ネットショップは必須?ネットショップ開設のメリット・デメリット
今の時代、ネットでの買い物は普通に行われています。 元々、クレジットカード情報を入力するのが怖かった・・・という世代も、スマホ決済の導入を機にネットショップでの買い物をスタートしたという人も多いのではないでしょうか。 今は、ネットで買えない物がないと言っても過言では有りません。 どのような商品も簡単に検索して、簡単に購入できて、すぐに家に届く。 「ネットで商品購入が当たり前の時代に、ネットショップを作っていない企業は危険?」 そう感じている人も多いのではないでしょうか。 今回は、そんなネットショップ市場についてお話していきたいと思います。
今の時代ネットショップの開設は必須なのか?
今の時代ネットショップの開設は必須なのか? そもそも、ネットショップの開設自体は必須なのでしょうか。 個人的な意見にはなりますが、 「高額商品や体感型のサービス以外はネットショップが必須」 だと考えています。 例えば、家や車といった高額商品は、モデルルームやショールームに行って実際に商品を体感しなければ、中々購入は難しいでしょう。 そういった商品の場合には、現状はネットショップ自体は必要ないでしょう。 将来的に更に技術が発達した際に、家でもリアルにVRのような形で体感が出来る・・・などの技術的進歩や商品化が進めば、そういった高額商品もネットショップを作る理由が出来るかもしれませんが、現状は必要ないでしょう。 また、マッサージなどの実際に自分が受ける必要のあるサービスは、どうしてもネットでの販売が難しいです。 自宅に派遣されてサービスを行うような場合には有効ですが、店舗型のサービスには不向きであると考えられます。 それ以外の商品・サービスを扱っているビジネスでは、必ずと言って良いほど、ネットショップが重要な役割を果たすと考えられます。
ネットショップの種類とそれぞれの特徴
ネットショップの種類とそれぞれの特徴 ネットショップには、大きく分けて2種類の開設方法があります。 1つは、楽天市場やアマゾンといったモールへの出店です。 そしてもう1つが自社でネットショップを立ち上げる形の開設方法です。 それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
モールでの出店
楽天市場やアマゾンは、その会社自体が物を販売しているわけではなく(アマゾンは一部商品は自社で仕入れ・販売を行っています)、ショッピングモール自体の管理が主な業務となります。 実店舗で言うと百貨店やショッピングモールの建物を運営している会社ということになります。 そのため、出店する場合にはそれぞれのモールに対して、手数料を支払って販売を行います。 費用は、 ・月額費用 ・初期費用 ・売上に対しての手数料 ・広告費用 などがあります。 手数料は販売する商品ジャンルによっても異なりますが、10%~20%程度が相場です。 手数料としては高く感じるかもしれませんが、代わりに楽天市場やアマゾン自体に集客力があるため、スタートアップ企業だったとしても、月に数百万円の売上を作るのは、難しく有りません。 モールによっては、出店自体に審査が必要な場合もあります。 反対に、出店数を増やしたいと考えているモールからであれば、ホームページ経由で出店の依頼とともに、キャンペーン価格での出店を提案される場合もあります。
自社ECサイト
自社ECサイトは、前述のようなショッピングモールに出店するのではなく、ホームページ等と同様に、WEBサーバーを用意して、その中にネットショップのシステムを作る・・・という形になります。 最近は、ショッピファイやECCUBEといったネットショップを簡単に作れるオープンソースソフトウェアがありますので、ある程度プログラムの出来る人であれば、開設自体のハードルはそこまで高く有りません。 費用が安く、開設のハードルは高くないものの、ショッピングモールとの違いは、 「集客を自分で行う必要がある」 という点です。 試しに、何かしらの商品名でグーグル検索を行ってみてください。 多くの商品では、アマゾンや楽天市場が検索結果の上位に来るのではないでしょうか。 それだけ、ショッピングモールからの集客力は強い事を意味しています。 更に、キーワードによってはモール自体が広告費用を出して集客している場合もあります。 例えば、 ・クリスマスプレゼント ・お中元 ・お歳暮 などは、その時期になると必ずと言って良いほど広告を出しています。 これらの広告費用を自社で出して集客するのは非常に難しいため、 「手数料は高いけどモールを使うか」 「集客は難しいけど自社ECを作るか」 という2つの選択肢で迷う人も多いでしょう。
ネットショップ開設のメリット
ネットショップ開設のメリット では、ネットショップを開設すること自体にはどのようなメリットがあるでしょうか。
