アップセルとは何か?概要やクロスセルとの違いを解説

最近よく使われるようになった言葉で「アップセル」というものがあります。アップセルとは、顧客1人当たりの売上を高くするための手法ですが、細かく分けると3パターンの手法が存在します。 そこで今回は、アップセルとは何か、概要から実施することで得られる効果など、詳しく解説していきます。気になっていた方はぜひ最後までご覧ください。

アップセルとは

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導入部分でも少し解説しましたが、アップセルとは、1人当たりの客単価を高める営業手法の1つで、市場の飽和や人口減少の背景にともない、近年注目を集めています。 一般的にアップセルは、より高い単価で商品を買ってもらうための取り組み・手法と説明されることが多いですが、具体的なパターンに分けると3つの種類が存在します。そのため、企業によって有効な施策が異なり、適切に実施する手法を検討しないと高い効果を得られない可能性があるのです。 以下では、アップセルの種類をそれぞれご紹介します。まずはどの切り口が自社に適しているか判断するため、知識を身に付けましょう。

上位・高級品の提案

まず1つ目は、上位・高級品の提案をする方法です。 イメージしやすいものだと、家電製品があるでしょう。洗濯機や掃除機など、基本的な機能が備わっていれば問題なく使用できますが、乾燥機能や柔軟剤の自動調整・投与機能が加わることで、生活の利便性が向上します。 他には、より待遇が付いたクレジットカードへの招待、上位プランの開放など、より質の高いサービスを受けられるプランの提供が当てはまります。

まとめ買いの提供

2つ目は、まとめ買いの提案です。 よく商品を購入する時、まとめて購入することで、料金の割引や特典が付くことがあるでしょう。ネットショップでよく使われる手法で、「〇品または〇円以上のお買い上げで10%off」といった、商品の複数購入を促進するキャンペーンを実施するのが、まとめ買いの提案です。

定期コースの提案

3つ目は、定期コースの提案です。 消耗品や毎日利用する商品は、定期コースの提案をすることで、利用ユーザーの確保や販売数の予想など、商品の管理が行いやすく、また、商品を都度購入する手間や送料の節約など、さまざまな面で効果を得ることができます。 特に、健康食品で実施されることが多い手法です。

アップセルの実施で得られる効果

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アップセルの概要を理解したところで、次は実施して得られる効果をご紹介します。なぜアップセルの実施が必要なのか、その理由が分かると思います。ぜひ参考にしてください。

効果① 顧客の売り上げ単価向上

アップセルの目的は、顧客1人当たりの売り上げ単価を高めることです。つまり、効率的に利益を上げることを目指しています。 アップセルを実施することで、顧客の行動分析から分かったデータを検証し、商品の再設計、ターゲットの選択を行い、最適なユーザーに商品を販売することができます。本当に商品を求めているユーザーを相手にするため、売り上げ単価を最大まで高めて販売することが可能です。 このように、適切な範囲で最大の利益率を生み出すアップセルは、多くの企業で採用されている手法となっています。

効果② LTV(生涯顧客単価)の向上

アップセルは、LTV(生涯顧客単価)の向上でも効果があります。 新規顧客へのアプローチは年々コストが高くなっており、既存顧客との関係性を構築することが売上向上のカギとなっています。このような問題に、アップセルは有効です。 アップセルを実施することで、ユーザーが求めている商品を把握し、ニーズに適した商品設計、提供することができます。ユーザーが企業の商品に満足すれば、その後も、その企業の商品を購入してくれるため、結果LTVの向上につながります。 現在、日本の市場は縮小傾向にあり、既存顧客との関係維持がとても重要です。ぜひアップセルの前向きな導入を検討しましょう。

アップセルを実施する4ステップ

ここでは、アップセルを実施するための手順を4つのステップに分けて解説します。具体的には以下の4つです。

  • 市場・顧客分析
  • 時期とチャネルの検討
  • ターゲットの選定
  • 実施と振り返り

市場・顧客分析

まずは市場調査と顧客分析を行います。 市場で需要の高まっている商品は何か、顧客が求めている商品はどんなものか、把握することで最適なアップセルを実施できるようになります。 もし、自社が提供している商品に「高品質」のような特徴がある場合、アップセルの手法としては「高級品の提案」が最適でしょう。 1つ上の機能をアピールし、生活の向上をサポートをすることで、ターゲットユーザーに刺さります。

時期とチャネルの検討

大まかな市場調査と顧客分析ができたら、次はアップセルを実施するタイミングとチャネル(集客を行う媒体・経路)を検討します。 顧客との接点を作る方法はさまざまです。たとえば、SNSを利用することで営業では訪問できない遠くの人や、若い年代にアプローチすることができるでしょう。 また、アップセルを実施するタイミングも重要です。流行やトレンドにマッチした商品なら、流行ができている時期に、社会情勢によって左右する商品なら、注目が集まる時期に実施することで、高い相乗効果を得るでしょう。

ターゲットの選定

分析・タイミング、チャネルの検討など、いくつか準備が整ったらターゲットの選定を行います。 自社商品に対して興味関心を抱いている見込み顧客を選定するために、広告を出すのも1つの手です。 少しでも興味関心を持っているユーザーは育てることができるため、リピーターを作るチャンスにもなります。ターゲットの選定を慎重に行い、自社の売上につながる顧客を育てていきましょう。

実施と振り返り

ここまで準備ができたらいよいよアップセルの実施です。ただ、アップセルを行っておしまいではありません。成功した場合でも失敗した場合でも振り返りを行います。 振り返ることで自社にノウハウが蓄積され、次回以降の実施がスムーズになります。また、課題点が生じた場合でも改善するアイデアがでやすいなど、さまざまな面で役に立つでしょう。

アップセルの活用で売上向上につながる

この記事では、アップセルの概要から実施することで得られる効果などを解説しました。 顧客の売り上げ単価を高めることができるアップセルは、市場が縮小している日本の社会で生き抜くために必要なものです。 アップセルを導入する企業も増えているので、ぜひ少しでも興味を持ったなら実践してみましょう。