メタ認知とは?概要から身に付けるメリットを解説
ビジネスマンにはさまざまな能力が求められます。コミュニケーションスキルの高さや地頭の良さ、専門知識など、業務を効率よく進めていく上で必要になってくる要素は数多くです。 その中で最近注目されているスキルが「メタ認知」というもの。そこで今回は、メタ認知について概要からメタ認知スキルの鍛え方などを解説していきます。ぜひ参考にしてください。
メタ認知とは
メタ認知とは、自分の認知活動を客観的にみる、つまり、自身の認知(考えることや感じること、記憶や判断など)を分析することです。 自分自身を客観的に見ることで、メンタルのコントロールや冷静な判断をするなど、さまざまな分野に利用できるスキルとなっています。 メタ認知はアメリカの心理学者ジョン・H・フラベルが定義した用語で、以前は教育学や医療領域で使われていた言葉です。近年はビジネススキルの用語として使われることが多く、人材育成の場面で耳にすることが多いでしょう。
メタ認知が高い人の特徴
メタ認知が高い人には、以下のような特徴が見られます。どのような特徴があり、どのような効果を得ることができるのか知ることで、メタ認知の必要性を理解できるでしょう。
気配りができる
メタ認知の高い人は、周りに対しての配慮や気配りが得意です。相手がして欲しいことを先回りして行ったり、コミュニケーションの際、適切な距離を取るなど、人間関係を円滑に形成できる能力があります。 また、協調性も高くリーダー的な役割にも向いているでしょう。部下の考えていることをいち早く察知し、適切な行動ができるため、さまざまなビジネスシーンで活躍できます。
冷静な判断・対処ができる
メタ認知が高いと、自分を客観的に見ることができるため、常に冷静な判断を下すことができます。また、感情的にならず、その課題で必要な行動と施策を検討することができ、不用意なミスも少ないでしょう。 短期間で集中して作業をする集中力の高さも身に付いていることが多く、マルチタスク能力に優れた人材が多いです。
柔軟的な考え方を持っている
メタ認知の高い人は、ミスが起きた際でも焦らず対処できる人が多いです。まずはミスが起きた原因を分析し、再発防止をするためには何が必要か直ぐに考えます。 また、起きてしまったミスは学びとして次の仕事に活かす工夫をするような柔軟性を持っています。 ミスが起きた時だけでなく、業務環境が変わった時(取引先の変更や上司の引継ぎなど)でも、現状を客観的にみて何をすべきか判断できる特徴があります。
ポジティブ思考の人が多い
メタ認知の高い人は、仕事に対して明確なビジョンを持っていたり、自分の将来設計を見据えている人が多く、仕事に対しての意欲が高い人が多いです。 また、前向きな考え方ができるため、企業を良くするために数多くのアイデアを出したり、生産性向上に向けた施策の検討など、企業に対してさまざまな成果をもたらす可能性が高いでしょう。
メタ認知のトレーニング方法
ここまでで、メタ認知の必要性が理解できたと思います。以下では、メタ認知を鍛えるためのトレーニング方法をご紹介します。
セルフモニタリング
セルフモニタリングとは、自身が行っていた行動や考え方を分析し、課題点や問題点を見つける方法です。無意識に行っている行動の中に、自身の欠点が現れることがあります。 まずは自分の弱いところや欠点を見つけて、意識して変えていけるようセルフモニタリングを実施していきましょう。
セルフモニタリングの具体例
セルフモニタリングを実施する際は、1日の行動をメモすることが大切です。メモに記載した行動を見て、自分が無意識にしていたことを発見し、課題点と感じたなら克服するためのアクションを行います。 たとえば、「タスクの優先順位を見誤ることがある」といった課題を見つけた場合、1日の行動を振り返ります。もしかしたら「仕事を振られた時、すぐにメモをしていない」「マルチタスクになると効率が下がる」など、いくつか原因が見つかるかもしれません。 上記の場合は、「仕事の依頼が来たらメモする癖を付ける」「対処できるタスクを直ぐに行い、マルチタスクにならないようにする」といった意識の改善で解決できるでしょう。 このように、小さいことでいいので、セルフモニタリングの結果から見つけた課題をコントロールし、少しずつメタ認知の能力を鍛えていきましょう。
セルフモニタリングのコツ
セルフモニタリングを上手に実施するコツは、現状を可視化(図や文章に落とし込む)することが大切です。直感的に把握できるようにすることで、自分の行動パターンや癖を知ることができ、課題点の発見や解決に繋げることができます。
メタ認知はビジネスマンに必須の能力
この記事では、メタ認知について概要などを解説しました。 自分の状況を客観的に見ることで、その時に最適な判断をだすことや、相手との適切な距離感を取るなど、さまざまな場面で役立つ能力です。 意識して鍛えることで身に付けられるため、興味のある方はぜひこの記事を参考にして身に付けてください。今は多種多様な書籍も多く出版されているので、自分にあったトレーニング方法を実践しましょう。