ABMとは?基本的な内容からメリット・デメリットをご紹介
近年、BtoBマーケティングの分野において注目されている「ABM」ですが、詳しく知らない方も多いでしょう。ABMとは、自社にとって価値の高い顧客をメインターゲットにし、事業の売上を最大化するマーケティング手法のことをいいます。 この記事では、ABMの基本的な内容からメリット・デメリットを詳しく解説します。これからABMを実施しようと検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
ABMとは
ABMとは、Account Based Marketing(アカウントベースドマーケティング)の頭文字を並べた用語で、自社にとって高い価値を持っているユーザーをターゲット・アカウントに設定し、そのターゲット・アカウントから得られる売上の最大化を目指すマーケティング手法です。 従来のマーケティング活動では、広い範囲から見込み顧客を獲得し、そこから徐々にターゲットを絞り込んでいくといったスタイルでした。一方、ABMではいきなりターゲットを絞ります。 アプローチできる母数は減りますが、商談率をグッと高めることができるため、最近はABMを導入する企業が増えてきました。
ABMの進め方
上記のように注目が集まっているABMですが、具体的にどう実施するのか知りたい方も多いでしょう。ここでは、ABMの進め方を解説していきます。
ターゲット・アカウントの選定
まず最初に、自社にとって価値の高いユーザー(ターゲット・アカウント)を選定していきます。 選定では、顧客の業種や業務スタイル、企業規模や所在地・従業員数など、さまざまな属性を分析します。 くわえて、他社調査で得たデータやこれまで自社で蓄積してきた情報を活用し、自社製品との相性や収益性、競合他社との兼ね合いを確認し、総合的な評価をしましょう。 自社にとって価値をもたらしてくれる顧客をターゲット・アカウントに選定することで、高い利益を生み出すことができます。
アプローチ戦略の検討
ターゲット・アカウントを選定できたら、次はアプローチ戦略を考えます。 顧客の購買検討プロセスを洗い出し、各カテゴリーに分類して一旦可視化すると良いでしょう。 どのフェーズで広告を公開するか、どの段階で顧客にダイレクトアプローチをするのか、細かく施策の検討を行います。 また、このステップでは、チャネルの検討やペルソナ定義、カスタマージャーニーマップの作成など、従来から使われてきた手法を活用し、さまざまな戦略を立てることが大切です。
実施・効果測定と改善
施策の検討ができたら、さっそくターゲット・アカウントに向けてアプローチを開始します。 施策の実施をし始めたら、常に効果測定を行うことが大切です。事前に設定していた定義や指標を確認し、達成度が目標の数値に届いているか分析し、成果が出ていないときは改善策の検討をします。 すばやくPDCAサイクルを回すことで、施策の効果を高めることが可能です。
ABMのメリット・デメリット
ABMにはさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。以下でそれぞれ解説するので、参考程度にご覧ください。
ABMのメリット
ABMを実施するメリットは、アプローチするターゲットを初期段階から絞り込めることです。 従来のマーケティング手法では、幅広い対象にアプローチできましたが、分析や施策の実施にかかる時間もコストも膨大でした。 しかし、ABMの場合、最初から対象が絞りこめているので、自社の利益につながる企業に直接営業活動ができ、無駄な工程を減らして効率よくマーケティングを行うことが可能です。 また、ABMではマーケティング部と営業部の連帯を重視するため、結果的に組織内のコミュニケーションが図れます。ABMによって、双方に良い影響をもたらすことが期待できるでしょう。
ABMのデメリット
ABMのデメリットですが、ABMという手法そのものには目立ったデメリットはありません。しかし、ABMの手法が合う企業と合わない企業で、はっきり分かれてしまう点はデメリットになるでしょう。 そもそもABMでは、ターゲット・アカウントから得られる売り上げの最大化を目指す手法です。つまり、ターゲット企業に対してクロスセルなど、売上を積み上げていくスタイルが中心になります。 そのため、クロスセルが行えるような複数商材・サービスを持っていない企業では、ABMの導入が上手くいかず高い効果を期待することが難しいです。 また、ターゲットを絞り込むという特性がある以上、売上を上げるためにはある程度のボリュームが必要になってきます。ターゲットになるのは大手、もしくは大規模中小企業になってくることは理解しておきましょう。
ABMの実施は慎重に
この記事では、ABMの概要からメリット・デメリットまで詳しく解説しました。 ABMを実施することで、自社にとって価値の高い顧客にアプローチができますが、企業のタイプによっては相性が合わない可能性もあります。 注目されている手法だからといって、むやみに取り組まず、自社の状況や手法にマッチしているか判断し、導入の検討を行いましょう。