グループウェアとは?機能やメリット・デメリットなどを解説

近年、多くの企業が
「グループウェア」
を導入して業務の効率化を実現しています。

特にMicrosoftとGoogleを使っている企業は多いです。

これまでは自社で構築しなければならないことが多かったグループウェアですが、クラウドによる外部サービスが数多く登場したことにより、以前よりも導入・運用のハードルが低くなりました。

この記事では、グループウェアがどのようなものなのかについて、主な機能や導入するメリット・デメリットについて解説します。

合わせて、グループウェアにおける「オンプレミス型」と「クラウド型」との違いについても、詳しくみていきましょう。

グループウェアとは

グループウェア(またはコラボレーティブソフトウェア)とは、社内における情報共有・コミュニケーションの活性化、業務効率の向上を目的としたソフトウェア・サービス全般です。

グループウェアの機能には、
・メール/チャット
・ファイル共有
・スケジュール管理
・ワークフロー
・アンケートフォーム
などがあります。

いわゆる「社内SNS」に近いツールですが、社内SNSがコミュニケーション機能がメインであるのに対して、グループウェアは業務全般に役立つさまざまな機能を備えているというのが特徴です。

以前のグループウェアはソフトウェアが主流でしたが、現在ではITインフラの発展もあり、ブラウザ上で動作するWebサービス、あるいはアプリケーションとしてのグループウェアが広く採用されています。

また、サブスクリプションでの支払いも一般化されており、
「1アカウントあたり月額いくら」
というような形で、人数に比例して金額が変わるような仕組みのものが多いです。

