リレーショナルデータベースとは?特徴からメリット・デメリットまで解説!

今や「データ」は経済の中心的な要素になり、その管理や操作はもはや必須であると言っても良いでしょう。 ITの世界においても、「データ」に関連した言葉を聞く機会は多いと思いますが、中でも「データベース」という言葉を耳にすることがよくあると思います。 そんなデータベースの中でも多くの企業で採用されているのが 「リレーショナルデータベース(RDB)」 です。 それでは、リレーショナルデータベース、とは一体どのようなものなのでしょうか。 この記事では、リレーショナルデータベースについて、その概要と特徴、メリット・デメリットをご紹介します。

リレーショナルデータベースとは?

リレーショナルデータベースとは?

リレーショナルデータベースとは? リレーショナルデータベースとは、一体何なのでしょうか。 リレーショナルデータベース、と言う以上、なんらかの「データベース」であると言ってしまって間違いなさそうですよね。 ここでは、そもそも「データベース」とはどのようなものなのかを確認した上で、リレーショナルデータベースの概要を説明していきます。

そもそもデータベースとは

データベースとは、一言で簡単に言うならば「データの集合」です。 より詳しく言うならば、「定められた形式によって整理されているデータの集合」です。 「定められた形式」とは、 ・ここには電話番号を入れる ・ここには氏名を入れる などの条件を満たしたものばかりを保管しているという意味です。 この、定められた形式を守ることによって、データの検索や共有、操作が可能になるのです。 IT業界だけでなく、企業活動や公的な手続きなど、蓄積されたデータの活用は現代社会において必須と言えます。 例えば、一般的な企業では ・顧客情報 ・商品情報 ・出荷情報 ・取引先情報 ・売上情報 など、様々な情報が取り扱われています。 データベースは、そのようなデータの活用を助けるものなのです。 リレーショナルデータベース以外に、「ネットワークデータベース」や「階層型データベース」といった種類のデータベースが存在しています。 ちなみに、データベースを管理、操作するためのソフトウェアのことを「データベースマネジメントシステム(DBMS)」と呼びます。

リレーショナルデータベースとは

データベースの中で、今現在もっとも一般的に、広く利用されているのが「リレーショナルデータベース」です。 「リレーショナル(Relational)」とは、「関係のある」といった意味です。 つまりリレーショナルデータベースとは、 「関係のあるデータを集めたデータベース」 という意味になります。 リレーショナルデータベースにおいて、行(レコード)と列(フィールド)を持った表(テーブル)を使ってデータを管理する、という特徴があります。 エクセルで作った表を思い浮かべてもらえれば、一番わかりやすいでしょう。 データベースは「定められた形式によって整理されているデータの集合」でした。 リレーショナルデータベースの「決まった形式」が、行と列を持つ「表」ということになります。 リレーショナルデータベースはこの表をたがいに関係づけてデータを操作することができます。 データを表によって関係づけることで操作したり、管理したりすることができるデータベースが、リレーショナルデータベースであると言えるでしょう。 代表的なリレーショナルデータベースとしては、「PostgreSQL」や「SQLServer」、「Oracle」、「MySQL」などがあります。

リレーショナルデータベースの特徴

リレーショナルデータベースの特徴

リレーショナルデータベースの特徴 リレーショナルデータベースの概要はつかめたでしょうか? リレーショナルデータベースの特徴について、もう少しだけ詳しく見ておきましょう。

SQL

SQLとは、リレーショナルデータベースを操作する際に用いる言語のことです。 「Structured Query Language(構造化されたクエリー言語)」の頭文字をとって、「SQL」と呼ばれます。 SQLでデータベースに問い合わせを行うことで、データを取り出したり、追加、削除したり、表同士を結合したり…と、様々な操作が可能です。 また、近年ではSQLは標準化されています。 そのため、多くのリレーショナルデータベースで、共通のSQLを使うことができ、利便性は高いと言えるでしょう。 SQLを使ってデータベースを管理することで、複雑な操作や管理も適切に行うことが可能なのです。

ACID特性

リレーショナルデータベースの持つ重要な特徴として、「ACID特性」と呼ばれる性質があります。 それがどのような特性なのかを知るためには、まず「トランザクション」という言葉について理解しておく必要があるでしょう。 IT用語で「トランザクション」とは、「複数の処理を一つにまとめたもの」を意味します。 これだけではいまいち捉えにくいかと思いますので、データベースにおけるトランザクションの例を挙げてみます。 例えば、銀行口座のデータベースを想定してみてください。 Aさんの口座からBさんの口座に10万円を送金する処理を行うとしましょう。 この操作をした際には、銀行のシステムの中では次のような操作がされています。 1.Aさんの口座から10万円を引き落とす 2.Bさんの口座に10万円を入金する 仮に、1の引き落としまでは上手くいったのに、2の入金がうまくいかなかったとします。 このままシステム内で操作が完了してしまった場合、Aさんの口座からはお金が減っているのに、Bさんの口座にはお金が増えていませんよね。 これは困りますので、もしも2が失敗してしまった場合には、1の処理をなかったことにする必要があります。 この「Aさんの口座からBさんの口座に10万円を送金する」という操作の塊がトランザクションになります。 この仕組みによって、データの一貫性を保つことができるのです。 ACID特性とは、そのトランザクション処理に求められる、重要な四つの特性を指します。