全世界が顧客ターゲットに
最も大きなメリットとしては、顧客ターゲットが拡がることでしょう。 ネットを使った販売を行っていない場合、実際に店舗に来れるのは、近隣数キロ程度のお客さんでしょう。 しかし、ネットを使えば、日本を超えて世界中から注文を受けることも可能です。 ちなみに、楽天市場とアマゾンの利用者数は2020年4月時点で5000万人を超えているという数字が出ています。 つまり、日本人の半分近くがターゲットになるわけですから、非常に大きなメリットと言えるでしょう。
認知度の向上
ネットショップを活用することで、会社自体の認知度を向上させることが出来ます。 例えば、多くのモールでは 「売れている商品ランキング」 のような物があります。 アマゾンでは、各ジャンルごとに上位100商品が表示されていますし、楽天市場にはリアルタイムランキングや年間ランキングがあります。 もしも商品自体が良かったり、売り方が上手ければ、こういったランキングの上位に入ってくる可能性があり、認知度の向上を狙えます。
ネット上でのシェアも狙える
ネットショップの商品ページをSNSなどでシェアする。 これは、特に若い世代では日常的に行われています。 そのため、話題性のある商品や品質の高い商品であれば、シェアは十分に狙えます。 心理学的にも、シェアをする人は 「良い商品を、自分が他人よりも早く見つけて教えてあげる」 ということに対する優越感があるなど、様々な研究結果があり、その点でもネット上で購入・シェアが出来るというのは非常に大きなメリットです。 また、楽天市場・アマゾン共に、「アフィリエイト」と呼ばれるビジネスを展開しています。 このアフィリエイトは、ブログやホームページに商品ページへのリンクを用意し、そのリンク経由で商品が購入された場合、ブログやホームページの持ち主に広告料を支払うというビジネスです。 ブログやホームページを個人で作っている人も多く、人気の副業の1つです。 これらによって、ネットでのシェアの可能性が高くなるのもネットショップを利用するメリットでしょう。
最小スペースで売上を作れる
ネットショップは、実店舗とは違う点として 「販売スペースが必要ない」 ということです。 例えば、倉庫のような場所だけを借りて、そこから出荷だけを行う・・・といったビジネスも可能です。 その場合、土地代の安い所に倉庫を借りれば、経費も少なくなりますし、小さいスペースに商品を可能な限り保管しておくだけで良いので ・ディスプレイするための什器 ・販売員 ・店のインテリア ・レジ機 などにお金を支払う必要がありません。 また、アマゾンにはFBAというアマゾンの倉庫から商品出荷を行ってもらう仕組みがあります。 FBAを利用する場合、手数料は必要になりますが、 ・商品の梱包 ・商品の発送 をアマゾン自身が行ってくれます。 倉庫に常に商品が置かれる状態ですので、気温や湿度で大きく状態が変わってしまうような商品には向きませんが、通常の商品であれば、非常に簡単に在庫管理や発送業務が可能になります。
リピート施策を行いやすい
ネットで購入する場合、メルマガの登録も同時に行うことが多いです。 加えて、商品の購入履歴や商品の閲覧履歴など、簡単に見れる仕組みが整っています。 これらの機能を使うことで、店舗での販売などに比べて非常に簡単にリピート施策を行いやすいというメリットがあります。 ビジネスでは 「新規顧客よりもリピート客を集客するコストの方が安い」 という話が度々されます。 一度購入した店舗に関しては、すでにユーザーに信頼されているため、購入に対するハードルが低くなるのです。 そのため、リピーターを作るためにもネットショップは非常に重要です。
ネットショップ開設のデメリット
ネットショップ開設のデメリット では、反対にネットショップを開設することのデメリットはあるのでしょうか。
管理者が必要
ネットショップは、 「ちょっと片手間で出来る仕事」 では有りません。 商品撮影や商品ページの作成・店舗ページの作成、注文処理や発送処理など、様々な業務があります。 その全てを外注することも可能ですが、費用を考えると最初は自社で整えるのが理想です。 そのため、管理者を置く必要があるでしょう。 商品の種類によっては、お客さんからの問い合わせ対応が多い可能性もありますので、複数人で運営する場合には、ある程度役割を分担しておくのが良いでしょう。
梱包材費用・配送料のの増加
