Powershellとは?特徴やできること、使い方についてを解説

Windowsにはコマンドプロンプトというスクリプト言語が標準搭載されています。

ちょっとした調査などで利用したことがある人も多いのではないでしょうか。

しかし最近では、Powershellといわれるスクリプト言語に注目が集まっています。

この記事では、Powershellの特徴や利点、具体的な用途、そして初心者でも理解しやすい使い方について解説します。

Powershellを使いこなすことで、効率的なシステム管理や自動化を実現し、作業の生産性向上が期待できます。

Powershell(パワーシェル)とは

PowershellはMicrosoftによって開発された拡張可能なコマンドラインシェルおよびスクリプト言語です。

Windows OS版と、非Windowsプラットフォームで利用できるオープンソース版とがあります。

Windows環境を中心にシステム管理やタスク自動化において広く利用されています。

コマンドレットと呼ばれるコマンドを用いることで、ファイルの操作、プロセスの管理、ネットワーク設定の変更など、様々なタスクを効率的に実行できます。

Powershellは従来のWindowsコマンドプロンプトよりも強力で柔軟な機能を提供可能です。

Powershellの特徴

Powershellには以下に記すような特徴があります。

詳細について解説していきます。

強力なコマンドレット

Powershellは豊富なコマンドレットを提供しています。

これらのコマンドレットにより、
・ファイル操作
・レジストリの編集
・ネットワーク設定
・サービス管理
・イベントログの操作
など、さまざまなWindowsシステムの管理タスクを効率的に実行できます。

スクリプト言語としての機能

Powershellはシェルスクリプトを記述するための豊富な機能を備えています。

制御構造、変数、関数、モジュールなどの要素がサポートされており、複雑なタスクや自動化をスクリプトとして記述できます。

文法としても、「動詞 – 名詞」というシンプルなもので、初心者でも学習しやすいのも特徴です。

リモート管理

Powershellはリモートのコンピューターを遠隔で管理する機能を提供しています。

リモートコンピューターへの接続と操作が容易であり、複数のコンピューターの同時管理が可能です。

スクリプトセキュリティ

Powershellはスクリプトの実行に関するセキュリティ設定を細かく制御できます。

これにより、信頼性のあるスクリプトの実行を促進し、セキュリティ上のリスクを低減できます。

クロスプラットフォームサポート

Powershell Coreと呼ばれるオープンソース版があり、WindowsだけでなくLinuxやmacOSなどの様々なプラットフォームでも動作します。

これらの特徴により、Powershellはシステム管理者や開発者にとって非常に便利なツールとなっており、Windows環境の管理や自動化、スクリプト化などの幅広い用途に利用されています。

Powershellでできること

Powershellの特徴を踏まえ、何ができるのかを解説していきます。

システム管理

PowershellはWindowsシステムの管理に便利です。

・ファイルの作成/削除/移動
・ディレクトリの操作
・プロセス/サービスの管理
・イベントログの監視/フィルタリング
・ユーザーアカウントの管理
・システム情報の取得
・ネットワークの設定
など、様々なシステム管理タスクを自動化できます。

スクリプト作成

Powershellはスクリプト言語として利用されることが多く、繰り返しの作業を自動化するスクリプトを記述できます。

ファイルのバックアップ、データの整形、タスクのスケジューリングなど、様々な作業をスクリプトで実行できます。

ネットワーク管理

Powershellはネットワークデバイスの管理やネットワーク設定の操作にも利用されます。

IPアドレスの設定、ネットワークインターフェースの管理、ルーティングテーブルの設定などが可能です。

Windowsタスクスケジューラーで自動実行

PowershellはWindowsのタスクスケジューラーを活用することで
「定期的に自動実行」
をすることも可能です。

毎日やるちょっとした作業や監視作業を、空き端末のタスクスケジューラーで動かすことで、自分のPCは日常業務を行いながらも、定期作業を終わらせることが可能です。

データ処理

Powershellはデータのフィルタリング、集計、整形などのデータ処理にも適しています。

テキストファイルやCSVファイルの操作、データベースのクエリ実行などがおこなえます。

プロセス管理と制御

Powershellを使用して、特定のプロセスを監視したり、必要に応じてプロセスを制御したりすることができます。

変数を利用できるPowershellでは、プロセスを発見したタイミングの時間と現在時刻を比較して、
「どのくらいの時間、そのプロセスが継続的に動いているか」
などを計測することも可能です。

