生産性向上とは?メリット・方法・注意点のまとめ
企業の利益を最大化するために必要な生産性向上。 言葉はわかっていても、具体的な意味が分からない方は多いと思います。 この記事では、生産性向上についてさまざまなお話をします。 最後まで読んでいただくことで、以下のことがわかります。
- 生産性向上とは
- 生産性向上のメリット
- 生産性向上の方法
- 生産性向上の注意点
- 生産性を分析するための指標と計算式
- 生産性向上に活用できる助成金制度
生産性向上とは?
生産性向上とは、より小さな資源でより大きな成果を上げることです。 成果とは、会社経営においては主に利益が該当します。 生産性は、成果を大きくするか、資源を小さくするかどちらかによって向上します。
生産性向上のメリット
生産性向上のメリットは、以下の通りです。
- 労働環境が改善される
- ワークライフバランスが改善される
- 人手不足への対応力が上がる
- 国際競争力の向上が期待できる
では、それぞれについて解説します。
労働環境が改善される
生産性向上によって、労働環境が改善されます。 なぜなら、生産性向上によって残業が減り、ストレスが軽減されるからです。 また、生産性向上によって利益率が上がるため、従業員への待遇もよくなる可能性もあります。
ワークライフバランスが改善される
生産性向上によって労働時間が短くなることによって、ワークライフバランスが改善されます。 それにより従業員のパフォーマンスが上がり、より生産性が向上するという良い循環が生まれます。
人手不足への対応力が上がる
生産性が向上すると、人手不足への対応力が上がります。 なぜなら、無駄な業務が減ることによって人手不足になるリスクが軽減されますし、生産性の高い企業には人材が集まりやすいからです。 生産性が高い企業ほど努力が報われやすく、良い労働環境が整っていると考えられるため、良い人材が集まるのです。
国際競争力の向上が期待できる
日本の国際競争力を向上させるためには、生産性向上が必要不可欠です。 なぜなら、日本の労働生産性はOECD加盟36カ国中20位と低いからです。 そのため、生産性向上は国際競争力向上のためには避けては通れない道だといえます。
生産性向上の方法
生産性向上の方法は、以下の通りです。
- モチベーション向上のための自由な働き方を推進する
- 適材適所に従業員を配置する
- 人事評価のクラウド化をする
- AI技術を積極的に利用する
- 従業員のスキルアップによってアウトプットの増大を図る
- 他社などとの協働によってシナジーを生み出す
- 事業規模の拡大・縮小をする
では、それぞれについて解説します。
モチベーション向上のための自由な働き方を推進する
従業員のモチベーションを上げることで、一人ひとりのパフォーマンスを挙げられます。 そのために、フレックスタイム制やリモートワークを導入することは、有効な手段です。
適材適所に従業員を配置する
人には向き不向きがあります。 したがって、不得意な業務を担当している従業員がいることによって組織全体の業務効率が下がっている可能性があります。 よって、個人の適性を考慮し、人員の配置を見直すことで生産性向上が図れるかもしれません。
人事評価のクラウド化をする
人事評価が不公平であったり、属人性が強かったりすると、従業員のモチベーションは下がります。 そのため、人事評価をクラウド化し、評価基準を可視化しましょう。 そうすることで、評価基準が明確になり、従業員のモチベーションもアップします。
AI技術を積極的に利用する
AI技術を積極的に導入することで、生産性は向上します。 人間の手でおこなっていたことをAIに任せることで、数時間かかっていた作業が数分で終わることもあり得ます。 また、AIは人間と違って24時間働いてくれることもメリットです。
従業員のスキルアップによってアウトプットの増大を図る
従業員一人ひとりのスキルも、生産性を左右する重要な要素です。 そのため、社内研修や資格手当などを設けることで、従業員のスキルアップが期待できます。 その結果、仕事でのアウトプットにつながり、生産性が向上します。
他社などとの協働によってシナジーを生み出す
会社はそれぞれ異なる強みや弱みを持っています。 そのため、他社と協働することで、互いの弱みを補完し合ったり、強みを共有し合ったりできます。 そうすることで、生産性は向上するでしょう。
事業規模の拡大・縮小をする
