ミドルウェアとソフトウェアって何が違うの?ミドルウェアの役割と種類を徹底解説!

IT業界に関わっていると、様々な専門用語を聞く機会もあるかと思います。 そんな専門用語の中で、「ミドルウェア」という言葉は、特に開発系であれば頻繁に聞く言葉なのではないでしょうか。 似たような言葉として「ソフトウェア」といった単語も併せてよく聞く言葉です。 では、それらの違いとは一体何なのでしょうか? ここでは、ミドルウェアとソフトウェアとの違いを説明したうえで、ミドルウェアにはどのような種類のものがあるのか、解説していきます。

ミドルウェアとは何か

ミドルウェアとは何か

ミドルウェアとは何か それでは、ミドルウェアとは一体どのようなものなのでしょうか? ここではミドルウェアが「アプリケーションソフトウェア」とどう違うのか、そしてミドルウェアが担っている役割についてご紹介します。

ミドルウェアはソフトウェアの一種

結論から言ってしまえば、「ミドルウェア」は「ソフトウェア」の一種です。 では、ミドルウェアを含むソフトウェアとは、そもそもどのようなものなのでしょうか。 パソコン本体のような物理的な機械を指すハードウェアとは異なり、ソフトウェアはそのハードウェアの上で、なんらかの処理を行うプログラムを指します。 一般的に「ソフトウェア」と言う場合には、テキストエディタのような、特定の作業を行うことを目的として作られた 「アプリケーションソフトウェア」 のことを指すことが多いです。 ソフトウェアの中には、そのようなアプリケーションソフトウェアの他に、ハードウェアの管理などを行うOS(オペレーティングシステム)に代表される、「システムソフトウェア」や、今回のテーマである「ミドルウェア」が含まれています。

OSとアプリケーションソフトウェアの中間にある

それでは、そんなミドルウェアはシステムの中で、どのような立ち位置にあるのでしょうか。 その名前が表しているように「ミドルウェア(middle ware)」は、「中間(middle)」にあります。 ミドルウェアは、先ほどご紹介した「OS」と「アプリケーションソフトウェア」という二種類のソフトウェアの中間に位置しています。 OSとは、パソコンでおなじみの「Windows」や「macOS」、スマートフォンであれば「Android」や「iOS」のように、ハードウェアとしての物理的な機械(パソコン本体やスマートフォン本体)を管理するソフトウェアのことです。 それに対してアプリケーションソフトウェアは、特定の作業に特化した処理を行うプログラムのことでした。 単純に言ってしまえば、 ハードウェア ⇔ OS ⇔ ミドルウェア ⇔ アプリケーションソフトウェア という関係になっています。

ミドルウェアの役割とは

ミドルウェアの役割とは

ミドルウェアの役割とは それでは、そんなミドルウェアはどのような役割を担っているのでしょうか。 OSは、コンピュータの基本的な管理しか行うことができません。 それに対して、アプリケーションソフトウェアはある特定の作業のための処理に特化したプログラムなので、汎用性はありません。 基本的な機能しか持たないOSと、汎用性のないアプリケーションソフトウェアという、機能が異なる二つのソフトウェアの間で、両者を取り持つものが必要になるのです。 ミドルウェアは一般的に、 「アプリケーションソフトウェアの、共通処理部分」 をサポートします。 異なるアプリケーションソフトウェアでも、共通の機能を使う場合があるからです。 例えば、データベースなどがその「共通の機能」にあたります。 同じデータベースを使うソフトが二つあった時に、二つのソフトのそれぞれにデータベースを利用するためのプログラムを組み込むのは、非効率的です。 そこで、データベースを管理するシステムを導入して、二つのアプリケーションソフトウェアが、共通してこのシステムを利用するような仕組みにすれば、こうした非効率さが軽減されます。 このような機能を持つデータベース管理システム(DBMS)が、ミドルウェアの典型的な例になります。 ミドルウェアは、アプリケーションソフトウェアほど特化し過ぎているわけでも、OSほど基本的すぎるわけでもないため、両者の間にいることができるのです。

ミドルウェアの種類と例

ここまで、ミドルウェアの概要と、その基本的な役割について解説してきました。 それでは、ミドルウェアには具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。 例を挙げると、 ・Webサーバー ・アプリケーションサーバー ・データベースサーバー ・トランザクションモニター ・EAI など、様々なものがあります。 ここではまず、基本的な三種類のミドルウェアである、Webサーバー、アプリケーションサーバー、データベースサーバーについてご紹介します。 そして、そうしたサーバーを用いたWebシステムの運用に際して用いられる「運用ミドルウェア」と呼ばれるものについてご紹介します。