インフラストラクチャの自動化

Powershellを使用して、クラウド環境やサーバーインフラストラクチャの構築・管理・自動化をおこなうことができます。

以上に解説したのはPowershellが利用可能な用途の一部であり、実際には様々な場面で使用されています。

Powershellの豊富な機能と柔軟性により、多くのシステム管理や自動化のニーズに対応できるツールとして広く活用されています。

Powershellのメリット

Powershellを活用することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

詳しく解説していきます。

強力なシステム管理を環境構築無しで利用可能

前述のように、Windowsに関して様々な作業ができるPowershellですが、Windowsの場合には環境構築が必要ありません。

現在のWindows11の場合には、スタートボタンを右クリックし、「Terminal」を押すだけでPowershellが起動します。

自動化と効率化

スクリプト言語としての側面があり、Powershellを使って繰り返しのタスクや手順を自動化できます。

これにより作業時間を節約し、人的ミスを減らすことが可能です。

.NET Frameworkとの統合

Powershellは.NET Frameworkといわれる開発環境と統合されています。

これにより、.NETオブジェクトやメソッドを直接利用できるため、より高度なデータ処理やシステム操作が可能です。

パイプライン処理

Powershellではコマンドの出力をパイプラインで他のコマンドに渡すことができます。

この機能により、複数のコマンドを組み合わせて効率的なデータ処理やフィルタリングがおこなえます

コミュニティとサポート

Powershellは広いコミュニティがあり、情報や質問を共有できるフォーラムやWEBサイトが多く存在します。

また、Microsoftが公式にサポートしているため安心して利用できます。

これらのメリットにより、Powershellはシステム管理者や開発者にとって非常に有用なツールです。

Windowsシステムの管理や自動化、スクリプト化などのさまざまな用途で広く活用されています。

Powershellのデメリット

Powershellにはメリットだけでなくデメリットもあるため、詳細について解説します。

コマンドレットの多様性

Powershellのコマンドレットは非常に多様であり、初心者はどのコマンドレットを使うべきか判断が難しい場合があります。

クロスプラットフォームの制約

Powershell Coreはクロスプラットフォームをサポートしていますが、完全な互換性があるわけではありません。

一部のWindows固有の機能やモジュールは他のプラットフォームでは利用できない場合があります。

セキュリティのリスク

Powershellのスクリプトはシステムに対して強力な操作をおこなうことができるため、セキュリティ上の懸念があります。

信頼性のあるソースからのスクリプトのみ実行するなどといった対策が必要です。

また、初心者が間違って操作をした結果、社内のサーバーデータを消してしまう・・・などのトラブルを避ける必要もあります。

バージョンの違い

Powershellのバージョンによって機能やコマンドのサポートが異なる場合があります。

特定のバージョンでのスクリプトが別のバージョンでは動作しないといった互換性の問題が生じることがあります。

リソース消費

Powershellは.NET Frameworkと統合しているため、他のシェルに比べてリソース消費が多い場合があります。

特に大規模なスクリプトや処理を実行する場合には注意が必要です。

これらのデメリットはPowershellを使用する際に考慮すべき点ですが、適切な運用によりこれらの課題を克服できます。

PowerShellのデメリットを理解し、適切なシナリオで利用することが重要です。

Powershellの使い方

Powershellを実際に使用するにはどうすればいいのか、具体的な手順を解説します。

Powershellのインストール

Windowsの場合は、標準でPowershellがインストールされています。

しかし、古いバージョンのWindowsではPowershellの最新版をダウンロードしてインストールしなければなりません。

macOSやLinuxの場合はPowershell Coreをダウンロードしてインストールします。

Windowsの場合には、前述のように、スタートボタンを右クリックして「Terminal」から利用可能です。

Powershellのセキュリティ設定

Powershellはセキュリティの観点からスクリプトの実行ポリシーを設定する必要があります。

スクリプトの実行を有効にするか、信頼できるスクリプトのみ実行するようにポリシーを設定します。

通常の使い方はコマンドプロンプトと同様にターミナルから実行

通常の
「1コマンドごとに実行する」
という方法は、コマンドプロンプトと同様に、ターミナルより利用します。

ファイルとして保存する方法

タスクスケジューラーなどを使って定期的に実行するには、Powershellで作ったファイルを保存する必要があります。

方法としては、テキストファイルでコマンドを記載したファイルを作り、拡張子を「.ps1」として保存します。

これだけで、ファイルとして保存することができます。

即時実行するためには?

タスクスケジューラーから利用する際には、タスクスケジューラーの引数に先程作成したファイルを指定することで実行が可能です。

しかし、即時実行しようとして直接「.ps1」ファイルをダブルクリックしても、メモ帳が開き編集できるような状態になります。

そのため、ユーザーの意志で実行するためには、更にコマンドプロンプトでファイルを作成する必要があります。

powershell 実行するファイル

こうすることで、実行が可能になります。

業務効率化はAMELAに

今回は、Powershellについて解説してきました。

Powershellは、Windows環境では標準搭載されており、ソフトのインストールなどの制約が多い企業でも、簡単に作業効率化を実現可能です。

更に、多くのことができるので、作り方次第でかなりの作業効率化が可能です。

AMELAでは、様々な企業の業務効率化をしてきましたが、「ちょっとした効率化」だけでも、毎日の作業となれば、その効果は非常に大きいです。

また、一日に何度も監視が必要になるような作業も、集中力が途切れてしまうため、自動化は非常に効果が大きいです。

「うちの仕事でも、こういう部分が困っている」

という話があれば、是非ご相談ください。

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