ネットショップには、どうしても配送が必要になります。 そのため、梱包費や配送料が増えるというデメリットがあります。 配送料を出来るだけ抑えるためには、出来るだけ小さくて軽い梱包が必要になります。 そのため、商品のサイズごとにいくつかのダンボールを用意したり、できるだけ体積の多い緩衝材を使う必要があるなど、工夫の必要があります。 それに伴って、これらの梱包材を保管しておくスペースも必要になります。 また、最近は「送料無料」で当たり前・・・という風潮も強くなっており、送料が判断基準になるケースも多いです。 しかし、送料を無料にしてしまうと利益が残らない・・・という商品も出てくるため 「5000円以上で送料無料」 「期間限定で送料無料」 や、送料無料商品とそうでない商品にわかるなどの工夫が必要です。
顧客トラブルの可能性
ネットショップが難しい点としては 「実際に商品を見ていない」 という事です。 そのため、顧客トラブルが起きやすいのもネットショップの特徴と言えるでしょう。 特に多いのは、「色」に関するトラブルではないかと思います。 商品を売ろうと思うと、写真の重要性が高いです。 きれいな写真であれば、欲しくなる人も多いため、プロのカメラマンに撮ってもらったり、画像の加工をすることがよくあります。 そのため、実物よりも少し鮮やかな色に加工したり、ジュエリーやアクセサリーは光を足したりします。 その結果、ユーザーの期待値が上がってしまい、クレームになるというのはよくある話です。 また、商品の色は、画面の明るさや使っている端末によって微妙な差が出てきます。 商品写真自体のライトの強さやライトの色によっても異なるなど、完璧な商品状態をユーザーに届けるのは非常に困難です。 そのため、顧客トラブルを回避するためにも、 ・注意書きをする ・返品出来るか否かの基準を明記しておく ・過度な加工は行わない などの対策が必要でしょう。
在庫管理が難しくなる
ネットショップでの販売は、在庫管理が非常に難しいです。 例えば注文が入ったら自社で発送する場合、アマゾンと楽天市場の両方に出店している場合、 ・片方で売れたらもう一方の在庫を減らす ・各モール様の在庫を分けておく といった工夫が必要になります。 更に、実店舗での販売も入った場合、在庫管理に失敗すると、 「注文は来たのに商品が無い」 という可能性が出てきます。 そうなると、キャンセルをして貰う必要があるわけですが、店舗の評価が下がる可能性があります。 また、回数が多いと店舗アカウントの抹消などの危険性もありますので、在庫管理のためのシステムを導入するなど、しっかりとした管理が重要になってきます。
ネットショップはどこで出すべき?
ネットショップはどこで出すべき? さて、ネットショップのメリット・デメリットについてお話してきましたが、もしも将来的な事も考えて、ネットショップを開設したい・・・となった場合、どこに出すのが良いのでしょうか。
最初はアマゾンや楽天市場に出店しよう
最初は、アマゾンや楽天市場などのショッピングモールに出店するのが良いです。 前述しましたが、これらのモールは広告費用をかけて集客を行ってくれます。 そのため、最も難しい「集客」がある程度見込めるので、ネットショップ初心者でも安心して販売が可能です。 また、自社ショップを構えるのに比べて、比較的簡単な操作で ・商品管理 ・注文管理 ・商品ページ管理 ・在庫管理 ・アクセス管理 などを行えます。 最初は1つのモールで集中して販売を行い、余裕が出来れば徐々に他のモールにも並行して出店するのが良いです。 また、個人的な意見になりますが、モールの最大のメリットは 「集客力」 であると考えているので、基本的には出品を検討するのは取引額の大きい下記の3種類のモールで良いでしょう。
アマゾン
アマゾンは、自社倉庫であるFBAが利用できるのが大きな特徴で、ユーザーとしてはFBA商品は送料無料に加えて、配送期間が非常に短いというメリットがあります。 商品カテゴリとしては、食品以外のほぼ全てのジャンルに向いていると考えられます。 販売方法がネットショップの中では特殊で、普通のネットショップが モールページ > ショップページ > 商品ページ という風に遷移するのに対して、アマゾンは モールページ > 商品ページ > ショップページ という構造になっています。 そのため、お客さんは各ショップから購入すると言うよりも、アマゾンから購入するといった印象を受けます。 販売側からすると、ショップ毎の特徴を作ることが難しく、どこにでもある商品に関しては、価格競争が起こりやすい販売形式になっています。 また、アマゾン自身が販売している商品があるのですが、こちらはメーカーから直接仕入れている可能性が高いため、小売業などは勝負が難しくなります。 商品の出品自体は、他のモールに比べて非常に簡単で、個人で副業で出品している人も多いです。 手数料は各カテゴリによって異なり、公式サイトより確認が出来ますが、基本は8%~15%程度の手数料になるかと思います。 プラスで販売数量が少ない場合には、1販売に付き100円の手数料を支払うか、月に49個以上の販売を行う場合、月額4900円の手数料を支払う必要があります。
楽天市場
