予算管理システムは必要？システムが持つ機能や導入のメリットなどを解説
予算計画の作成から現状分析、情報の集約からフィードバック、さらには総合的な経営判断までをおこなう予算管理システム。
予算管理にまつわる業務には多大な時間的コストがかかるため、システム導入を検討する企業が増えています。
専門ツールは、Excelをはじめとする表計算ソフトよりも、さらに高度で、効率的な業務を実現することができます。
また、企業の成長にも重要な役割を果たすことができるのが、予算管理システムです。
ですが「現状はExcelで事足りている」「そもそも予算管理システムって必要なの？」と考える人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、予算管理システムがどのような機能を持っているのか、システムを導入するメリット、さらにはシステム選びのポイントまでを解説していきます。
そもそも予算管理システムとは
予算管理システムとは、企業活動において重要な予算管理にまつわる業務を専門とするシステム・ツールのことを指します。
これまで、予算管理にまつわる業務は、Excelなどの表計算ソフトを用いておこなうことが一般的でした。
しかし近年は、IT技術の進歩や社会の変化によって「脱Excel」の流れが起こり、数多くのツールが登場しました。
予算管理システムの基本的な機能は、必要なデータを一元管理したうえで、現状を監視し、定期的な計画の修正や評価、次の予算計画の提案をおこなうことです。
予算管理システムには、Excelに近い操作感を持つものや、分析・評価に長けた高度なものなど、さまざまなツールが存在します。
特に現代は、「リアルタイムな情報を見る」事が注目されており、時代の早い変化へ対応するために、現場の数字をすぐに分析していく必要があります。
Excelでは、各担当者が情報を集めるのに時間がかかるなど、様々な問題がおきるのです。
予算管理システムの機能
現在もさまざまな製品が登場している予算管理システム。
簡素な機能を持つものから高度な分析が可能なもの、さらには、幅広い業種に対応するものや特定の業種に特化したものまで、多種多様なシステムが存在します。
そうしたツールの基本的な機能を、予算管理の流れに沿ってみていきましょう。
データ集約・管理
予算管理は最終的に、総合予算として策定されます。
そこではプロジェクトごとの詳細なデータが必要になるため、効率的な仕組み作りをしていないと、膨大な業務コストがかかってしまいます。
ツールを使って自社の環境に合ったフォーマットを作成しておき、データを一元管理することで、予算管理にまつわるデータの収集を効率化することができます。
予算計画の作成
有用で現実的な予算計画の作成には、各プロジェクトの詳細なデータだけでなく、財務会計にまつわる専門的な知識が必要になります。
部門ごとに異なる勘定科目を集約化したうえで、実効性のある予算計画を作成する働きは、こうしたツールの主要な機能となっています。
計画の修正
予算計画について、企業はPDCAサイクルを回しながら活動をしていきます。
実際にプロジェクトを進めていく中で、当初の予算計画とのズレが発生することは十分に考えられます。
そうしたズレをツールが監視して、目標達成におけるマイナス要因をすばやく発見することができます。
計画を大きく変更しなくてはならない場合には、ツールを使って予算計画を修正したり、新たな計画を策定したりといったことが可能です。
評価・提案
年度末や四半期ごとの予算計画が終了すると、当初の計画を評価するターンに入ります。
多くの予算管理ツールには、完了した予算計画を分析し、評価する機能が備わっています。
さまざまな角度からの分析データや、事前に設定した評価軸による予算評価などを、図やグラフで表示することができるため、現状把握が容易になります。
そして、分析や評価をフィードバックする形で、来期の予算計画にさまざまな提案をあげることもできます。
このサイクルを続けることで、計画の精度向上につながります。
予算管理システム導入のメリット
予算管理にまつわるツールを導入することには、業務コストの削減だけでなく、実効性のある予算計画の作成や、セキュリティの向上など、多くのメリットがあります。
予算管理にまつわる業務効率の向上
予算管理にまつわる業務は、
・手入力によるミス
・部署ごとの連携／進捗のズレ
・必要な書類の集約
など、手間のかかる作業が多く、規模の大きな企業になると、この業務に数ヵ月をかけることもあります。
専門ツールを導入することで、予算管理のコストを削減することができます。
予算管理システムでは、会計ツールなどと連携することで、情報を集約し一元管理することが可能です。
また、書類のフォーマットをあらかじめ決めておくことで、作成の手間も省けますし、入力ミスや未回収、紛失といった問題も起こりにくくなります。
さらに、ツールを導入して表計算ソフトから脱却することによって、担当者のみが理解している関数や分析方法などから解放され、属人的システムの解消が実現できます。
特に、大きな企業ほど書類の管理がバラバラなケースが多く、Excelの古いフォーマットで作成する人が出てくるなど、管理コストが大きくなってしまうのです。
適切な予算管理
予算管理において、当初の計画どおりに企業活動がおこなわれているかをこまめに確認することは、非常に重要な作業です。
