非エンジニア向け!RPAは簡単に作れるのか?初心者のための注意点まとめ

非エンジニア向け!RPAは簡単に作れるのか?初心者のための注意点まとめ

誰でも簡単に、作業を自動化できる。

これは、RPAの強みです。

ですが、RPAとは言え初心者からすると
「自動化する仕組みを初心者でも作れるのか」
という点には、不安を持っている人も多いのではないでしょうか。

確かに今の手作業を自動化できれば、作業効率は上がるでしょう。

しかし、それを作るのに長い時間をかけてしまっては、本末転倒な気もしますよね。

そこで今回は、実際にRPAを初心者でも簡単に作れるのか・・・という点をお話していきたいと思います。

RPAは簡単に作れる?初心者でも作れるのか

RPAは、
「プログラミングができない人でも、簡単に自動化ができる仕組み」
として、多くの企業で利用されています。

今まで手作業で行われていた作業を、少しでも自動化する。

DXが話題になり始めてから注目される様になった製品です。

では、実際このRPAを利用すれば、初心者でも簡単に自動化が可能なのか。

答えは、YESです。

ただし、いくつかの条件があります。

1つ目の条件は
「ある程度ロジカルに考えられる人」
に限られます。

流石に、誰でも簡単に作成する事はできず、専用のツールを使いこなせる必要があります。

また、その際の自動化の手順を「シナリオ」と呼びますが、きちんとシナリオを作るためには、作業を論理的に考える必要があります。

2つ目の条件は
「教えてくれる環境がある」
ということ。

初心者でもシナリオを作ること自体は可能で、私が知っている企業でも、社内でちょっとした研修を受けただけの人が、そのまま実務としてシナリオを作っていました。

しかもその人は、IT業界未経験。

前職は公務員ということで、全く知らない状態から、数ヶ月で実務をこなせるほど、簡単に作れるツールではありました。

一方で、その案件は請負業務として社内に持ち帰ってできる案件です。

わからないことがあれば、同僚にすぐに聞ける。

初心者が作る場合には、最低限この環境が整っている必要性があります。

3つ目の条件は
「いざとなれば、他の手段を検討できる柔軟性があること」
です。

RPAといっても、万能ではありません。

場合によっては、RPAで自動化するのが難しい場面も存在します。

RPAのソフトにはいくつかの種類があり、
「このツールではできない・作りにくい」
というような機能も存在します。

そんな時に、
「この部分だけ現場で手作業が発生する」
などを、現場と調整できる必要があります。

このあたりは、シナリオを作る人と現場の人のコミュニケーション能力が必要と考えられます。

これら3つの条件を満たしていれば、初心者でもRPAの作成は可能であると言えます。

RPAが初心者でも作れるためのロードマップ

では、具体的に初心者はどの様にRPAのシナリオを作っていけば良いのでしょうか。

まずは自動化する作業の洗い出し

まずは、自動化する作業の洗い出しをすることが重要です。

自動化できるか否かの基準は、
・毎回決まった作業
・人が感覚で判断する事がない作業
・全てPC上でできる作業

です。

特に重要なのは、「人の感覚で判断する事がない」という部分。

例えば、計算ミスなどのチェック作業は、正解不正解が明確で、自動化に向いています。

一方で、絵の良し悪しを判断する・・・などは、人の感覚が入ってきます。

こういった作業は、自動化することに向いていません。

細かく作業をステップで考える

次に、実際に自動化すると決めた作業に対して、細かいステップを考えていきます。

普段なにげなくやっている作業も、細かく作業の要素を分けると色々なことをしています。

例えば、
「ネットから今日の日経平均株価をコピペして、毎日エクセルに貼り付ける」
という簡単な作業も、

1.エクセルを開く
2.エクセルで今日入力するセルを探す
3.そこにフォーカスを当てる
4.ブラウザを開く
5.日経平均株価が載っているサイトを開く
6.サイトが表示されるのを待つ
7.日経平均株価をコピーする
8.エクセルに戻る
9.コピーしたデータを貼り付ける
10.エクセルを保存する
11.エクセルを閉じる
12.ブラウザを閉じる

