ブリッジSEに必要な外国語は?英語・中国語のメリット、学習方法について解説

オフショア開発は、現在非常に人気のある開発方法です。 インターネットが発達し、今やテレビ会議システムを利用すれば、海外の人材であってもスムーズに参画が可能になりました。 しかし、日本国内の人材を活用するのと海外の人材を活用するのでは 「コミュニケーション」 という点で大きな問題も抱えています。 一般的に、オフショア開発の是非は海外の人材と日本企業との間に「ブリッジSE」が入ります。 そのため、オフショア開発におけるコミュニケーションの問題を解決するために、ブリッジSEは語学力が求められます。 では、これからオフショア開発を手掛けていきたいと考えた場合に、ブリッジSEとしては、どの外国語を習得すべきで、具体的なメリットや学習方法はどうなのでしょうか? 今回はオフショア開発で使用頻度の多い英語、中国語にフォーカスして紹介していきます。

オフショア開発の現状と言語の壁

オフショア開発の現状と言語の壁

オフショア開発の現状と言語の壁 今まで日本では自社内で全てのシステム開発を担う 「オンショア開発」 が主流でしたが、現在はシステム開発を海外に委託する 「オフショア開発」 が進んでいます。 オフショア開発には人件費削減や優秀なITエンジニアの確保、新規ビジネスの創出など様々なメリットがあり、企業規模に関わらず多くの会社で取り組まれているのです。 特に、日本は世界的に見ても、能力開発に企業が出す費用が圧倒的に少ないと言われています。 勤勉さはもちろん日本人の武器かもしれませんが、積極的に能力開発に費用を投じる海外企業には、それだけ多くの魅力的な人材が揃っています。 一方で、大きな問題の一つとなるが 「コミュニケーション」 です。 円滑なプロジェクトの進行は、円滑なコミュニケーションから生まれます。 日本とオフショア先の架け橋となるブリッジSEには語学力や異国文化への理解などのスキルが求められるのです。

日本のシステム開発における海外委託国

オフショア開発.comの発行している 「オフショア開発白書(2021年版)」 によると、日本がオフショア開発でシステム開発委託している海外国のランキングは ・1位ベトナム(52%) ・2位フィリピン(12%) ・3位インド(10%) という結果です。 主要国がいずれもアジア圏中心である理由として、人件費が安い点や地理的に近くタイムリーなコミュニケーションが取れるといったことが挙げられています。 極端な話、もしも標準時刻が12時間ずれている国の人材と打ち合わせをしようと思ったら、業務時間内に連絡を取るのが難しくなるからです。 中でもベトナムは、他国に比べ人件費が安いこと、優秀なITエンジニアが多いこと、親日であり真面目な人柄などがメリットとして挙げられており、52%という圧倒的な人気を誇ります。

外国人の日本語習得の現状

オフショア開発において最大の懸念事項となるのはコミュニケーションの問題です。 オフショア先とのコミュニケーションが上手くいかないと、システム開発に遅延が生まれたり、認識の違いから意図しないものが開発されたりと、様々な問題が起こります。 そこで、外国人の日本語習得状況から海外人材の採用目安についてみていきましょう。 企業が日本語習得状況を確認する際、指標とする一つの資格として日本語能力試験(JLPT)が挙げられます。 この試験は日本語を母国語としない人を対象に、日本語能力を測定し認定することを目的とした試験です。 N5~N1のレベルがあり数字が小さくなる程難しく、中間のN3の目安は「日常会話程度の日本語」レベルとされています。 日本語能力試験結果の2020年12月のデータを見ると、海外受験者188,500人の資格認定率が47.9%で、取得者のレベル別割合は N5:11.8% N4:12.5% N3:22.8% N2:32.8% N1:20.1% です。 N3~N1の取得者で合計75.8%を超えていますので、受験者数から換算すると 188,500 × 47.9% × 75.8% = 約68,441人 が日常会話以上の日本語を話すことができる計算になります。 実際にオフショア先で日本語の話せるブリッジSEは、入社1年以内にN3の習得を必須としたり、リーダーやマネージャーを担う場合はN1以上を条件としている企業もあります。

