【初心者向け】ディープラーニングとは?仕組みや活用事例を簡単に解説!

科学技術の発展が目覚ましい現代において、特にここ数年、注目の技術としてニュースなどで取り上げられる技術があります。 それが「ディープラーニング」です。 特にIT分野で耳にするかと思いますが、「ディープラーニング」とは何なのか、また似たような場面で用いられる「AI」や「機械学習」といったものとはどのように違うのか、改めて尋ねられると答えにくいですよね。 ここでは、ディープラーニングの概要と、その活用事例についてご紹介します。

ディープラーニングとは

ディープラーニングとは

ディープラーニングとは まず、ディープラーニングとは一体何なのでしょうか。 ここでは、用語として混同されることも多い「AI」「機械学習」との関係を踏まえて解説します。

AI・機械学習・ディープラーニング

簡単に言えばディープラーニングとは、「機械学習」の一種です。 そして「機械学習」は「AI」の技術の一種という位置づけになります。 それではまず、「AI」と「機械学習」について順番に確認していきましょう。

AIとは

「AI」とは、「人工知能(Artificial Intelligence)」のことを意味しています。 今のところ、その定義は人によって様々ではありますが、「大量の知識データに対して、高度な推論を的確に行うことを目指したもの」(一般社団法人 人工知能学会設立趣意書)といった定義が示されています。 また、人間の知的な行動を模倣したものを作る技術として捉えられる場合も多く、まとめて言えば、大量のデータ処理によって人間同様の知能を実現させようという試みであると言えます。 AIには大きく分けて、特定の処理に特化した「特化型AI」と、人間と同じように様々な領域で応用可能な処理を行う「汎用型AI」の二種類があります。 特化型とは、特定の決まった作業を遂行するためのもので、 ・自動運転技術 ・画像認識 ・将棋 ・チェス ・人との会話 など、1つの目的を持ち、その機能に特化したようなAIの事を言います。 一方で汎用型というのは、特定の業務を持っていないようなAIの事で、アニメの鉄腕アトムなどのような人間のように様々な事に対応できるAIの事を言います。 当然ですが、特化型のAIは決まった業務に対してのみの仕組みで良いので、汎用型に比べれば開発が容易です。 例えば、チェスのAIを作る際には、盤面に注力していればよく、誰かが話しかけてくる事も無ければ、突然人命救助を行う必要も出てきません。 そのため、考慮するべき対象が少なく、パターンが限られてきます。 だからこそ現在は特化型AIがメインとなっていますが、徐々に汎用型のAIも出てくることでしょう。

機械学習とは

機械学習とは、人間や動物が行う「学習」を機械的に模倣させる仕組みであると言えます。 より正確に言えば、大量のデータを分析させることによって、その中にある規則や特徴、正解を発見させる技術です。 そうして発見された正解を、新たに与えられたデータに適用することによって、そのデータの正確な分析や予測に役立てることが可能となるのです。 機械学習には、大きく分けて 「教師あり学習」 「教師なし学習」 「強化学習」 という三種類の学習方法があります。 「教師あり学習」はデータと共にその分析結果の正解も教える手法です。 例えば、コンピュータに画像データを与えて、それが何の画像なのかを自動的に判断させたい場合、リンゴの画像と共に「これはリンゴだ」といったデータも与えたり、バナナの画像と共に「これはバナナだ」といったデータも与えたりすることで、学習を促します。 「教師なし学習」はその反対に、正解を与えず、与えられたデータを分析し、全体の特徴や傾向を学習させる手法です。 大量の果物の画像データを与え、それを分析させることによって、色や形といったパターンから「リンゴ」「バナナ」「ぶどう」と分類することができるようになります。 「強化学習」とは、出力される結果をスコア付けし、どの行動が最大の報酬を生み出すのかを学習していきます。 ゲームや株式の売買などで、どのように選択すれば勝ちに近づくか、利益が最も大きいかを学習させる技術です。

