失敗しないために!システム外注の際の開発会社との付き合い方
システムを導入する企業は年々多くなっています。 非常に費用対効果の高いシステムが年々安く販売されるようになり、 「少ない人数で大きな成果を上げる」 という事が容易になりつつあると感じています。 反対に、いつまでも手作業や手書きでビジネスをしていると、どんどんと同業他社に置いていかれるでしょう。 特に ・自社アプリ ・自社サイト ・ネットショップ ・社内管理システム などは、あらゆる業界に必要とされると考えられます。 今回はそんなシステムを外注する際の注意点などを挙げていきましょう。
よくある失敗する外注パターン
よくある失敗する外注パターン まずは、システムを外注する際の失敗パターンを、いくつか挙げていきましょう。
「プロだし大丈夫」で丸投げ
システムを外注する際に、 「相手はシステム開発のプロだから任せておけば大丈夫」 と考えて、依頼をしてしまうケースは、意外と多いです。 これくらいわかっていて当然。 聞かれてないから答えていない。 こういったコミュニケーション不足が原因で、思っていた機能と違ったシステムが完成してしまうことは多々あります。 個人的に感じることですが、サラリーマンとしてしか働いてこなかったサラリーマンの多くが 「ビジネスを知らない」 と感じています。 例えば、顧客管理用のシステムを開発する際に、ビジネスを自分で立ち上げた経験のある人であれば、 「いかに顧客情報を活用して売上を増やすか」 「いかにリピーターを作るか」 「いかに顧客との関係性を築くか」 ということを重視して顧客情報の管理を行うでしょう。 そうなれば、 ・顧客情報を簡単に検索できる機能 ・過去に購入した履歴を集計できるような機能 ・簡単にメルマガを送れる機能 ・顧客の行動や予算金額から自社にとっての優良顧客のリストアップをする といった機能を容易に思いつくことでしょう。 しかし、ビジネスを経験していないエンジニアの場合には、その顧客情報をどのように活用するのかよりも ・入力画面のデザイン性 ・検索結果が出るまでのアニメーション など、本来やるべきことからすると、的外れな所に力を入れてしまう可能性があります。 このように、相手がシステム開発のプロであっても、現場を知らないサラリーマン・・・という可能性は高いため、しっかりと要望を伝える必要があるのです。
とりあえず〇〇(他社アプリ)と同じもの作って!
これも似たようなケースになりますが、同業他社がやっている施策を自社でもやりたい・・・という要望は多いです。 しかし、 ・本当にそれが必要なのか ・それ以前に優先するべき開発があるのではないか ということを考えられるシステム会社は、残念ながら少数派です。 例えば、集客のために自社アプリの開発をして、同業他社と同じような仕様のアプリを作ったとします。 しかし、同業他社はアプリを作っただけではなく ・集客としてWEB広告を出していた ・インフルエンサーを使った集客をしていた ・前段階として会員を集めていた などの背景があるケースが多いです。 単にアプリを作れば集客ができる・・・などと考える時代は既に終わったのです。 にも関わらず、外側だけを真似してしまうシステム会社は非常に多いです。 本来であれば、システム会社がプロの立場から 「システムを作ることも重要ですが、そのためのマーケティングを前提として開発をするべきだ」 という話をするべきでしょう。 しかし、そういったコンサルティング的な立場からのアドバイスができるシステム会社は少ないのです。 そのため、こういったケースでの失敗も多いのです。
運用まで考えられていない
運用を考えずに提案するシステム会社も、失敗として多いケースになります。 例えば、ショールームの来場に対して、1組あたり30分の顧客情報入力が必要だったとします。 顧客単価が高いようなビジネスモデルでは、珍しく無いかと思います。 その企業に対して集客用にシステムの導入をしたとします。 結果、集客が増えたのは良いですが、顧客情報の入力に忙殺されてしまい、次の施策を考えたり、顧客に対して定期的な情報発信ができない・・・というケースが考えられます。 こういったケースの場合、集客を増やす前に、顧客情報の入力を簡素化させていれば、従業員への負荷はそれほど増えなかった可能性があります。 例えば、お客様に住所や氏名などを手書きで書いてもらって、OCRなどの仕組みを使ってデータ化したり、お客様に直接タブレットなどの端末で入力をしてもらう・・・といった形です。 他にも、接客のマニュアル化や新人教育などの準備をしてから集客を行えば大きな成果を上げることができるかもしれません。 しかし、集客を優先して増やした結果、成約率は下がり、結果として赤字になる・・・というパターンもあり得るのです。
予想外に納期がかかった
システムを開発する際には、事前に納期やスケジュールを決めることが多いです。 システムの完成に合わせて広告を打つなどの施策も多いと思いますが、システム会社によっては、この納期が遅くなってしまう可能性があります。 特にネットショップなどの直接販売に関連するような仕組みであれば、非常に大きな損失になる可能性があります。
予想外に金額がかかった
納期だけではなく、金額に関しても変動が見られるケースがあります。 特に多いのは、開発スタート前の打ち合わせである要件定義の段階で出ていなかった話が、途中で追加になるようなケースです。 例えば、自社アプリを開発している途中で、同業他社のアプリがさらに高機能な仕組みを導入し、それに負けられない・ ・・ というようなケースなどが考えられます。 他にも、コミュニケーション不足によって 「これくらいの機能は当然付いているだろう」 と考えるクライアント側と 「話に出ていないのだから見積もりに入れなくて良いだろう」 と考えるシステム会社。 両者がお互いの意思を確認していないからこそ起こってしまう出来事でしょう。
