Googleが開発?Go言語とは? 「できること」と「将来性」についてわかりやすく解説

Go言語は2009年に開発された比較的新しい言語ですが、2020年に米国で行われた 「エンジニアが学びたいプログラミング言語ランキング」 調査で1位を獲得し、実績と将来性で高い注目を集めている言語です。 今回は、このGo言語の「できること」と「将来性」に的を絞って解説します。

Go言語とは

Go言語とは

Go言語とは 2009年にGoogleが開発したオープンソースのコンパイル型のプログラミング言語です。 「You Tube」や「メルカリ」、「ぐるなび」などの有名なWebサービスの開発やサーバーの構築に使われています。 では、このGo言語とはどんなものか見ていきましょう。

新しい言語で、今もっとも注目されている言語

誕生して間もないので、知名度やエンジニア数の点ではJavaやPythonなどのプログラミング言語に劣ります。 しかし、2020年度の米国「エンジニアが学びたいプログラミング言語ランキング」では1位でした。 理由としては、後述するプログラムの特性に加え、Googleという今を代表する企業が開発したことも大きく影響しているのではないでしょうか。

Go言語の特徴

Go言語が高い人気をもつのは、次のような特長があるからです。

C言語を継承し、記述がシンプルで処理速度が速い

Go言語の開発にはUnixやC言語の著名な開発者も関わっており、C言語の文法を多く継承しています。 これにより、C言語並みの処理速度とC言語以上にシンプルで使い勝手の良さをGo言語で実現しているのです。 処理速度が速いので大量データを扱うのが得意で、サーバーサイドの開発にも向いています。 特に最近は、ビッグデータや機械学習など、大量データの処理が求められる仕組みも増えてきている影響も大きいでしょう。

軽量な並列処理が可能

最近は高性能パソコンはマルチコアになっています。 プログラムの実行時に複数の処理の流れ(マルチスレッド)を作り、処理を複数のコアに分担して並行させることで大幅な高速処理ができるようになっています。 複数の処理の流れを持つプログラムを作る場合、Go言語なら簡易な記述ができますから、マルチコア・パソコンやマルチプロセッサシステムに潜在する高い計算パワーを簡単に引き出すことが出来ます。

さまざまなOSで動作

Windowsをはじめ、LinuxやmacOS、Android、iOSなどさまざまなOSで動作します。 OSも時代とともに変化しているため、 「Windowsで動くけどMacでは動かない・・・」 などのようなプログラミング言語になると利用者のハードルも一気に高くなってしまいます。

Go言語の提供機能

Go言語はどのような機能をもつ言語でしょうか。

フレームワークが豊富

【フレームワークとは】 フレームワークは「処理の全体的な流れが実装されていて、その中の一部に自分の行いたい処理を実装してはめ込む」ようになっています。 このため、フレームワークを使用することで、独自に記述するプログラム量を大幅に削減でき、開発工数を減らすことができます。 また、セキュリティが担保されたプログラム作りも容易です。 【Go言語フレームワーク】 Go言語フレームワークとして、Webアプリケーション開発やソーシャルゲーム開発、IOT開発、ビッグデータ開発などのフレームワークが用意されています。 Go言語フレームワークは無料で利用できるものもありますが、有償版もあります。 有償のGo言語フレームワークにはEchoやGinなどがあり、RubyやPHPなどのフレームワークに比べてコードを書く自由度が高いです。

豊富な制作ツールを標準装備

「Go mobile」や「Go Cloud」などの制作ツール・パッケージが標準で提供されています。 従って、サードパーティーの提供するライブラリに頼る必要がありません。 【Go mobile】 Go言語や、Android用とiOS用のライブラリが用意されています。 ライブラリは、それぞれAndroidアプリ開発言語KotlinやiOSなどのApple製品アプリ開発用言語Swiftから利用できます。 【Go Cloud】 複数のクラウドにまたがるインフラ構成や、各クラウドが得意とする処理をクラウド間で連携させる複雑なクラウドの利用方法が増えてきました。 Go Cloudはクラウド間の連携や接続をAPIで行うようにしたものです。 このAPIを利用すれば、ソースコードが同じでクラウドに依存しないアプリケーションが実現できます。 さらに、AWSとGoogle Cloudの両者に対応したクラウドアプリケーションを作ることも可能です。

