障がい者のためのプログラミング訓練の紹介|職業訓練・就労移行支援

現在、プログラミングを学ぶことの需要は非常に高いです。
給料もIT業界は高いと言われていますし、テレワークも盛んです。
コロナの影響で、テレワークをしたいと考える人がかなり増えたように感じますが、そんな中で
「職業訓練」
も一つの選択肢と言えるでしょう。
今回は、この職業訓練の中でも「障がい者」におけるプログラミングについて説明していきます。
障がい者でもスキルがあれば稼げる!プログラミングスキルを生かした働き方
2020年度から、小学校でプログラミング教育が必修化されました。
背景のひとつには、2019年の経済産業省の調査報告があるものと考えられます。
その内容は、2030年にはプログラマーの数が最大で78.7万人不足するというものです。
これらのことから、プログラマースキルは現在、社会に強く求められており、今後もその傾向が続くものと考えられます。
また、障がい者の多くが身体的なハンディを背負っていますが、IT業界ではスキルの習得ができれば、それらのハンディを覆すことも十分に可能です。
プログラマーはこんなところで活躍している
プログラマーは企業内、フリーランスを問わず、あらゆる場所でそのスキルを求められ活躍しています。
現在も社会全体からプログラマーへの需要は、急速に大きくなりつづけてます。
それは、これまで以上にプログラミングスキルが必要な社会になっているからだと考えられます。
例えば、DXが浸透する中、企業のWebサイトや、データ管理などにはこれまで以上にプログラマーのスキルが求められていることもその要因のひとつでしょう。
他にも、IOT(Internet Of Things: モノのインターネット)が急速に普及している現在では、家電や車などのモノにこれまで以上に複雑なプログラムが求められていることもプログラマーへの需要を大きくしています。
プログラマーの種類
プログラマーは、その仕事の内容からいくつかの種類に分けられます。
代表的なプログラマーを4つ紹介します。
Webプログラマー
Webサイトを構築するプログラマーです。
以前のWebサイトは、単に情報を表示するだけでしたが、技術の発展とともに問い合わせができたり、ユーザーが情報を書き込むことができたり、複雑な動作ができるようになりました。
そのため現在、集客力のあるWebサイトを運営するためには、専門的な技術を持つWebプログラマーが必要です。
使用する言語は、Java、PHP、JavaScript、Rubyなどです。
アプリケーションプログラマー
スマートフォンやパソコンなどで使うアプリの開発をするプログラマーです。
ダウンロードして使用するものだけではなく、Web上で使用するWebアプリケーションの開発も行います。
使用する言語は、Java、PHP、JavaScript、Python、C#などです。
ゲームプログラマー
ゲーム開発のうち、プログラミングの部分を担当するプログラマーです。
設計された仕様書のとおりに、ゲームが動作するように開発することが仕事です。
使用する言語は、C#、C++、Unity、JavaScript、Ruby、Swiftなどです。
通信系プログラマー
ネットワークに接続する機器のソフトウェアを開発するプログラマーです。
IOTの普及により、これまで以上に幅広い業種で求められているプログラマーです。
使用する言語は、Java、C、C++などです。
プログラマーは在宅ワークが可能
障害をお持ちの方の中には、在宅ワークを望む方が少なくないでしょう。
プログラマーは、在宅ワークが可能です。
実際に、2022年4月現在、求人サイトのindeedで
「障害者雇用 在宅 プログラマー」
で検索をすると310件の求人があります。
年収が600万円になる仕事の求人もあり、在宅ワークでのプログラマーの需要が高いことがわかります。
障がいのある方がプログラミングを無料で学ぶ方法
障害のある方が、ほぼ無料でプログラミングを学ぶ方法があります。
大きく分けて2つの制度に分かれますので、それぞれについて解説します。
障がい者の就職を支援する法律
無料でプログラミングを学ぶことができるのは、障害のある方の支援のための法律があるからです。
