dnsサーバーとは?仕組みや役割、種類について解説

パソコンやスマートフォンが普及している現代社会において、インターネット上では日々当たり前のように情報の送受信がおこなわれています。

それらの情報はどのような仕組みでやり取りをされているのでしょうか。

私たちが暮らしている家に『住所』という場所を一意に特定するための情報があるのと同様に、インターネット上においても一つ一つの情報に対して一意性の番号が割り振られています。

このような番号をIPアドレスといい、このIPアドレスを適切に管理するための機能としてdnsという仕組みがあります。

今回の記事ではdnsについて、その仕組みや役割などについて詳しく解説していきます。

dnsとは

dnsとは『domain name system』の略で、インターネット上でドメイン名を管理するために利用されているシステムをいいます。

ドメイン名とは、インターネット上で情報を検索する時に使われる「www.〇〇.co.jp」などと表記されるもののことをいいます。

インターネット上には企業から個人が運営しているものまで、様々なWebサイトが存在しています。

また、メールを送受信する際などには、インターネット上のどこにその情報を届けるのかを特定しなければなりません。

このように、通信時における発信元や宛先を特定するための情報としてドメイン名が普及、活用されています。

dnsはインターネット上で通信される情報を適切に管理運用するための必須システムといっても過言ではありません。

dnsサーバーとは

dnsサーバーとは、ドメイン名とIPアドレスを紐づけて、それらの情報を変換する役割を担うシステムのことを表します。

インターネットに接続をする機器には、それぞれ個々にIPアドレスという値が設定されています。

このIPアドレスはその機器ごとに固有の識別番号が設定されており、インターネット上におけるデータの送信元や送信先を特定、識別するための番号です。

例えば郵便や宅配便を送る際に送り主と送り先の住所が必要なのと同様に、IPアドレスはインターネット上での住所のような役割を果たしています。

しかし、このIPアドレスは10進数を用いて数値を羅列したものであることから、コンピューターにとっては理解できても人間にとっては判別がつきにくいものです。

このIPアドレスを人間にとってわかりやすくしたものがドメイン名であり、IPアドレスとドメイン名の情報を紐づける役割としてdnsサーバーが利用されています。

例えば、サイトにアクセスしようとした時に
「https://172.217.31.131」
とは入力せず
「https://www.google.com/」
と入力します。

この変換を行っているのです。

実際には、どちらを入力しても、Googleのトップが表示されます。

dnsサーバーの役割

上述したようにdnsサーバーはドメイン名とIPアドレスを関連付けて管理し、それらの情報を変換するという役割を果たしています。

ここではdnsサーバーの仕組みについて解説し、dnsサーバーの詳細な役割について説明をします。

例えばパソコンやスマートフォンを使ってWebサイトを表示しようとする際にドメイン名を入力したとします。

画面上では即座に指定したWebページが表示されますが、内部ではそこで入力したドメイン名をdnsサーバーと連携してIPアドレスを特定する、といった処理がおこなわれています。

メールの送信時においても同様の処理がなされ、dnsサーバーで変換された情報を通じて宛先に届けられています。

つまり、dnsサーバーは『「www.〇〇.co.jpに紐づくIPアドレスは何か」や、「このIPアドレスのドメイン名は何か」』といった問い合わせを受けることで、それぞれに対応するドメイン名やIPアドレスを即時に返すという処理をしています。

dnsサーバーがなければIPアドレスを指定して検索をしなければならず、人間にとっては識別が困難になります。

dnsサーバーは人間とコンピューターの翻訳機能としての重要な役割を担っています。

dnsサーバーの種類

dnsサーバーには種類があり、それぞれに果たしている役割が異なっています。

ここではdnsサーバーの種類とその違いについて解説します。

キャッシュdnsサーバー

キャッシュdnsサーバーとは、問い合わせを主体の役割とするdnsサーバーです。

問い合わせ先は後述する権威dnsサーバーを指します。

権威dnsサーバーから取得した情報はキャッシュdnsサーバーに保存され、その情報をWebサイトに表示します。

キャッシュdnsサーバーの特徴として、権威dnsサーバーから一度取得した情報を保持することができます。

そのため、情報を再度取得する際には権威dnsサーバーに問い合わせをする必要はなく、通信の手間を省くことができます。

権威dnsサーバー

権威dnsサーバーとは、ドメイン名とIPアドレスを紐づけ、その情報の管理を担っているdnsサーバーです。

権威dnsサーバーはインターネット上に複数存在しており、管理している情報はそのサーバーごとに異なるという性質があります。

権威dnsサーバーはキャッシュdnsサーバーから問い合わせを受けた際、管理している情報からキャッシュdnsサーバーに回答するという役割を果たしています。

権威dnsサーバーには階層があり、キャッシュdnsサーバーから最初に問い合わせを受け付けるサーバーをルートサーバーといいます。

問い合わせを受けたルートサーバーは、問い合わせ情報を管理している権威dnsサーバーの情報をキャッシュdnsサーバーに返します。

回答を受けたキャッシュdnsサーバーは、その情報を保持している権威dnsサーバーに問い合わせをすることで、求めているIPアドレス情報を取得してWebサイトを表示します。

