非エンジニア向け!データベース管理入門!初心者が見るべきデータベースの基本
現在、どのような業界であっても「データ」の活用は重要性を増しています。 ビッグデータのような大容量のデータを分析するだけではなく、様々な情報を管理することでビジネスをより良い物にしていくことが可能です。 今回は、そんなデータを管理するための 「データベース」 についてお話していきます。 システムを作っていない人からすると、データベースという言葉自体がそもそもわからない・・・というケースも多いでしょう。 そんな非エンジニア向けにわかりやすくデータベースを説明していきたいと思います。
データベースって何?
データベースって何? では、そもそもデータベースとはどのようなものなのでしょうか。 データベースとは、特定の条件に当てはまるデータをまとめたものになります。 例えば、顧客情報であれば ・氏名 ・電話番号 ・住所 ・メールアドレス など、決まったデータを集積していきます。 その他にも、 ・注文情報 ・商品情報 ・人員情報 ・部品情報 など、様々なデータを駆使してシステムを組み立てていきます。 エクセルなどで表現するとわかりやすいと思いますが、
上記のように、項目ごとに枠を設けて、行として新しいデータを追加していくようなイメージです。 この時の、行の事を「レコード」と読んだりします。 データベースには、大きく分けると2つの種類のデータがあります。 「マスタデータ」「トランザクションデータ」 「マスタデータ」とは、そのデータを基準としてシステムを構成していくようなデータで、常に最新の状態に保っておく必要があります。 「マスタ」と略されるのが一般的です。 ・顧客マスタ ・商品マスタ ・社員マスタ など、ヒト・モノ・カネなどのデータを取り扱います。 次に、「トランザクションデータ」ですが、こちらは日々の業務の中で増えていき、履歴のように残っていくようなデータになります。 例えば、注文情報や閲覧履歴・商品の入出庫の履歴など。 これらのデータは、顧客マスタを基準としてデータが作られ、その履歴を残していくようなデータになりますので、トランザクションデータになります。 マスタは、1つもしくは複数のIDを振られ、このIDがかぶらない様に作られます。 このIDをトランザクションデータに持たせる事により、 「誰の注文情報なのか」 「どの商品の入荷情報なのか」 という事を特定します。 トランザクションデータには、複数のマスタのIDが含まれることが多々あります。 例えば、注文情報には ・顧客マスタから「誰の注文情報なのか」を入れておく ・商品マスタから「どの商品を注文したのか」を入れておく ・都道府県マスタから「どの都道府県に配送するのか」を入れておく と言った形で、いくつものマスタのIDがトランザクションデータの1レコードに入るのが一般的です。
データベース管理で出来る事
データベース管理で出来る事 では、これらの情報をデータベースで管理することで、どのようなメリットが生まれてくるのでしょうか。
データの蓄積
データベース管理をすることで、データの蓄積が簡単になります。 例えば、お客さんに受付で氏名や住所をアンケート用紙に書いてもらった場合。 紙そのものを置いておくには、大きなスペースが必要ですし、その情報が数万・数十万件となってくると、非常に煩雑に管理されます。 一方で、データベース管理を行うことで、社内のパソコンで蓄積したデータを参照できるなど、保存の観点から非常に大きなメリットがあります。
データの検索
紙媒体の情報は、特定の情報を見つけ出す際に非常に困難になります。 例えば、1年前に来たお客さんが再来場したとします。 以前の担当者が接客応対をしたものの、その時の内容を知った上で今回の提案を行いたい。 この時、紙で管理されている場合には、その時期の情報を一つずつ探していく必要がありますが、データベース管理をすることで、氏名などの情報を入力するだけで検索することが可能になります。 これにより、どのような業界であっても、データを活用しやすくなります。
データの集計
データを集計できるという点も、データベース管理の大きなメリットでしょう。 例えば、 ・月の売上集計 ・担当者ごとの予算達成率 ・お客さんの年齢層の平均 など、多くの会社が会議などにこういった集計データを用いていることと思います。 これらのデータを即座に集計することが出来ます。 また、随時データが登録されることに再集計を行うことも簡単なため、現代の会社に求められる 「リアルタイムな情報」 として経営判断に利用することが出来るのです。
データの出力
データ自体を必要な形で出力できるのもデータベースのメリットでしょう。 最近は、「誰でも出来る仕事はアウトソーシングで行う」という流れが強くなってきています。 労働人口が減っていき、人手不足が加速する今後の日本では、「自社でしか出来ないこと」に力を入れ、それ以外の雑務は極力他社でやってもらう流れになることでしょう。 そんなときに、データベースで集めたデータを出力して提出することが出来れば、非常にスムーズにやり取りが可能です。 例えば、社労士や税理士に対して会計データや社員の情報を出力して提出することが出来れば、相手方の手間が省けます。 その結果、費用が安くなるなどの経費削減にも繋がるのです。
システムとの連携
データベース管理を行うことで、そのデータと他のシステムで利用しているデータをかけ合わせ、新たなシステムを作るなどの連携が取れるようになります。 システムとの連携を行うことで、既存のシステムに機能を追加したり、他社製品でカバーしきれていない部分を自社で開発する・・・など、データを活用できる幅が広がります。
データベース管理のメリット
データベース管理のメリット では、データベース管理にはどのようなメリットが有るのでしょうか。
データの分析が簡単になる
前項でお話したデータの集計の話と繋がってきますが、データを単に集計するだけではなく、分析も容易になってきます。 特に最近は、ビッグデータの活用が多くの企業で必要とされていますが、データを分析することで、更にビジネスチャンスが拡がると考えられます。 例えば、 ・Aという商品を買った人はBという商品も一緒に買う可能性が高い ・初めての商品購入から3ヶ月以内にアプローチをすれば売れやすい など、客観的なデータに基づいて経営戦略が立てられる様になります。
