リカレント教育とは?注目されている背景から概要を解説
学生から社会人になり、さまざまな経験をすると思います。 その過程で、「もっとこの分野の知識を深めていきたい」「あのスキルを身に付けたい」「〇〇の資格が欲しい」など、自身のスキルや知識に関して、学び直しをしたいと感じる方も多いでしょう。 そこで近年注目されているのがリカレント教育です。 リカレント教育とは、教育機関や社会人講座を受講して学び直しをする行為を指します。 この記事では、リカレント教育とは何か概要から特徴、なぜ注目されているのか理由などを解説していきます。 気になっている方はぜひご覧ください。
リカレント教育とは
リカレント(recurrent)教育とは、日本語で「循環や再発」を意味する言葉で、社会人になった後でも、必要に応じて教育機関や社会人講座を受講し、知識やスキルを学び直すことを指します。 もともとはスウェーデンで提唱された概念です。 教育を受ける場所は大学や大学院だけでなく、専門学校や資格取得講座、教育訓練校などさまざまであり、社会人の限られた時間で再教育を受ける行為を指す場合もあります。 リカレント教育の特徴は、学生と異なり学びたい知識や学ぶ形式、期間などを自由に決めることができる点です。 しかし、仕事や家庭と両立できるような計画性が必要なため、実行に移すまでは少し大変でしょう。
生涯学習と異なる点
リカレント教育と似た言葉で、「生涯学習」というものがあります。 両方とも年をとっても勉強を続ける点では共通していますが、生涯学習の場合、日々の暮らしの生きがいを目的とした学習を指します。 一方、リカレント教育の場合は、学習したことを仕事に活かすことで、自身の市場価値を高めたり、昇給や出世を目指すものです。 同じ意味で使われるシーンも多いですが、詳しく分けると上記のような意味合いになります。
リカレント教育が注目されている理由
ここでは、リカレント教育が注目されている理由を解説します。
日々変化する社会情勢
一つ目の理由は、社会情勢が日々変化していることです。 近年はスマートフォン・タブレットの普及により、誰でも簡単にインターネットへのアクセスが可能になりました。 その影響から、ECサイトの誕生やさまざまなITサービスの開発、AI技術の導入など、新しい技術が日々増えています。 そのような変化の著しい社会で生きるには、今の知識やスキルでは通用しない恐れがあるのです。 このことから、リカレント教育への関心が高まっています。
終身雇用の終わり
二つ目の理由は、終身雇用の終わりが見えてきたことです。 従来の企業では、終身雇用により、よほどのことがなければ一つの企業で定年まで働くことが当たり前でした。 しかし、今の社会は終身雇用が徐々に崩れており、企業に依存しないような能力を持つことが必要です。 自身の市場価値を高めるためにも、リカレント教育の重要性が問われています。
リカレント教育を支援する制度
上記のようにさまざまな場面でリカレント教育が注目されていますが、「資金」や「環境」などの理由で実施が難しい、と悩んでいる人も多いでしょう。 ここでは、リカレント教育を支援する制度をいくつかご紹介します。 利用できそうなものは積極的に利用し、リカレント教育を行えるようにしましょう。
教育訓練給付金
デジタル分野のスキル(プログラミングやDX)や医療系・事務系の資格など、転職に活かせる講座を受講するなら、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講しましょう。 条件を満たし申請することで、受講費用の一部(20%∼70%)が支給されます。
公的職業訓練(ハローワーク)
雇用保険に加入している人を対象に、仕事に必要な資格やスキルに関する講座を無料で受講できる制度があります。※テキストは自己負担 再就職を検討されている方におすすめです。
キャリアコンサルティング
キャリアコンサルティングサポートを利用することで、就職や転職に関する相談を無料で行えます。 今はオンラインで相談したり、LINEを活用して簡単にコミュニケーションが取れるサービスが多いため、忙しい社会人でも問題なく利用できるでしょう。
高等職業訓練促進給付金
高等職業訓練促進給付金制度とは、母子家庭や父子家庭のひとり親が、国家資格や民間資格の取得を目指す際に、その期間の生活費などを支援するものです。 訓練機関の間は、月額10万円(条件付き)が支給されるため、家庭の維持で大変な人でもリカレント教育を行うことができるでしょう。
リカレント教育で社会の変化に対応できる人材を目指す
この記事では、リカレント教育とは何か概要から特徴、なぜ注目されているのかを解説しました。 社会人になってからさまざまなイベントを経験し、自身のスキルや知識を広げていきたいと感じる人も多いです。 また、現在の社会は変化が激しく、常に新しい知識やスキルを身に付けないと周りから置いてかれてしまいます。 ぜひリカレント教育を行い、学び直しをして自身の市場価値を高めていきましょう。