ディープラーニングとは・その仕組み

ディープラーニングは、そうした機械学習を発展させた技術で、最大の特徴は人間の神経回路を模倣した「ニューラルネットワーク」によって学習を行う点にあります。 ニューラルネットワークは、人間の脳神経細胞であるニューロンが、相互に接続して情報を伝達し合う様子を数理的に再現したもので、入力層、中間層、出力層の三つの層から成ります。 入力層でデータを受け取り、中間層で処理をして、出力層で結果を出力する、という仕組みになっており、処理の中核を担うのが中間層です。 従来のニューラルネットワークでは、その中間層がせいぜい2~3層程度でしたが、この中間層を大幅に増やすことによって、より複雑な処理が可能となります。 中間層の一層目で単純な特徴を分析し、二層目でより複雑な特徴を、三層目でさらに複雑な特徴を…と、層を深めるごとに複雑な分析を行い、結果としてより精度の高い分析を行うことができます。 このような、「層の深い」機械学習こそが、「ディープラーニング(深層学習)」という名前の由来でもあります。

ディープラーニングでできること

ディープラーニングでできること

ディープラーニングでできること それでは、ディープラーニングでは実際にどのようなことが可能なのでしょうか。 ここでは代表的な三つの処理をご紹介します。

画像認識

まず一つ目が画像認識です。 入力された画像から、その画像に写っているものを認識して出力します。 画像認識には主に、 ・物体検知 ・顔認識 ・文字認識 などがあります。 物体検知は、画像や動画などに写っている物体が「人間」だとか「犬」だとかを認識します。 顔認識は、顔の画像から特徴を抽出し、人間が他人を認識するのと同じような判断を行います。 目や口といった顔のパーツはもちろん、表情や年齢といった情報を判断したり、近年では動物の顔認識を行う技術も発展しています。 文字認識は、手書きの文字を認識してテキストデータとして出力する技術を指します。 従来も文字認識の技術は存在しましたが、ディープラーニングによる学習によって、より精度の高い認識が可能となります。 一般に、ディープラーニングによる画像認識の仕組みは、 1. ノイズや歪みを除去する画像処理によって、読み取りしやすくする 2.特徴を分析し、過去の学習から得たデータを元に、画像に何が写っているのかを判断する といった流れで行われています。

自然言語処理

二つ目が自然言語処理です。 自然言語とは、我々人間が日常的に使っている言語、つまり日本語や英語といった言語を指します。 自然言語処理とは、PythonやJavaといった人工的な言語ではなく、日常的に会話や文章で用いられれる自然言語を機械に処理させる技術を指します。 一般的なプログラミング言語が厳密さを持っているのに対して、我々が普段使っている言語には曖昧な点も多く、文脈や場面によって同じ言葉や文章が違ったニュアンスを持ったり、同じ音でも「機会」や「機械」のように複数の単語があったりしますよね。 更に、助詞は文脈によって利用方法が変わり、細かく意味が変化します。 特に日本語は、英語のように単語間で区切られる事は無いので、単語の分割だけでもかなり難しいでしょう。 そうした曖昧さを含んだ自然言語を機械的に処理することが可能となれば、様々な分野で応用が期待されます。 具体的には、ネット上でのコピーコンテンツを発見する仕組みのレベルが上がるなどが考えられます。 例えば、単に文章をそのままパクったようなサイトを見つけるのはもちろんの事、特定の記事を多少文章を変えただけで、意味はほぼ同じようなコンテンツを見つけ出すことが出来るかもしれません。 そうなれば、世の中に出回っている情報が集約され、今よりも情報に多様性が求められるかもしれません。

音声認識

三つ目は音声認識ですが、これは主に、上述の自然言語処理を組み合わせて用いられます。 基本的に音声認識は、音声を聞き取ってデータ化する技術を指します。 そのため、データ化された自然言語をどのような意味として捉え、それを用いてどのような処理を行うのか、ということは自然言語処理の領域となります。 音声の書き起こしでも、文章の切れ目や漢字への変換など、自然言語処理が必要となると言えるでしょう。 音声認識に分類される技術の中にはその他に、リアルタイムに通訳を行ったり、音声から人間の感情を読み取る技術もあります。

ディープラーニングの応用・実用例

ディープラーニングの応用・実用例

ディープラーニングの応用・実用例 ディープラーニングは進歩めざましく、様々な分野で活用され始めています。 ここでは、特徴的なディープラーニングの活用事例についてご紹介します。