その法律は、
・「職業能力開発促進法」
・「障害者総合支援法」
の2つです。
職業能力開発促進法では、「職業訓練」という名称で支援が受けられます。
障害者総合支援法では「就労移行支援」という支援が受けられます。
職業訓練と就労移行支援の違い
ほぼ無料で学習できる点は共通ですが、両者にはいくつかの違いがあります。
障害者への支援を前提としているか
就労移行支援と職業訓練は、どちらも就職を目指している方を対象に、スキルを習得する支援を目的としています。
しかしこの2つの制度には、
「障害者の支援を前提としているかどうか」
という大きな違いがあります。
職業訓練では、障害の有無を問わずに支援をしています。
それに対して、就労移行支援では、障害者や精神疾患がある方を対象にしています。
そのため、就労移行支援では受講するペースや時間など、障害のある方それぞれにあった支援が受けやすい環境が提供されています。
学習期間
職業訓練の学習期間は、コースによって異なりますが6ヶ月〜1年です。
就労移行支援の学習期間は、標準利用期間が2年間、必要性が認められた場合に限っては1年間の更新が可能です。
就労移行支援の場合、2年間継続しなくてはいけないわけではなく、途中で就職することもできます。
入所時期
職業訓練は、入所時期は何月から、のように時期が決まっています。
就労移行支援では、時期が決まっていることはなく、必要な時にすぐに申し込みができます。
利用料金
ほぼ無料と説明しましたが、完全に無料ではありません。
職業訓練では、有料のコースがある場合、無料でも職業訓練生総合保健代金や教科書代がかかることがあります。
就労移行支援の利用料金は、前年の世帯収入に応じて変わります。
前年の世帯収入が概ね600万円を超えている場合は、月額利用料が37,200円かかります。
それでも、これからの就業人生を考えると、支払ってでもプログラミングを学ぶことには大きな価値があると言えるでしょう。
職業訓練でプログラミングを学ぶ
職業訓練では、希望する仕事に就くために必要なスキルを身につけるための、多くの訓練コースが用意されています。
プログラミングに関するコースも複数あり、興味のあるものか、レベルがあったものか、有料か無料かなど、自分にあったコースを選べます。
職業訓練校の種類
職業訓練を行う、職業訓練校・訓練方法は大きく4つの種類があります。
・国立職業リハビリテーションセンター(国が設置して機構が運営)
・障害者職業能力開発校(国または府県が設置して都道府県が運営)
・職業能力開発校(都道府県が設置・運営)
・委託訓練(企業や社会福祉法人などに委託)
です。
このうち有料なのは職業能力開発校で行われる訓練で、他の訓練では教科書代や保険料の他にお金はかかりません。
さらに、職業訓練では訓練手当が支給されます。
金額は月に10万円程度ですので、教科書代や保険料を含めても実質無料で訓練を受けることができます。
職業訓練でプログラミングを学べるコース
職業訓練で用意されているプログラミングに関するコースをいくつか紹介します。
各都道府県で用意されているコースが異なりますので、例として東京都で受けられるコースとなります。
ビジネスアプリ開発科
東京都の障害者職業能力開発校で用意されているコースです。
訓練期間は1年間で、対象者は身体障害者、精神障害者、発達障害者となっています。
このコースでは、1年間で1,560時間の訓練時間があり、コンピュータの基礎知識からプログラム作成、アプリケーション開発まで行います。
取得を目指す資格として、
・情報処理技術者資格「ITパスポート」(国家資格)
・情報検定「基本スキル」「プログラマ認定」
・簿記検定「日商 簿記検定」「全経 簿記能力認定」
・コンピュータサービス技能評価試験「ワープロ部門」「表計算部門」
・VBAエキスパート
があげられています。
OAシステム開発科
東京都の職業能力開発校で用意されているコースです。
訓練期間は1年間で、1,600時間の訓練を受けられる有料のコースです。
情報処理に関する基礎からソフトウェア、ハードウェア、プログラミングなどレベルの高い訓練を受けられます。
身につけられるスキルも多く、例えば言語では
・C言語
・Java
・SQL
