キッティングとは?業務効率を高めるために必要な工程
企業を運営している人や従業員を抱えている人なら聞いたことのあるキッティングですが、意味や仕組みを良く理解していない人も多いでしょう。 キッティングとは、簡単に説明すると、パソコンやスマートフォンの設定を行い、業務ですぐに使えるよう設定する作業を指す言葉です。 今回は、このキッティングについて概要から仕組み、実施する際の注意点などを解説していきます。 興味のある方はぜひ参考にしてください。
キッティングとは
キッティングとは、企業が導入しているパソコンやスマートフォン・タブレットなどのIT機器に対して、各種設定とソフトウェアのインストールを実施し、それぞれの環境に適した状態にセットアップする作業全体を指す言葉です。 会社で個人用のパソコンが配られると思いますが、それらは既にセキュリティソフトのインストールだったり、基本的な設定がされているでしょう。 このように、すぐに業務で使用できるよう施す作業をキッティングといいます。
キッティングを実施する流れ
キッティングの作業方法と作業内容について、以下で詳しく解説します。 まず基本知識として、キッティングには「手作業」と「クローニング」の2種類があります。 手作業は言葉の通り、開梱からパソコンの初期設定・ソフトウェアのインストールと順番に行い、業務で使える状態にして社員に配布する方法です。 一方クローニングは、一台のマスターPCを作成・登録し、そのマスターで設定した内容をそれぞれのパソコンに反映していく方法となります。 どちらがおすすめといったことはなく、利用するデバイスの数や企業の規模によって選択しましょう。
手作業でのキッティング
最初に手作業でのキッティング作業を説明します。 パソコンとスマートフォン・タブレットで手順が若干異なりますので、分けて説明します。 パソコンの場合は、11個の手順に沿ってキッティングを進めます。 1.パソコンの設置や開封・通電2.モニターやマウス・キーボードとの接続3.BIOSなどのセットアップ4.OSのインストール5.初期設定とアカウントの設定6.ネットワークへの接続7.業務アプリケーションのインストール8.セキュリティソフトの導入9.動作確認10.管理番号やラベルの貼り付け11.管理台帳への記入 上記のような手順が基本です。 スマートフォン・タブレットの場合は少し異なり、以下のような手順で進めます。 1.スマートフォン・タブレットの設置や開封・通電2.SIMカードの設定3.メール・パスワードの設定4.言語・ディスプレイ・ネットワークの設定5.セキュリティソフトの導入6.プリインアプリの削除7.業務アプリのインストール8.動作確認9.管理番号やラベルの貼り付け10.管理台帳への記入 各デバイスは社外からの通信も行うため、暗号化などその他対策が必要になるので注意です。
クローニングによるキッティング
クローニングによるキッティングは、上記でも説明しましたが、マスターPCを選んで、各種設定を反映していきます。 流れは以下の通りです。 1.マスターPCの選択・作成2.SYSPREPによる一般化3.マスターイメージの抽出4.それぞれのパソコンのブートオーダーを変更5.クローニング6.個別にキッティング作業7.動作確認8.管理番号やラベルの貼り付け9.管理台帳への記入
キッティングを自社で行う際の注意すべきポイント
ここでは、キッティングを自社で行う際の注意すべきポイントをいくつかご紹介します。
作業手順の確認と事前検証
自社でキッティング作業を行う場合、事前の準備がとても重要になってきます。 キッティングの内容は細かく見ると単純な作業が多いですが、全体で見るとかなりの作業数です。 手作業で行う場合は、手順を確認し誰がどの作業を担当するのか、明確に決めておきましょう。 クローニングの場合、マスターで設定した内容が間違っていたら、全てのパソコンにもそのミスが反映されてしまいます。 確認作業・動作検証など、何人で何回実施するか、事前に決めておくことが大切です。
スケジュール管理
キッティングの流れがある程度決まったら、次はスケジュール管理です。 対象のデバイスが少なければ滞りなく作業を進められますが、数が多い場合は必ずどこかでつまづきます。 バッファーを設けたスケジュール管理を行い、柔軟に対応できるようにしましょう。
動作確認
最後に動作確認を行いますが、業務で行う可能性の高い動作は抜け目なく実施しましょう。 初期段階で課題を発見できれば、大きなトラブルになる前に対応できますが、後々エラーが見つかった場合は色々と面倒です。 キッティング作業では、漏れなく確認作業を行うことが大切になります。
キッティングの実施で効率かつ安全なデバイスの運用を目指す
この記事では、キッティングについて概要から仕組み、実施する際の注意点などを解説しました。 特にスタートアップ企業の場合、キッティングを実施しないとスムーズに業務を遂行できなくなってしまいます。 最近はキッティングのサポートをしてくれるサービスが提供されているので、不安を感じている人はぜひ利用してみましょう。