システムエンジニアは女性でもできる?その実情と職場の選び方

女性の社会進出が進み、今や様々な分野で女性が活躍しています。

もちろんIT関連も例外ではなく、特にシステムエンジニアを目指す女性が急増しており、システムエンジニアのイメージが大きく変わりつつあります。

しかし、そのような時代の変化を受け入れる体制が、必ずしも全ての企業で整っているとは言いがたいのが現状です。

せっかくエンジニアとして働こうとしている女性が、職場の環境によってその力を発揮できずにいるのはとても残念なことですし、IT業界にとっても大きな損失でしょう。

そこで、女性を取り巻くシステムエンジニアの職場環境の実態や、女性が働きやすい職場について考えてみましょう。

システムエンジニアは女性でも働きやすい?

ずばり、システムエンジニアは女性でも働きやすいでしょうか?

システムエンジニアの職務内容は基本的に力を使うわけでもないですし、女性に向いていないところはなさそうですよね。

しかし、職務内容の向き不向きとは別のところに、働きにくさの原因が潜んでいることもあります。

基本的には職場による

実際のところ、女性が働きやすいかどうかは「職場による」、これが全てです。

システムエンジニアにおいて、女性だから出来る・出来ないということはなく、仕事の遂行という観点では男性と対等に立ち回れます。

男女の性格や脳科学的な差異はありますが、アイデア出しやデバッグ作業などでそのような違いを有する男性と女性が両方いることは大きなメリットにもなります。

ですので、職場環境が女性を受け入れられるのであれば、システムエンジニアとして働きたい女性はもちろん幸せですし、エンジニアチームとしても多様性が高まりメリットが得られ、誰にとっても良い結果に終わるはずです。

男性中心の気風が残る職場も

しかし、これまでシステムエンジニアの職場は男性がほとんどでしたので、女性に気を遣ったり思いやったりすることができない、あるいはその方法がわからない、などという職場が残念ながら少なくありません。

女性に対するセクハラ・パワハラが問題となっていますが、本人にとっては男性しかいない環境で通用した軽口を、職場に入ってきた女性に軽い気持ちで投げかけているだけのつもりであり、それが問題であるという意識が希薄です。

ですので、問題提起しても改善される見込みは薄く、逆に
「女が入ると面倒くさい」
などという扱いをされてしまいます。

このような男性中心の社会が形成されてしまっている職場はほぼ例外なく風通しも悪いため、男女平等に関する社会的要請があっても中々変わりません。

逆に、フットワークが軽い職場はすでに社会による要請を汲み取り、女性が働きやすい環境を作っているでしょう。

ですから、女性が働きやすいかどうかはすべて「職場による」の一言に集約されるのです。

女性の方が向いているケースも多々ある

とは言うものの、職場環境に関係なく、女性の方が男性よりも向いている場面というのは多々あります。

例えば、新サービスの企画立案。

ターゲット層が女性の場合、女性エンジニアの方がスムーズに設計が出来る可能性があります。

普段から女性が使っている仕組みなら、細かい仕様を詰める事に時間を割けますし、女性ならではの「利用者の目線」に立てることも大きいです。

他にも、女性の方が仕事が細やかで気が付く点やマーケティングに強い人が多いなど、自分の武器を活かすことで現場で活躍することは、難しいことではないでしょう。

女性システムエンジニアが働きやすい職場の見分け方

では、実際に入社する前に、女性システムエンジニアが働きやすい職場であるかどうかを外から見分けるにはどうすればいいのでしょうか?

女性が働きやすい環境と相関関係のあるいくつかの取り組みやサインがあり、これに着目することである程度推測することができます。

テレワーク化が進んでいる

まず、テレワークの導入が進んでいるかどうかのチェックは重要です。

テレワークはコロナ蔓延によって事業継続計画の対策として求められていますが、平時であっても自由な働き方のために重要な取り組みです。

テレワークが整備されていれば、例えば出産・育児期間に可能な範囲で仕事を行うことが可能です。

また、体調不良時にテレワークでの勤務が許されていれば、それも女性には心強いでしょう。

このようにテレワークが女性の働き方に有用でありますが、逆の視点から見ると女性への配慮があるからテレワークが導入されているということも期待できます。

すでに女性社員が多い

これは読んで字のごとくです。

単純に職場に女性が多ければ、それだけで女性が疎外感を受けることなく働けるためメリットですし、女性に必要な制度や取り組みが整備されていることも期待できるでしょう。

女性社員が多い職場も元から多かったわけではなく、女性にとって環境が良いことが評判として伝わった結果として女性社員が集まったということが多いです。

女性社員の多い職場はほぼ間違いなく女性社員の仕事に対する満足度も高く、信頼できる指標です。

SNS等の利用に積極的

近年では情報発信の一環としてSNSを活用する企業が増えています。

公式のtwitterアカウントが人気となり、企業の知名度や好感度が急上昇したという事例は、すでに一つや二つではありません。

このようなSNSやネットサービスの積極的な活用が見られる企業は、オープンな社風であることが多く、女性が働く環境の整備を期待させるものです。

また、前時代的な職場環境のままネットサービスの利用を推し進めていると、それらのネガティブな内容が流出し、多くのネットユーザーの知るところとなるでしょう。

全社的にネットサービスを活用しながら、特に女性参画についてネガティブなイメージが付いていない企業は、女性を尊重する環境を提供していると見ることができます。

女性管理職の割合にも注目!