について学ぶことができます。
さらに、ネットワーク構築などについても学ぶことができ、企業の即戦力となれるスキルが身につけられるコースです。
ソフトウェア開発コース
国立職業リハビリテーションセンターで用意されているコースです。
身体障害者、高次脳障害者、精神障害者、発達障害者、難病のある方が対象です。
情報処理の基礎的な知識・技術を身につけ、そのうえでJavaやC言語を学びプログラムの設計・開発のスキルを身につけられるコースです。
訓練を通じてできるようになること
職業訓練は、仕事につながるスキルを身につけることが目的です。
そのため、どのコースの訓練を通じても仕事に直結する実践的なスキルが身につきます。
プログラムに関するコースでは、Webプログラマー、アプリケーションプログラマーなど各種のプログラマーに必要なスキルが身につきます。
職業訓練後の就職状況
厚生労働省により、職業訓練後の就職率が公表されています。
ただし、プログラミングのコースを含むすべてのコースでの実績となります。
令和2年度の就職状況は、中退者を除く修了者の実績で就職率が62.9%です。
修了したすべての求職者が就職できるというわけではない数字ですが、即戦力として認められるスキルが身につくことが確認できる数字かと思います。
就労移行支援でプログラミングを学ぶ
就労移行支援でも、職業訓練と同様にプログラミングに関するさまざまなコースが用意されています。
就労移行支援で学べること
就労移行支援でのスキルの習得は、就労移行支援事業所で行われます。
就労移行支援事業所は、令和2年現在、全国に3,300件以上ありさまざまなスキルを身につけられます。
プログラミングに関しても、言語、ネットワーク、Web制作など、幅広いスキルを学ぶことができるので、自分にあった事業所を選ぶことができます。
プログラミングスキルを習得できる就労移行支援事業所
就労移行支援事業所を選ぶ際には、学びたいスキルがあるかどうかと合わせて、
・これまでの利用者数
・就職後の定着率
を確認することをおすすめします。
実績も定着率も、その事業所で学ぶスキルがどう生かされているか、就職後のサポートが充実しているかの参考にできる数字です。
プログラミングスキルを身につけられる就労移行支援事業所を、2つ紹介します。
atGPジョブトレ
atGPジョブトレは、株式会社ゼネラルパートナーズが運営する就労移行支援事務所です。
atGPジョブトレでは、デジタルクリエイターの育成で実績のあるデジタルハリウッドの本格的な講座を受講できます。
現役のプロクリエイターが講師となり、Web制作の全てのスキルを身につけることができます。
学ぶことができるプログラミングスキルは、
・HTML5
・PHP
・JavaScript
・VBA
・SQL
・RPA
などがあります。
2019年度の実績では、利用者数は不明ですが、定着率は91%です。
ココルポート
ココルポートは、株式会社ココルポートが運営する就労移行支援事業所です。
ココルポートの強みは、就職者数2,443名、定着率89.7%という確かな実績。
さらに、550種類以上の訓練メニューがあり、幅広い知識・スキルが身につけられるところも魅力です。
学ぶことができるプログラミングスキルは、
・C言語
・JAVA
・SQL
・PHP
・HTML
・Microsoft Office
・Adobe社のソフトウェア
などがあります。
定着率が高い理由
就労移行支援事務所の多くは、利用者が就職後も安心して働き続けられるよう、就職後のサポートを行なっています。
必要があれば、就職先の人事や現場担当者との連絡を行うなど、高い定着率を維持しているのは、このような徹底した支援によるものです。
まとめ
今回は、障がい者に関する職業訓練でのプログラミングを見てきました。
一般的には、ハンディがあると考えられる障がい者であっても、
・在宅ワーク
・フレックスタイム制度
などが多くの企業で導入されているIT業界では、一般企業に比べると働きやすい環境が整っていると言えるのではないでしょうか。
また、制度を利用することで、無料もしくは非常に安価にプログラミングを学ぶことが可能です。
これらの制度を使って、是非未経験からIT業界への転職を成功させましょう。