楽天市場は、最近でこそアマゾンの方が取引額が大きくなってきていますが、元々は日本で最大のショッピングモールになります。 楽天市場は、基本的に全ジャンル売れるモールになりますが、特に強いのは「食品」や「ギフト」です。 アマゾンが商品ページを基準にモール作りをしているのに対して、楽天市場はショップを中心にモール作りがされています。 そのため、HTMLやCSSを使ってある程度自由度の高い商品ページ・ショップページを作って差別化を図ることが可能です。 管理者のスキルが必要となる反面、同じ商品でも高く見せることが可能になります。 特に、CZ(キュービックジルコニア)と呼ばれる人工ダイヤモンドなどは、一時期世間を騒がせていたものの、現在でもかなりの売上を作っていると考えられます。 アマゾンでは基本的に白抜きの商品画像且つ、画像内に文字を入れることが禁止されています。 しかし楽天市場の場合は、合成ではなく背景素材として写り込んでいるものは認められていますし、文字も画像全体の1/3以内であれば認められています。 そのため、同じ商品でも高級感のある画像にすることができるため、売値も高く設定できるなどのメリットがあります。 また、楽天市場は広告をいかに上手く活用するのかが非常に重要なモールです。 アマゾンの場合は、同じ商品がすでに出品されていれば、そのページに自分の商品も載せるだけですので、 「いかに商品をよく見せるのか」 よりも 「いかに売れている商品を仕入れられるのか」 が重要になります。 しかし、楽天市場は 「いかに商品をよく見せるのか」 が必要であり、そのため楽天市場内での集客も重要な要素になります。 これらの理由から楽天内での広告の活用が重要になるのです。 出店手数料は、月額費用で見るとアマゾンよりも高くなりますが、売上に対する手数料は比較的安価になります。 公式サイトより、プランの詳細が記載されています。
ヤフーショッピング
ヤフーショッピングは、現在アマゾン・楽天市場には少し及ばないものの、現在急成長中のモールです。 最近は、出店審査が厳しくなっていると聞きますが、もしも出店できれば手数料は最安値です。 公式サイトにも記載がありますが、決済方法などによっても手数料が変わるものの、トータルで5%前後となるでしょう。 もちろん、キャンペーンなどでポイントを変倍するなど、費用負担が増えるケースもありますが、ネットショップの中では非常に安いと言えます。 また、ヤフーショッピングも楽天市場と同様に、HTMLやCSSで店舗ページを作り上げるタイプのネットショップになります。 なんといっても、ペイペイモールを運営するなど、今後の躍進も非常に期待できるモールのため、審査だけはしておくのがおすすめです。 現在ペイペイモールに関しては、ヤフーショッピングの優良店舗と、大手企業のみが参入可能ということですが、今後ペイペイの普及率が更に増えるなどで、参入基準が下がるなども考えられます。 また、Tポイントと連動している・ZOZOTOWNを買収しているなどからもわかるように、他のモールに比べても、様々なビジネス変化を行っています。 また、ヤフオクとの連携など幅広いビジネスを行っている事からも、今後はアマゾン・楽天市場と並ぶ売上が期待できるでしょう。
利益率を考えると将来的には自社ショップに
上記3モールで売上を作りつつ、顧客リストを集め、最終的には自社モールを用意することが理想です。 自社モールは、集客こそ難しいものの、モールに払っている手数料がなくなる点で、非常に有利です。 商品カテゴリによっては、1商品あたり10%程度の経費削減になる可能性があります。 また、自社ショップで徐々に集客できるようになれば、Googleやヤフーでの検索でヒットする可能性も高くなってきます。 その他にも、デザインや販売方法がモールの制限を受けることもなくなりますし、ポイントバックもしなくて良いなど、様々なメリットがありますので、挑戦するべきでしょう。
EC構築から業務システムへの連動までAMELAにご相談を
EC構築から業務システムへの連動までAMELAにご相談を ネットショップは、これからの時代に非常に重要な販売チャネルと言えるでしょう。 まだまだ少人数の会社や個人経営の店舗などでは、管理者を育成することも出来ずに、ネットショップに参入できていない・・・という所も多いでしょう。 しかし、非常事態宣言なども含めて、時代に合わせたビジネス変化が求められる昨今、ネットでの販売が全く無いというのは非常にリスクが高いです。 ですので、是非この記事を参考に、ネットでの販売を視野に入れて欲しいと思っています。 AMELAでは、自社ショップの開発から、マーケティング全体を通したシステム化まで幅広く対応します。 まだまだ先行き不安な時代ですが、しっかりと時代に対応して行けるように、ご相談いただければと思います。