妥当で有効性のある計画の立案から、現状の監視、発見された問題点の修正、計画の改善をしていくことで、適切なPDCAサイクルをまわすことが可能となります。
こうした取り組みは、従来の表計算ソフトではやはり限界があるため、専門の分析ツールを導入することが、適切な予算管理の実現につながります。
有用な評価と計画の立案
計画期間が終了したターンで重要なのが、
・当初たてられた計画が適切であったか
・計画作成時の経営戦略は有効であったか
・実際の業務とどの程度のズレがあったか
を評価して、次の計画作成にフィードバックすることです。
ここで、集積したデータを分析して有用な評価を下し、次の予算計画への提案をすることのできる予算管理システムが力を発揮します。
ツールを活用してこのような取り組みを続けていくことで、予算計画の精度を高めていくことができるのです。
セキュリティの向上
専用ツールの導入には、セキュリティを高めるというメリットもあります。
予算管理において広く採用されているExcelをはじめとした表計算ソフトは、セキュリティの観点からは不安があります。
専用ツールの多くは、しっかりとしたセキュリティ対策をおこなっているため、セキュリティリスクを低減させることができます。
近年はクラウド型の予算管理システムが増えており、常に最新バージョンにアップデートされるため、自社でデータベースの保護をする必要もなく、システム運用におけるセキュリティの向上につながります。
内部統制
Excelの場合、既に承認されたはずの予算などを、後から修正されてしまう危険性もあります。
また、
・ファイルそのものを誤操作によって消してしまう
・誤操作で別のフォルダに入れてしまう
・複数のバージョンが存在し、新旧がわからなくなる
など、運用上の課題も多いです。
しかし、予算管理システムを利用すれば、決まった形でのデータ更新になるため、これらの問題は解決します。
システム選びのポイント
予算管理システムは非常に有用なツールですが、導入前にいくつかのポイントを抑えなければ、かえってデメリットが大きくなってしまいます。
ここでは、予算管理に限らず、業務システムを選ぶ際のポイントを解説します。
現状の環境に対応できるか
現在、すでに何か別のシステムを使用している場合、新しく導入するシステムが環境に対応できるか確認しましょう。
とくに予算管理については、システム導入を考える企業の多くが表計算ソフトを利用しているでしょう。
ここで気にしなければならないポイントがふたつあります。
ひとつは、これまで蓄積したデータや業務環境から、スムーズに専門ツールへ移行できるかということです。
ふたつめは、既に導入している他の業務システムと競合しないかという点です。
・Excelなどで作成してきたデータを直接取り込む機能があるか
・システムの操作において要求されるスキルは、従業員が問題なく利用できるレベルであるか
・他のシステムとバッティングしないか
といった視点から、システムを選びましょう。
自社の目的に合ったシステムか
現在は、さまざまな目的・業種に対応した予算管理システムが登場しています。
また、ひとつの分野におけるシステムでも、備わっている機能はそれぞれです。
そのため、自社の環境・目的に合ったシステムを選ぶことが大切です。
とくに、必要な会計基準に対応しているかは重要なポイントです。
どのような目的で予算管理システムを導入するのかを明確にして、そのために必要な機能はなにかを検討してからシステム選びをおこないましょう。
システムの規模は適切か
予算管理システムには、無料で利用できる簡素なものから、高度な機能を多数備えた高額なものまで存在します。
小規模な現場で利用する想定ならば、百人が同時にログインできる機能は必要ありません。
また、高度な分析や管理機能を求めているのであれば、それ相応のレベルのシステムを導入する必要があります。
導入を検討しているシステムの規模や機能が、自社に見合うものかどうかは、しっかりと確認しましょう。
セキュリティ対策・サポートは充実しているか
予算計画は企業にとって非常に重要な情報であるため、そのシステムのセキュリティが万全であるかを確認することが大切です。
現在は多くのシステムがセキュリティ対策に力を入れていますが、とくに無料ツールなどは脆弱性の心配があります。
自社のリスク管理として、システムのセキュリティは重視しましょう。
また、主に有料システムでは、導入や運用についての手厚いサポートを提供しているものがあります。
システムの導入、既存システムからの移行から、運用時のトラブル対応まで、サポートの範囲は異なります。
なかには、分析結果に対して高度な提案をするコンサルタントがつくサービスも存在します。こうしたポイントからシステムを選ぶのも大切なことです。
予算管理システムの導入ならAMELAに
今回は、予算管理システムについて見てきました。
多くの企業では、今後更に
「リアルタイムな情報から的確な経営判断を行う」
事が求められると考えられます。
予算システムは、単に予算から戦略を考えるだけではなく、過去の売上推移や各商品群の売れ行きなどと連携すれば、更に計画の根拠を持たせることが可能です。
しかし、多くの企業では、
「情報はあるのに、活かせていない」
という事が起こっています。
これは、IT人材の不足や、必要な部分に必要なシステムが導入されていないなど、様々な問題が関連しています。
そのため、企業内の問題に優先順位をつけて改善する。
そういったお手伝いをAMELAでは行っています。
是非、ご相談ください。