ブリッジSEに必要な語学力

ブリッジSEに必要な語学力

ブリッジSEに必要な語学力 ブリッジSEには語学力とシステム開発にあたる技術的なスキルの両方が求められます。 語学力について、オフショア先の日本語を話せるブリッジSEを採用するケースもありますが、委託元からブリッジSEを起用する場合は相応レベルの外国語の活用が必須です。 外国語を駆使し設計書の翻訳などに加え、仕事スタイルなどを把握するために現地メンバーと良好なコミュニケーションを取ることが求められます。 そこで今回はブリッジSEに必要とされ、オフショア開発の現場で使用されることの多い英語と中国語についてみていきます。

英語

ブリッジSEが英語を使用するメリット、必要なレベルについてみていきます。

英語を使用するメリット

1,仕事の幅を広げることができる オフショア先として人気の国々では英語を公用語・準公用語としているケースが多く、例えばベトナムでは小学校3年生から英語を義務教育科目としています。 そのため企業に英語を話せるブリッジSEがいれば、オフショア先のエンジニアの日本語習得状況に関わらず、優秀なエンジニアとやりとりをすることができます。 実際に企業の求人案件では、英語スキルを必須としているケースも多いです。 またブリッジSEの仕事は設計書の翻訳だけでなく時にはオフショア先との交渉などを担うこともありますので、英語スキルを習得しておくことは仕事の幅を広げることに繋がると言えるでしょう。 2,優秀なエンジニアの確保 ベトナム、フィリピンなどオフショア先として選ばれる東南アジア諸国ではIT教育が盛んに行われており、日本のエンジニアよりも優秀な人材が多くいます。 経済産業省のIT人材のスキル標準レベルを測った調査によると、国別ランキングで 1位アメリカ 2位インド 3位中国 なのに対し、日本は7位という結果です。 オフショア先として一番人気のベトナムも5位で、やはり日本よりも優れたIT技術を持つ人材が多いことが伺えます。 以上のことから、ブリッジSEは英語でスムーズなコミュニケーションを取ることができ、結果として現地の優秀なエンジニアを確保することに繋がるのです。 3,品質の向上に繋がる 世の中のIT技術に関する情報は、日本語よりも英語で書かれたものの方が多く、英語で書かれた文献の中には質の高いものも数多く存在します。 例えばGoogle検索で「Javascript 基礎」と検索した場合の検索結果は7,300万件であるのに対し、「Javascript basics」と調べた場合の検索結果は3億6000万件とその差は約5倍にも及ぶのです。 当然ですが、世界で見た場合、日本語を扱う人口よりも英語を扱う人口の方が圧倒的に多く、情報量そのものが違うのです。 そのため知識収集やシステム構築の方法を調べる際も、英語を習得していれば質とスピード両方を上げることができます。 開発経験がある人ならわかると思いますが、基本的に開発中にエラーは英語で出てきます。 そのエラー内容をそのままGoogleで検索する事も多いですが、自分の状況と同じような環境でのエラーでなければ、あまり参考にならないケースも多いです。 そのため、検索結果が多いというだけでも、バグ修正が完了するまでの時間が短くなると考えられます。 この様に、オフショア先のエンジニアも英語でIT技術に関する学習をしているケースが多く、諸々のやりとりを英語で行うことができれば理解を得られやすいでしょう。 英語でスムーズなコミュニケーションを行うことが、結果として工数削減や品質の向上に繋がるのです。

必要な英語レベル

では、どの程度の英語レベルが必要なのでしょうか。 ブリッジSEの最大のミッションはシステム開発に関する翻訳やプロジェクトマネジメントなど、オフショア先とのコミュニケーションの橋渡しです。 そのため非常に高い英語スキルを求められるというよりは、あくまで会話に支障が生じないレベルで英語を使用できれば良い場合が多く、最低限TOEICスコアで500~600点程度の日常会話に困らないレベルが求められます。 但し、システム開発に携わる以上、現地のエンジニアにも理解してもらえるようなシステム開発にフォーカスした表現力も必要でしょう。 またオフショア先は日本とは仕事に対する考え方や生活リズムも異なるため、現地の文化に対する理解力も重視されるスキルとなります。

