Swiftとは?適するアプリの種類や開発環境・データベースについても解説

現在、多くのスマホアプリ開発がされています。

スマホの普及率は、20~49歳では100%以上で、1人1台は最低持っている計算になります。

そんな中で、いかにビジネスとして有効なアプリ開発をするかは、多くの企業の課題と言えるでしょう。

スマホアプリの開発に用いられるプログラミング言語としてSwiftがあります。

SwiftはMac・iPhone・iPad・Apple WatchなどのApple製品向けのアプリケーション開発に使われる言語で、開発効率の高いことで人気上昇中です。

今回は、このようなSwiftについて、特長や言語の仕組み、アプリ開発について開発環境やデータベースなども含めて紹介します。

Swiftとは

Swiftとは2014年にApple社が発表したプログラミング言語で、それまで使われていたObjective-Cに代わるものです。

Mac・iPhone・iPad・Apple WatchなどのApple製品向けのアプリケーションばかりでなく、サーバーサイドプログラムや機械学習、コマンドラインツールの開発などにも利用できる汎用言語です。

一般的なWebアプリの開発やクロスプラットフォーム開発もSwiftで出来て、アプリの開発効率の高いことで、年々人気が増しています。

ちなみに、TIOBEのプログラミング言語の人気ランキングでは、2021年1月の13位から2022年1月には10位に上昇しています。

2015年にオープンソース化され、元々はMacでの開発が基本となっていました。

しかし、需要が高まるに連れ、今ではLinuxやWindowsでも動作可能になりました。

Swiftの特徴

Swiftの大きな特徴として、
「実行スピードが速い」
「不具合が起こりにくい」
「総合開発環境が提供されており、動作確認がリアルタイムでできる」
「コードがシンプルなので初心者でも学びやすい」
「入門者や初心者が取り組みやすい」
などの特長があります。

Swiftはオブジェクト指向言語で、Apple社の数十年にわたる経験や過去のさまざまな言語の良いところを集めて作られています。

その結果、
「構文が分かり易く、コードが明快で読みやすくメンテしやすい」
という特徴があります。

これにより、「エラーが発生しにくい」「メモリ使用量が少なくパフォーマンスが最適化されている」など、多くのメリットが生まれました。

なお、メモリ使用量に関するメリットは、ガページコレクションの必要がないようにメモリが自動管理され、シンプルな並行コードで非同期動作が記述できることで生まれたものです。

その結果、先行するObjectve-Cに比べコード数が少なく、最大2.6倍で高速動作し、かつ使い勝手の良さなどのメリットがもたらされたのです。

なお、Objective-Cで開発されたアプリはSwiftのコードに書き換えることなく稼働でき、Objective-Cで開発中のものでもSwiftで続けて開発できる柔軟性もメリットと言えます。

特長のうち後ろの2つは、
1.Swiftは、初めてプログラム言語に触れる人を念頭にデザインされている
2.Apple社は、教育者向けの無料のカリキュラムを設けるほか、コーディング初心者がインタラクティブにSwiftでのコーディングを学べるiPad用アプリなどを提供している
3.誰でも無料のコースにアクセスして、総合開発環境XcodeでのApp開発について学ぶことができる
などの背景があって得られるものです。

Swift言語の仕組み

ここでは、前述の特徴を生むSwift言語の仕組みを見ていきましょう。

最初に指摘したいのは「オブジェクト指向言語」であることです。

オブジェクト指向言語なので、
「誰が見てもわかりやすく変更が楽で安全に行う」
ことができます。

しかし、このようなメリットはプログラムを以下のオブジェクト指向の原則に基づいて設計することで得られるものです。

1.カプセル化(隠蔽):できるだけ他のプログラムから干渉されないように/干渉しないようにする
2.ポリモーフィズム(多相):振る舞いを様々に変えられる
3.継承:再利用を高める

これらを活用できなければ、Swiftの良さを十分に活かせているとは言えないでしょう。

次に指摘したいのは「安全性を重視」した言語であることです。

プログラミング言語における安全性とは「暴走しない」ことを指し、プログラムが未定義・不正な動作をしない仕組みを内包している言語は安全と言えます。

もし不正動作すれば、その結果
・違反の瞬間にすべての処理が強制終了される
・開発環境では無事だったが、本番環境でデータ破壊など深刻な不具合を発生する
・メモリ破壊によって特定のコードにジャンプするように書き換わる
などの影響が生じます。

安全な言語なら、「不正を見逃すことなくキャッチし、すべての例外処理を実行した上で、デバッグ用にスタックトレースを出力」します。

Swiftでは、
・変数は使用前に必ず初期化すること
・配列や整数はオーバフローチェックすること
・メモリを自動管理することで、プログラミングのエラーから保護すること
によって、安全でないコードを排除しています。

最後に「Swiftコンパイラがハードウェア性能を引き出すことに優れている」ことです。

SwiftにはハイパフォーマンスなLLVMコンパイラテクノロジーが使われています。

LLVMは、様々なプログラミング言語に対応可能なコンパイラ基盤ですが、コンパイル時・リンク時・実行時などあらゆる時点でプログラムを最適化するものです。

LLVMにはコンパイラの開発段階で使える多数の部品が備わっており、プログラムが様々な実行時オプションをもっている場合、これらの部品を使うことで最適化がなされるようになっています。

このようにして、Swiftのコードは最適化されたマシンコードに変換され、最新のハードウェア(Apple Watchからサーバ群まで)の性能を余すことなく引き出すことができます。

