人気のプログラミング言語Pythonでは何ができる?就職に必要なレベルはどれくらい?

近年、AIの開発とともに注目されるプログラミング言語のPython。 そして、プログラミング言語別の年収ランキングで、Pythonが一位になったことで、さらに多くの人々から注目を集めました。 AIに使われている・高年収という話題が先行していますが、実際のところ、Pythonにはどんなことができるのでしょうか。 そして、そんなPythonを用いた現場で仕事をするのには、どれくらいのPythonスキルが必要なのでしょうか。 この記事では、Pythonを使ってできることと、Pythonスキルを売りに就職・転職活動をするのに必要なレベルを解説します。

Pythonとは

Pythonとは

Pythonとは[/caption] Pythonは、1991年にリリースされたスクリプト言語と呼ばれるプログラミング言語です。 簡潔な文法と豊富なライブラリが特徴で、小規模なシステムから大規模な開発まで、Pythonは広く採用されています。 近年は、AI開発への注目が集まる中、GoogleやMicrosoftがPythonエンジニアの獲得に力を入れています。 それによって、プログラミング言語別のエンジニア年収ランキングでは、Pythonが常に上位にランクインしています。 つまり、年収の高い上位企業での需要が高くなっていることが、年収アップの直接的な原因とも考えられます。 そう考えると、冒頭でお話したような 「Python=高収入」 と期待して未経験からPythonの勉強を始めた場合、 「日本では思ったほど年収が高くない」 という現実に直面する可能性もあるでしょう。 もしもこれからPythonを年収を理由に勉強しようと思っている人は、もう少し冷静にPythonの可能性や言語そのものの特性を理解してから選ぶ必要があるでしょう。

Pythonでできること

Pythonでできること

Pythonでできること[/caption] では、Pythonを使って、どんなことができるのでしょうか。 Pythonは様々な現場で採用されていますが、ここでは、Pythonが特に得意とする分野について解説します。 Pythonの強みを表すキーワードは「解析」と「自動化」です。

機械学習や深層学習などのAIエンジニアリング

Pythonといえば、AIエンジニアリングの分野で活用されている言語として有名です。 エンジニアでなくとも、AIと聞いてPythonを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。 Pythonはもともと数学や物理化学に強い言語で、計算やシミュレーションなどのライブラリが豊富にあります。 そして、TensorFlowやPyTorch、Chainerといった、機械学習・深層学習のための強力なライブラリによって、AIエンジニアリングの現場での主力言語となっています。 これらのPythonのライブラリは直観的に扱えるものが多いため、この分野で人気があります。

データ解析・データ処理

これまでの言語が苦手としてきた、画像や音声、文章などの非構造化データの解析・処理は、Pythonが得意とすることです。 現在、ビッグデータの解析はほとんどPythonで行われています。 データ解析のためのライブラリとしては、PandasやMatplotlibが有名です。

情報収集

データ解析・処理とあわせて、インターネット上の膨大な情報を自動で収集するシステムも、Pythonの得意な分野です。 Pythonによって自動化されたシステムで情報を収集し、Pythonのライブラリを用いたデータ処理システムで情報を整理し可視化することで、これまで見えてこなかった傾向や相関を見つけることができます。 この技術は特にマーケティングの分野で活用されています。 Pythonを活用することで、これまで手動で行っていた作業を自動化し、より効率的な業務を実現することができるのです。

Webアプリケーションの開発

AIの印象が強いPythonですが、実は、Webアプリケーション開発の現場でもしばしば採用されています。 具体的には、Youtubeのような動画投稿サイトやInstagramのようなSNSで、JavaScript、PHPなどとあわせて、Pythonは活用されています。 PythonにはDjangoというWebアプリケーションフレームワークが実装されていています。 Djangoを使うことで、高機能でセキュリティ性の高いアプリケーションを開発することができます。 ちなみに、以前はゲーム制作の現場でもPythonが使われていましたが、現在はUnityの登場により、あまり採用されなくなりました。

Webサイト制作

Webサイトの制作もPythonで行うことができます。 PythonのフレームワークであるDjangoを用いることで、複雑な構造のWebサイトを簡単に作成することができます。 DjangoのWebサイトへの実用例としては、The Washington Postなどがあります。

Pythonを使った仕事

Pythonを使った仕事

Pythonを使った仕事[/caption] 先ほど紹介したように、Pythonは幅広い分野で採用されています。 その中でも、Pythonを使ったプログラミングスキルが特に重要な仕事を紹介します。

AIエンジニア・データサイエンティスト

AIエンジニアという職業はまだ新しく、明確に定義されていません。 基本的にAIエンジニアというと、データサイエンティストと機械学習エンジニアの2つの仕事を指します。 この2つのうち、データサイエンティストはPythonエンジニアの花形といえるでしょう。 データサイエンティストは、膨大な非構造化データを解析して、その結果を元に、問題を解決したり、新しいビジネスの方針を立てたりする仕事です。