原子性(Atomicity)

一つ目が「原子性(Atomicity)」です。 これは、トランザクションを構成する複数の処理を分割することができない、という特性を指しています。 複数の処理が分割可能だと、途中までは処理したけど、以降は処理していない、という状況が発生し、データの一貫性を保つことができなくなってしまいます。 送金処理において、引き落としと入金は必ずセットでおこなわなければいけません。

整合性(Consistency)

二つ目が「整合性(Consistency)」です。 これは、データが一定の条件や論理的な制約を満たしていなければならない、という性質を指します。 例えば、同じSQL文で実行した場合、1回目に実行して表示される内容と2回目の内容が違っていたら、データの整合性が取れなくなります。 そのため、同じSQL文を実行したら、同じ内容が返ってくる(他の処理でデータが更新されていない限り)というのが整合性になります。

独立性(Isolation)

三つ目が「独立性(Isolation)」です。 普段業務を行う上で、何十個のトランザクションが同時に動くことは珍しくありません。 コンビニでも、 ・3つのレジで同時に売上データを作成 ・事務所で店長が発注データを作成 ・本部が各店舗に商品の発送データを作成 ・従業員が勤怠データを作成 というように、幾つものトランザクションが同時に実行されます。 しかし、これらの複数のトランザクションは独立しており、互いに影響を与えることはありません。

耐久性(Durability)

四つ目が「耐久性(Durability)」です。 これは、仮にシステム的に障害が起こったとしても、データが破損することがないとう特性になります。 例えば、トランザクションが終わった後にハードウェアに障害があったとしても、復旧した際に直前に行われていたトランザクションの更新はきちんとされている・・・ということです。 以上の四つの特性「原子性」「整合性」「独立性」「耐久性」の頭文字をとって「ACID特性」と言われています。 リレーショナルデータベースはこの四つの特性を持っていることで、データの一貫性を保ち、データベースとしての機能をまっとうしているのです。

リレーショナルデータベースのメリットとデメリット

リレーショナルデータベースのメリットとデメリット

リレーショナルデータベースのメリットとデメリット それでは、リレーショナルデータベースを使うメリットとはどのようなものがあるのでしょうか。 また、一見便利に見えるリレーショナルデータベースにも、デメリットはあるのでしょうか。 最後に、この二点について確認しましょう。

リレーショナルデータベースのメリット

一貫性の保持が比較的容易である

リレーショナルデータベースのメリットの一つとして、データの一貫性の保持が容易、ということが一般に言われています。 さきほどのACID特性のおかげで、データの一貫性を保持することができます。 データの一貫性が保たれていることは、データベースにとってはなくてはならない性質です。

データの柔軟な管理が可能

リレーショナルデータベースの場合は、SQLを使って問い合わせを行うことによって、表を自由に操作することができるため、データを柔軟に管理することが可能です。 複雑なデータ構造であったとしても、表を連結したり削除したりといった操作を行うことで、柔軟に対応することができます。 柔軟な管理が可能ということは、様々なタイプのデータについて使うことができる、ということです。 顧客情報の管理や在庫の整理など、様々なビジネスシーンで利用することが可能です。

リレーショナルデータベースのデメリット

便利なリレーショナルデータベースですが、デメリットも存在します。 それは、処理速度が遅くなりがち、という点です。 先ほどお伝えしたように、リレーショナルデータベースは、複雑なデータ構造にも柔軟に対応可能なデータベースです。 その分、プログラムも複雑になりやすく、処理速度が遅くなりがち、というデメリットがあります。 複雑なデータを扱えるからこそのデメリットであると言えるでしょう。 しかし、これらの問題はデータの扱い方で大きく変わってきます。 例えば、1億行のデータが入っている表から、特定の1行を探し出そうと思った場合は、データの取得に時間がかかるかもしれません。 しかし、100行のデータの中から1行を探すのであれば、非常に早いです。 そう考えると、 「創業以来全ての売上データを1つの表に入れる」 よりも 「年度毎に新しい表に売上データを入れる」 という構造のほうが、1つの表に入るデータは少なくて済みますから、速度は早くなります。 このように、データベースの設計次第で、デメリットを克服することも可能になります。

正しいデータベースの導入ならAMELAに

正しいデータベースの導入ならAMELAに

正しいデータベースの導入ならAMELAに 今回は、現在最もデータ管理に重要なリレーショナル・データベースについて見てきました。 リレーショナル・データベースの導入は、データの活用をスムーズにし、売上げアップや経費の削減に役立ちます。 しかし、これまで手作業が多かった企業ほど 「どのように導入すれば良いのかわからない」 「何を優先して改善するべきかわからない」 という問題を抱えています。 そういった企業様は、是非AMELAにご相談頂きたいと思っています。 AMELAでは、ITコンサルティングも行っており、企業様の現状を客観的に見た上で 「今必要な提案」 が可能になっています。 まだまだ先の見えない日本経済ですが、データベース管理を行うだけで ・現状の問題点を見える化出来た ・全社的に目標を共有できた などのメリットは非常に多いです。 是非、一度ご検討してみてはいかがでしょうか。