Webサーバー

Webサーバーは、クライアントからのリクエストに応じて、適切なコンテンツをクライアントに返す(レスポンスする)サーバーです。 コンテンツの中には、「静的コンテンツ」と「動的コンテンツ」があります。 前者はいつ誰が見ても同じものが表示されるコンテンツのことです。 このコンテンツは、特別な処理を行う必要がないため、Webサーバー自身が内部に持っておき、必要な時にクライアントに提供します。 対して後者は、見る人や時間等によって表示内容が異なるコンテンツを指します。 ある時点での口座残高などを参照したい場合、人によって、また見る時によって表示内容は大きく異なりますよね。 こうした動的コンテンツはなんらかの処理を必要とするため、Webサーバーはアプリケーションサーバーに処理を頼み、処理の結果として返ってきたものをクライアントに提供します。 代表的なWebサーバーとしては、「Apache HTTP Server」が挙げられます。 オープンソースソフトウェアであるApacheのWebサーバーは、世界中で利用されているミドルウェアで、Webサーバーとしては30~40%のシェアを誇っています。

アプリケーションサーバー

アプリケーションサーバーは、先ほどご紹介したWebサーバーからのリクエストを受けて処理を実行し、その処理の結果をWebサーバーに返します。 Webアプリケーションの処理の中核を担うサーバーということになります。 使われるアプリケーションサーバーは、アプリケーションに使用されているプログラミング言語によって異なります。 Javaで使われるアプリケーションサーバーの例としては、「Apache Tomcat」が、Ruby on Railsで使われるアプリケーションサーバーとしては「Unicorn」などが挙げられます。 特に「Apache Tomcat」は、本来は、Javaサーブレットを動かすのに使われるサーブレットコンテナと呼ばれるものですが、Webサーバーとしての機能も有しており、多くのWebアプリケーションで利用されています。

データベースサーバー

Webサーバーだけでは提供しきれない動的コンテンツの生成を行うアプリケーションサーバーですが、アプリケーションサーバーだけでは処理しきれない場合もあります。 それは、データベースにアクセスする必要がある場合です。 例えば、「1+3=」というリクエストがクライアントからWebサーバーに送信されたとします。 このリクエストに対してレスポンスを返すには、「計算」という処理を行う必要があるため、Webサーバーはアプリケーションサーバーに処理を依頼します。 アプリケーションサーバーは計算を行い「4」というレスポンスをWebサーバーへ、そしてWebサーバーはそのレスポンスをクライアントに返します。 しかし、「Aさんの口座から10万円引き落として、Bさんの口座に入金して」というリクエストが来た場合、アプリケーションサーバーも処理を完遂することはできません。 AさんとBさんの口座情報にアクセスする必要があるからです。 こうした情報は、データベースに保存されているため、アプリケーションサーバーはここにアクセスします。 データベースサーバーは、データベース管理システム(DBMS)が稼働しているサーバーを指し、DBMSを用いてストレージに保存されているデータを管理、操作します。 代表的なデータベースとしては、「Oracle Database」などが挙げられます。 現在のシステムでは、ほとんどのシステムでデータベースが利用されています。 例えば、ネットショップでは ・商品情報 ・ユーザー情報 ・注文履歴 などをデータベースで管理しています。

運用ミドルウェア

ここまで紹介したミドルウェアとは異なり、OSとアプリケーションとの間で機能しながら、それ自体が一つのアプリケーションとして機能しているミドルウェアも存在します。 それが「運用ミドルウェア」と呼ばれるものです。 「運用ミドルウェア」は、システム上のアプリケーションの共通処理を受け持つのではなく、システムそのものを確実に、そして円滑に動かすためのソフトウェアです。 運用ミドルウェアとして利用されることが多い機能としては ・システム/データのバックアップ →定期的なバックアップを保管し、万が一のトラブル時に特定の日時の状態に復旧する事ができる。 ・システムの監視 →Aという処理を毎日自動的に実行し、そのログや成功/失敗を表示する。 ・ジョブ運用の効率化 →定期的なシステムの再起動など。 などが挙げられます。 その他に、システムへの障害の発生をいち早く発見するために監視したり、障害が発生してもシステムそのものが止まらないようにサーバーを冗長化することも、運用ミドルウェアの役割になります。

システムの運用相談ならAMELAに

システムの運用相談ならAMELAに

システムの運用相談ならAMELAに 今回は、ミドルウェアについてお話してきました。 ミドルウェアと一言で言っても、その内容は様々です。 技術革新の早い現代では、ミドルウェアの種類も機能も多様化してきており、 「どのように社内システムを管理するのか」 が大きな課題となっている企業も多いです。 もしも現在、社内のシステム運用にお困りでしたら、是非一度AMELAに相談してみませんか? ITコンサルティングを行っているため、様々な視点からのご提案が出来ます。 例えば、BCP対策。 BCP対策とは、万が一のトラブルが起こった際に、被害を最小限にし、ビジネスの継続性を高める事を目的にした対策になります。 単なる「操作ミス」や「システムエラー」だけではなく、自然災害なども視野に入れた対策が必要になります。 しかし、このBCP対策という言葉だけが先行してしまい、そもそもの社内の仕組みが整理されていないケースもあるでしょう。 そういったケースでは、一般的なBCP対策よりも先に、社内システムをクラウドサービスに置き換えたり、社内システムをマイクロサービス化するなどの対策の方が有効だったりします。 ですが、そういった判断を行うのは容易ではありません。 社内にIT人材が少ない企業ほど、この判断を間違ってしまう可能性があります。 ですので、是非一度AMELAに相談を頂きたいと思っています。