エンジニアに必要な4つのコミュニケーション能力とは
エンジニアの印象はどのようなものでしょうか。 ずっとパソコンと向き合って、常にソースコードとにらめっこ・・・という印象でしょうか。 エンジニアにとってコミュニケーション能力とか必要なの? 実際にエンジニアとして働いている人や、これからエンジニアを目指そうと考えている人の中には、この様に考えている人も多いのではないかと思います。 今回は、そんな 「エンジニアにとってのコミュニケーション能力」 について見ていきたいと思います。
エンジニアにもコミュニケーション能力は必要
エンジニアにもコミュニケーション能力は必要 エンジニアといっても、常にパソコンとだけ対話しているのではありません。 プロジェクトメンバーとのコミュニケーションもあれば、クライアントとのコミュニケーションもあります。 プロジェクトを円滑に進めるためには、円滑なコミュニケーションが欠かせないのです。 また、これまでであれば社内の人間だけとコミュニケーションが取れればよかった会社も、フリーランスのプログラマーを外部からメンバーとして参画させる可能性もあるでしょう。 働き方の多様性が生まれている現代では、これまでとは違った様々な形で人と関わる必要性が出てきています。 また、新技術もどんどんと出てきていますから、色々な人と意見交換をして気付くこともあれば、自分が思っていなかった解決方法を提示してくれるケースも有るなど、コミュニケーションの重要性は年々増してきています。 更に、コロナの影響でテレワークがメインの会社も増えてきましたが、リモートのコミュニケーションは、対面でのコミュニケーションよりも難しいため、より高いコミュニケーションスキルが必要になる可能性があります。
エンジニアに必要な4つのコミュニケーション能力
エンジニアに必要な4つのコミュニケーション能力 とは言うものの、コミュニケーション能力と一言で言っても様々な能力があります。 その全てがエンジニアに必要なわけではありません。 では、実際にエンジニアにはどのようなコミュニケーション能力が必要なのでしょうか。
クライアントとの信頼関係を構築できる
最近は、多くのエンジニアが 「クライアントとの関係性を構築できる」 事が求められています。 数人でクライアント先に常駐するような働き方のエンジニアも多いですし、SEとして要件定義などの打ち合わせでクライアントの要望を設計に落とし込んでいくエンジニアも多いでしょう。 しかし、クライアントとの信頼関係がなければ、プロジェクトを円滑に行うのは非常に困難になってきます。 例えば、同じだけのスキルがあるエンジニアのAさんとBさんがいたとして、 「信頼できるAさん」 と 「いつか問題を起こしそうと思われているBさん」 では、当然Aさんの方が長期的に仕事をもらえる可能性が高くなります。 きちんと仕事をこなすのは当然ですが、 ・進捗をしっかりと相手に伝える ・クライアントの気付いていない細かい気遣いをする ・相手の言っている事にしっかりと答える など、コミュニケーションをしっかりと取れるエンジニアの方が、クライアントから見ても必要とされますし、それと同時にそのクライアントからお金を受け取っている自社の人間からしても、重要な人材と見られます。
クライアントの希望や意図を汲み取る能力
クライアントの希望や意図を汲み取るのは容易ではありません。 その大きな理由として 「相手はシステムのことを理解していない」 という事が挙げられます。 多くの場合、クライアント側もシステムに詳しいケースは稀です。 下請け等の場合は違ってきますが、基本的には 「自社で出来ないから他社に依頼する」 という事が多いでしょう。 システムに詳しくない人の 「こうしたい」 という希望は、理にかなっていないケースも多々あります。 ・予算内に収まるような内容じゃない ・好き勝手に妄想している ・現在の技術では物理的に不可能 など、夢物語を言われるケースも多いのではないでしょうか。 しかし、そういったクライアントからの要望の中から、 「なぜそうしたいのか」 「どの程度なら実現可能なのか」 という落とし所を見つけていく能力は非常に重要です。 これらの要望をしっかりとヒアリングする能力も、一つのコミュニケーション能力と言えるでしょう。
プレゼン能力
「聞く」側のコミュニケーション能力も重要ですが、作るものや作ったものを相手に「伝える」コミュニケーション能力も重要です。 その一つがプレゼン能力でしょう。 「〇〇のシステムを作る」 という提案をする際には、相手からすると ・なぜそれが必要なのか ・それをするとどのような良い事が起こるのか ・結局自分は何をすれば良いのか と言ったことが見えていません。 その中で、相手の反応も見ずにどんどんと説明をしてしまっても、相手からの同意やゴーサインはもらえないでしょう。 そのため、プレゼン能力についてもエンジニアに必要な能力と言えるでしょう。
社内でのコミュニケーション能力
システムを作る際も、1人で全てを行えるわけではないです。 複数人でプロジェクトを組む必要があるケースや、営業や他部署の人間との連携が必要なケースも少なく有りません。 例えば、どうしてもプロジェクトの予算が足りなかったり、進捗が思うように進んでいない場合には、営業マンを通してクライアントに相談してもらう必要があるかもしれません。 また、他の部署やメンバーに一時的にプロジェクトに参画してもらって、完成を急ぐべきタイミングもあるでしょう。 その他、テストだけは別のメンバーにお願いしたり・・・というように、様々なタイミングで自社内の人間の助けを必要とします。 そのため、社外はもちろんのこと、社内でのコミュニケーションも大切にする必要があるのです。
どうすればコミュニケーション能力は身につくのか
