監視ツールザビックス(zabbix)とは?導入することのメリットは?
日々、業務を行っていると、様々な機器やデータを扱います。
今ではIT企業以外の業種でも、
「データをいかに活用するか」
が重視される様になってきました。
そんな中で、サーバーやシステム・ネットワークの監視も必要性を増しています。
今回は、そんな監視の仕組みでもある「ザビックス」という製品について見ていきます。
ザビックス(zabbix)とは
ザビックスとは、アプリケーション、ネットワーク、サーバーを監視するためのオープンソースの統合監視ソフトウェアのことです。
オープンソースとは、ソフトウェアを構成しているプログラム「ソースコード」を、無償で一般公開することです。
そうすることで、誰もがソフトウェアの再配布や改良を行うことができる点がオープンソースのメリットだと言えます。
そのオープンソースを監視するソフトウェアがザビックスということです。
ザビックス(zabbix)の特徴
ザビックスの特徴は大きく分けて5つあります。
・多くのプラットフォームに対応していること
・シンプルかつ軽快な動作をしてくれること
・オープンソースのシステム監視ソフトウェア
・監視データを柔軟に活用可能
・Web ブラウザ上での簡単操作
1つずつ解説していきます。
多くのプラットフォームに対応していること
ザビックスは、他の統合監視ソフトウェアと比較してもトップクラスの対応プラットフォーム数を誇っています。
ここで言うプラットフォームはOSやハードウェアのことを指します。
ザビックスは、任意のコマンド実行など、エージェントレス監視にも対応しており、システム全体の監視を行うことが可能です。
エージェントレス監視とは、監視方法の手法で、
・エージェント監視
・エージェントレス監視
の2種類があります。
エージェントとは、監視するための仕組みのことで、エージェント監視はエージェントを監視対象にインストールすることで状態を監視します。
エージェントをインストールすることで、その監視対象の詳細を監視できるなどのメリットが有る一方、監視対象に負荷がかかります。
そのため、エージェント監視が良いのか否かは運用状況やマシンスペックに関連してきます。
ザビックスでは、エージェント監視・エージェントレス監視の両方に対応しているため、幅広いプラットフォームの監視が実現可能なのです。
シンプルかつ軽快な動作をしてくれること
ザビックスは、シンプルかつ軽快な動作をしてくれます。
そのため、ザビックス自体がシステムの負荷になる可能性は低いでしょう。
仮に監視ソフトの負荷が大きい場合、
・普段の業務用サーバーが遅くなる
・値段の高いハイスペックなサーバーを導入する必要性が出てくる
など、普段の業務に支障が出てしまいます。
そういった事がないのも、ザビックスが人気の1つの理由でしょう。
オープンソースのシステム監視ソフトウェア
ザビックスはオープンソースのシステム監視ソフトウェアだからこそ、人気を集めています。
商用のソフトウェアでは、利用できる監視機能が制限されます。
しかし、ザビックスはインストールするだけで多くの監視機能を使うことができるのです。
これは、同時に導入する際のコストの削減にも繋がります。
監視データを柔軟に活用可能
ザビックスでは、レポートやグラフなどを様々な組み合わせや期間で表示できるのが特徴です。
また、外部のソフトウェアからのアクセスも簡単であるため、個人でカスタマイズも簡単に行うことが出来るのです。
これにより、運用監視状況を上長に報告するなども簡単になり、業務効率が上がるでしょう。
Webブラウザ上での簡単操作
Webブラウザで監視ステータスの表示や設定などを簡単に操作することが出来ます。
管理ツールのインストールが必要ではないため、出先からの急な対応もできる点がとても良い点です。
運用監視業務としては、万が一外出先であっても、トラブルが起これば迅速な対応が求められます。
素早く状況を把握できるという意味合いで、Webブラウザからのアクセスは非常に便利なのです。
ザビックスを導入するメリット
ザビックスを導入する最大のメリットは、
「監視運用に必要な機能をザビックスだけで実現できる」
ことです。
例えば、下記のような事が可能です。
・CPU使用率/メモリ使用率/ディスク使用率の監視
・ファイル監視
・Web監視
・ping疎通監視
・TCP応答時間の監視
・自信のサーバーの稼働時間やアイテム数、プロセスの監視
・アラートの送信
・過去のデータから将来の障害や使用率等の予測
・APIでの連携
これらの機能を最大限に活用することで、一般的な企業に必要な監視を実現するとともに、APIでSlackに送信するなどによって、運用効率も上がります。
ザビックスを導入する目的
ザビックスを導入する目的は、監視対象からの データ収集 やしきい値(どのくらいのデータ容量まで使用したら通知するか)の判定 、 アラート通知のアクション などを行ってもらうためです。
そのほか、データベースへ各種データや設定内容を保存する役割も担うザビックス。
監視業務の重要性
そもそも監視業務は必要なのでしょうか?