Webアプリケーション開発

Webアプリケーションの現場では、新たな製品の開発をPythonで行うだけではなく、既存のアプリケーションをPythonで置き換える動きが活発に行われています。 この分野での求人は、日本ではまだまだ少ないですが、少しづつ増加しています。

就職・転職に必要なレベル

就職・転職に必要なレベル

就職・転職に必要なレベル[/caption] Pythonエンジニアに就職するには、どれくらいのレベルが必要なのでしょうか。 Pythonについては最低限は理解したとして、実際にPythonで仕事をするためには何が求められるのかを解説します。

Pythonのスキルだけでは活躍できない

まず、就職活動においてPythonが他のプログラミング言語より断然優位にあるというわけではありません。 むしろ、JavaやC#のようにより広く使われている言語のほうが求人数は多いです。 特にアプリケーション開発の現場では、Python以外にも複数の言語が扱える必要があり、Python一点集中は得策ではありません。 そして、AIエンジニアやデータサイエンティストでは、Pythonは必須のスキルです。 ですので、Pythonスキルが大きな強みになることは少ないでしょう。

PythonだけではなくIT全般の知識を

このように、Pythonを使ったプログラミングができるだけでは、残念ながら実際の現場で活躍することはできません。 Pythonに限らず、プログラミングスキルを必要とする仕事では、ネットワークやデータベースの知識があわせて求められます。 ネットワークやデータベースの知識・技術は必須だと覚えておいてください。 さらに、AIエンジニアとして活躍するには、機械学習や深層学習、さらには対象分野の知識(物理学や化学、経済学など)が求められます。 これから就職活動をする方は、Pythonの勉強と並行して、そうしたIT全般の知識に加えて、解析学や統計学も学びましょう。

転職で求められるレベル

転職では、Pythonを使ったある程度以上の期間の実務経験(開発経験)が求められます。 求められる実務経験の期間は、最低3年以上であることが多いです。 転職活動の場ではあなたのスキルを証明しなければならないので、これまでどのような業務に携わったかが重要になります。 ですので、未経験での転職は非常に難しいと考えてください。 未経験から転職する場合は、Pythonに関連した資格を取得し、さらに自身の実力を示すようなポートフォリオを作成しておくと良いでしょう。 ポートフォリオは経験者であっても転職活動において有効ですので、ぜひ作成しておきましょう。

Python関連の資格

エンジニアという仕事には、医師免許のような必須の資格はありません。 しかし、自身のスキルを証明するときには、やはり資格が分かりやすいでしょう。 これからPythonを勉強する場合でも、資格試験の合格は良い目標となります。 国内のPython関連の資格としては、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施する 「Python3エンジニア認定基礎試験」 「Python3エンジニア認定データ分析試験」 がよく知られています。 どちらも合格率は比較的高く、基本的なPythonスキルが証明できる試験です。 さらに高度な試験として、Python Instituteが実施する「Python Certifications」があります。 Python CertificationsはPython資格試験のなかでも最大規模のもので、多くのPythonエンジニアが受験しています。 この試験の中の「Professional」は、データベースなどの知識も問われる実践的な内容になりますので、ぜひ挑戦してみてください。

それでもPythonをやりこんだことは強みになる

ここまで、Pythonのスキルだけで就職することは難しいと説明しました。 確かにその通りなのですが、それでも「Pythonをしっかりと勉強した」ということは、就職活動において強みになります。 1つのプログラミング言語を十分に勉強した経験があれば、他の言語を習得するときに要する労力は、未経験と比べて格段に少なくなります。 また、Pythonをある程度以上のレベルまで勉強することは、必然的にその目的となる分野の勉強につながります。 Pythonを十分に勉強したという経験は、あなたのプログラミングへの熱意の証明にもなり、就職活動で有利になるでしょう。

Pythonエンジニアをお探しならAMELAに

Pythonエンジニアをお探しならAMELAに

Pythonエンジニアをお探しならAMELAに[/caption] 今回は、非常に人気のプログラミング言語であるPythonについて見てきました。 IT業界の新しい華形として、多くの人が挑戦したい言語である反面、本文中でも述べたように、それ単体で就職活動に有利に働く・・・というのは難しそうです。 一方で、企業様の中には、 「AIを活用して自社製品を作り出したい」 「データサイエンスを活用してマーケティングを行いたい」 という需要は高いのではないでしょうか。 きちんと能力や実績のあるPythonエンジニアを雇うのは非常に難しいでしょう。 そんな時は是非、AMELAにご相談下さい。