マニュアル定着を促進するチェックリストの作成方法
業務の規定やルールをまとめたマニュアルを準備することで、業務効率の向上を期待できます。 しかし、社内従業員に対してマニュアル定着を進めることは難しく、どうしたらいいのか悩んでいる方が多いでしょう。 そこで役立つのがチェックリストです。この記事では、マニュアル定着を促進するチェックリストの作成方法や作成時のポイントなど、さまざまなノウハウをご紹介します。 マニュアルに関する悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
マニュアルとチェックリストの違い
「マニュアル」と「チェックリスト」は似たような意味合いで使われる言葉ですが、それぞれ異なる意味を持っています。
チェックリスト | マニュアル | |
意味 | 業務内容を漏れなく・ダブりなく実施するためのリスト | 特定の業務における、仕事内容やルール、規定を定めたもの |
役割 | 品質の保証や業務におけるミスを減らす。 | 特定の業務を教育するための資料。ルールの統一。業務効率化を実現する。 |
項目・内容 | 最低限、確認しなければならないポイントを把握できる内容。 | 一定基準の業務を実践できる一連の流れ、手順を記載する。 |
作成担当者 | 全体の業務を把握している管理者のみが理想。 | 全体の業務を把握している管理者とマニュアルを実践する利用者。 |
マニュアル・チェックリスト作成では、作成者と利用者の意見を取り入れて作成することが重要です。 しかし、チェックリストの場合、無駄な意見をそぎ落としてチェック項目を選定する必要があり、極力熟練した管理者のみで作るのが理想となります。 もちろん、利用者の意見を取り入れることで、より漏れ・ダブりのないチェック項目を作ることができます。適宜使い分けることを意識しましょう。
マニュアル用チェックリストの作成方法
以下では、チェックリストの作成方法を4ステップに分けてをご紹介します。
作業内容を明確にする
チェックリストを作成する前に、全体的な業務内容を明確にしましょう。 業務内容を洗い出すことで、どの項目をチェックリストに入れるべきか、どの内容を省くべきか考えることができます。
チェックリストの形式を決める
チェックリストの形式を決定します。 紙でチェックリストを作成する場合は、持ち運びやすさや記入のしやすさなどを考慮する場合があります。 電子データの場合、セキュリティ対策や操作方法など、さまざまな側面を考える必要がありますが、管理スペースの節約や作成・修正の容易さなどいくつかメリットがあります。 自社の雰囲気や属性に合わせて検討すると良いでしょう。
チェックリストの作成
ここまでできたら、次はチェックリストの作成です。 チェック項目の洗い出しで数多くの内容を挙げたと思います。まずは重複をなくすため、似たような項目をグループに分けて数を減らしましょう。 ある程度選定できたら、全体的な業務と照らし合わせて、必要とされる項目を関連の高い項目と合わせながら組み立てていきます。 全体的な構成ができたら、詳細内容を決めていきます。利用者が業務を行う時間や日時、チェック項目に応じてメモできるスペースなど、使いやすいチェックリストの作成を意識しましょう。
利用者からフィードバックを受けて改善する
完成したら、実際に導入し使用感を確かめてみましょう。 作成者と利用者では、見ている場所や考えていることが異なります。認識のズレを確認し、フィードバックから得た情報を元に改善していきます。 この一連の流れを繰り返すことで、質の高いチェックリストを作成することができます。
マニュアル定着を促進するチェックリストの作成ポイント
上記ではチェックリストの作成方法をご紹介しました。 ここでは、一歩進んだチェックリストが作成できるよう、気を付けるべきポイントをご紹介します。
使用対象・時期を明らかにする
1つ目のポイントは、チェックリストの使用対象・時期を明らかにすることです。 チェックリストが活用できる場所を限定するのか、多岐にわたる業務で利用できるようにするかで、内容が変わってきます。 利用者と使うタイミングは、チェックリスト作成時に予め決めておくと良いでしょう。
最初に業務の標準化を実行する
2つ目は、業務の標準化を実行することです。 例えチェックリストを作成したとしても、業務が標準化されていない(一部の従業員に限定されてしまう)場合は、得られる改善効果が低くなります。 まずは全体的な業務を標準化し、どの部分に無駄が生じているのか把握しましょう。その上で、チェックリストで解消できるか検討し、導入して効果を確かめることが大切です。
MECEを意識する
3つ目は、MECEを意識することです。 MECEとは、簡単に説明すると「漏れなく・ダブりなく」を徹底する考え方のことを指します。 チェック項目にする内容の洗い出しは個人で行っても問題ありませんが、項目の重複チェックなどは複数人で行うことをおすすめします。 この部分を徹底しないと、他のチェックリストと同じ内容を確認するなど、新たな無駄が生じてしまいます。
マニュアル定着にはチェックリストが重要
この記事では、マニュアル定着を促進するチェックリストの作成方法をご紹介しました。 チェックリスト形式でマニュアルを作成することで、「業務の見える化」を実現することができます。 また、理解しやすい形に内容をまとめることで、社員への定着度が向上し、さらなる業務効率化を目指すことができるでしょう。 ぜひこの記事で紹介したポイントを実践し、業務に活かすことをおすすめします。