Swiftによるアプリ開発とデータベース

ここでは、アプリ開発の中でSwiftがどのように使われているか紹介します。

開発できるアプリの種類と開発環境/実績

Swiftで作れるアプリは以下の5つに大別されます。

1.iOSアプリ:iPhoneやiPad、iPodtouchのアプリで、SNSやゲーム・業務効率化ツール・エンターテイメントなどのジャンルのものが多いです。

2.Macアプリ:PCのハードウェアや周辺機器と連携したアプリで、システムや業務効率化ツールなどのアプリは勿論、iOSと同様に全ジャンルのものを作ることができます。

3.watchOSアプリ:AppleWatch用のウェアラブル・アプリで、人間の動きを感知する機能を利用してフィットネスやヘルスケアのジャンルのものが多いです。

4.tvOSアプリ:Apple TVはMacやiPhoneの動画や写真を大画面TVに映して見るための機器ですが、AppleTV独自に提供しているアプリとしてはゲームや教育、健康&フィットネス、エンターテイメントのジャンルのものがあります。

5.Webアプリ:通信を行うアプリを作成する際、従来アプリはObjective-C、サーバはRubyやJavaで開発していましたが、今ではクライアントもサーバもSwiftだけで開発できるようになっていますが、サーバーサイドについては未だ実績がありません。

以降では、ネイティブアプリとはWebアプリ以外のアプリを指すものとします。

ネイティブアプリは統合開発環境Xcodeを使って開発しますが、iOSやMacアプリにはUI実装の為のフレームワークSwiftUIが用意されています。

そして、Webアプリ開発用にはWebアプリケーションフレームワークVaporが用意されています。

統合開発環境Xcode

オープンソースの言語であるSwiftは今ではLinuxやWindowsでも動作するようになっていますが、言語の基礎部分だけがオープンソース化されているだけです。

iPhone環境特化のフレームワーク群などはiOS SDKとしてデベロッパーに提供されており、アップルの統合開発環境Xcodeでのアプリ開発を可能にしています。

先ず、Xcodeの特徴について説明しましょう。

Xcodeには次のような特長があります。

1.開発環境の構築がいらない
Xcodeは統合開発環境でインストールするだけで、すぐにSwiftの開発に取り掛かれます。そのため、他言語のようにPC自体の設定などの作業が必要なく環境構築で頓挫することはありません。

2.視覚的に分かりやすい
Playgroundを使うことで、プログラムの動きが、記述に合わせてリアルタイムで視覚的に分かり易く反映されます。そのため、視認しながら作業を進めることができます。

3.デバッグが自動
プログラミングには、コードを少し書き換える毎に多くの動作パターンを確認する作業が伴います。

Xcodeには自動テストツールがありますから、面倒なデバッグ作業を省力化できます。

Xcodeによる開発準備

次に、XcodeでSwiftアプリを開発するにはどうしたら良いか説明しましょう。

先ず、統合開発環境Xcodeの準備をします。

Macを準備し、次にAppleが無料で提供している統合開発環境Xcodeを準備します。

公式サイト:https://developer.apple.com/jp/xcode/

続いて、XcodeについているSwift Package Managerを利用してSwift環境を整えます。

また、XcodeにはiOSシミュレータや実行環境Playgroundが付いていますので、これらを利用してアプリ開発を進めます。

なお、Playgroundはビルドすることなく、リアルタイムでプログラム実行し確認できますから、プログラムのミスやバグを見つけやすいです。

Swiftとデータベース

ここでは、Swiftとデータベースに焦点を当てて紹介します。

Xcodeには標準でCoreDataというデータベース管理システムがありますが、非常に簡単に使用できることからオープンソースの「Realm」が今では一般的になっています。

後述のようにRealmはモバイル向けでしたが、Macアプリでも使用できます。

先ず、モバイルアプリ用データベース「Realm」について簡単に説明しておきます。

スマートフォンやタブレットなどには「モバイル向けデータベース管理システム」が使われています。

Realmは2016年に最初のバージョンがリリースされましたが、モバイル向けデータベースとしては2000年に登場したSQLite以来のものです。

RealmはSQLiteと比較しても2倍以上高速で、CoreDataと比較しても圧倒的に高速です。

また、Realmは導入が容易、オブジェクトの保存や取り出しするための実装が容易などの特長があります。

Realmとは厳密には「モバイル向けのデータベースのライブラリ」です。

XcodeでRealmを使えるようにするには、ライブラリ管理ツールcocoapodsなどを使ってRealmライブラリをインストールする必要があります。

次に、Realmはモバイル端末では「外部データベースの補助」として使われます。

モバイル向けデータベースは、オフライン環境でもデータにアクセスできるようにモバイル端末内に用意したローカルデータベースです。

外部データを取り込んだ時点でローカルデータベースは最新状態になります。

通常はローカルデータベースを参照しますが、モバイル端末利用中に最新のデータが必要になった場合、外部データベースにアクセスしてローカルデータベースを更新する必要があります。

そこで、外部データベースとローカルデータベースとの差分だけを送受信して、データの通信量を減らすことが行われています。

アプリ開発もAMELAに

今回は、iPhoneアプリなどで用いられるSwiftについて見てきました。

海外と違い、日本国内において、大きなシェアを誇っているiPhoneなど、Swiftでの開発を希望する企業も多いことでしょう。

しかし、ITエンジニア不足により、費用対効果を懸念して、開発に踏み切れない企業様も多いのではないでしょうか。

AMELAでは、人件費の高い国内のエンジニアではなく、人件費の安い国のエンジニアを活用するオフショア開発を得意としており、費用対効果の高い開発が可能です。

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