場合によっては、事業規模の拡大・縮小も生産性向上に有効です。 強い事業は人員を増やすなどして拡大し、一方で弱い事業は採算の取れないサービスを廃止するなどして縮小することで、事業規模の最適化ができます。
生産性向上の注意点
生産性向上の注意点は、以下の通りです。
- マルチタスクをしてしまう
- 長時間労働を助長してしまう
- 個人の生産性を意識しすぎる
- 会議が有意義なものとなっていない
- 目的と議題の事前共有がされていない
- 経営陣が一方的な施策を発案している
では、それぞれについて解説します。
マルチタスクをしてしまう
生産性を向上させようとしてマルチタスクをしてしまうと、かえって生産性は低下します。 なぜなら、人間の脳はマルチタスクによって大きくエネルギーを消耗するからです。 そのため、マルチタスクが発生しないよう気をつけましょう。
長時間労働を助長してしまう
生産性を向上させようとして長時間労働を助長してしまうのは、本末転倒です。 なぜなら、労働時間が長くなるほど従業員のパフォーマンスは低下しますし、残業代も発生するからです。 本当に生産性を向上させるためには、むし労働時間を短縮できるよう働きかけなければなりません。
個人の生産性を意識しすぎる
個人の生産性を意識しすぎても、上手くいきません。 あくまで組織として生産性が向上しなければ意味がありません。 個人ができることは限られているため、組織として生産性を向上させる方法を考えましょう。
会議が有意義なものとなっていない
会議が形骸化するというケースはよくあることです。 会議の時間は短くしたり、不要な場合は廃止しましょう。 会議をすることを目的にするのではなく、会議によってどのような成果が得られたのかを意識することが大切です。
目的と議題の事前共有がされていない
目的と議題の事前共有がされていないと、従業員が同じ方向を向いてくれません。 そうなると、それぞれのパワーがバラバラな方向に働き、生産性向上につながりません。
経営陣が一方的な施策を発案している
経営陣が一方的な施策を発案すると、かえって生産性が低下する恐れがあります。 なぜなら、現場を見ていない人間の施策は的外れなものになりがちですし、従業員のモチベーションが下がるからです。 もし経営陣が施策を発案する場合は、現場の声をしっかりと聴きましょう。
生産性を分析するための指標と計算式
生産性を分析するための指標と計算式は、以下の通りです。
- 付加価値労働生産性
- 物的労働生産性
- 全要素生産性(TFP)
では、それぞれについて解説します。
付加価値労働生産性
付加価値労働生産性とは、どれだけの労働力でどれだけの粗利を生み出せたかという基準です。 付加価値労働生産性の算出式は、以下の通りです。 付加価値労働生産性=付加価値額÷労働量
物的労働生産性
物的労働生産性とは、「生産数」や「生産量」などの物的な成果で生産性を測る基準です。 物的労働生産性の算出式は、以下の通りです。 物的労働生産性=生産量÷労働量
全要素生産性(TFP)
全要素生産性とは、付加価値労働生産性に「資本データ」を加味したもので、さまざまな投下費用を含んだ生産性を測ることが可能になります。 他にも、労働分配率や総資本回転率などの指標があるため、まず目指すべき指標・数値を明確にすることが重要です。
生産性向上に活用できる助成金制度
生産性向上に活用できる助成金制度は、以下の通りです。
- 業務改善助成金(中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金)
- IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)
では、それぞれについて解説します。
業務改善助成金(中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金)
業務改善助成金とは、中小企業や小規模事業者の生産性向上を支援するために、事業場内の最低賃金を引き上げる目的で設立された制度です。 生産性を向上させるための機械への投資を行い、最低賃金を一定額以上引き上げることで、設備投資にかかった費用の一部が助成されます。
IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)
IT導入補助金とは、ソフトウェアなどを購入する際に給付される補助金のことです。 IT導入補助金の対象となるのは、販売などを目的にしている製品になります。
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