プロジェクション・マッピングとは?費用や活用事例まとめ
エンターテインメント業界では、様々な演出方法が行われています。
その中で、
「建物に映像を映し出す」
というような演出を見たことがあるでしょうか。
そのような演出を
「プロジェクション・マッピング」
と呼びます。
これらの技術は、屋外での大規模なイベント以外にも、舞台などの屋内イベントでも利用されることがあります。
今回は、このプロジェクション・マッピングが、
・どういうものか
・どういう仕組みか
・どのくらいの費用が必要か
・どのような事ができるのか
などを見ていきます。
今後は、これらを活用することが、マーケティングの1つの方法としても用いられる可能性が高いため、是非活用していきましょう。
プロジェクション・マッピングとは
まずは、プロジェクション・マッピングとは何かを解説していきます。
特徴
プロジェクション・マッピングとは、
「プロジェクターを使って、空間や物体に映像を映すことにより、立体感を持たせる演出」
のことです。
ここで、敢えて映像を映し出す先を「空間や物体」と表現しました。
従来の映像は、スクリーンに映すことが一般的でした。
白く光を反射しやすいスクリーンに対して、プロジェクターから光を当てて、反射した内容を見ることで、大画面で全員が内容を共有できる仕組みです。
一方で、プロジェクション・マッピングで利用するのは、スクリーンとは限りません。
商業施設のビルに映し出す事もあれば、東京駅で行われた事もあります。
映し出す先が白である必要性もなく、長方形である必要性もありません。
そして何よりも、「凹凸や角度があっても、きちんと映像が映し出される」ということが大きな特徴です。
仕組み
プロジェクション・マッピングは、凹凸や角度のある部分でも正しく映像が映し出されます。
その理由は、専用のソフトを利用して、事前に凹凸も計算されているからです。
まず専用ソフトを使い、映像を対象物の形状に合わせて変形させます。
このソフトウェアは、映像の歪み補正やマッピングポイントの設定を行うことで、凹凸や角度のある部分に対しても適切な映像が映し出してくれます。
次に、高度なキャリブレーション技術が重要です。
キャリブレーションとは、「目盛り」や「測定」を意味しており、プロジェクターからの距離や対象物のサイズ、凹凸のサイズなどを正確に測る必要があります。
プロジェクターの位置や角度、焦点距離などを正確に調整することで、映像が対象物の表面にシームレスに合わせて映し出すことが可能となります。
凹凸や角度のある部分に対しても、適切な位置と角度でプロジェクターを配置することで、映像の歪みやずれを最小限に抑えることが可能です。
また、一部のプロジェクション・マッピングシステムは、3Dスキャニングやセンサー技術を使用して、対象物の形状をリアルタイムで検知し、映像を適切に合わせて調整する機能を備えています。
これにより、凹凸や角度のある部分にも精度の高い映像が映し出されるようになります。
プロジェクション・マッピングにかかる費用
プロジェクション・マッピングを行う際には、自分で作る方法と外注する方法があります。
外注する場合の一般的な費用は、30万円~です。
規模や内容にもよりますが、規模が大きいほど金額が高くなり、期間が長いほど金額が高くなる傾向があります。
例えば、商業施設やビル、大きな建物に映し出すような場合は、大規模。
部屋1つ分や舞台程度の規模の場合は、中規模。
それ以下の小さいものは小規模として考えたときに、
大規模:300万円~1000万円
中規模:150万円~300万円
小規模:30万円~150万円
位が相場になります。
もちろん、小規模でも期間が長い場合には、中規模イベントを超える金額になることもありますので、イベント企画会社などに確認してみることをおすすめします。
プロジェクション・マッピングに必要な機材
プロジェクション・マッピングには、
・パソコン
・プロジェクター
・専用ソフト
という最低限3つの機材が必要になります。
パソコン
パソコンは、専用ソフトで動画を作成する他、動画そのものをパソコンで映し出す役割もあります。
プロジェクション・マッピングは、その性質上かなり大きな物体に映すことが想定されます。
映し出された物との距離にもよりますが、画質が高くなければ、ぼやけてしまう可能性があります。
そのため、かなり高画質の動画を再生することになりますが、同時にそれはかなりのデータ容量になります。
プロジェクション・マッピングで用いられるパソコンは、かなりのスペックを求められるのです。
プロジェクター
次に、実際に光を出すためのプロジェクターが必要になります。
通常のスクリーンに映し出すような映像の場合、
・屋内(外から光が入らない環境)
・照明を落としている
・スクリーンが白い
という良い条件が揃っているので、ある程度の光の強さのプロジェクターがあれば、見やすい映像が表示できます。
一方で、プロジェクション・マッピングは、屋外でやることも多く、スクリーンが白でないケースも多々あります。
それらに対して「綺麗な映像」を映すためには、かなりの出力のプロジェクターが必要になります。
光の強さは「ルーメン」という単位で表されます。
いわゆるビジネスプロジェクターと呼ばれる市販の物が「3000~4000ルーメン」なのに対して、プロジェクション・マッピングでは、業務用の10000ルーメン以上のものを使うことも珍しくありません。
また、光は映し出す距離が遠くなれば、その分光が届きにくくなりますので、大きな建物に映し出すようなケースでは、数十台のプロジェクターを同時にしている事もあります。
専用ソフト
次に、専用ソフト。
プロジェクション・マッピングに利用する動画を制作するための専用の物があり、
・Projection Canvas
・ペコビジョン
・マッドマッパー
・After Effects
などがあります。
After Effectsは、アドビの一般的なエフェクトの制作ソフトですが、プロジェクション・マッピングに特化したソフトの場合は
1.動画を読み込む
2.動画をカットする
3.映し出す物体に合わせて角度を変える
のような形で、素材の動画があれば比較的簡単にプロジェクション・マッピングを作ることが可能です。
プロジェクション・マッピングの活用例
プロジェクション・マッピングは、
「ただすごい演出」
に留めておくのは勿体ないです。
一般的には話題性を元に、知名度を上げ、自社のマーケティング活動に活かすケースが多いです。
ここでは、そんなプロジェクション・マッピングの事例について見ていきましょう。
TOKYO STATION VISION 東京駅 復元記念
2012年9月に、
「大正時代の開業時の外観がよみがえった」
記念イベントとして、東京駅にてプロジェクション・マッピングを使ったイベントが行われました。
サグラダファミリア
未だ未完成の建築として観光地としても有名なサグラダファミリア。
建築物としても非常に造形的な形をしているこの建物に、プロジェクション・マッピングで映像を投影しました。
花と魚 – 相模湾大水槽
新江ノ島水族館(神奈川/藤沢市)にて、夜の水族館をデジタルアート空間にする
「えのすい×チームラボ ナイトワンダーアクアリウム2015」
というものが開催されていました。 クリスマスイベントとしての演出で、当時話題になりました。
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今回は、プロジェクション・マッピングについて見てきました。
ここ数年は、野外のイベントや大規模なイベントが自粛ムードになっていたため、中々プロジェクション・マッピングでのイベントなどは、行い難い状況ではありました。
しかし、徐々に外出が当たり前になり、マスクをしない人も見られるようになってきた今から、マーケティングの1つの方法としてプロジェクション・マッピングを検討するのは、高い可能性があると考えられます。
もちろん、
「その後、どうやって営業活動につなげるか」
「イベントで取得した顧客リストをどう活用するか」
を考えていく必要性はありますが、この記事がその一助となれば幸いです。
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