グループウェアの種類

現在のグループウェアには、大きく分けて「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類があります。

それぞれの特徴と、メリット・デメリットをみていきましょう。

オンプレミス型

「オンプレミス型」とは、サーバーや通信回線など、システムに必要な要素すべてを自社で調達し、構築・運用をおこなう形式です。

次に説明する「クラウド型」が登場するまでは、業務システムといえばこの形式が主流でした。

オンプレミス型のメリットは、なんといっても自社の環境とニーズに合わせたシステムを構築できる点です。

既に導入しているシステムとの連携がスムーズにおこなえる上に、その時のニーズに合わせてカスタマイズできることも魅力です。

例えば、複数の社内サーバーに色々なシステムを入れている場合、データの同期を行う際には、連携用のシステムを作ったり、導入するのが一般的です。

しかし、クラウドサービスの場合には、そのサーバーが自社ではなく他社の管理となりますので、できることに制限があります。

オンプレミス型では、こういったデータの連携なども容易なのです。

また、外部サービスを利用せずに社内で完結できるため、セキュリティ対策を万全にすれば、クラウド型よりもセキュリティリスクが低いといえます。

オンプレミス型のデメリットは、導入から運用・保守に多大なコストがかかることです。

オンプレミス型システムの導入には、自社サーバーの保有をはじめ、インフラ構築を自社で進める必要があります。

またシステム運用・保守のために、専門的なスキルを持った人員を配置しなければなりません。

自社でサーバーを保有している企業は、サーバーの温度が上がらないように、専用のサーバールームを用意し、冷房を常にかけるなど、電力的にも負担が大きくなります。

このように、自社の環境にぴったりのシステムを構築するために多くのコストを支払うというのが、オンプレ型の特徴です。

クラウド型

「クラウド型」とは、他社が提供するオンライン上のサービスを利用する形式です。

サーバーやシステムはすべて他社が開発・用意したもので、インターネットを介してアクセスすることで利用できます。

現在は多くのシステムがクラウド型として運用されており、グループウェアについてもクラウド型が主流となっています。

クラウド型のメリットは、やはり導入から運用・保守にかかるコストが低いことです。

多くのクラウド型システムは、ストレージ容量や使用する機能で変動する月額制なので、必要な分だけ利用することができます。

また保守やトラブル対応はサービスを提供する企業が担当するため、自社で人員を割く必要がありません。

クラウド型のデメリットとしては、カスタマイズ性の低さがあります。

既製のシステムを利用するため、自社の環境にぴったり合ったカスタマイズは難しいです。

さらに、既に導入しているシステムとの兼ね合いも考慮しなければなりません。

外部ツールとの連携がどの程度可能か、導入前に検討する必要があります。

例えば、オンプレミス型で説明したデータの共有に関しても、
・CSVの出力ができるか
・CSVでの取込みが可能か
などが重要になってきます。

グループウェアの主な機能

グループウェアには、社内コミュニケーションと業務効率の向上、2つの目的があります。

ここでは、グループウェアの主要な機能を紹介します。

チャット

グループウェアには、チャットや掲示板といった、社内コミュニケーションを円滑にするための機能が備わっています。

会議やメールをするほどでもない、ちょっとしたやりとりが気軽にできるほか、メールよりも速いスピードで情報を共有することが可能です。

またチャットだけではなく、オンライン会議もできる製品も存在します。

チャットの場合には、メールとは違い「既読」が付くものが多く、
・きちんと上司がメッセージを読んでくれているか
・全員がきちんと周知を受け取っているか
など、これまでのコミュニケーションに比べて繊細な情報を知ることができるようになっています。

スケジュール管理

いくつものスケジュールをまとめて作成・管理する機能です。

チームごとのスケジュールを一括で確認できるため、スケジュール調整や進捗管理などがスムーズに進みます。

クラウド型のグループウェアは、スマートフォンでもブラウザやアプリケーションを用いてスケジュール管理機能が使えるので、外出先でもスケジュール変更などが可能です。

上司に対して、他の打ち合わせが入っているかを考慮して予定を組むなどが可能になります。

設備予約

グループウェアには、会議室をおさえたり、プロジェクターなどの設備の使用を予約したりといった機能があります。

予約・利用状況はグループ内で共有されるため、重複利用や設備の行方不明といった事態を避けられます。

システムによっては、使用履歴をまとめた書類を作成する機能を持っています。

これまで口頭で聞いたり、直前になって空いていない事が発覚するなど、面倒な調整が不要になることで、業務の効率化が可能となるのです。

ファイル共有

グループウェアを導入すれば、自社でファイルサーバーを用意せずにファイルの共有が可能です。

メンバー内で共有したい書類やファイル、画像などをグループウェアのクラウドへアップロードすることで、メンバーはいつでもデータを確認できます。

ファイルごとに閲覧制限を設ける機能もあり、情報漏洩の対策になります。

クラウド型のグループウェアは、プランごとにアップロード可能なデータ容量が決められているため、自社に必要な分だけ利用できます。

ワークフロー

グループウェアには、書類の作成から申請、承認などの業務をデジタル化する機能も備わっています。

書類にまつわる業務コストを削減し、テレワークの推進にも繋がります。

グループウェアのワークフロー機能はシンプルなものが多いため、デジタル認証など、外部ツールと連携して利用するのが一般的です。

グループウェア導入のメリット

ここからは、グループウェアを導入することで得られるメリット・デメリットを解説します。

まずは、グループウェア導入のメリットから見ていきましょう。

社内ポータルとして活用できる

グループウェアは、社内に共通の「社内ポータル」として活用できます。

社内の人員が別々のツールを使用してコミュニケーションをしていると、情報共有の効率が下がるばかりか、共有漏れ・伝達ミスといったトラブルが発生しがちです。

グループウェアには、業務上のコミュニケーション・情報共有にまつわるさまざまな機能が搭載されているため、部署や部門ごとに共通の社内ポータルを運用できます。

また、就業規則などの全員が共有するべき情報を一括で社内ポータルにまとめることで、
「資料や稟議書などの書類を探す時間を削減する」
ということが可能です。

社内コミュニケーションの円滑化

グループウェアにはまた、社員どうしのコミュニケーションを円滑にするというメリットがあります。

わざわざスケジュールを合わせて面会したり、メールを送ったりするほどでもない内容でも、グループウェアのチャットや掲示板に書き込むことで、以前よりも社内のコミュニケーションが活発になります。

