【DevOpsとは】メリットを踏まえて分かりやすく解説
DevOpsについてご存じでしょうか? 近年のITのトレンドの一つとして取り上げられ、DevOpsエンジニアは2021年にGlassdoor社が発表した 「アメリカで最高の仕事」 において第5位にランクインしました。 また、2021年に行われたUpskilling社アンケートによると、68%もの解答者が企業にDevOpsを導入したいと回答しています。 過半数以上の企業がDevOpsの導入を行いたいと考えており、今後ともこの流れはさらに加速していくと予想されています。 そんなDevOpsについて本記事では一から分かりやすく解説していきます。 DevOpsに少しでも興味がある方や今後DevOpsの導入を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
DevOps(DevOps)とは を分かりやすく解説
DevOps(DevOps)とは を分かりやすく解説[/caption] まず初めにDevOpsについて分かりやすく説明していきます。 DevOpsとは、開発を意味するDevelopmentと運用を意味するOperationsを組み合わせてできた造語になります。 開発チームと運用チームがお互い密に繋がることによりシステムの開発・運用がスムーズに進むシステム開発モデルのことをDevOpsと言います。 DevOpsが誕生した背景として、 「時代の変化が早いため、今までの開発体制では対応が難しくなった」 ということが挙げられます。 以前は開発チームはシステムの開発にのみ専念し、運用チームはシステムの運用にのみ専念するという体制でした。 しかし、開発チームと運用チームがそれぞれ独立している状態には、多くのデメリットが存在します。 例えば、運用チームがシステムの運用をしている際に開発チームのミスに気が付き修正を行う際、一度開発チームに確認をしないとシステムの修正を行うことができません。 本来であれば、運用チームが簡単な修正を適宜行うことが理想ですが、運用チームに開発の能力を持った人も居ない・・・というのが当たり前でした。 その結果、スムーズにシステムを稼働させることが難しくなってしまいます。 そんな煩わしさを解消する為に登場したのが、開発チームと運用チームを繋ぐ役割を持つDevOpsです。 DevOpsはシステムの開発と運用を切り離すことなく繋がっているものと考えるため、運用の段階で開発でのミスを見つけた際にもスムーズに対応することが可能です。 質の高いシステムを短期間で開発し、運用までスムーズに繋げていくことがDevOpsでは可能なため、近年人気が高まっています。
DevOpsのメリット
DevOpsのメリット[/caption] DevOpsを使用することで、様々なメリットを得ることができます。 ここでは3つほどご紹介します。
スピード&クオリティが高まる
メリットの1つ目は、システム開発のスピードとクオリティが高まることです。 開発チーム側の仕事は、システムに新たな機能を導入することで、より質を高くユーザーが利用しやすいシステム作りを目指すことです。 一方、運用チーム側の仕事はシステムが安定して稼働するようにメンテナンスや不具合を修正することにあります。 DevOpsの導入を行っていない場合、運用チーム側は既存のシステムに開発チームが新たに機能を追加すると運用が大変になる為、機能の追加を嫌がります。 しかし、DevOpsを導入した場合、既存のシステムに新たな機能を追加したとしても運用チームの仕事をDevOpsが導入されていな時と比較して確実に減らすことができるため、運用チームの負担を減らすことができます。 その結果、スピーディーに開発を行い、クオリティの高いシステム運用に繋がります。
生産性が高まる
メリットの2つ目は、システム開発においての生産性が向上することです。 DevOpsを導入することで、システムを短期間でリリースすることが可能になる為、ユーザーからのフィードバックを素早くキャッチし、素早く反映させることが可能となります。 ミスの修正や余計な開発を行わずに済むため、DevOpsの導入は生産性の向上へと繋がります。
ヒューマンエラーの防止
メリットの3つ目は、ヒューマンエラーの防止に繋がります。 どんなに優れた人間でも必ずミスや勘違いをします。 しかし、DevOpsを導入することで、ヒューマンエラーを防止することができます。 その結果、開発の質が高まり、運用も行いやすくなる為、開発チームと運用チーム両方にメリットがあります。
アジャイル開発とDevOps
アジャイル開発とDevOps[/caption] 次にアジャイル開発とDevOpsの違いについて詳しく解説していきます。
アジャイル開発とは
アジャイルとは、日本語で「俊敏な」や「素早い」といった意味があります。 アジャイル開発は、システム開発手法の一つで、その名の通り従来の開発手法と比較して、素早いシステム開発を行うことが可能です。 システム開発を長期間単位で考えるのではなく、小単位で実装とテストを繰り返しながら開発を進めていきます。 反対に、しっかりと仕様を詰めた上で仕様書を作成し、その後開発を行う手法をウォーターフォール開発と言います。 アジャイル開発は、プロジェクトを進めている途中で仕様変更や機能追加を行う可能性があるプロジェクトの開発に向いています。 反対に、仕様がほとんど決まっていて、変更の可能性が少ないシステム開発にはアジャイル開発よりウォーターフォール開発が向いています。