一昔前であれば、「女性は結婚したら仕事を辞める」というのが、日本のスタンダードでした。

しかし、時代も変わって来ており、生涯現役でバリバリ働く女性も増えてきました。

そんな中で、「いかに女性が活躍できるのか」も仕事を決める際に重要な指標になってきます。

例えば、女性社員の人数は多いけど、
「結局管理職以上の役職に付けるのは男性だけ」
こんな職場もまだまだ多いことでしょう。

しかし、こういった風習は、本気で仕事をしていこうと考える女性からすると、非常に邪魔なものです。

だからこそ、その会社の女性管理職がどのくらい在籍しているのかにも注目しておきましょう。

男性に比べると、どうしても結婚して退職を希望する人も多いため、5:5になることは難しいでしょうが、少なくとも1割~2割程度の女性管理職がいる会社であれば、十分に活躍が見込めるのではないでしょうか?

環境の良い職場を見つけることが重要

このようなシグナルから、女性にとって環境の良い職場に当たりをつけることができます。

また、新しい取り組みを積極的に行う企業は、今後も女性に対する環境の改善に取り組み続けることが期待できますので、入社してから多少の問題があっても、都度問題が共有・改善されていくでしょう。

そのような職場を選ぶことは、長く安心して働くために最も重要な点といえます。

当然のことですが、新入社員として入社したとき、その会社内では最も勤続年数が短く影響力の小さい立場でいるわけです。

その立場で、職場環境に関する問題について提起したり改善を求めても、耳を傾けてもらうのは難しいでしょう。

ましてや、前時代的な環境であればなおさらです。

また、そのような環境で我慢しながら働いてもポテンシャルを発揮するのは難しく、キャリアを積むまでの足かけだと考えても効率の良いルートとは言えません。

最初からよりよい職場を選び、自分の持ち味を生かして働き、キャリアを積み上げていくことが重要です。

女性が働きやすい環境であることをアピールするには?

逆に、企業側が女性システムエンジニアに対して、働きやすい環境であることをアピールするにはどのような手段があるでしょうか。

求人などで自社アピールとして女性歓迎を謳ったり、心意気だけを表明しても、決して効果はありません。

口先だけでは何とでもいうことができ、実際に女性に対しての不平等がはびこる環境でも求人では女性を尊重する旨を表明していることは数多く例があるからです。

そのため、具体的に対策を取った上で、それを対外的にアピールする必要があります。

上で挙げたテレワークの推進は根本的な対策の一つであり、社員の育児出産への対応として非常に重要なものです。

また、女性に対する福利厚生を充実させた上で、ネットサービスを用いたアピールを行うことは、ポジティブイメージを効率的に拡散する上で大変有効です。

特にネット上では女性に対する環境に敏感であるため、ポジティブな情報にもネガティブな情報にも大きな関心と反響が起こります。

しかるべきことを行い効率的にアピールすることが、優秀な女性システムエンジニアを獲得するためには重要です。

他のIT職は女性エンジニアは働きやすいのか?

システムエンジニア以外のIT職において、女性の働く環境はどうなっているのでしょうか。

IT系というくくりでも、主にハードウェア系とソフトウェア系には大きな違いがあり、男女の不向きも存在します。

システムエンジニアに近しいネットワーク系のエンジニアについてまとめてみました。

インフラエンジニア・ネットワークエンジニア

インフラエンジニアやインフラ系のネットワークエンジニアは、ITエンジニアの中でも特に男性の割合が高めです。

最近では仮想化技術が突き詰められていて、VPN・Docker・クラウドが当たり前の時代ですので、生のインフラを直接触るような仕事はかなり少なくなっていますが、それでもレンタルサーバー業者やディープラーニングを行う研究所などに高性能サーバーを納入・設定するような仕事は依然として存在しています。

そのようなインフラの導入業務では、物理的に重いラックマウントサーバーなどを持ち上げてセッティングしなければならず、実は結構な肉体労働です。

そのため、男性であってもある程度の歳になると体力の衰えから一線を退く方が多く、ましてや女性にはかなりハードな仕事となるでしょう。

一方でクラウドがメインなどソフトウェア寄りのネットワークエンジニアはそのようなことがなく、一般的なシステムエンジニアと同じような環境であることが多いでしょう。

女性が働く環境としては、他のIT職種と比較しても、かなり厳しい物があると言えます。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアも職場によってはインフラエンジニアの色が強いことがあり、ラックマウントサーバーと一緒にハードウェアのファイヤーウォールを組み込んでくるような仕事をセキュリティエンジニアと呼んでいる場合があります。

そのような特殊な環境でなければ、セキュリティエンジニアはIT系の中で女性が多い方であり、働きやすい環境だといえるでしょう。

またセキュリティエンジニアはセキュリティの必要性をアピールするため、営業などを兼ねることが多いです。

そのような仕事では、むしろ男性よりも女性の方が優遇され、採用の面でも優位に立てるでしょう。

優秀な人材を育てたいならAMELAに

今回は、IT業界における女性エンジニアの働き方についてみてきました。

日本では、多くの会社で人材不足に悩まされていることと思いますが、その流れは今後も続くでしょう。

そんな中で、「社内で優秀なエンジニアを育てる」ということは、非常に重要です。

女性エンジニアは、まだまだ待遇が良くないケースが多く、今の段階からきちんと社内整備を行っておけば、5年後10年後に優秀なエンジニアを多数抱える企業になることは難しくないでしょう。

AMELAでは、優秀なIT人材の派遣なども行っています。

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