データサイエンティストはやめとけ?6つの理由と生き残るために必要なスキル
現在、IT業界には様々な職種がありますが、その中の1つであるデータサイエンティストは、非常に人気の高い職種です。
しかし、その一方で実際にデータサイエンティストをやっている人の中には
「やめておいた方が良い」
というネガティブな意見もあります。
今回は、その理由を6つと、データサイエンティストとして生き残るために必要なスキルについて触れていきたいと思います。
今後データサイエンティストとして活躍を目指している人や、IT業界でのキャリアアップを考えている人は、是非参考にしてみてください。
データサイエンティストとは
データサイエンティストとは、多くのデータから
「ビジネスにおける最善の意思決定をするための根拠となるデータ分析」
をするための職業です。
昨今は、ビッグデータなどのような大量のデータを元に意思決定を行うことで、費用対効果が高い施策を打ったり、リスクの少ないビジネス展開をすることが求められています。
バブルのときのような「商品を作れば売れる」状況ではないだけに、1つ1つの施策が重要になってきており、その成功率を高める上でも、データの活用が求められています。
データサイエンティストは、単なるSQLなどのデータ集計とは異なり、線形代数学などの数学的な手法を元にデータ分析をすることが求められる仕事です。
データサイエンティストが「やめとけ」と言われる6つの理由
ビッグデータが話題になると同時期から、このデータサイエンティストという仕事も注目されてきましたが、この仕事は「やめとけ」と言われる事もあるようです。
ここでは、その理由を解説していきます。
責任の重さ
1つ目のポイントは「責任の重さ」です。
データサイエンティストは、前述したようにビジネスにおける意思決定を左右します。
そのデータを利用するのは、会社の経営層や部門長を中心とした上位役職の方であり、その分析の結果次第でビジネスの方向性が大きく変わる可能性があります。
そのため、分析ミスは会社に対して大きな損失を生む可能性もあり、その責任の重さに耐えられない人も多いのです。
もちろん、サラリーマンである以上、責任を取らされる事は少ないでしょうが、仮に信用できない分析をしてしまえば、その後の仕事を任せてもらえなくなれば、データサイエンティストとしての役割を全うできない事になります。
このプレッシャーがデータサイエンティストのネガティブな側面とも言えます。
プログラミング以外のスキルも求められる
次に、プログラミング以外のスキルも求められる点です。
一般的に、データサイエンティストはデータ分析のライブラリが多数用意されているPythonを使って開発される事が多いです。
そのため、Pythonの開発技術が必要になるわけですが、前述したように線形代数学などの数学的な知識も必要となります。
一般的なプログラマーやシステムエンジニアがプログラミングに特化していればよいのに対して、他の領域の知見も必要になるため、仕事として辛いと感じる人が多いようです。
スピード感を求められ激務
次に、仕事の納期が短いことが挙げられます。
データサイエンティストの仕事は、「ビジネスでの意思決定」を左右することを述べてきましたが、現代のビジネスはスピードが求められます。
素早くリアルタイムな情報をいかに分析するのか。
このスピード感が求められるため、仕事が激務になりやすいというデメリットがあります。
特に、トップダウン型の企業では、社長が素早い判断をする場合が多く、そのスピード感に合わせた情報の提供ができなければ、データサイエンティストとしての役割を果たせないため、かなり激務になります。
AIに仕事が奪われる
次に、AIに仕事が奪われる可能性がある点。
AIは、昨今急激に発達していますが、ChatGPTなどは、簡易なプログラミングなら簡単に作れてしまいます。
そのため、分析においても、Pythonでのプログラミングはすでに出来ますし、今後はデータの分析そのものがAIに置き換わってしまう可能性もあるでしょう。
そのため、それ以上の付加価値を提供できるエンジニア以外は生き残れないと言われており、データサイエンティストに対して、かなり厳しい見方をしている人も多いようです。
人との交流がなさすぎる