「AlphaGo」

「AlphaGo」とは、Googleの子会社である「Deep Mind」が開発した囲碁ソフトです。 2015年、人間のプロ囲碁棋士をハンデなしで初めて下した囲碁ソフトとして注目され、AIやディープラーニングといった技術が世界的に注目されるきっかけになったとされています。 この「AlphaGo」は、強化学習とディープラーニングを併用した、「深層強化学習」を採用しており、どのように打てば最も勝ちやすいか、ということを、数百万局、数千万局といった膨大な対局のシミュレーションを経て学習していきます。 また、囲碁と同じく将棋や麻雀といった他のテーブルゲームにおいても、ディープラーニングを活用したAIがプロを破るまでの発展を遂げています。

「インフルエンザ予報」

「インフルエンザ予報」は、株式会社日立製作所と損保ジャパンによって開発されたサービスです。 全国各地で、インフルエンザがどの程度流行するか、その度合を四週間先まで予測するサービスで、インフルエンザの流行防止への効果が期待されています。 このサービスは、各医療機関から提供された、インフルエンザを含む感染症の罹患者データを市区町村別に整理したデータベースを用い、そのデータをAIによって分析することによって予測を行っています。 その分析、予測にディープラーニングが用いられており、大量のデータから正確な予測を行うのに役立てられています。 さいたま市にて実証実験が行われた際には利用者からの期待の声も大きく、今後さらに注目のサービスと言えるでしょう。

来店客分析

上野の商業施設「PARCO_ya(パルコヤ)」は、来店客の分析にディープラーニングを利用しています。 各店舗に設置されたカメラで撮影された画像、映像から、来店客の人数や性別、年齢などを分析してデータ化します。 そうして得られたデータを活用することで、商品の配置の見直しや品揃えの改良、人員の拡充、縮小など、より来店客のニーズに適した店舗づくりが可能となります。

ディープラーニングがより簡単に行えるようになれば、仕事は本格的にAIに置き換わる可能性も

ディープラーニングがより簡単に行えるようになれば、仕事は本格的にAIに置き換わる可能性も

ディープラーニングがより簡単に行えるようになれば、仕事は本格的にAIに置き換わる可能性も さて、ここまでAIやディープラーニングについて見てきましたが、現状はまだまだ一般商品化が難しいのが現状です。 その理由は、ディープラーニングには多くの時間がかかる事や、開発費用・人件費がかかることが挙げられます。 例えば囲碁は、10の360乗通りの打ち方があるとされているので、それだけのパターンを調べるだけでも大変な時間がかかります。 しかし、囲碁でさえも、 ・お互いに交互に打つ ・打つべき場所は19×19のマス上 という限られたルールの上で成り立っています。 自然言語や画像認識と言った分野では、ルールが曖昧であってり、どんどんと新しいルールが出来てきます。 そのため、ディープラーニングにかなりの時間がかかってしまい、製品化すると非常に高い金額になってしまいます。 しかし、徐々に 「簡単に」 「手早く」 開発が出来る環境が整ってくることが予想されますし、企業によってはディープラーニングで長年かけて蓄積させてたデータ自体を低価格で販売する様になるでしょう。 そうなった時には、先程説明した来店客分析などが多くの企業で導入され、それに伴って ・顧客情報を入力する人 ・過去の来店履歴を検索する人 が不要になりますし、自然言語を理解出来るようになれば接客も機械が変わる可能性があります。 この様に、段々と機械に仕事が奪われる・・・という未来が現実的になりつつあるのです。

AI導入を検討ならAMELAに

AI導入を検討ならAMELAに

AI導入を検討ならAMELAに 今回は、ディープラーニングの説明をしてきましたが、AIの導入をすることで仕事が劇的に改善される例は少なくありません。 おそらくあなたの企業でも、きちんとAIを導入すれば業務効率の改善から、新規顧客の獲得、顧客リストの活用など様々な事がシステムに置き換えられるでしょう。 それに伴って、現状の経営課題を解決できますし、将来のための投資としてはかなり有効な方法ではないでしょうか。 もしも将来の事も考えてAIの導入を検討したいと考えていれば、是非AMELAにご相談ください。 AMELAでは、最新のシステムの導入や開発を行っているだけではなく、ITコンサルティングも行っています。 そのため、システムを導入して終わり・・・ということはなく、しっかりとその後の運用に関しても提案が出来ます。 是非ともお気軽にご連絡ください。