このように、キャッシュdnsサーバーは求めている情報源に辿り着くまで権威dnsサーバーを渡り歩くことになります。

dnsサーバー選択のポイント

企業だけでなく個人でWebサイトを運営するケースも多いため、dnsサーバーの需要は増える一方です。

dnsサーバーを利用するためにはいくつかの方法がありますが、最もポピュラーな方法としてはレンタルサーバーを準備することが挙げられます。

レンタルサーバーを選定する際には、機能面だけでなくセキュリティ面やサポート面なども考慮をした上での検討が必要になります。

ここではdnsサーバーを選定する際のポイントについて解説をします。

1つ目は処理速度です。

先にも述べたように、Webサイトを表示するにはdnsサーバーを通じてドメイン名とIPアドレスの変換を高速でおこなっています。

サービスによってこの処理速度は異なるため、ユーザーの満足度にも直接影響を及ぼすポイントになります。

dnsサーバーにとって通信速度は生命線であり、検討のうえで最優先事項になります。

2つ目はセキュリティ面の高さです。

dnsサーバーはWebサイト運営にあたって重要な役割を果たしている分、ウイルスのような悪意ある攻撃に狙われるリスクがあります。

そのような攻撃にも耐えうる機能を備えたサーバー選定が重要になります。

3つ目は信頼性です。

例えばdnsサーバーへのアクセス過多によりシステムがダウンしてしまった場合。Webサイトが表示されないなどといったリスクが起こり得ます。

通信インフラの脆弱さは社会的信用にも影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

パブリックdnsサーバー

レンタルサーバー以外を使用する方法としては、パブリックdnsサーバーというものがあります。

パブリックdnsサーバーとは契約を必要としないdnsサーバーのことをいい、無料で利用することができます。

パブリックdnsサーバーを利用するにあたっては、通信速度の向上などのメリットがある反面、セキュリティ面でのデメリットなども考慮しなければなりません。

代表的なパブリックdnsサーバーとしては、Googleが提供をしている『Google public dns』があります。

Google public dnsは情報の蓄積量が非常に多く、かつ高速処理が可能です。

安全面の高さにおいても特徴であるといえます。

また、その他にも「Cloudflare」「Quad9」といったパブリックdnsサーバーがあり、それぞれが通信面や安全面などに強みを持っています。

dnsサーバーの設定方法

ここまで解説したように、dnsサーバーはIPアドレスとドメイン名を結ぶ重要な役割を果たしています。

もしdnsサーバーが正常に設定されていなかった場合、Webサイトへのアクセスやメールの送受信をすることができないなど、トラブルの要因となってしまいます。

そのため、正しく設定されているかを確認する必要があります。

パソコンやスマートフォンなどのネットワーク機器においては、標準仕様としてあらかじめdnsサーバーが設定されています。

しかし、レンタルサーバーの場合はこの限りではありません。

レンタルサーバーを利用する場合の設定方法は、そのレンタルサーバー事業者の指定する手順に沿っておこないます。

コントロールパネルからdnsサーバーの設定をおこなう場合もあれば、新しく取得したドメインを使ったり、既存のドメインを流用して対応したりなど、ケースによって設定方法が異なります。

サーバー設定の際には細心の注意を払っておこないましょう。

また、この他の手段としてはレンタルサーバー事業者の提供するサーバーを利用せず、自身でdnsサーバーを準備するという方法もあります。

ただしこの場合は、データのアップデートやセキュリティ対策、さらには保守対応など、全ての準備を自身でおこなわなければなりません。

よほどの事情がない限りは推奨できない手段であるといえるでしょう。

業務の高速化はAMELAに

今回は、DNSサーバーについて触れてきました。

インターネットを介して情報をやり取りするのが当たり前になった世の中で、
「いかに早く効率的に仕事をするのか」
は、重要な問題となっています。

それは、通信環境を整えるだけでは不十分で、システムの組み方などでも大きく変わってきます。

現在、業務の速度や効率に問題を抱えている企業様は、是非一度AMELAにご相談ください。

専任のITコンサルタントが、最善の提案を致します。