Go言語を使ってできること

Go言語を使ってできること

Go言語を使ってできること
ここでは、Go言語が提供する機能を明らかにした後に、それらの機能を使って出来ることを紹介します。

アプリケーション開発

Go言語の特徴で述べた「豊富なフレームワーク」や「制作ツール」を活かして、高品質かつ短期間で大規模なシステム開発も可能になります。 次に、その一例を見ていきましょう。

Webアプリ

Webアプリ(Webサービスともいう)は次のような特性があるもので、フレームワークの利用で開発が簡略化されます。 ・インターネットに接続された様々なサイトに直接アクセス ・選択したサイトのサーバーにブラウザでアクセスし、オンラインで利用 ・例:通販サイトやTwitter

クラウドアプリ

クラウドアプリは以下の特性があるもので、Go Cloudの利用で開発が簡略化されます。 ・インターネットに接続された特定のクラウド(複数サーバーで構成)にアクセス ・ブラウザからオンラインで利用、専用アプリを利用すればオフライン利用も可能 ・例:Evernote、Dropbox、Zoomなど

スマホアプリ

スマホアプリで、以下の特性があるためにGo mobileの利用で開発が簡略化されます。 ・Apple StoreやGoogle Playからダウンロードし、スマートフォンにインストール ・ゲームや特定サイトのサーバーに直接アクセス ・プッシュ通知やデバイスの位置情報を利用した機能などを搭載

IOT関連

ドローンやロボット開発のGoフレームワークGoBotがあります。 これを用いてマイクロコンピュータやロボット開発、デバイス連携、センサーの制御が可能です。 ドローン開発では、ドローンの操縦やカメラ撮影をプログラム制御することが出来ます。

Webサーバー構築

Go言語のNet/httpパッケージを使うことでWebサーバーを簡単に構築できます。 Apatchなどを利用してサーバーを構築する必要はありません。 htmlやcssなどを扱うことができれば、ホームページやWEBサービスの提供そのものが可能になるため、非常に幅広い活用が考えられます。

コマンドラインインターフェース開発

コマンドラインインターフェースとはコマンドの実行画面のことです。 Go言語のクロスコンパイル機能を利用して、OSやプラットフォーム、バージョンなどを気にせずに開発できます。

API開発

APIとはApplication Programming Interfaceの略で、自社が作ったソフトウエアの中で汎用性の高い機能を一部公開して、外部から利用できるようにする仕組みのことです。 導入企業にとっては、高度の機能を開発負担なしに利用できるメリットがあります。 一方、提供企業にとって、 ・仕様の標準化が進むこと、 ・利用顧客からの多くのフィードバックを元に改良が進み、 ・アプリケーションの完成度が上がっていく メリットがあります。 なお、Go言語によるAPI開発には、節「Go言語の特徴」で述べたように「記述がシンプルで処理速度が速い」などのメリットがあります。

Go言語の将来性

Go言語の将来性

Go言語の将来性 「Go言語の特徴」で述べましたが、Go言語は極めて高い可能性を秘めたプログラミング言語です。 そのため、かなり将来性は高く、エンジニアの中でも注目を集めている言語と言っても良いでしょう。

Go言語のメリットとデメリット

Go言語の将来性を議論する際には、そのメリットとデメリットをしっかり押さえておく必要があります。

メリット

Go言語には次のようなメリットがあります。 ・初心者でも理解し易い ・処理速度が速く、軽量な並列処理も ・制作ツールやフレームワークが豊富 アジャイルな開発が求められる現代では、短期間での開発が可能なことや、学習コストが少ないこと、そして開発したシステムの速度が早いことは非常に大きなメリットと言えるでしょう。

