電子契約とは|導入するメリット・デメリットもご紹介

政府の脱ハンコ政策や電子化の流れが進んでいる現在、電子契約が注目されています。PDF資料に電子ハンコを押すだけで契約を結べるサービスは、時間短縮や作業工程を減らすなど多くの面で魅力があります。 しかし、実際に電子契約をしたことが無い方は「本当に大丈夫なのか?」など不安に感じているでしょう。また、そもそも電子契約とは何か詳しく知らない方も多いと思います。 そこで今回は、電子契約とは何か詳しくご紹介します。合わせて、電子契約を行うメリット・デメリットも解説します。電子契約の導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

電子契約とは

電子契約とは、PDFなどの電子データに「電子署名」と「タイムスタンプ(ある時刻にその電子データが存在していたことと、それ以降改ざんされていないことを証明する技術)」を添付することで、書面と等しい証拠力を保証する締結方法のことを指します。 今までは「締結する書類がその本人により作成されたこと」と「その契約書は本人の同意がある中で交わされたもの」を証明するために印鑑を媒体として保証していました。 書面での契約は、実際に本人の同意が得られている確実な証拠を保証できるメリットがありましたが、時間がかかることや人為的なミスが起こるなど課題点がありました。 しかし、電子契約ではウェブ上で全ての作業を終えることができるため、ミスの減少や作業短縮など多くの課題を解消することができます。

電子契約の効力

多くの方が疑問に思う点は「証拠力」だと思います。結論から申し上げますと、書面契約でも電子契約でも証拠力に大差はありません。 上記でも簡単に記述しましたが、電子契約では「電子署名」と「タイムスタンプ」を組み合わせることで改ざんしていないことを証明することができます。 書面に置き換えると、電子署名が印鑑と手書きの署名、タイムスタンプが消印と同じような効果を持っています。

電子契約のメリットとは

電子契約を導入することで得られるメリットは以下の4つです。自社が悩んでいる課題点を明らかにし、電子契約で解決できる場合はぜひ前向きな検討をおすすめします。

紙資源のコスト削減

電子契約を導入するメリット1つ目は紙資源のコスト削減です。書面契約から電子契約に切り替えるだけで「郵送代・契約書の資源や印鑑代・製本代・契約書の保管コスト・収入印紙代・契約業務を行うための人件費」などさまざまなコストを減らすことができます。 売買取引基本契約書・代理店契約書・業務委託契約書の場合は、継続取引で一律4,000円の印紙税が必要となります。それらの費用を無くすことができる点で電子契約は魅力的です。

業務工程の効率化

電子契約を導入するメリット2つ目は作業の効率化を実現できることです。書面契約では印鑑のやり取りを行うため、直接企業に訪問する手間や郵送で書類を送る手間など多くの時間を有します。 一方、電子契約ではPDF書類をメール送信するのみでお互いの内容確認が完了し、契約に必要な署名をもらうことができます。また、記入漏れなどの修正も手早く行えるためストレスのないやり取りが可能です。

管理コストの削減

書面契約から電子契約に切り替えることで、書類の保管場所を減らすことができます。電子契約はPCの中にデータとして書類を保存できるため、管理も簡単です。また、CRMと連携することで書類の検索や閲覧がしやすいメリットもあります。

コンプライアンス対策

電子契約にすることで契約書の紛失や改ざんといった問題を減らすことができます。電子署名はデータを調べることで改ざんされているのか確認できます。また、電子データであるため紛失することはなく、間違って削除した場合も復元可能です。 さまざまな問題対策ができている点は電子契約を導入するメリットになるでしょう。

電子契約のデメリットとは

多くのメリットがある電子契約ですが、まだまだ課題点もあります。良い面だけでなく悪い面も知ることで、電子契約導入の成功率が上がります。ぜひ確認してください。

電子契約の対応ができないケースがある

時間短縮やコスト削減などとても魅力的な電子契約ですが、一部では認められていません。 例えば、「定期建物賃貸借契約に関する契約書」や「電話勧誘販売」、「訪問販売」などでは電子契約はできません。 法律で義務付けられているため、今まで通りの書面契約を続けていくことになります。

取引先によって対応を変える必要がある

電子契約は自社が導入して体制を整えるだけでは機能しません。取引先の企業が電子契約を受け入れてもらう必要があります。 IT企業やベンチャー企業では電子契約に対する認識や体制が整っている場合が多いですが、大手企業や老舗企業などは書面契約しか受け付けていない場合があります。 そのため、電子契約をする際には「電子契約をするメリット」や「電子契約の詳細内容」、「サービスの利用料」など詳しく説明する必要があるでしょう。 また、電子契約だけでなく書面契約の対応ができるよう社内で業務フローを構築することも大切です。

セキュリティ対策

電子化することで問題になるのはセキュリティ対策です。特にサイバー攻撃の対策は十分にしておく必要があります。メール経由の攻撃やサーバー侵入など、あらゆる可能性を考慮してセキュリティ対策をするようにしましょう。

まとめ

この記事では電子契約とは何か詳しくご紹介しました。また、電子契約を行うメリット・デメリットも合わせて解説しました。作業工程の短縮などさまざまな面でメリットのある電子契約は、これからの時代は一般的になっていくと思われます。 電子契約の導入を検討している企業は早めに取り組むことをおすすめします。