アジャイル開発とDevOpsの違い
DevOpsは、開発チームと運用チームが互いに協力することで、質の高いシステムをスピーディーに開発・運用していくための開発モデルです。 一方、アジャイル開発は、素早い開発を行うための具体的な開発手法になります。 DevOpsとアジャイル開発は、生産性の向上や開発のスピードを上げるといった目的の部分は共通しています。 しかし、概念を表すモノなのか、具体的な開発手法を表すモノなのかで大きな違いがあります。 アジャイル開発は、DevOpsを行うために、使用される具体的な開発手法であると言えます。
DevOpsを実現する為に使用される開発手法
DevOpsを実現する為に使用される開発手法[/caption] アジャイル開発以外にも、DevOpsを実現する為に使用される開発手法はたくさんあります。
継続的インテグレーション(CI)
継続的インテグレーションとは、システム開発を行う際に、ビルドやテストを繰り返し頻繁に行うことで、問題や課題を早期に発見して開発の効率化や開発期間の短縮を目指す開発手法です。 エラーは気が付くまでに時間がかかればかかるほど修正に手間がかかり、開発期間も伸びる傾向にあります。 継続的インテグレーションでは、エラーやバグを早期に発見できるため、修正に時間がかからないかつ、システムの質を向上させることが可能になります。
継続的デリバリー(CD)
継続的デリバリーでは、システム開発を行う際に、開発で制作したプログラム、または修正を行ったプログラムを自動で導入環境へリリースが行われるようにする自動化の仕組みです。 自動で導入環境へとリリースされるようにすることで、システム自体も迅速にリリースすることが可能となります。 また、開発チームの生産性を向上させる、システムの更新や追加機能を迅速にリリースできるといったメリットもあります。
継続的デプロイメント(CD)
継続的デプロイメントとは、継続的デリバリーを進化させたもので、デプロイまでを自動化することです。 デプロイとは、システム開発を行った際に、実際に利用できるようにする作業のことを言います。 デプロイの自動化を行うことにより、システムを利用するユーザーは常に最新の状態でシステムを利用することが可能となります。 また、デプロイまでを自動で行ってくれるため、開発者の負担も継続的デリバリーよりもより軽減することができます。
DevOps実現のために使用されるツール
DevOps実現のために使用されるツール[/caption] DevOpsを実現するために、バージョン管理ツールやテストを自動で行うためのツールなど、DevOps実現のために様々なツールが使用されます。
プロジェクト管理ツール
各プロジェクトの進捗や課題、各メンバーの負荷を管理するために、プロジェクト管理ツールを使用します。 JIRAやGitなどが有名ですが、1人が複数のプロジェクトに参画したり、社内で複数のプロジェクトが動いている場合には導入を検討すると良いでしょう。
ソースコードやバージョン管理ツール
バージョン管理ツールを導入することで、ソースコードの変更や追加など時間の経過とともに追うことが可能となり、誰がソースを修正したのかなど履歴で把握することできます。 バージョン管理ツールの導入は、生産性の向上に繋がるのはもちろんですが、変更者や時間が把握できるため、品質の向上にも繋がります。 GitやSubVersion(SVN)、CVSなどのバージョン管理ツールが有名で、実際の開発現場でもよく利用させています。
テストアシスタントツール
単体テストは、様々なバリエーションでのテストが必要となり、そのために役立つのがテストアシスタントツールです。 JUnitなどが有名で、入力値のテストパターンをcsvで一括作成できるなど、テスト工数を削減する上で非常に有益なツールです。
コミュニケーションツール
コミュニケーションツールを使用することで、連絡をスムーズに取ることが可能になります。 また、コミュニケーションツールは基本的に文字でのやり取りの為、用件を文字で送り、送られた側は好きなタイミングで確認し、返信することが可能です。 さらにファイル共有や音声通話を行えるコミュニケーションツールもたくさんあるため、使用用途にあったお好みのツールを使用することをおススメします。 ChatworkやSlack、Teamsなどがビジネスで使用される有名なコミュニケーションツールとして上げられます。
DevOps導入ならAMELAに相談を
DevOps導入ならAMELAに相談を[/caption] 今回は、これから多くの企業で求められるであろう、DevOpsについて見てきました。 開発と運用がスムーズにコミュニケーションが取れること、短期間で中規模のシステムが作れること。 これらは、時代の変化が早い現代において、非常に多くのメリットがあります。 それに伴ってDevOpsエンジニアという職種も需要が高まり、求人数も増えています。 また、平均年収も600万円~700万円とも言われており、非常に需要の高い事がわかるでしょう。 そんなDevOpsを自社でも導入したい。 そういった場合、是非AMELAにご相談いただければと思います。