次に、データサイエンティストは仕事として「人との交流」が少ない職種です。
この交流のなさが、仕事として辛いという人も多いです。
ビッグデータの分析などは、データと格闘する日々であり、基本的には
「現場を見て、現場の意見を取り入れる」
というような事は少ないです。
場合によっては、単調な作業が長期にわたって発生する可能性もあり、向き不向きが大きい仕事と言えます。
実務経験が強く求められる
データサイエンティストは、未経験からの転職が難しい職種の1つです。
経営に関わる分析であるため、他のプログラミング経験はあまり評価されず、データサイエンティストとしての実務経験が求められる事が多いです。
そのため、求められるレベルも高く、仕事としてのプレッシャーもあるため、データサイエンティストはやめておいた方が良いと考える人も多いようです。
それでも魅力的?データサイエンティストになるメリット
前述したように、データサイエンティストにはいくつかのデメリットもあります。
一方で、それでもデータサイエンティストの仕事が魅力的だと感じる人も多いです。
ここでは、データサイエンティストの仕事のメリットを見ていきましょう。
市場価値が高い
データサイエンティストは、市場価値が高い仕事の1つです。
IT業界の中でも特に高く、平均年収は500万円を超えます。
一般的なシステムエンジニアは、400万円台とも言われていますから、平均で100万円近く高いデータサイエンティストの市場価値の高さが伺えます。
更に、前述したように「実務経験」が求められる仕事ですので、そもそも人材が貴重です。
そのため、給料が上がりやすく、今後伸びるとも言われる業界のため、仕事としてはかなり魅力的です。
大きな企業で経営の意思決定に関わる仕事が出来る
データサイエンティストを募集している企業というのは、それなりに規模の大きな企業である可能性が高いです。
そうでなければ、データサイエンティストではなく、システムエンジニアに、一部分析業務を任せるような形を取ると考えられます。
つまり、データサイエンティストを専任で任せられる企業というのは、そこに人件費を割けるだけの余裕がある企業とも言えます。
また、小さい企業の場合には、分析するだけの大量のデータがなく、母数が少ないデータの分析は信憑性が低くなります。
そういった意味でも、大きな企業での募集が一般的です。
そして、そういった大企業の経営の意思決定に関われる仕事というのは、非常に少ないです。
責任も重大ですが、その分やりがいも大きなものであり、収入以上のやりがいを感じられる職種とも言えます。
独立起業にも役立つ
データサイエンティストは、独立起業にも役立つスキルであると言えます。
例えば、広告などのマーケティング施策や、商品の開発・仕入れなどあらゆるところでデータが分析できる能力というのは役立ちます。
起業して、データサイエンスを元にビジネスを展開すれば、そうでない場合に比べて成功率が上がるでしょう。
加えて、今後も伸びる可能性が高いデータサイエンスを、コンサルティングするなどのビジネス展開も可能です。
この様に、独立起業にも役立つスキルであるデータサイエンスを学べるのが、大きなメリットと言えます。
データサイエンティストに向いている人
続いて、データサイエンティストに向いている人について解説していきます。
前述したように、向き不向きがはっきりと分かれやすい職業であり、転職難易度も高く、仕事の難易度も高いため、自分の資質と照らし合わせて転職を検討する必要があります。
論理的思考が得意
1つ目は、論理的思考が得意であることです。
物事には
「原因と結果」
があり、その原因を追求していくことが重要なデータサイエンティストという仕事では、論理的思考は非常に重要な要素です。
データを見ても、そこから論理破綻していない仮説を立てるというのは、非常に難しく、それを証明することが必要なデータサイエンティストという仕事は、「勘」や「なんとなくそう思う」という感情論ではなく、数値で語れる必要があります。
更に、経営の意思決定のための材料になるということは、その分析結果で
「経営層を納得させる必要がある」
とも言えます。
そのため、論理的な説明をする必要性が高い仕事なのです。
課題の解決に喜びを感じる
データサイエンティストの最も大きな役割は
「企業の課題を解決する」
ということです。
