スケジュール管理で活躍する「ガントチャート」とは?扱い方やおすすめツールも合わせて解説

スケジュール管理において大きな力を発揮するツールに
「ガントチャート」
というものがあります。

プロジェクトの進捗管理やタスクの整理、問題の発見と対応に役立つツールですが、あまり馴染みがないという人も多いでしょう。

この記事では、スケジュール管理で活躍する「ガントチャート」について、どのようなものなのか、活用することで得られるメリット、運用時のポイントなどを解説していきます。

合わせて、広く採用されている主要なガントチャートツールもいくつか紹介します。

ガントチャートとは

スケジュール管理において大きな力を発揮するガントチャートですが、そもそも、ガントチャートとはどのようなものなのでしょうか。

プロジェクトの進捗を把握できる表

ガントチャートは、作業工程や進捗などを管理するための表です。

縦軸に事前の計画を、横軸にタイムラインを置くことが一般的です。

縦軸でプロジェクトの段取りや担当者を、横軸でタスクの開始時や締め切り、進捗を表現することで、プロジェクトの状況を俯瞰することができます。

時間軸に沿って進捗を管理する手法は広く用いられていますが、プロジェクト全体を各作業行程まで細分化して、ツリー構造で表現するところに、ガントチャートの大きな特徴があります。

ガントチャートの目的

ガントチャートは、複数のチームが分担してタスクを進めるような、規模の大きなプロジェクトで力を発揮します。

大規模なプロジェクトであるほど情報共有が難しく、プロジェクトの進行に問題が起こっても気づかれず、対処が遅れることがあります。

ガントチャートを活用して全体を俯瞰することで、プロジェクトをスムーズに進めることが可能になるのです。

ガントチャートの歴史は古く、第一次世界大戦時に、アメリカの機械工学者であり経営コンサルタントでもあるヘンリー・ガントによって考案されました。

実際に世界中の現場で使用されるようになったのは1990年代にマネジメントに関する本のなかで紹介されてからです。

WBS(Work Breakdown Structure)との違い

ガントチャートと合わせて使用することが多いため、混同されがちなものとして「WBS(Work Breakdown Structure)」があります。

日本語では「作業分解構造図」と呼ばれるWBSは、プロジェクトにおける各タスクを細かい作業に分解して、それぞれを図やグラフを用いて構造化することで、より効率的なプロジェクト管理を実現するものです。

