オムニチャネル戦略の成功事例5選!やるべき理由・注意点まとめ
オムニチャネルとは、小売業中心に普及しているマーケティング戦略で、実店舗、ECサイト、SNS問わずに購入経路を意識させず販売促進させる戦略です。
今回オムニチャネル戦略の成功事例を見ながら、この戦略を取る理由や注意点など説明していきます。
参考にして自社の事業に活かして販売促進を成功させましょう。
オムニチャネルの成功事例5社を紹介
オムニチャネルの成功事例を見ながら、どのような戦略でこのマーケティング戦略を成功させたのかを説明していきます。
自社とどのように違うのか比較して、どのように改善したらいいのか考えながら事例を見ていきましょう。
小売業中心の戦略なので、小売業に偏っていますが参考になる部分はあるはずです。
参考にできる部分は、取り入れてオムニチャネル戦略を成功させましょう。
ユニクロのオムニチャネル戦略事例
ユニクロは、オムニチャネル戦略を成功させた小売業でもあり、アパレル業界として紹介します。
ユニクロは、実店舗で売上を上げている企業だと思っている人がいるでしょう。
しかし、実際は違います。
実際は、実店舗とECサイトで売上を上げており、アプリではUNIQLO IQというサービスでコーディネートをAIチャットボットに任せることができるのが強みです。
コーディネートされた商品の在庫確認もその場でできるので、販売促進に一躍買っています。
UNIQLOアプリには、クーポン機能やアプリ限定価格の商品を用意する施策も行われているためさらなる販売促進に貢献しています。
販売で得たデータは、利用者の個人属性のデータと購入データが収集でき、それをさらなる販売促進に繋げていくことが可能です。
イオンのオムニチャネル戦略事例
イオンが実践している戦略は、ポータルサイトです。
AEONおトク!というサイトを立ち上げ、このサイトでプロモーションを開始しました。
成功した事例は、「トップバリューザクうまコロッケ」です。
このプロモーションされている商品は、興味を持ったら実店舗でもネットスーパーでも購入することができます。
ポータルサイトだけでなく、イオン買い物アプリを使ったマーケティングも行っています。
このアプリはカメラでチラシを撮影すると、おすすめレシピなど関連情報を見ることができる機能が人気です。
更に、このアプリを利用したユーザーの購入情報やネット検索データ・回遊データなどを収集でき、新たなマーケティングに役立てています。
無印良品のオムニチャネル戦略事例
無印良品が行っている施策は、アプリを活用したマーケティング戦略で「MUJI Passport」というアプリを運営しています。
このアプリは、ポイントカードのように使えるアプリで、店舗チェックイン・製品レビュー・製品購入でポイントが付与される機能がついています。
購入時にはこのポイントを使って購入可能です。
他にも購入したい製品の在庫確認をアプリで行うこともできます。
MUJI Passportは、商品価格から10%割引される無印良品週間の期間があり、その期間ではアプリのダウンロード数は大きく上昇するようです。
ニトリのオムニチャネル戦略事例
ニトリが行っているオムニチャネル戦略は、通販で購入した商品で実店舗で受け取れるサービスを展開しています。
これは
「実店舗で受け取るなら、実店舗で購入すればいい」
という考え方もありますが、考えてみてください。
在宅に届ける時間が指定できないお客様がいる場合、そのお客様が商品を手にできる時間が長くなってしまい、無駄になってしまいます。
そんな時に実店舗で購入した商品を受け取ることができれば、無駄な時間を省くことができます。
ニトリのオムニチャネル戦略は現代のサラリーマンに優しい戦略です。
この戦略でオムニチャネルの拡大や利便性を追求しているのが、ニトリのマーケティング戦略です。
東急百貨店のオムニチャネル戦略事例
東急百貨店のオムニチャネル戦略は、主にアプリとSNSです。
SNSで顧客とコミュニケーションを持つことによるオムニチャネルを実現しています。
アプリの機能は、店舗情報やフロアガイドを確認することが可能で必要とあれば、アプリ内で買い物をすることも出来ます。
クーポン券も配信されていますが、クーポンのコードは実店舗だけでなく、SNSでも入手が可能です。
東急百貨店のオムニチャネル戦略は、SNSとアプリの連携でコンバージョン率20%を叩き出しています。
