HRM(人的資源管理)とは?概要から特徴まで詳しく解説

HRM(人的資源管理)は、経営戦略で重要な項目である「ヒト」を育成し、能力を発揮できるように管理する方法を指します。 ビジネスを行う上でとても重要なHRMですが、意味や内容など良く知らない方が多いでしょう。 そこで今回は、HRMとは何か概要から特徴まで詳しく解説します。 経営戦略を考える際に重要な知識となるので、興味のある方はぜひ参考にしてください。

HRM(人的資源管理)とは

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HRM(Human Resource Management)とは、日本語で「人的資源管理」を表す言葉で、経営資源の1つである「ヒト」が最適な状態で業務を行えるよう、人材を活用する制度・仕組みを意味します。 従業員を単なる労働力やコストと考えず、組織を動かしていく上で重要な財産といった認識なのがHRMです。 そのため、従業員の主体性や意見・考え方・価値観を尊重した企業経営を行っていく特徴があります。 近年では、市場競争の激化や働き方改革による多様性の広がりによって、若手社員といった下の層から出た意見を取り入れていく動きが増えています。 企業・組織全体で事業を組み立てていくことが、HRMの役割なのです。

4つの経営資源

HRMは、4つの経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」における、「ヒト」の部分を示す言葉です。 この4つの経営資源はどれも大切ですが、「ヒト」がいなければ他の経営資源を活用できないため、経営を行う上でとても重要視されています。 これらの重要な経営資源については、知識として知っておくことが必要です。 それぞれ解説するので、興味のある方はぜひ参考にしてください。

ヒト

ヒト(人)は、経営資源の中でも重要視されている項目です。 「モノ」を生み出すのはヒトであり、カネヒトモノを作って生まれた産物であると言えます。 数十年前はヒトを単なる労働力として認識している場所が多く、カネの力でヒトを雇えた時代がありました。 しかし近年は、上記のような考え方では組織を運営することはできません。 個人の感情や能力に応じた、適切な報酬や業務を提供し、企業にとって重要な財産として認識することが必要となっています。

モノ

モノ(物)は、企業活動を進めていく上で必要な物理的資源です。 モノは細かく分けると「有形固定資産」「無形固定資産」「消耗品」に区別することができます。 ヒトが物理的な資源を利用し、商品やサービスに付加価値をつけてカネを生み出すのが一連の流れです。

カネ

カネは組織が保有しているお金のことを指します。 種類としては現金や預金だけでなく、「株式」や「有価証券」、「受取手形」「売掛金」といった流動資産も含まれています。 組織の手元にどれだけの資本があるかが、経営を行う上で考えなければならない部分であり、また、資本金をどれだけ所有しているかもかなり重要な指標です。

情報

情報は企業が所有する技術や地域・顧客とのつながりなど無形財産のことを指します。 企業の保有する「ノウハウ」や「特許権」「著作権」も情報に含まれます。 これらの資源は使い方次第で企業に好影響をもたらす可能性を秘めているため、情報の付与や売却では現金を得ることもできます。 ヒトと密接に関わっているため、管理が難しいですが、企業にとってとても重要な資源ですので適切に扱うことをおすすめします。

HRMで活用される3つのモデル

HRMは、企業の経営戦略に基づいて社員の能力やスキル・メンタルに着目して進めていきます。 近年は3つのモデルを活用したHRMが注目されているので、以下でそれぞれ解説します。

ミシガン・モデル

ミシガン・モデルとは、経営戦略の実現や企業の目標達成を重視しながらHRMを進める考え方です。 機能としては「人材評価」「採用・選抜」「報酬」「人材開発」の4つがあり、各項目が個人・組織のパフォーマンスに繋がっていると考えられています。 これらの4つの項目を組織運営に取り込むことで、従業員のパフォーマンスを向上させることが可能です。 特徴としては、報酬や役割だけでなく、従業員自身のやりがいや達成感を内面的報酬として提供することが挙げられます。

ハーバード・モデル

ハーバード・モデルは、経営戦略や労働市場の状況を考慮して、従業員の能力や組織への意識を重視したHRMを行う考え方です。 HRMの領域を「従業員の影響」「報酬システム」「人的資源のフロー」「職務システム」の4つに分類し、全ての領域を効率よく機能させることでコストの優位性を向上させます。 また、特徴として個人と組織の目指す目標を一致させることが挙げられます。

高業績HRM(AMO理論)

高業績HRMは、個人が達成した成果を能力(ability)・モチベーション(motivation)・機会(opportunity)を関数で数値化できるという考え方です。 これら3つの要素を高めることで、競争優位性の向上を目指すことができます。 具体的な指標を出すことができるため、精度の高いHRMを行うことができるでしょう。

HRMは企業経営で重要な指標

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この記事では、HRMとは何か詳しく解説しました。 PM(人事労務管理)と違い、個人に視点を合わせた人的資源管理を行うことで、能力開発が必要な人材の選定や、市場状況から把握した自社の優位性など、さまざまな課題を解消できます。 これから事業を成長させるためには、4つの経営資源をしっかり活用することが大切ですが、その中でも「ヒト」はより重要になってくるでしょう。 現在はHRMを効率よく管理できるツールが提供されています。積極的に利用し、自社の適した人的資源管理を行っていくことをおすすめします。