つまり、WBSはガントチャートの縦軸に相当しており、WBSをしっかりと作成しておくことは、ガントチャートの運用に欠かせない要素となります。

ガントチャートを作成するメリット

ガントチャートは、規模の大きなプロジェクト進行する上で起こりがちなさまざまな問題に対処するために考案されました。

そんなガントチャートを作成・活用することで得られるメリットを紹介します。

プロジェクト全体の状況を俯瞰できる

ガントチャートの最大のメリットは、規模が大きく把握の難しいプロジェクトの現状を俯瞰できることです。

具体的には、プロジェクト全体の流れをはじめ、各タスクの担当者やタスクの進捗、他のタスクとの関係などの情報の共有が挙げられます。

それによって、イレギュラーへの対処や適切な人員配置などが可能になります。

また、ガントチャートを用いてプロジェクト管理をすることで、人員・チームごとの負担を可視化することができます。

問題発生時にすみやかに対応できる

どのようなプロジェクトであっても、当初の計画通りに進むことは稀です。

どこかのタイミングで問題は発生するので、大きな遅延を産み出さずにプロジェクトを完遂するためには、イレギュラーの早期発見と迅速な対処が求められます。

比較的に小規模なプロジェクトであれば、情報共有がしやすいのですが、複数のチームで動くような、規模の大きなものになるほど、問題の発見が遅れる傾向にあります。

そこでガントチャートで進捗管理をすることで、各タスクの進捗がひとめで把握でき、大きな遅延につながるまえに対処することが可能になるのです。

タスクの割り当てを最適化できる

ガントチャートはプロジェクトを細かいタスクに分割し、それぞれの担当者と紐付けて作成します。

また、各タスクと他のタスクとの依存関係も、チャート作成時に明確化します。

これによって、だれがどのタスクを担当しているかを確認できるだけでなく、タスクの割り当てそのものを最適化することができるようになります。

どこかのタスクで遅延や問題が発生した場合、余裕のあるチームが応援へいったり、タスクの依存関係や優先度から人員配置を見直したりといった作業が容易になります。

このようにガントチャートは、単純にスケジュールを管理するだけにとどまらず、プロジェクトの実行を円滑にする強力なツールなのです。

ガントチャートのポイント

ガントチャートはプロジェクトの正常な進行において大きな力を発揮するツールですが、作成・運用のポイントを押さえておかないと無用の長物になりがちです。

ここでは、ガントチャートを使用する際に意識したいポイントを紹介します。

タスクを詰め過ぎない

ガントチャートの作成は、プロジェクトを各タスクに細分化する作業からはじめます。

ここで気を付けなければならないのが、タスクの細分化をしすぎないということです。

ガントチャートにタスクを詰め込むと、それだけチェック項目が増えるため、かえって負担が増してしまいます。

担当者が同じで割り当て期間が近いもの、タスクの内容が似ているものなど、まとめられるタスクはまとめてしまうのが、ガントチャート作成のポイントです。

そのためには、プロジェクトの内容をしっかりと把握して、各タスクの依存関係を明確にしておくことが大切です。

その上で、細かい作業の進捗を確認するなら、別途のタスク表を作るのがおすすめです。

従業員にガントチャートの利用をうながす

せっかくガントチャートを作成しても、従業員が利用しなければ意味がありません。

実際、コストをかけてチャートを作成しても、さまざまな理由から現場で活用されていないという事例は数多くあります。

ガントチャートの活用には、現場の状況に即したチャートを作成するとともに、チャートの存在や使用方法、メリットなどを周知したうえで、従業員に利用を促すことが重要となります。

特に、期限のきっちりと決まったプロジェクトでは、定例会などに併せてきちんと最新の進捗情報を記載しておくことが重要です。

専用のツールを導入する

ガントチャートは非常に有用なツールですが、作成には相応のコストがかかります。

また、クライアントからの希望やプロジェクトを進行させていくうえで発生する問題などによって、チャートを修正しながら活用していくことになります。

そうしたとき、Excelなどの表計算ソフトで作成したガントチャートだと修正が難しい場合が多々あります。

例えば、ガントチャートに遅延か否かを関数などを使って表示したり、色を変えたり、別シートで集計してグラフ化したり。

こういった処理が入っている場合に、下手に行や列を挿入してしまうと、フォーマットがずれる可能性があります。

ガントチャートを活用するのであれば、チャート作成機能を持った専門のスケジュール管理システムを導入することをおすすめします。

専用のツールを利用することで、チャートの作成から修正、共有までを低コストでおこなうことができます。

現在は高度なソフトウェアだけでなく、無料のツールやテンプレートも数多くあるため、ガントチャート導入のハードルは低くなっています。

主なガントチャート作成・運用ツール

現在はさまざまなスケジュール管理ツールが登場しており、ガントチャートの作成・運用機能をもつものも数多く存在します。

ここでは、広く採用されているツールをいくつか紹介します。

クラウドログ

クラウドログは、クラウドタイプのスケジュール管理ツールです。

簡単な操作感や、Googleカレンダーなどの外部ツールと連携できるといった理由から、多くの企業で採用されています。

クラウドログは、スケジュール管理はもちろんのこと、資産計上、収支管理といった、さまざまな機能を搭載しています。

(クラウドログ:https://www.crowdlog.jp/)

backlog

backlogは、スケジュール管理機能からチームのコラボレーション機能までを提供しています。

シンプルな操作感や外部連携機能の充実などから、多くの大企業で採用されているツールです。

技術支援やユーザーコミュニティなど、導入後のサポート体制も充実しているという特徴があります。

他のツールと比べて利用料金は高めに設定されていますが、無料トライアルが可能なため、ためしに使用してから本格的な導入を検討することができます。

(backlog:https://backlog.com/)

シェアガント

シェアガントは、メールアドレスでログインするだけで、無料でガントチャートの作成・運用ができるツールです。

直観的な操作で高度なガントチャートを作成でき、チャット機能やメッセージ、共有ストレージなど、プロジェクト進行に役立つさまざまな機能を提供しています。

シェアガントは基本無料で利用でますが、いくつかの有料プランがあり、オンプレミスにも対応しています。

(シェアガント:https://sharegantt.com/)

Asana

Asanaは、基本無料で利用できるマネジメントツールです。

ガントチャートについては、作成からリアルタイムの更新が可能で、カスタマイズ性に優れいていることや、多言語での運用、多様な外部ツールとの連携が特徴です。

無料版には連携ツール数やプロジェクト作成に制限があり、有料版にすることで開放されます。

(Asana:https://asana.com/ja)

チームの生産性を上げるならAMELAに相談を

今回は、プロジェクトにおけるチームのスケジュール管理の方法として、ガントチャートを見てきました。

多くの企業ではこのガントチャートが利用されているため、見聞きしたことがある人も多いでしょう。

しかし、ガントチャートをExcelで利用している企業が、専用のツールを使うだけで、
・リアルタイムに進捗が更新される
・更新の手間が減った
・フォーマットがバラバラになるなどの管理コストが減った
・取引先にも見せられるきれいなフォーマットになった
など、様々な効果が考えられます。

是非、AMELAに導入に関する相談をしてみてはいかがでしょうか?