オムニチャネルを実施する3つの理由(メリット)
オムニチャネル戦略を実施することが利益に繋がると言い切れるのは、理由があります。
それは、顧客満足度と次回のマーケティングに直結するからです。
オムニチャネル戦略を使って、取れる情報はコストを払ってでも釣り合いが取れるものです。
オムニチャネル戦略が多くの企業にとって必要といえる理由を3つ紹介していきます。
顧客満足度の向上を目的にする
オムニチャネルを実践すると、顧客満足度を上げることができます。
なぜ顧客満足度を上げることができるかというと、アプリやECショップなどを連携させることによって顧客が求めている物や情報を提供できるからです。
オムニチャネル実践例で成功したUNIQLOは、アプリ限定価格やクーポンなどの顧客が喜ぶ機能を入れて顧客満足度を向上させています。
ニトリの事例でも紹介した「実店舗で受け取る仕組み」に関しても、人によっては非常に
「かゆいところに手が届く」
サービスです。
他の企業が出来ていない、でもユーザーが求めているサービスを提供できる企業は、例外なく顧客満足度が高いのです。
売上の取りこぼしなどの機会損失を防ぐため
オムニチャネル戦略を駆使することによって売上取りこぼしを主とする機会損失を防ぐことができます。
なぜ機会損失を防ぐことができるかというと、「在庫の一元管理が可能」になるからです。
例を上げるとECサイトで在庫切れになったとして、売り切れにしてしまうとどうしても利益を取りこぼしてしまいます。
しかし、店舗に在庫があればそこから持ってくることができるので、売上を上げることを諦める必要がないです。
オム二チャネル戦略を実践すると、実店舗、ECサイト、アプリ、SNSなどが統合関係にあるので、すぐに在庫を見つけることができます。
更に、自社の流通を整えることで、
「A店では売れているけど、B店では売れていない商品」
もスムーズに取り寄せることが出来ます。
オムニチャネルと併せて活用することで、各店舗の在庫を最小限に抑えることができるでしょう。
データの収集と分析のため
オムニチャネル戦略によって顧客情報データの収集と分析ができます。
なぜデータの収集と分析ができるかというと、顧客と繋がるポイントが多くなることにより顧客1人1人の行動データを効率的に収集できるからです。
オムニチャネル戦略を行うことで、顧客の登録情報から購入した商品の情報や興味を持った商品の情報などを追うことができるようになります。
その情報群を分析することによって、顧客達がどのような行動を取ったのか分析することにより、次のマーケティングに繋げていくことが可能です。
オムニチャネル戦略は、次に繋げていくためには有効な戦略なので次を意識して実践してみてください。
オムニチャネルを成功させる3つのポイント
オムニチャネル戦略を成功させるためには、ポイントがあります。
ポイントがあるかというと、以下の3つです
・価値提供や体験を明確に
・自社に合ったシステムの導入
・前チャネルで理解と認識を統一する
では、それぞれ細かく見ていきましょう。
価値提供や体験を明確に
オムニチャネル戦略で重要なのは、価値提供と体験です。
なぜ価値提供と体験が必要なのかというと、
「シームレス(より早く購入・より簡単に利用すること)に連携を図っている」
ため、どうしても不足しがちな面だからです。
自社の課題とゴールを定め、顧客に提供したい価値と体験を明確にしないと成果には結びつきません。
オムニチャネル戦略を実現するためには、外すことができない要素です。
顧客にどのような価値と体験を与えられるか考え、実現できるかが成功と失敗を分けます。
自社に合ったシステムの導入
自社に合ったシステム導入をすることが、オムニチャネル戦略を成功させる要素です。
なぜ自社に合ったシステムが必要になるかというと、データの一元管理をするために前チャネルを横断的に管理できるシステムが必須だからです。
システム開発と言うのは、単に高い金額を出せば良いものができるわけではありません。
他で活用しているシステムを活かす事や、過去のデータをきちんと利用できることが重要なのです。
コストは、自社の運用方法によっても大きく変化します。
システムの移行を進めるにあたって機会損失と膨大なコストがかかります。
