OODAループとは?PDCAサイクルに代わる新しい概念

皆さんはビジネスシーンや日常でPDCAサイクルといったものを良く利用しませんか?PDCAサイクルは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の4ステップに分類してタスクを処理する概念です。 しかし、現代はさまざまな事象が複雑化しており、従来のPDCAサイクルでは解決できない問題が増えてきました。そこで注目を集めているのが「OODAループ」です。 この記事では、OODAループとは何か解説すると共に、利用するメリット・デメリットまでご紹介します。興味のある方はぜひ参考にしてください。

OODAループとは

amela.co.jp news image 1

OODAループとは、PDCAサイクルに並ぶ新しいフレームワークで、「Observe(観察)」「Orient(状況判断、方向づけ)」「Decide(意思決定)」「Act(行動)」の4ステップから頭文字をとった言葉です。

OODAループの内容

OODAループの内容は観察・状況判断・意思決定・行動の4ステップに分かれており、各ステップで行うことが決まっています。

Observe(観察)

まず、Observe(観察)では、市場や顧客・競合といった対象を定めて観察します。 たとえば、「A社の事業は女性顧客が7割」「B社はX事業に関して全国展開を進めている」など、憶測ではなくありのまま(生のデータ)を観察・調査することで、客観的な状況を把握することが可能です。

Orient(状況判断)

次に、Orient(状況判断)では、Observeで集めた情報を分析し、対象の動向を調べます。この際、情報から予想できる状況を検討し、事業で活かせるヒントを探すことが重要です。 先ほどの例だと、以下のようなOrientが考えられるでしょう。 Observe→A社の事業は女性顧客が7割 Orient→男性向け商品で勝負したらシェアを奪える可能性があるかも? Observe→B社はX事業に関して全国展開を進めている Orient→関東圏に力を入れて手薄なエリアを攻めていくチャンスなのでは?

Decide(意思決定)

Decide(意思決定)では、具体的な行動を決定していきます。 先ほど、Orientで検討した案を実行に移す場合、「男性向け商品で勝負したらシェアを奪える可能性があるかも?」→「店舗限定で男性向け商品を開発・販売を試験的に行う」といった具合です。 ただ一点注意したいことがあります。それは、PDCAサイクルにある「Plan」のように、何度も繰り返して最大化を求めるといった考え方をしないことです。 OODAループでは、変化の激しい市場で成果を出すことを目的としています。そのため、常に最善策を行動に移し、最大限の効果を得るという思考で意思決定をしましょう。

Act(実行)

最後に、Act(実行)では検討した施策を実際に導入します。 Decideで「店舗限定で男性向け商品を開発・販売を試験的に行う」と意思決定したなら、Actでは従業員にその意思を伝えて現場に導入するところまで行います。 これらのサイクルを高速に回すことで、変化の激しい市場に対応できるビジネスを展開できるでしょう。

OODAループを実施するメリット・デメリット

amela.co.jp news image 2

注目を集めているOODAループですが、メリット・デメリットそれぞれ存在します。特徴を理解し、実践すべきか検討しましょう。

OODAループのメリット

OODAループのメリットは、状況を判断し行動に移せるフレームワークであることです。 PDCAサイクルの場合、上層部の判断を待つ必要があり、行動に移すまで時間がかかりますが、OODAループなら、現場の状況に合わせた対応ができるため、行動までスムーズに移せるでしょう。 このことから、以下のようなメリットが生まれます。 ・問題を先延ばししない・現場に適した行動ができる・自分の考えで行動しながら組織作りができる・施策の検討がスムーズになる 刻々と変化する市場や顧客のニーズに適したサービスを、適切なタイミングで提供できるので、売上向上や顧客体験の向上など多方面で役に立つことが多いです。

OODAループのデメリット

一方、OODAループでは自分で考えて行動することが多く、以下のようなデメリットが生まれます。 ・思い付きで行動する社員が出てくる・短期的な施策が検討されがち・データが残りずらく情報の共有がおろそかになる PDCAサイクルでは、全体で計画を共有し、統制を行いながら施策を検討するため、中長期的な計画では適しているでしょう。 しかしOODAループの場合、個々に行動することが多く、統制が難しい課題があります。 対策としては、目的の設定と共有をおこない、定期的に考え方や方向性を揃えるための議論を設ける方法が有効です。組織全体で意思統一を行い、効果的にOODAループを実施しましょう。

OODAループの活用で市場の変化に柔軟に対応する

この記事では、OODAループとは何か概要から、実施するメリット・デメリットをご紹介しました。 PDCAサイクルでは対応できない市場の変化でも、OODAループを利用することで対応できます。しかし、個々の統制をしっかり行わないと、期待した効果を得ることができないでしょう。 この記事で解説した注意点を理解し、自社で導入すべきか検討してみることをおすすめします。