MVCとは|ソフトウェア開発で重要な概念

Webサイトをプログラミングする上で、「MVCモデル」といった言葉を耳にする機会が多いです。MVCモデルとは、ソフトウェア開発で使用される設計モデル・概念のことを指します。 近年は企業でも使われることが多い言葉なので、ソフトウェア開発やウェブサイト開発に関わる方はぜひ知識として頭に入れておきましょう。詳細内容からメリット・デメリットまで詳しく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

MVCモデルとは

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MVCモデル(Model-View-Controller)とは、アプリケーションを「モデル」「ビュー」「コントローラ」の3つのコンポーネントに分けて、開発を行う設計モデルです。 これらのコンポーネントに分けて設計・開発をすることで、管理や保守運用などのインターフェースを独立させることができ、スムーズな実装を実現します。 「モデル」とは、プログラミングの機能や管理を行う部分で、「ビュー」はソフトウェアやWebサイトのデザイン、ユーザーインターフェースを表示・処理する部分、「コントローラ」はモデルとビューを相互に管理する機能を持った部分です。 この3つを独立して開発・管理することをMVCモデルと呼んでいます。

MVCモデルで実現できること

MVCモデルは通常Webアプリケーションで利用されることが多いです。 分かりやすい例として、ここではAmazonを事例にMVCモデルを説明していきます。 まず「モデル」ですが、Amazonの場合、ボタンをクリックすると購入ページに移動する、商品欄をクリックすると商品の詳細情報が表示される、といった具体的な機能にあたります。 続いて「ビュー」ですが、Amazonの場合だと商品ページ、購入ページ、マイページなどの表示されるWeb画面をイメージすると良いでしょう。 最後に「コントローラ」ですが、普段Webアプリケーションを使っていると目にすることが無い部分です。 コントローラでは、「マイページ」のようなWeb画面に表示されるHTMLをテンプレートして扱い、ある動作(○○のボタンをクリックするなど)が行われた時に、何を表示してどのような動きをするか管理しています。 これらのコンポーネントを独立したものと考えて並列に開発し、プログラミングの簡易化・効率化を実現しています。

MVCモデルを活用するメリット・デメリット

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MVCモデルを活用することで多くのメリットを得ることができますが、一方でデメリットも存在します。

メリット①:回線を節約できる

MVCモデルでは、複数のページ間情報を維持する必要が無いので、ビューステートを使用しません。ビューステートとは、現在のWebページの状態を保存するための仕組みです。そのため、回線への負荷が少なくデータ管理やデータ消費を節約することが可能です。

メリット②:保守性に優れている

MVCモデルを利用することで、各機能が分割・独立した状態になります。それぞれのモジュールを役割分担することで、不必要な情報が混じらない点は大きなメリットでしょう。 また、モデル・ビュー・コントローラどれかでエラーが出た場合でも、他に影響しないので、二次災害の可能性を減らす点ではメリットになります。他には、コードの混ざり合いを少なくする点でも保守性に優れており、近年のWebアプリケーション開発では積極的に利用されています。

メリット③:コードの再利用がしやすい

MVCモデルは各コンポーネントに分けて開発を行うので、モデルで利用したコードならモデル内で再利用するなど、コードの再利用がしやすいです。 また、一度書いたコードでしたら、機能することが検証されているため、信頼性や再現性など問題なく利用することができます。汎用性の高いメソッドを改良して新しいメソッドを作成するなど、開発の効率を高める面でも役に立つでしょう。

デメリット①:小規模プロジェクトには向いていない

各コンポーネントを分割して開発を行うため、小規模プロジェクトの場合はかえって手間がかかるので向いていません。 ある程度の規模がない場合は、一貫した設計に従ってプロジェクトを進めた方が効率が良く、ミスも減ります。取り組むプロジェクトがどの設計に適しているか見極めることが大切になるでしょう。

デメリット②:制約がある

MVCモデルは分割して設計・開発を行い保守性を保てますが、コードを分けて記述するため処理スピードが遅くなる可能性があります。オブジェクト間のやり取りもモジュールをまたぐため、細かい部分で制約が出てくる点はデメリットです。

デメリット③:コンポーネントの分割が難しい

プロジェクトによっては、機能を分割するのが難しい場合があり、役割分担を適切に決められないことがあります。MVCモデルはこの分割をしっかりやることがとても重要で、できていないとMVCのメリットを受けることができません。 オブジェクトをどのように分けたらいいのか、コードの記述方法など、カテゴリー分けをプロジェクトごとに設定し、混乱しないようにしましょう。

MVCモデルを利用することで機能的な開発が実現できる

MVCモデルはWebアプリケーションを開発する時にかかせない概念です。 各機能を独立させ、それぞれに必要なコードを書くことでセキュリティ対策を行うことができ、ユーザーにとって利用しやすいサービスを開発することができます。 ソフトウェアやアプリケーション開発では、誰から見ても分かりやすいコードを書くことで、エラーや問題発生を減らすことが可能です。MVCモデルを活用した設計を取り入れ、ユーザーにも開発者にも好まれるサービスを心掛けていきましょう。