テレワーク推進

情報共有とコミュニケーションのためのツールをネットワーク上に設けることで、テレワークの推進につながります。

チームメンバーと直接会うことのないテレワークでは、コミュニケーションが普段よりも重要になります。

また、プロジェクトの進捗やスケジュール管理も大切です。

グループウェアには、こうしたニーズを満たすさまざまな機能が搭載されているため、テレワークであっても業務を円滑に進めることが可能になります。

他社との安全な情報共有

グループウェアの本来の利用方法としては、社内でのコミュニケーション向上や業務効率化です。

しかし、製品と利用方法によっては、それ以外のメリットも多いです。

その1つが、他社との情報共有です。

例えば、社外の人との会議がある際、グループウェアを利用してテレビ会議をする。

そのテレビ会議を録画したものを、その会議の参加者のみが見れるようにする事が可能なツールもあります。

他の参加者は、その動画をダウンロードすることができず、ダウンロード権限は主催者のみである。

こういったツールを活用することで、安全な情報共有が可能です。

ファイル共有に関しても、一部のフォルダだけを、特定の社外アカウントでも利用可能にするなど、活用方法は様々です。

グループウェア導入のデメリット

続いて、グループウェアを導入することで発生するデメリットを解説します。

部門をまたぐ使用は困難

グループウェアは、複数の部門をまたいで進めるような業務には向きません。

多くのグループウェアでは、新たにチャットや掲示板、プロジェクトを立ち上げる際に、管理者の承認が必要です。

グループウェアで部門や業務ごとにチャットを設置し、権限を持つ部門に承認してもらうというのを毎回おこなうのは非効率です。

グループウェアは、比較的に小規模なチーム内で利用するのが良いでしょう。

導入・運用コストが発生する

オンプレミス型はもちろんのこと、クラウド型であっても、導入・運用にコストが発生します。

まずオンプレミス型には、インフラ構築からシステム導入、運用・保守まで、多大なコストが発生します。

そしてクラウド型には無料のサービスも存在しますが、必要な機能を十分に活用するためには、やはり有料版を利用することになります。

その際には、導入のための初期費用に加えて、月ごとに利用料金を支払う必要があります。

グループウェアの料金は製品ごとに大きく異なるため、社内のニーズを明確にしたうえで、コストがメリットを上回らないように注意が必要です。

使用方法などのレクチャーが必要

せっかくグループワークを導入しても、社員があまり利用しなければ意味がありません。

また、誤った利用方法によって情報漏洩が発生するリスクもあります。

グループウェアを導入する際は、使用方法や利用ルールを定めたマニュアルを整備し、社員へレクチャーする必要があります。

そこでは、グループウェアを導入する目的、利用することで得られるメリットも合わせて説明しましょう。

社内でITリテラシーに差がある場合は、サポートをする用意も必要です。

利用方法を統一する必要がある

社内の部署ごとに利用方法が異なる場合には、部門間をまたいで業務をする際に、ルールの違いで業務が非効率になることがあります。

例えば、グループチャットが乱立し、
「この話は、以前した気がするけど、どのチャットで会話していたっけ?」
なんてことが起こる可能性があります。

そうなると、業務が非効率になる可能性があります。

ファイルの共有も、
・社内サーバーに置くのか
・グループウェア内に置くのか
・社内ポータルに置くのか
など、色々な場所に保存してしまうと、探すのに手間がかかる恐れがあります。

こういったルールを社内で統一する事が、業務効率化をする上では重要です。

グループウェアの導入や活用ならAMELAに

今回は、グループウェアについて見てきました。

多くの企業ですでに導入されているグループウェアですが、中には活用しきれていない企業様も見受けられます。

システムは、単に導入するだけではなく
「どのように活用していくのか」
が最も重要です。

活用方法次第で、効率化も可能ですし、反対に非効率になるケースも見られます。

現在、すでにシステムが導入されている企業様でも、IT関連のご相談は是非AMELAにお任せください。

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