デメリット

Go言語には次のようなデメリットがあります。 ・新しい言語のため情報量が少なく、学習機会が少ない ・例外処理がない ・コードの継承がない 特に大規模なシステムを作る際に、コードの継承が無いのはオブジェクト指向プログラミングをやってきている人からすると違和感があるかもしれません。

Go言語の需要が増えている背景

Go言語は以下の背景があり、需要が増えています。 【理由1】記述がシンプルでわかりやすい 【理由2】ミスが分かりやすく、エラーが発生しにくい(シンプルであり、コンパイル時にエラーを検出) 【理由3】フロントエンドとバックエンドの両方を記述できる

求人状況

現在、JavaやPHPといった言語に関する求人案件が多いですが、このようなスキルを持ったエンジニアも多いので単価は安くなっています。 Go言語に関する求人案件も非常に多いですが、エンジニアの数が不足していますから採用企業にとっても大変貴重な存在となっています。 求人は「Goの〇〇フレームワーク」というものが多いです。 なかでもフレームワーク「Gin」は歴史も長く人気のGo言語フレームワークで、他の求人案件よりも5倍も多いです。 ビズリーチによれば、2018年当時Go言語エンジニアの年収は中央値で600万円、最大1600万円で言語別年収ランキングでトップでした。

学習方法・機会

ニーズは高まっていますが教えることりできる人が少ないです。 このため、Go言語の学習サイトはありますが、Go言語を教えるプログラミングスクールはありません。

学習サイト

学習する上で、選択に迷ったら(1)を、次に(2)を行うことをおすすめします。 (1)The Go Programming Languge :無料でGo言語の基礎を学べます。 (2)A Tour of Go:実際に手を動かしながらGo言語の基礎を学べます。 (3)ドットインストール:3分動画でGo言語について学びます。 (4)Golang.jp:Go言語のインストール方法から基本的な使い方、チュートリアルなど。 (5)Udemy:有料で、Go言語の基礎から応用、各種ライブラリを学べます。WebアプリマスターコースではGo言語とSQLを学べます。

自習するためのお役立ち情報

【学び易さ】 (1)Javaなどに比べシンプルな言語なので覚え易い (2)型の定義が厳しい言語なので、慣れていない人には障壁かも。前述したようにC言語の影響を大きく受けているため、日本語の文献も多いC言語で部分的に調べるのも良いでしょう。 【自習方法・注意点】 (1)日本語の情報がないので、英語のドキュメントを読んで理解する必要があります。 (2)学習サイトでは基礎的な部分しか学べませんから、エンジニアとして働くには不十分です。 高度のGo言語を身に付けるには、参考書などで補いましょう。 (3)自習したい場合、やりたいことをGoogleで検索すれば豊富なライブラリの中から探し当てることができる。

新しい技術の活用はAMELAに

新しい技術の活用はAMELAに

新しい技術の活用はAMELAに 今回は、今注目のプログラミング言語であるGo言語について見てきました。 技術がどんどんと出てくる中で、 「いかに需要が高く、エンジニアが不足している言語を習得できるか」 は、エンジニアの死活問題とも言えるでしょう。 しかし、流行り廃りに流れた結果、 「以前内製したシステムのメンテナンスが出来ない」 というような話も耳にします。 企業にとって、内製したシステムというのは資産と言えます。 また、そこに蓄積されたデータも資産です。 これらを長期的に有効活用し、且つ安全に運用するためには、導入の段階でしっかりとした知識や経験を持った人間が設計する必要性があります。 AMELAでは、ITコンサルティングを始め、オフショア開発なども行っている関係上、業界でも最新の技術や情報を持ち、お客様のDXを効率的に行うことが可能です。 是非ご相談ください。