日本政策金融公庫とは?借りられる金額や強み、金利などについて解説

資金調達の方法を検討している方の中には、日本政策金融公庫の存在をご存知の方が多いかもしれません。しかし、日本政策金融公庫が具体的に何をしているのか、借入の条件はどうなっているのかなどはよくわかりませんよね。この記事では、日本政策金融公庫の概要について解説します。

日本政策金融公庫とは?

日本政策金融公庫とは、民間金融機関からの融資の不足分を補うことを目的としている機関です。日本政策金融公庫は、主に酋長企業や小規模事業者を対象としています。特に、新型コロナウイルス感染症によって大きな経済的影響が出ている現在では、日本政策金融公庫の支援が重宝されています。

日本政策金融公庫の業務

日本政策金融公庫の業務は、以下のとおりです。

  • 融資業務
  • 信用保険業務
  • 証券化支援業務

では、それぞれについて解説します。

融資業務

日本政策金融公庫は、融資業務として中小企業の振興に必要な資金を供給しています。令和3年度の融資の内訳は、新型コロナウイルス感染症に対するものがもっとも大きな割合を占めています。

信用保険業務

信用保険業務とは、企業の円滑な資金調達を実現するために債務の保証などをおこなうことです。他にも、信用保証協会に対する貸付もおこなっています。

証券化支援業務

証券化支援業務とは、中小企業への無担保資金供給の円滑化を図るために、民間金融機関等による証券化手法を活用した取組みを支援するものです。

日本政策金融公庫ではいくらまで借りられる?

 日本政策金融公庫では借りられる金額は、融資制度によって異なります。

  • 新規開業資金の場合:7,200万円(うち運転資金4,800万円)
  • 新創業融資制度の場合:3,000万円(うち運転資金1,500万円)
  • 女性、若者/シニア起業家支援資金の場合:7,200万円(うち運転資金4,800万円)
  • 新型コロナウイルス感染症特別貸付の場合:8,000万円(別枠)

ただし上記の金額は上限であるため、実際に借りられる金額は審査結果によって異なります。

日本政策金融公庫の金利

日本政策金融公庫の金利ですが、融資の種類によって0.3~3.0%程度と、比較的低金利で貸付を受けられます(令和4年9月1日時点、年利%)。正確な金利は、支店に問い合わせてみてください。

日本政策金融公庫の3つの強み

日本政策金融公庫の強みは、次の3つです。

  1. 金融力
  2. 情報力
  3. ネットワーク力

では、それぞれについて解説します。

1.金融力

日本政策金融公庫の平均融資金額は、中小企業が約1億円、小規模事業者・創業企業が約700万円と高額です。さらに日本政策金融公庫を利用している企業の数は、中小企業が4.4万企業、小規模事業者・創業企業が88万企業と非常に多いです。これだけ多くの資金をゆうしできていることから、日本政策金融公庫の金融力は高いことがわかります。

2.情報力

日本政策金融公庫は、経営に関する情報も豊富に持っています。例えば経営改善・現場改善についての相談や、税務・会計の相談などに対応しています。また、創業者のためのセミナーを定期的に開催していることも魅力です。

3.ネットワーク力

日本政策金融公庫は、強いネットワーク力を持っています。なぜなら支店が全国に150以上あり、またさまざまな団体との連携しているためです。それにより、商談会等イベントの開催やインターネットビジネスマッチングなどを可能としています。

日本政策金融公庫の融資の流れ

続いて、日本政策金融公庫の融資の流れを見ていきましょう。流れは以下のとおりです。

  1. 申込
  2. 面談
  3. 融資
  4. 返済

では、それぞれについて解説します。

1.申込

まずは、インターネット経由で申込をします。その前に相談したい方は、窓口やオンライン、電話で対応しています。

事業資金相談ダイヤル:0120-154-505

オンライン受付はこちら

2.面談

申込ができたら、面談で資金の使い道や事業計画などについて話します。場合によっては、担当者が店舗や工場に来ることもあります。

3.融資

面談が上手くいけば、融資がされます。融資の決定後は、借用書などの必要書類が送られてきます。契約手続きが完了し次第、講座に融資金が振り込まれます。

4.返済

融資金は、原則月ごとに返済していきます。返済方法には元金均等返済、元利均等返済、ステップ返済などがあります。

日本政策金融公庫の融資を申し込む際に必要な書類

必要な書類は、事業規模や業種などによって異なります。

個人企業・小規模企業の場合

共通して必要なもの

事業計画書

個人営業の場合

最近2期分の申告決算書

法人営業の場合

  • 最近2期分の確定申告書・決算書(勘定科目明細書を含む)
  • 最近の試算表(決算後6ヵ月以上経過している場合または事業を始めたばかりで決算を終えていない場合)

設備資金を申し込む場合

見積書

初めて利用する場合

  • 創業計画書(新たに事業を始める場合または事業を開始して間もない場合)
  • 企業概要書
  • 法人の履歴事項全部証明書または登記簿謄本(法人営業の場合)
  • 運転免許証(両面)またはパスポート(顔写真のページおよび現住所等の記載のあるページ)のコピー
  • 許認可証のコピー(飲食店などの許可・届出等が必要な事業を営んでいる場合)

中小企業の場合

  • 事業計画書
  • 会社案内、製品カタログなどの参考資料
  • 法人の登記事項証明書
  • 最新3期分の決算書・税務申告書
  • 納税証明書
  • 最近の試算表(決算月から時間が経っている場合)
  • 設備投資を行うときは、概要のわかる資料(見積書等)
  • 担保の内容がわかる資料(登記事項証明書など)

創業予定の場合

  • 創業計画書
  • 設備資金申込の場合は見積書
  • 履歴事項全部証明書または登記簿謄本(法人の場合)
  • 担保を提供する場合は、不動産の登記簿謄本または登記事項証明書
  • 生活衛生関係の事業を営む場合は、都道府県知事の「推せん書」(借入申込金額が500万円以下の場合は不要)、または生活衛生同業組合の「振興事業に係る資金証明書」
  • 運転免許証(両面)またはパスポート(顔写真のページおよび現住所等の記載のあるページ)のコピー
  • 許認可証のコピー(飲食店などの許可・届出等が必要な事業を営んでいる場合)

日本政策金融公庫を活用してみよう

日本政策金融公庫を活用することで、民間金融機関からの資金調達の不足分を補える可能性があります。また日本政策金融公庫には、規模の大きさを活かした強みも持っています。もし資金調達でお困りの際は、ぜひ利用を検討してみてください。

ちなみに当社は、創業初期の企業に対するサポートもおこなっています。資金調達に関するお悩みもご相談可能です。もしご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。