VPNの構築費用はいくらか？相場からVPNについて詳しく解説

社会全体でIT技術が発達し、情報セキュリティに力をいれている企業が増えてきました。その中で積極的に進められているのがVPNの導入です。しかし、これまでシステム導入を行ってこなかった企業にとって「VPNを導入・構築するためにはどのくらいのコストがかかるのか」など、実情を良く知らない方も多いでしょう。そこで今回は、VPNを構築するための相場やVPNについて、詳しく解説していこうと思います。気になっている方はぜひ参考にしてください。

そもそもVPNとは

VPN（Virtual Private Network）とは、皆さんが良く利用しているインターネット空間を利用して構築される仮想のプライベートネットワークのことをさします。 VPNを導入する目的としては、セキュリティ対策が一般的でしょう。たとえば、カフェなどの公共Wi-Fiを利用すると、外部から個人情報が盗み出される可能性やデータの改ざんが行われるリスクがでてきます。そのようなリスクを避けるために、自社独自の回線（VPN）を用意し、セキュリティ対策を行うのです。

VPNの仕組み

VPNの仕組みは簡単です。企業に専用のルータを設置し、そこで設定された独自の回線内で通信を行うことで、外部からの不要なアクセスを制限し、セキュリティを強化できます。通信内容も暗号化されており、外部からの解読は困難です。

VPNの構築費用：相場は2~5万円

VPNにはいくつか種類あり、ルータの購入と初期設定のみで手続きが完了するインターネットVPNの場合、相場は20,000~50,000万円程度と比較的安価です。一方、IP-VPNの場合は、ルータの購入と初期設定に加えて運用料金がかかります。運用料金は5,000円~50,000万円とふり幅が大きく、利用するサービスによって全体的な費用が異なるでしょう。

VPNの料金内訳

VPNの導入・構築を行う際はさまざまな費用が発生します。たとえば、初期導入費用ですが「機械工事」と「配線工事」それぞれの配線工事費用が必要です。 VPNの機器を交換する場合は別途交換費用が発生するため、予算設定は詳細に行うことをおすすめします。また、プランによってはシステム使用料も含まれているでしょう。月額料金として発生するのは「回線使用料」や「配線設備使用料」「回線接続装置使用料」などがあり、それぞれ台数によって料金が変動する仕組みです。

VPNの種類

VPNにはいくつか種類がありますが、その中でも一般的に利用されている3種類をご紹介します。

インターネットVPN

まず一つ目はインターネットVPNです。インターネットVPNの特徴としては、自社内でも構築・運用が行える手軽さと構築費用が比較的安価で、導入にかかるコストを抑えることができる点にあります。しかし、帯域（一度に送信できる情報の量）が制限されているため、大量のデータを送受信しにくいデメリットがあります。また、セキュリティも他のVPNと比較してあまり高くないので、初めてVPNの利用を検討している企業に向いているでしょう。

IP-VPN

二つ目はIP-VPNです。 IP-VPNの特徴としては、インターネットVPNよりも広い広域を利用できるため、大量の情報をやりとりできることがあげられます。他にも、構築・運用は通信事業者で対応してくれるので、セキュリティ状態を高く維持できる魅力があるでしょう。しかし、通信事業者に運用を託すため、月額料金がかかるなどコストが増えるデメリットは考慮する必要があります。

広域イーサネット

三つ目は広域イーサネットです。広域イーサネットの特徴としては、IP-VPNと同じように広い帯域を利用できるため、大量のデータを送受信できるのはもちろん、高速通信の実現と遅延の削減が行えるメリットがあります。また、ネットワーク構成の自由度が高く、拠点の追加からプロトコルの変更といったカスタマイズ性が高い点も魅力です。ただ、性能が高くなるにつれて運用コストや導入コストが増えてしまうので、自社の設定している予算に沿ってサービスを選択するようにしましょう。

VPNの目的に最適なVPNを導入する

この記事では、VPNの構築費用相場からVPNについて詳しくご紹介しました。現在はどの種類でも比較的コストを抑えて導入・構築することが可能なので、リモートワークの実施などシステム整備が必要になった企業は、積極的な導入をおすすめします。単純に通信処理速度が改善し、業務効率が向上するだけでなく、自社情報を守るためのセキュリティ対策としても役立ちます。気になっている方はこの記事を参考に、導入スケジュールを検討してみましょう。