ここでは監視業務の重要性についてわかりやすく解説します。
長期間、システムを安定稼働させるためには、ネットワークやサーバーなどのインフラの監視が最重要事項となってきます。
特にサーバーの監視は、アプリケーションやOSの異常を速やかに読み取ることで、サービスへの影響を最小限に抑えてくれます。
そして次に必要なアクションを素早く取ることができるというメリットがあります。
ザビックスは、状態を把握して
「正常に機能しているか」
を監視し、問題があった場合、メールなどで運用管理者に通知したり、自動回復を試みたりします。
一連の流れを自動化することで、運用管理者の負担を減らしてくれる優れものです。
ザビックスで監視が可能な範囲
次にザビックスで監視が可能な範囲について解説します。
ネットワークやプロせずの監視だけではなく、ミドルウェアまで幅広い監視に対応するザビックス。
ザビックスでは、Windows、Linux、商用UNIXや、SNMPに対応したネットワーク機器、またはIPアドレスを保持する機器が監視できる対象となっています。
ザビックスのサポート
ザビックスのサポートのメリットとして、ソースコードの細部まで理解し、経験豊富なZabbixエンジニアが直接質問に回答してくれるので安心できるという点があります。
専用のサポートシステムや、電話、メールにてお問い合わせが可能です。
日本国内のサポートに関しましては、日本語での対応です。
(営業時間外は英語での対応となります)
ザビックスのサポートは、シルバーコース、ゴールドコース、プラチナコースの3種類のタイプに分かれます。
シルバーコースとゴールドコースは対応時間が平日営業時間内になりますが、プラチナコースは対応時間が24時間365日となります。
また、シルバーコースは初期対応時間が翌営業日ですが、ゴールドコースとプラチナコースは4時間です。
シルバーコース、ゴールドコース、プラチナコースのすべてのコースの共通項目として
・オンラインサポートシステム
・電話サポート
・インストール、操作方法の問い合わせ
・バグ修正の優先的な対応と取り込み
・各種OS向けエージェントパッケージの提供
・Zabbix関連ツール、Zabbixプラグインの提供
・Zabbix設定バックアップツール
これらのものが挙げられ、ザビックスを契約すると、どのコースでも対応してもらえます。
ちなみに、ここでいうエージェントパッケージとは、各OSで扱うインストール用のザビックスのパッケージのことを言います。
サポートも充実しているザビックスですが、90分以内の緊急時対応などはプラチナコースでしか行われていませんのでご注意ください。
ザビックス利用の注意点
ザビックスの注意点として次のようなことが挙げられます。
まず、メモリとディスク容量のスペック面。
ザビックス導入当初であれば、ディスク空き容量256MBと物理メモリ128MBがあれば十分です。
ここで注意点として、ザビックスに必要なディスク容量は、監視するホストとパラメータの数によって異なってくるという点です。
ザビックスに監視パラメータの履歴を長期間保存することを計画している場合、もっと多くのディスク空き容量を検討する必要があります。
また、ザビックスは、CPUリソースを大量に消費します。
CPUリソースとは、ソフトウェアまたはハードウェアを動作させるために必要なメモリ容量、ハードウェア容量、またはCPUの処理速度のことです。
CPUリソースが不足すると、本来保存されるべきデータが保存されないなど、その性能を十分に活用することができなくなります。
そしてザビックスのSMS通知機能を使用する場合、
・シリアルポート
・シリアルGSMモデム
が必要です。
シリアルポートとは、1本の信号線で1ビットずつ順番にデータを送受信するシリアル伝送方式で通信するためのケーブル差込口のことを言います。
また、GSMモデムとは、シリアルケーブルを介して接続された外部デバイスのことをさします。
ザビックスは、
・最新のApacheウェブサーバ
・主なデータベースエンジン
・PHPスクリプト言語
を組み合わせて動作するため、必要なソフトウェアが多数あることにも注意が必要です。
システムの監視・運用相談はAMELAに
今回は、サーバーの運用監視として非常に有名なツールとしてザビックスを紹介しました。
サーバーの運用監視業務は、近年非常に重要度を増しています。
特に、AWSやAzureなどのクラウドで仮想サーバーを簡単に作れ、それぞれにシステムを入れる様になると、それぞれの状態を確認することは非常に重要です。
一方で、間接部門であるサーバー管理は、人件費の関係上少人数で運用するケースが多いです。
そういった流れもあり、監視システムで一括管理することには、多くのメリットが有るのです。
もしも現在の社内のシステム運用について、疑問や不安を持っている場合、是非AMELAにご相談ください。
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