データ容量を最小限に保管できる
エクセルや紙など、様々な形で情報を保管している会社があるかと思いますが、それらすべてを一つのデータベースに集めると・・・。 保存の容量が最小限になると考えられます。 例えば、A4サイズの請求書をpdfとして保存する場合、 ・社印 ・会社ロゴ ・背景色 などが入っていると、1枚でも100KB前後のファイルになります。 一方、そこに記載されている文字や数値だけをデータとして保存する場合、5KB程度の容量しか必要としないケースも多いです。 仮にpdfファイルとして請求書を1万枚ファイルサーバーに保存しておく場合には、約1GBという容量を必要とします。 しかし、文字や数字をデータ化しておき、必要な時だけpdfの請求書として出力する場合、データの保存容量としては約50MB程度の情報量しか必要としません。 過去数年分という請求書や納品書を保管しておこうと思うと、数万ファイルでは足りないケースも多いでしょうから、データの保存容量を小さくする事は、非常に重要になってきます。
バックアップや不正アクセスのブロックが可能
データベースとして管理しておくことで、簡単にバックアップを作ったり、不正なアクセスをブロックするなどの制限をかけることが可能です。 システムで、何度も連続でデータを閲覧しているような怪しいログを検知する事も可能ですし、深夜にバックアップを自動的に取っておいて、もしものトラブル時にデータを復旧させる・・・という事も可能になります。 その他、社内のルールとして閲覧できるか否かの権限をつけることも容易です。 例えば、 ・管理職しか閲覧できないデータ ・人事部しか見れないデータ ・自分の部下の情報だけを見れるようにする など、様々な権限を管理する上で、データベース管理は非常に有効な方法なのです。
同時アクセス・編集が可能
データベース管理を行うことで、複数人が同時に情報をアクセス・編集することも可能になります。 もちろん、データの不整合が起きないようなシステムの設計は必要になりますが、スマホやPC・タブレットなど様々なデバイスで、同時に編集することで業務効率を上げることも可能なのです。
データベース管理のデメリット
データベース管理のデメリット では、一方でデータベース管理のデメリットも見ておきましょう。
システムの管理が必要
データベースを扱う上で、システムの管理がどうしても必要になります。 例えば、突然システムが落ちてしまった際、サーバーを再起動させるなどの対処をしなければ、会社全体に被害が及ぶケースがあります。 生産管理を行っている場合には、工場がストップしたり、営業などの業務に支障をきたすなどが考えられますが、現場の人間がシステムまで管理するのは難しいでしょう。 そのため、システム部門などのような所で一括で社内のシステムを管理し、データベースに関しても同様に管理していく必要があります。
設計をしっかりと行う必要がある
システムの設計に不備があると、データの不整合が起こる可能性があります。 例えば、注文の情報を変更する際には、 「既存の注文情報から必要な部分だけを更新する」 「データを一度消して、新しくデータを作り直す」 という2つの方法があります。 この時、後者の場合は 1.データを消す 2.データを作る という作業になるわけですが、1の時に ・ネットワークが不安定 ・他の人が編集中 ・同じタイミングで誰かが消していた などの理由で削除が上手くいかなかったとします。 通常なら、削除が上手くいかなかった段階で処理を終了するわけですが、設計が悪い場合、その処理を飛ばして2が始まる・・・という可能性もあります。 特に、昔のシステムをそのまま利用している場合などは、そういったエラー時の処理が上手くないシステムも存在します。 そうなると、データは消していないのに、新しいデータも作られた・・・など、運用上支障が出るようなエラーも出てきます。 そのため、しっかりと管理者は設計を行い、システム全体を把握しておく必要があります。 システムを外注して作る場合にも、そういった設計部分は管理者も把握しておく事で、もしものトラブル時にどのように対処すれば良いのかがわかってくるでしょう。
データの利用・活用が出来るかはシステム部門に委ねられる
データベースにデータを蓄積させる事自体は、現在それほどハードルは高くありません。 しかし、そのデータを活用できるのか・・・という点は、企業によって非常に大きな差が生まれます。 極論になりますが、データはそこにあるだけでは何の意味もありません。 その情報を使って、顧客満足度を上げたり、売上を上げるなどの施策を打ってこそデータの意味が出てきます。 しかし、現場の人間はデータの使い方がわからないケースがほとんどですし、日常業務が忙しくて、そんな事をしている暇がない・・・という話も良くあります。 そのため、データの活用自体は、システム部門が管理していく必要があります。
これからの時代情報は命!システム開発はAMELAに
これからの時代情報は命!システム開発はAMELAに 今の時代、データをしっかりと活用できない会社はどんどんと取り残されていく可能性があります。 顧客情報一つとっても、 「入力業務に不要な時間がかかるものの、何一つビジネス活用が出来てない」 という会社を多数見てきました。 多くの企業を見てきたからこそ、お伝えできる内容や提案があります。 当然ですが、この記事を書くにあたって、できるだけ多くの人が理解できるように概要を書いてきました。 しかし、それが理解できたとしてもすぐに管理ができるようになるものでも無いです。 様々な試行錯誤をしながら自社に合った運用方法を決めたり、システムを改修したりしていく必要があります。 そのため、もしも 「データベースでデータ管理を行いたい」 と少しでも思った方は、是非AMELAにご連絡頂ければと思っています。 AMELAでは、単なる開発の依頼だけではなく、ITコンサルティングなどによって、 「どのようにシステム化していくのか・その優先順位や方法」 などもご提案しています。 データを活用するにはそれなりの知識と準備が必要です。 そのための最適な方法を一緒に見つけていきませんか?