オフショア開発のラボ型とは何か?
近年は、オフショア開発を導入する企業が増えていますが、その調査・検討の段階で「ラボ型開発」や「請負型開発」といった様々な開発形態を耳にする方が多いと思います。 そこで、この記事では、“オフショア開発を導入するからには、より自社に合った形態を選びたい”と悩んでいる方に向けて、ラボ型のオフショア開発について詳しくご紹介します。 それぞれの特徴を知ることで、自社に合った開発形態を選ぶことができ、オフショア開発を通して更なる利益の向上も見込めます。ぜひ最後までご覧ください。
オフショア開発の種類
オフショア開発との言葉をよく耳にしますが、開発形態には、「ラボ型」と「請負型」の2種類が基本的なものとして知られています。それぞれに特徴がありますので、以下で解説します。
請負型開発とは
請負型開発とは、お客様から依頼された要件に対して、提供された設計図や仕様書に沿って、開発業務を行う開発形態です。そのため、最初の話し合い以外の業務(開発工程)に直接かかわることがなく、一気通貫したシステム開発を行うことが可能です。 ただし、お客様から依頼を受けただけで、要件が定まっていない案件も少なくありません。その時は、お客様から課題点などをヒアリングし、どのようなシステムを開発すべきか、どんな機能を実装する必要があるのか調査し、請負会社自身が要件定義・設計を行うこともあります。これがいわゆるSIer(システムインテグレーター)と呼ばれる企業です。 請負型開発では、ウォーターフォール型モデルを使用されることが多く、長期にかけてじっくりシステム開発を行う特徴があります。ウォーターフォール型とは、名前の通り、滝のように上から下にかけて開発工程が進む方法です。具体的に言うと、上流工程(要件定義・設計・構築)といった、大まかな骨組みをする作業をしたら、次に下流工程(開発・テスト・保守運用)などの基本的な開発工程や、サポート業務と、徐々に作業が細かくなるイメージです。
ラボ型開発とは
ラボ型開発とは、オフショア開発のサービスを提供している会社から、1つのエンジニアチームを契約し、発注側企業(自社:オフショア開発を頼む側)の指示で開発をしてもらえる開発方法です。正確には違いますが、派遣契約をイメージしてもらえると分かりやすいと思います。 ラボ型開発では、自社の指示を直接届けることができるので、より求めているシステムを作ることが可能です。開発方法はウォーターフォール型モデルを使用されることもありますが、多くはアジャイル型モデルが使用されます。アジャイル型に関しては、「オフショア開発について【アジャイル開発の有効性】」の記事で詳しくご紹介しているので、こちらの記事を読んでいただければと思いますが、簡単に説明いたしますと、要件定義・設計~開発・テストといった一連の開発プロセスを、ある期間に区切ってサイクルを回す開発方法です。例えば、4月中に1サイクル(要件定義~テスト)、5月中に1サイクル(要件定義~テスト)など、何度も開発サイクルを回していくイメージです。 このように、開発スピードが速いため、要件変更などに対応がしやすいメリットがありますが、その分コミュニケーションを頻繁に行うため、現場のエンジニアとのコンタクトには意識を向けた方が良いでしょう。
ラボ型と請負型の違い【一覧表】
上記で、ラボ型と請負型の特徴などをご紹介しましたが、結局どの場面でどう選べばいいのか分からないでしょう。大まかな選択基準は、「システムの内容を検討しながら開発を進めたいならラボ型」、「システムの要件が決まっており、予定通りに進めたいなら請負型」といった基準で選ぶと良いと思います。 以下では、特徴やメリット、責任の範囲などをまとめた表を記述していますので、オフショア開発を導入する際に利用してください。
ラボ型 | 請負型 | |
利用される理由 | ・要件が定まっていない ・中期的な開発をする ・オフショア開発の経験を得たい ・優秀な人材を一定期間確保したい ・業務量が安定している | ・要件が明らかである ・単発的な発注 |
責任の範囲 | 業務の遂行 | 業務の完成 |
開発モデル | ウォーターフォール型 アジャイル型 | ウォーターフォール型 |
開発体制 | お客様と決定 | 開発者が決定 |
メリット | ・開発体制を調整できる ・仕様の変更に対応しやすい ・優秀な人材を一定期間確保できる | ・納期や品質に対して、責任があるため、失敗する可能性が低い |
デメリット | ・常にコミュニケーションをとる必要があり、少しでもズレが生じると、品質に大きく関わってしまう | ・要件を決めておく必要がある ・仕様変更に対応しずらい ・短期的な連帯しかできない |
ラボ型開発を検討している方はAMELAがおすすめ
スピード感のある、システム開発を実現できるラボ型オフショア開発ですが、実は、この記事を記述しているAMELAでも、ラボ型開発を支援しています。現在、ベトナムでは請負型のシステム開発が主流ですが、AMELAに在籍しているエンジニアは、ラボ型開発でのオフショア開発を得意としています。 そのため、人件費の安いベトナムで、短期間でのシステム開発を行えるため、特に新規事業を立ち上げようと考えている方におすすめのサービスです。現在までに、教育システムやiPhoneアプリ開発など、多数の実績もありますので、興味のある方・ラボ型開発を検討している方はぜひAMELAにお問い合わせください。
まとめ
今回は、ラボ型のオフショア開発について、請負型開発と比較してご紹介しました。両方にそれぞれメリット・デメリットがあるので、一概にどちらが良いとは決めかねますが、オフショア開発においては、スピード感のあるラボ型の方が成功しやすい傾向にあります。 取引を行う企業の文化や環境を調べて、どちらの開発を行っているのか把握することが、オフショア開発を成功させるポイントです。