どうすればコミュニケーション能力は身につくのか 「コミュニケーションが大事なのはわかったけど、苦手だからどうしようもない」 と考えているエンジニアは少なくないのではないでしょうか。 接客業と違って、常にお客さんと接しているわけではない。 むしろ、そういう職種が自分には向いていないと思っているからこそ、常にパソコンと向き合う仕事を選んでいる。 こういうエンジニアも多いでしょう。 そんなエンジニアが、コミュニケーション能力を身につけるにはどうしたら良いのでしょうか。
相手の背景を知る
まずは、相手の背景について知っていく必要があります。 コミュニケーションには、基本的に何らかの背景が伴います。 例えば、「プログラム」。 エンジニアがプログラムと聞けば、当然ソースコードを思い出すでしょう。 しかし、舞台をやっている人などからするとプログラムは、演目の意味で捉えるでしょうし、フィギュアスケートの演技も同じくプログラムと呼ばれます。 この様に、その人によって同じ単語でも想像するものが違います。 それは、その人の中で 「プログラムといえば」 という定義が異なってくるからです。 今までの経験からくることが多く、いわゆる「先入観」のようなものになります。 そのため、相手がどのような経験をしてきて、どのような見方をしているのかを知れば、その人とのコミュニケーションが円滑になります。 先程は、単語についての認識をお話しましたが、単語の認識を合わせるのも重要ですし、更に高度になると 「相手の人間性を読む」 ことにも繋がってきます。 例えば、怒っている人はなぜ怒るのか。 「自分の思うように相手が動いてくれない」 → では、なぜ思うように動かないといけないと考えているのか → 「普段から自分の意見が尊重されていないと感じるから」 → では、なぜ自分の意見が尊重されていないと感じるのか → 「部下に舐められていると感じる態度を受けているから」 これは一例ですが、このような上司の場合は、普段から礼儀正しく、尊重する態度を取っていれば、怒らない可能性もあります。 また、仕事に関して色々な質問をしていれば「自分の意見が尊重されている」と感じるため、怒る頻度は少なくなるでしょう。 この様に、「相手がなぜそのような行動を取っているのか」には、それぞれ理由があります。 人によって違うため、絶対にこうすれば・・・のような攻略方法は無いものの、 「なぜそうしているのか」 を認識することで、相手へのコミュニケーションが変わる事が多々あります。
「相手は何が欲しいのか」を考える
常に打ち合わせや会話の中で、 「相手が欲しい物」 を考えると、コミュニケーションが円滑になることが多いです。 例えば、 ・褒められない ・進捗を教えて欲しい ・安心したい ・結果を出して欲しい ・数字で教えて欲しい など、人によって欲しいものは異なります。 細かい数字を知った方が安心する人に対しては、プロジェクトの数値を明示すると安心するでしょうし、反対に 「細かいことはどうでも良いから、出来るか出来ないか結論を教えてくれ!」 というタイプもいます。 そのため、常に会話の中で相手が欲しいと思っている物を想像する必要があります。
専門用語は使わない
エンジニアに多いのが、専門用語を入れて話してしまう癖です。 専門用語を使った方が、エンジニア同士の会話はスムーズに行われる事もありますが、非エンジニアからすると、 「え、それってどういう意味?」 と思っている間にどんどんと話が進んでしまって、後で認識がずれる・・・ということも珍しく有りません。 そのため、少なくとも非エンジニアには、専門用語を使わないように話すのが重要です。 AWSやGCPなどのサービスに関しても、非エンジニアであれば知らないケースも多いため、噛み砕いて説明してから話を進めると円滑にコミュニケーションが取れる可能性が高くなります。
自分の得意な表現方法・苦手な表現方法を知る
コミュニケーションを取る時に、自分の得手不得手を知った上でコミュニケーションを行うことは非常に重要です。 例えば、クライアントとの打ち合わせの際 「自分がプレゼンをするのは得意だけど、色々と質問されると混乱する」 というタイプもいれば 「プレゼンは苦手だけど、カウンセリングのような相手の話を聞くのは得意」 というタイプもいます。 他にも、 ・口で説明するのは下手だけど、文章はわかりやすい ・気を許せる人と一緒だと非常に話しやすくなる ・社内は苦手だけどクライアントくらいの距離感がある方が話しやすい など、様々なタイプの人がいるかと思います。 そのため、前述したコミュニケーションの中でも、どれが苦手でどれが得意かを知った上で、できるだけ得意なコミュニケーション方法で相手と接するのが良いでしょう。 また、どうしてもプレゼンが必要な場合には、プレゼンだけを得意な人に依頼するなど、時には人を頼る事も選択肢に入れると良いでしょう。
「相手にどう思われるか」は当たらないと知る
コミュニケーションが苦手な人の多くが 「相手にどう思われているか」 に対して悲観的な意見を持っています。 しかし、相手は意外と気にしていない・・・というケースも多く、実は単なる被害妄想であることが多いのです。 相手が嫌な顔をしている様に見えても、実は考え込んでいる表情が不満顔に見えてしまう事もあります。 そのため、過度に相手の反応を見る必要はないのです。
エンジニアに必要なコミュニケーション能力まとめ
エンジニアに必要なコミュニケーション能力まとめ 今回は、エンジニアとして必要なコミュニケーションについてまとめてきました。 仕事をする以上、どのような職種でもコミュニケーションは重要になってきますが、これからのエンジニアには、コミュニケーション能力も重要になってくるでしょう。 コミュニケーション能力は、すぐに身につくものでは有りません。 実際に人と接していく中で、様々な人の考えに触れて気付くことも多いため、最初は混乱することも多いと思いますが、 「技術力+コミュニケーション能力」 を持ったエンジニアは、非常に高く評価される可能性があるため、是非とも目指して欲しいと考えています。