保守費用や管理費用が高い
システムは開発して完了ではありません。 自社でメンテナンスや急なエラーの対応ができなければ、システム会社と保守契約を結ぶのが一般的です。 この保守費用が思ったよりも高く、また継続的に支払いが発生するというパターンが考えられます。 固定費はビジネスにおいて最も注意するべきポイントの一つとも言えます。 こういった予算的な失敗も非常に多いでしょう。
開発会社に最低限伝えた方がいいこと
開発会社に最低限伝えた方がいいこと では、開発会社にシステムを依頼する際には、どのようなことを知らせておく必要があるのでしょうか。
システムのコンセプト
・サービスを提供するためのシステム ・業務システム どちらにおいても共通することになりますが、システム開発におけるコンセプトが必要になります。 例えば、最も大きなゴールが 「集客を2倍にする」 というシステムと 「同じ人員で1.5倍の労働力を生む」 というシステムと 「業務をマニュアル化し、新人でも業務ができるようにする」 というシステムでは、必要な機能も規模も構造も大きく変わってきます。 そのため、システム開発における目的やゴールを明確にし、それをしっかりとシステム会社に伝えておく必要があるでしょう。
ユーザーのペルソナ設計
ユーザーがどのような人かを想定するのも重要です。 一般ユーザー向けのサービスの場合は ・20代女性 ・30代男性 などのターゲット層によってデザインは大きく変わりますし、業務用システムの場合には ・システムに明るい情報システム部門 ・生産部門のITリテラシーの低い作業員 など、利用する人によって操作性や機能が変わってきます。 そのため、ペルソナのように 「利用者の想定」 がしっかりと伝わるようなコミュニケーションが重要になるでしょう。
利用者の規模の想定
利用するユーザー数も開発においては重要な要素です。 それによりサーバーのスペックやサーバーの契約内容が変わるケースがあるからです。 例えば、グーグルの提供するGCPやAmazonの提供するAWSは、固定の契約と従量課金の契約方法があります。 通信回数やデータの保存量など、サービス内容によって変わりますが、このサーバー費用は直接的な固定費に繋がります。 また、社内システムの場合にはオンプレミスのサーバーにシステムを入れるケースもありますが、その場合にもデータベースとしてOracleを利用する場合にはサーバーのコア数によって金額が変わるなど、システム単体ではなく、さまざまな要素で維持費が変わってきます。 これらを事前にきちんと想定できていないと、思わぬ費用が発生してしまう可能性があります。
大まかでもやりたいことを伝え、相手の反応を見る
大まかでもやりたいことを伝え、相手の反応を見る システム会社に求められることの1つが 「ヒアリング力」 になります。 ここまででも説明してきた通り、システム開発の意図や、リリース後の想定・現状の社内環境やビジネス的な問題点・改善点など、様々な情報を元に開発を行う必要があります。 そのため、いかにヒアリングで現状を引き出せるのか。 これがシステム会社に求められる事になります。 これを確かめるためにも、いくつかのシステム会社に依頼をして、ざっくりとした趣旨や要望を伝えた上で、相手のヒアリング力をみる・・・というのがシステム会社を選ぶ上では重要になるでしょう。 ヒアリング内容がしっかりしていて、こちらの意図をしっかりと理解してくれる。 その上で、こちらを納得させる提案と細かいリスク管理や運用想定をしてくれる。 こういったシステム会社に依頼するのがおすすめです。 併せて ・頻繁に連絡を取ってくれるか ・ドキュメントや議事録をきちんと残してコミュニケーションを図ってくれるか という部分を重視して企業を選定するのがおすすめです。 この時に注意点としては、 「営業マンはそれらが出来ているが、実際にプロジェクトのリーダーは雑なケースもある」 ということです。 営業マンは、契約を取るまでが仕事です。 そのため、契約をするまではしっかりとフォローしてくれるケースが多いです。 しかし、いざ契約が決まると、営業マンは次の新規契約を取るために動き出し、プロジェクトリーダーに引き継がれる・・・というケースが多いです。 その結果、プロジェクトリーダーにはヒアリング力が無かったり、コミュニケーション力や問題解決能力がない・・・となってしまっては、システム開発に失敗する可能性があります。 そのため、契約を決める前に、実際にプロジェクトに参加するエンジニアを交えて会議をするなどが必要でしょう。
失敗しないシステム開発はAMELAに
失敗しないシステム開発はAMELAに 明確な統計データはありませんが、体感としては2割〜3割程度の企業様が、 「過去にシステム開発に失敗した経験を持っている」 とおっしゃります。 システム会社はそれだけ会社によって差があるということでしょう。 特に、IT企業は他の業種に比べて非常に少ない人数で起業することもできますし、リモートでの開発も可能なため、 ・1人もしくは2〜3人で起業 ・エンジニアはネットで探す ・自宅兼事務所 ・運営資金は最小限 このようなシステム会社も存在するのが現実です。 そのため、依頼するシステム会社を間違ってしまえば、 ・問題解決能力がない ・仕様変更の融通が効かない ・見積もりが甘い ・機能が不十分 ・コミュニケーションがとりづらい といったリスクが出てきます。 そうならないためにも、しっかりとした実績があり、さまざまな業種・業界を経験してきているシステム会社に依頼するのが良いでしょう。 また、本文中にも述べたように、 「いかに細かくヒアリングをしてくれるか」 がシステム会社を選ぶ際の1つのポイントになるでしょう。 AMELAは、ITに関する幅広い依頼を受けることが出来ます。 今のシステムの運用方法に疑問がある場合や、1からシステムを構築したい場合・社内のIT人材を育成したい場合など、お気軽にご相談下さい。