システム開発が途中解約になった場合は損害賠償請求ができる?

システム開発を業者に依頼した結果、何らかの事情で途中解約になってしまった場合はどうなるのでしょうか。損害賠償請求がきちんとできるのか気になりますよね。この記事では、システム開発が途中解約になった場合の損害賠償について解説します。  

システム開発が途中解約になった場合損害賠償請求はできる?

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システム開発が途中解約になった場合の損害賠償請求ですが、ベンダー(業者側)に帰責事由(責任を問われるべき理由)があれば可能です。 一方で、ベンダーに帰責事由がなければ損害賠償請求はできません。 それどころか、もし発注者側に帰責事由があれば、報酬の支払いは免除されません。 発注者側の帰責事由とは、例えば計画の変更などです。   つまり、システム開発の途中解約の原因によって結論が変わるということです。 もし損害賠償請求をしたいなら、ベンダーの帰責事由を明らかにする必要があります。  

システム開発が途中解約になった場合の損害賠償の範囲

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システム開発が途中解約になった場合の損害賠償の請求範囲は、以下の通りです。

  • ユーザーがベンダーに支払った費用
  • 別ベンダーに再構築を依頼することになったシステムの開発費用
  • ユーザーの人件費
  • 逸失利益

基本的にユーザーがベンダーに支払った費用は請求できます。 また、中途解約が発生していなければ別ベンダーに再構築を依頼することにはならないため、そちらの費用も請求可能です。   逸失利益とは、本来債務が履行されれば得られたはずなのに、債務不履行によって得られなかった利益のことです。 こちらもベンダーに請求ができます。   損害賠償請求の他にも、債務不履行に基づく契約の解除ができます。 契約を解除することで、報酬を支払う義務が免除されます。  

請負契約、準委任契約、運用保守契約の違い

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契約形態によっても、損害賠償請求について違いがあります。  

請負契約の場合

請負契約の場合は、仕事の完成前であればユーザー側から自由に契約の解除ができます。 この時、理由は特に必要ありません。 ただし、ベンダーが既に支出した費用(人件費)などは損害賠償として支払う義務があります。   もしベンダー側に責任がある場合(成果物がユーザーの希望通りになっていない)は、解約の上、ベンダー側に損害賠償ができます。 ただし、完成部分の割合に応じた報酬の支払いは必要です。 逆に発注者側の帰責事由をもとにベンダー側から契約解除がされる場合、完成部分の報酬だけでなく、逸失利益まで支払う必要があります。  

準委任契約の場合

準委任契約の場合は、ユーザー側とベンダー側どちら側からでも自由に契約解除ができます。 この場合、相手側に損害賠償をする必要があります。  

運用保守契約の場合

運用保守契約の場合は、契約書に記載されている中途解約に関する条項によって損害賠償の可否が変わってきます。 例えば中途解約をした場合に損害賠償をする義務が発生すると記載されている場合は、その通り損害賠償義務が発生します。 損害賠償の範囲も中途解約に関する条項の内容によって変わりますので、あらかじめ確認しておきましょう。  

まとめ

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システム開発が中途解約になった場合の損害賠償は、ベンダー側に帰責事由があれば可能です。 また、契約内容によって損害賠償の可否や、請求範囲が異なります。 損害を被った場合は、泣き寝入りをしないようにしましょう。