今更聞けないABテストとは?WEBマーケティング部門がやるべきサイト改善

現在、多くの企業でホームページを作っているかと思います。
昔は名刺がわりに使われていたホームページも、現在では
「集客」
が主な目的になってきていると言うのは、多くの人が認識している事でしょう。
そして、多くの企業では、WEBマーケティングに力を入れており、専門のマーケティング部門を設けているケースも多いです。
そんなWEBマーケティングにおいて、非常に重要なものに
「ABテスト」
というものがあります。
今回は、このABテストについて見ていきたいと思います。
ABテストとは
ABテストとは、簡単に説明すると
「AパターンとBパターンのどちらが有効なサイトかを調べる方法」
です。
例えば、ホームページをリニューアルする場合。
理想としては、リニューアルによってお客さんへの印象が良くなったり、売り上げに繋がることですよね。
「しかし、完全にリニューアルしてしまったら、成果が上がらなかった時に困る。」
こういった状況でも、リアル店舗の場合は、仕方がないと割り切るしかありません。
一方で、ホームページであれば、ちょっとしたテストを行い、失敗を防ぐ事ができるのです。
また、ホームページの全体的なデザインに限らず、
・メニューアイコンの位置
・広告バナーの位置
・マイページメニューへのリンク場所
など、ちょっとした場所の違いでコンバージョンや離脱率を変化させる可能性があります。
そういった表示の違いが「正解か不正解か」を数値で判断するための手法の一つがABテストなのです。
ABテストをする理由
では、企業はなぜこのABテストを行う必要があるのでしょうか。
コンバージョンの向上
1つはコンバージョンを向上させるためです。
今の時代、モノが売れないと言われて久しいですが、それに伴って
「いかに高い成約率を出すのか」
がマーケティング部門に課せられた大きな課題です。
例えば、サイトに1万人のアクセスがあり、コンバージョンが5%だと500人が購入などのアクションを起こした事になりますが、3%だと300人しかアクションしていない事になります。
これが、数十万アクセス・数百万アクセスあるサイトであれば、たった1%のコンバージョン率の向上が、数百万円という利益を動かす可能性もあるのです。
一般的に、マーケティングでは
「アクセス数(アクセス人数) × 成約率 × 客単価」
という計算式が使われます。
アクセス人数を2倍3倍にすることは、物理的に不可能なケースも有ります。
(例えば、日本人口を超えてしまったり、業界の顧客数を超えてしまったり)
一方で、成約率を2倍・3倍にすることは、必ずしも不可能とは言えません。
こういった観点から、ある程度のアクセス数がすでに確保出来ているホームページでは、特にABテストは必要とされます。
新しいユーザーの動向を知るため
時代はどんどんと変化します。
例えば、この10年〜15年の間にスマホの普及率は急激に増えました。
それに伴って、「デジタルネイティブ」や「Z世代」といった、これまでの感覚や常識が通用しない人も増えています。
それは、ホームページのデザインでも同様で、昔は使いやすいとされていたデザインも、デジタルネイティブからすると、非常に使いづらい・・・と言う可能性もあります。
また、時代と共にデバイスのサイズが変化している事や、5Gなどのように、高速通信によってホームページでできる事自体の幅も広がりました。
このような時代の中で、
「自分の顧客ターゲットに対して、最善のホームページを提供する」
と言う事が求められており、それを知るためにもABテストが必要になるのです。
低コスト・小規模でサイト改善ができる
実店舗のリニューアルには、膨大な時間とお金、そして一時店舗を閉じている間の機会損失が発生します。
しかし、ABテストであれば、
・数ページ(1ページでも可能)
・短い期間だけ
という状態でのテストが可能です。
それと同時に、費用的にも安く済みます。
ABテストをするタイミング
では、ABテストを行うべきタイミングはどのような時なのでしょうか。
コンバージョンが低い場合
現状のサイトでコンバージョンが低いケースは、出来るだけ早急にABテストをする必要があるでしょう。
ただ、あまりにもコンバージョンが低すぎる様なケースは、テストをせずともコンバージョンが上がる可能性が高いため、ABテストで比較する対象を
「今のデザインと新しいデザイン」
でやるのではなく
「新しいデザイン1と新しいデザイン2」
という風に、新デザイン同士を比較するのが良いでしょう。
大規模リニューアル前のプレテスト
すでにある程度のコンバージョンやブランドイメージが確立されている企業であれば、大きなデザイン変更をする際にはABテストをしておく必要があるでしょう。
回遊率などその他の改善
例えば、コンバージョンが平均的な数値だったとしても、回遊率(1ユーザーが何ページ見ているのか)が低いと、機会損失が大きい可能性があります。
本来なら、このユーザーのニーズと予算に合う商品のセットがあるのに、そのセットにたどり着かずに単品で購入してしまった。
このような場合、セットの料金を取れるはずだったにも関わらず、単品の売上しか上がらなかったことになります。
こういった機会損失を防ぐためにも、コンバージョン以外の指標の改善も重要になってきます。