学習方法

一般的にはTOEICなどの資格試験の学習が有効です。 TOEIC試験にも種類があり、TOEIC Listening & Reading Testでは聞く・読むスキルを測ることができ、TOEIC Speaking Testでは話すスキルに特化して測ることができます。 ちなみ最も受験者数が多く一般的なのは、TOEIC Listening & Reading Testです。 TOEICが企業の就職条件の基準にされることが多いのは、実用的なビジネス英語力を測ることができるためと言われています。 そのためTOEICの学習はブリッジSEがビジネス現場における英語力を養う上で適しており、かつ自身の英語力の証明にも繋がるのです。 またシステム設計書の翻訳は、例えば「consist of 〜(~から設計される)」などある程度言い回しがパターン化されているため、頻出の技術的な表現を学んでおくことも有効でしょう。

中国語

続いて中国語を使用するメリット、必要なレベルについてみていきます。

中国語を使用するメリット

1, 優秀なエンジニアの確保 英語を習得するメリットと同様、中国語を習得することも優秀なエンジニアの確保に繋げる事ができるでしょう。 先述の経済産業省の調査にて中国のIT技術力は世界3位であり、上海や深センなどの都市はシリコンバレーと並ぶイノベーションの拠点とまで言われるほどです。 また中国語は世界一多くの人に話されている言語で、オフショア先として代表される東南アジア各国でも中国語を話せる地域は少なくありません。 そのため中国語を習得することで、多くの優秀なエンジニアとコミュニケーションを図ることができ、優秀な人材の確保を図ることができるのです。 2,地理的なメリットを受けられる 中国にシステム開発を依頼する場合、プロジェクトをリアルタイムで進められるメリットがあります。 日本と中国の時差は1時間程度であり、移動時間も東京からであれば片道3時間程度であるため、他国に比べトラブルが生じた場合の緊急時などは柔軟に対応することができるでしょう。 中国語を習得することで、リアルタイムで稼働できる中国をオフショア先とする選択肢を増やすことができます。

必要な中国語レベル

日常会話レベルであれば、中国語検定で3~2級程度のスキルが必要です。 中国のSEには留学や企業などで、日本で実績を積んだ人が多いため、現地のエンジニアが日本語を使用できるケースもあります。 そのため高度な中国語でのコミュニケーションを求められるケースは少ないですが、日常会話レベルで会話できるようになれば、現地メンバーからの親近感も得られ、より良好なコミュニケーションを取れるようになるでしょう。

学習方法

中国語検定など資格の勉強が有効です。 中国語検定2級ではリスニング、ライティングの試験が実施され、共に7割以上得点できれば合格となります。 中国語検定2級に求められる語彙数は3,000~6,000文字程度と言われており、相応の勉強が必要になりますが、取得した際には日常会話は十分にできるレベルとなり、就職活動においても大きなアピール材料となるでしょう。

その他の言語

英語・中国語以外の言語としては、オフショア先として人気な国の母国語であるベトナム語やヒンドゥー語が挙げられます。 語学の習得は簡単ではないですが、習得することで現地エンジニアと直接良好なコミュニケーションが取ることができ、ブリッジSEとしての活躍の場を拡げることができるでしょう。 そのためブリッジSEとしてのキャリア向上を図る上でも、語学力の習得は有効と言えます。

ハイレベルなオフショア開発ならAMELAに

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ハイレベルなオフショア開発ならAMELAに 今回は、ブリッジSEにおける「語学力」という点にフォーカスを充ててきました。 時代が急激に変化する現代、日本企業のほとんどがシステムの導入を検討するべきだと考えています。 しかし、企業によっては資金力が無いため、システムの導入が後回しになっている現状も多く見てきています。 このままシステム導入が後回しになってしまえば、どんどんと同業他社においていかれる事も考えられるでしょう。 そのため、オフショア開発という比較的安価で高品質のシステム開発を導入して見ませんか? AMELAでは、過去多数のシステム開発経験があり、お客様からも非常に高い評価を頂いております。 ITコンサルタントも在籍しているため、自社にIT人材が居ない企業様でも、必要なシステムや必要な運用方法など細かくご提案が可能になっています。