その課題は、売上アップであったり、自社の離職率の低下などのような内容かもしれません。
いずれにしても、企業の課題を解決する上でデータを分析していく事が重要になります。
そのため、課題の解決に喜びを感じられない場合、仕事にやりがいを感じられない可能性が高いです。
地道な仕事にやりがいを感じられる
データサイエンティストは、一見すると華やかな仕事である様に感じられますが、実際の内容は地道な部分も多いです。
中には、データクレンジングと呼ばれる
「入力ミスのデータの修正」
などの地道な作業が必要な場合もあります。
これは、正しいデータでなければ分析が出来ず、間違ったデータの率によっては、分析結果が間違ったものになる可能性があるからです。
この地道な仕事にもやりがいを持って働ける人は、データサイエンティストに向いている可能性があります。
生き残れるデータサイエンティストになるために必要なスキル
さて、データサイエンティストは、前述したように
「AIに仕事を奪われる可能性がある仕事」
という見方もあります。
では、どの様にすればデータサイエンティストとして生き残ることが出来るのでしょうか。
ここでは、データサイエンティストとして活躍する上で必要な能力について解説していきます。
課題発見能力
1つ目は、課題発見能力です。
データというのは、そのものを見ていても問題を見つけることが難しいものです。
例えば、クレームの場合には、クレームを起点に企業の問題がわかるケースが多々あります。
「この商品のクレームが多い」
「クレームの傾向は、電池がすぐに無くなるというものが多い」
ということがわかれば、それに対処すれば顧客満足度が上がる可能性があります。
一方で、データサイエンティストが分析するデータは、一見するとなんの問題も無いように見える膨大なデータです。
その中から、企業の課題や問題を発見していく事が重要であり、これが出来るデータサイエンティストは、長期にわたって活躍できる可能性があります。
特に、経営者に対して
「その視点はなかった」
と思わせるような課題を提示できれば、高く評価される可能性があります。
AIを上手く活用する
AIに仕事を奪われる可能性があるという話をしましたが、このAIを上手く活用できるデータサイエンティストは、高い人材価値があると考えられます。
データサイエンティストは、単にデータの分析をしている訳ではなく、問題解決をすることが重要です。
そのため、問題提起や問題解決方法を考えることを人間が行い、データ分析やプログラミング自体はAIにやらせる・・・などのように、役割分担をして活用することが重要です。
経営者目線
次に、経営者目線で仕事をすることです。
どうしても、データサイエンティストという仕事柄、研究職の様なイメージを持たれることが多いかと思いますが、あくまでも企業の問題解決がゴールです。
そのため、経営者として重要度の高い問題点や、経営者から見て必要な情報を集めていくことも重要な仕事と言えます。
行動心理学
特にBtoCの企業においては、「行動心理学」が重要になってきます。
行動心理学とは、心理学の中でも「多くの人が取ってしまう行動」について研究する学問で、
「一見すると非合理に見える人間の癖」
を追求しているものです。
商品の購入などに用いられる事も多く、行動心理学を身につけた人材は、海外でも高い人材価値があると考えられています。
この行動心理学とデータ分析を合わせる事で、売上アップにつながるデータ分析を行うことが可能でしょう。
データサイエンティストの人材派遣ならAMELAに
今回は、データサイエンティストという仕事について解説してきました。
人気の職種ですし、多くの企業が必要としている仕事ですので、興味がある人も多いでしょう。
しかし、現状日本で優秀なデータサイエンティストを見つけることは難しく、転職に対するハードルも高いと言えます。
AMELAでは、IT人材の派遣なども行っており、データサイエンティストの派遣や、Pythonでのシステム開発のお手伝いが可能です。
特にオフショア開発で、高機能なシステムの開発を得意としており、海外の優秀なエンジニアを参画させることが可能です。
今の会社の情報を分析して、今後のビジネスをより良いものにしたいと考えている企業様は、是非一度ご相談いただければと思います。