ABテストの注意点
では、実際にABテストをする際には、どのようなことに注意するべきなのでしょうか。
ある程度のアクセス数がある事が前提
ABテストは、ある程度のアクセス数がある事が前提になります。
統計的なデータを取る上では、ある程度の母数が無いと、
「たまたまそうなってしまった」
という結果になります。
そのため、数千・数万のアクセスに対しての行動を見ていく必要があるわけですが、仮に今のサイトに1000人/月しかアクセスが無かったとします。
そうすると、1万件のデータを元に分析しようと思うと、1年弱の時間がかかることになります。
しかし、これだけ長期間にわたってサンプルを取り続けてしまうと、デバイスが変化してしまうなど、正確なデータが取りにくいです。
そのため、現状アクセス数がそれほど多くないホームページのリニューアルをするなら、まずはアクセス数向上のための施策に費用を使うほうが良いでしょう。
目的をはっきりさせる
次に、目的をはっきりさせることが重要です。
例えば、
・サイトのコンバージョン率を上げる
・サイトの回遊率を上げる
この2つは、取るべき対策が違ってきます。
コンバージョンを上げるなら、商品を魅力的に見せやすくするデザインなどが要求される一方、回遊率を上げるには、欲しい商品が探しやすい検索システムを導入する事が考えられます。
このように、目的がはっきりしていないと、取るべき施策も違いますので、事前にチームでしっかりと意識共有をしておくことが重要でしょう。
多くの箇所を同時に変えない
サイトデザインを丸々変える場合を除き、ABテストでは、出来るだけ部分的なテストを行うのがオススメです。
例えば、一度に10箇所を変更してテストしても、どの部分が直接的に影響を与えたのかがわからなくなる可能性があります。
そのため、時期をズラして何度も挑戦し、一度に変更する箇所は限定するほうが良いでしょう。
一時的な売上ダウンは覚悟する
テストにおいて、必ずしも成功するばかりでは無いでしょう。
場合によっては、見慣れていないサイトに、違和感を覚えて一時的に売上が下がってしまう可能性もあります。
しかし、ABテストはそれを含めて調べるためのものなので、一時的に売上が下がることは覚悟で行う必要があります。
反対にいうと、現状の売上の大半がネットからの売上に依存した状態で、あまりにも余裕が無いタイミングの場合には、行うべきでは無いでしょう。
「使いにくい」と「慣れていない」は区別する
自社のホームページに熱狂的なファンがいる場合や、ホームページを利用する頻度が高い様な場合、デザインが変わると、慣れずに困るケースは多々あります。
このような時に、
「データ上、悪い数値になったから変更を止める」
と短絡的に考えてはいけないケースもあります。
それが、「慣れていない」という理由で悪い数値が出ているケースです。
例えば、iPhoneはあるタイミングで、デバイスからボタンがなくなりましたよね。
当時のユーザーは、ボタンが無いのは違和感があると感じていた人も多いでしょう。
しかし、慣れてしまうとボタンエリアがなくなった分、画面が表示される面積も広がりました。
この様に、
「今は単に慣れていないだけで、慣れればこっちの方が良い」
というケースもありますので、臨機応変に分析する必要があるでしょう。
サイト全体に関わる部分は短期間で何度も繰り返すのは危険
サイト全体のデザインを短期間で何度も変えることは、ユーザーの混乱を招きます。
特にリピーターの多いサイトでは、何度も変更されるとユーザーが不信感を感じて離れてしまう・・・というケースもありますので、慎重にタイミングを検討しましょう。
ただし、前述したように部分的なデザインやボタン・リンク位置などは、よほどの改悪でなければ、ある程度回数を行っても大丈夫でしょう。
ABテストができるツール
では、こういったABテストはどの様に行うのか。
一般的には、専用のツールを使います。
もっとも有名なツールとしては、Googleオプティマイズがあり、これはグーグルアナリティクスと連携ができることもあり、非常に使い勝手が良いです。
また、無料で利用できるのも大きなメリットでしょう。
その他にも、人気のツールとして
・Optimizely
・Kaizen Platform
・Visual Website Optimizer
などがあります。
金額は、月に数万円程度から、要相談のものまで、様々です。
最初はGoogleオプティマイズを利用し、どうしても足りない指標があれば、有料のツールを使うと良いでしょう。
また、データとして出てきても、分析の方法がわからない場合などは、有料のツールを利用すれば、ツールの開発会社がサポートしてくれる可能性があります。
マーケティングシステムの導入はAMELAに
今回は、マーケティングにおいて非常に有力な手法であるABテストを見てきました。
マーケティングは、年々その必要性が増してきていますし、ビッグデータの活用も重要視されるようになってきました。
こういった背景から、マーケティングにシステムを導入する企業も増えてきており、自社でデータ分析用のツールを開発するケースもあります。
AMELAでは、様々なシステム開発を行っております。
もし現状のマーケティング課題をITの分野から解決したいと感じた場合には、是非ご相談いただければと思います。