機会損失とコストのことを考えて、自社に合ったシステム導入を進めることが必須です。
全チャネルで理解と認識を統一する
全チャネルで理解と認識を統一することは必須条件です。
全チャネルで理解と認識を統一しておくことで各チャネルとの連携強化に繋がるからです。
オムニチャネルのシステムを導入するだけでは意味がありません。
システムのスタッフの認識不足などがないように、教育をする必要があります。
教育をすることで、認識と理解を強め、連携が上手くいくことによってオムニチャネル戦略は成功に繋がります。
オムニチャネルの注意点を3つ紹介
オムニチャネル戦略は、メリットが大きいマーケティング手法ではありますが、注意しなければいけない面もあります。
それが以下の3つの項目です。
・初期投資の負担が大きい
・効果が出るまで長期目線で投資し続けなければいけない
・実店舗とWEB販売事業の担当者が上手く噛み合わなければいけない
オムニチャネル戦略を取る上で、注意点を知っておくことが何よりの成功するために必要なことです。
初期投資の負担が大きい
オムニチャネル戦略を取る場合、どうしても初期投資が膨大な金額がかかってしまいます。
それは、
・システム構築
・システムの移行
・新システムの操作教育
に膨大な費用がかかってしまうことが挙げられます。
システムを移行してからの教育についても、投資が必要なので初期投資はどうしても大きくなってしまうのが注意しなければいけない点です。
組織にシステムを理解・認識してもらうためには、教育は必要不可欠です。
システム構築から教育を通しての理解・認識までの工程でのコストが予想を上回ってしまうことも考えられます。
オムニチャネル戦略を取る際は、かかるコストを試算して余裕ある予算で取り掛かることが必要です。
効果が出るまで長期目線で投資し続けなければいけない
オムニチャネル戦略は、短期で効果が出るマーケティング手法ではありません。
長期目線で、効果を見ていく必要があります。
短期で見ると赤字になってしまうこともあるため資金繰りの悪化を招いてしまうことも考えられます。
オムニチャネル戦略を取る際は、長期目線で考え余裕を持って投資していくことが必要です。
実店舗とWEB販売事業の担当者が上手く噛み合わせないといけない
オムニチャネル戦略の大きな強みは、実店舗・ECサイト・ECサイトが連携して売上を挙げられる点です。
連携が必要ということは、各チャネルの担当者と上手く噛み合わないと、その戦略の効果は弱くなってしまいます。
オムニチャネル戦略の各チャネルに注意が必要なのが、売上のバランスが悪くなることによる士気の減少です。
これは、ECサイトや実店舗で連携していると起こることで実店舗の売上のバランスが悪くなることが挙げられます。
この現象がオムニチャネル戦略の一番のデメリットといえます。
実店舗とWEB販売事業が相互に噛み合っていないと、相互送客をすることはできません。
相互送客を考えて社員を教育したり、システムを構築したりする必要があります。
オムニチャネルを含め、マーケティング相談はAMELAに
今回は、オムニチャネルの事例について触れてきました。
今の日本は、
「良いものを作れば売れる」
という時代ではありません。
良いものを、どう顧客に伝えるか、そしてその中で顧客にどのような体験をさせるのかが重要なのです。
そんな中で、オムニチャネルはヒジュに有力な手段ではないかと考えています。
ただし、これらの戦略で重要なのは
「取得したデータをどのように活かすのか」
です。
例え、ユーザーが多少便利になったとしても、得られたデータを活用できなければ、売上の向上は一時的なものになりかねません。
反対に、データを分析する事で、これまで見えてこなかった情報も見えてきます。
例えば、Amazonでは商品ページの下に
「この商品を見た人は、この商品も見ています」
のような情報を表示しています。
これは、閲覧履歴を蓄積することで、買い回りを誘導する手法ですが、こういったデータを実店舗で行おうとすると、
「店員が定期的に店内を回り、顧客の買い回り行動を調査する」
のような作業が必要になります。
しかも、そのデータ収集は、システムで行う方法より圧倒的に少ない情報量になります。
このように、データを活用することこそ、本来オムニチャネルの有益性と言えます。
是非、マーケティングのご相談や、システム導入をAMELAにご相談ください。