります。
しかし、自己申告のため、労働時間の把握ができているかは不透明です。
「事業場外労働のみなし労働時間制」を適用するという方法もありますが、逐一指示を受けて行動する場合などはこの制度の対象外となるため、やはり問題は残ります。
時間を有効に使えるとは限らない
直行直帰は、時間の使い方が労働者個人にゆだねられるため、その人が時間を有効に使えているとは限りません。
これは、雇い主にとって大きな問題です。
自己管理ができる人であれば、直行直帰であってもしっかりと仕事をするでしょう。
ですが、そうでない人は、監督の行き届かないため、用した時間にみあった仕事をしないかもしれません。
直行直帰では、管理者にとって常にそうした不安が付きまといます。
こうしたケースを回避するためには、直行直帰をする際の行動についてのルールを作っておく必要があります。
出先から定期的に連絡をする、事後に報告書を作成するなど、縛りを設けておくことが有効です。
それでも、完全にコントロールできるわけではなく、あくまでも、一定の効果があるという程度です。
勤怠登録の不正
直行直帰の勤務時間の把握について、一般的には、出先から連絡を入れるか、日報などで事後報告をするかで勤怠管理を行っています。
どちらにしても自己申告による勤怠登録ですので、こうしたシステムには、どうしても不正がつきものです。
勤怠登録の不正は、直行直帰を実施する際の大きな課題となっています。
不正を無くすためには、これまでの勤怠登録システムを一新する必要があります。
自己申告のままだと、適用条件が限定的な
「事業場外労働のみなし労働時間制」
を導入するリスクを抱えることになってしまいます。
直行直帰の管理には「勤怠管理ツール」がおすすめ
ここまで見てきたように、直行直帰にはさまざまな課題があります。
そうした課題に対する、現状唯一の解決方法が「勤怠管理ツール」の導入です。
勤怠管理ツールは以前から存在しましたが、現在は、直行直帰にも対応できるようなツールが数多く登場しています。
直行直帰の勤怠管理に対応するために必要な機能として、モバイル対応、GPSなどによるリアルタイム把握があります。
スマートフォンアプリの勤怠管理ツールを導入すれば、社外でも打刻ができますし、顔認証機能などによって本人以外が打刻できないよう、不正対策のなされたツールも存在します。
そして、スマートフォンに内蔵されているGPSによって、操作した位置や社員の行動をリアルタイムで把握することが可能です。
このように、直行直帰を実施するのであれば、最新の勤怠管理ツールの導入が必須だといえます。
多くの勤怠管理ツールは、ユーザーあたりの月額料金のため、低コストでの導入・運用が可能な点も、勤怠管理ツールのメリットとなっています。
勤怠管理システムの導入はAMELAに
今回は、今の時代増えつつある「直行直帰」という働き方について見てきました。
現在、テレワークを始めとして
「時間と場所を問わない働き方」
は、急速に増えています。
更に、ネット上で取引が完結する事が可能になるなど、年々進化しています。
そんな中で、多種多様な働き方にあわせて、勤怠管理も変化していく必要があるでしょう。
今の御時世、タイムカードを利用している企業は減ってきているものの、まだ0ではありません。
ですが、勤怠管理システムを導入するだけで、人事の負担が減ったり、リアルタイムに社員の勤務状況を把握することができるなど、メリットも多いです。
「勤怠管理システムを入れて経費を削減したい」
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