これだけの作業が発生します。

この様に、人が自然とやっている作業にも、多くの工程が存在し、これらをきちんと整理することがRPAのシナリオ作成には重要になってきます。

特に初心者の場合
「6.サイトが表示されるのを待つ」
ということが、1つのステップに含まれる事に混乱する可能性があります。

RPAでシナリオを作る場合には、この「待つ」というステップもロジックに組み込む必要性があるので注意しましょう。

ただし、これは実際にシナリオを作ってみて初めて分かる部分でもあります。

そのため、今分かる範囲で細分化した後は、次のステップに進みましょう。

作業の分岐・繰り返しを見つける

RPAに限らず、プログラムにおいて進み方のパターンは大きく分けて3つです。

1つ目は、順番に作業を行う「順列」。

これは、処理を前から順番に行うもので、最も多く利用されます。

2つ目は、「分岐」。

条件に当てはまった場合はAを、そうでない場合はBを行うようなイメージです。

3つ目は、「繰り返し」。

条件を満たしている間は、同じ処理を何度もするようなフローです。

この3つが基本ですが、この内「分岐」「繰り返し」を見つけることが大切です。

先程の
「ネットから今日の日経平均株価をコピペして、毎日エクセルに貼り付ける」
の場合。

仮に、単に株価を貼り付けるだけではなく、
「前日と比較して、高ければ隣のセルに『↑』を、低ければ『↓』を、同じなら『→』を入れる」
とする場合、分岐が必要になります。

分岐は、「~ならばA、そうでないならB」のようなタイミングで利用します。

また、
「6.サイトが表示されるのを待つ」
という処理には繰り返しが使われます。

言い換えるなら
「サイトが表示されるまで『サイトを見る』作業を繰り返す」
というイメージです。

繰り返しは、「特定の条件を満たすまで、何度も同じ処理をする」のようなタイミングで利用します。

他にも、
「2.エクセルで今日入力するセルを探す」
は、仮にA列に日付、B列に株価が記載されている場合に、

「上の行から順番に見ていき、B列に値が無い所まで下にいく」

という繰り返し処理になる可能性があります。
(作り方によるので、一概には言えませんが)

この様に、分岐と繰り返しを意識しながら、ステップをロジック化していく必要があります。

実際にそれができるパーツがあるかを調べてみる

最終的に、このロジックをRPAで再現できるのかが重要になります。

このときに注意することは、RPAのパーツの名前です。

例えば、自分の中のロジックでは
「エクセルを開く」
だったので、エクセル関連のパーツを探していたが、実際に必要だったのは
「プログラムを実行する」
のようなパーツである可能性があります。

自分が思っているようなパーツが存在しなければ、思うように開発が進みません。

そのため、最初はどのようなパーツがあるのかを知っておくことが、素早く開発を行うために必要な作業とも言えそうです。

多くの場合、RPAの開発会社で教育ツールのような形で、教材が用意されています。

まずはそれらの教材やマニュアルを見ながら、基本的なパーツの種類や機能を確認していくのがおすすめです。

初心者がRPAで自動化する際の注意点

具体的な手順を見てきましたが、初心者がRPAを作成するに当たって、いくつかの注意点があります。

専用のPCを用意する

RPAの実行には、専用のPCを用意することをおすすめします。

というのも、RPAはロボットにPCを操作させるものであり、PCの操作をユーザーが行ってしまうと、思わぬ動きになる事があります。

そのため、RPA実行中はPCを触らない事が前提です。

しかし、その間PCを使えないと業務に支障が出ます。

ですので、RPA実行用のPCを用意しておくのが一般的です。

なんでも自動化すれば良いわけではない

RPAが少し作れる様になると
「あれもこれも自動化できる!」
と思う様になります。

他の部署の仕事を見ても、自動化してみたくなることでしょう。

しかし、全ての仕事を自動化することが、その企業にとって良いことであるとは限りません。

例えば、長く働いている人の中には、自動化で自分の仕事を取られる事に不満を感じる人がいます。

会社での自分の居場所を失ったと感じて、モチベーションが下がる事があります。

もちろん、その人が活かせる別の仕事があれば良いのですが、できそうな部分から自動化していった結果、組織全体としてマイナスになることもあります。

そもそもその仕事って必要ですか?

前項で、全て自動化するのが必ずしも正しい訳では無いと伝えましたが、その最たる例が
「その仕事はそもそも必要か」
ということです。

例えば、会議のための資料を作る作業をRPAで行う場合。

本来なら、RPAを作る前にその会議自体が必要かを検討する必要があります。

仮に必要のない会議なら、会議そのものを止めた方が業務効率は良いです。

他にも、私が過去に見てきた企業の中には

・昔から集計しているデータだけど、誰が使っているかわからない
・システムを導入してすでに似たような集計データは作れるのに、一部の人のためだけに別途集計データを作っている
・すでに導入されているワークフローシステムに置き換えれば楽なのに、昔のエクセルのフォーマットで使い続けている現場の人がいる(それに伴って人事の確認作業が煩雑になる)

こういった事がありました。

たとえ、こういった作業に時間がかかっていたとしても、本来であればRPAにするべきではなく、そもそもの仕事の仕方を変えるべきなのです。

そのため、仕事の目的とそれに伴って業務を見直すことがRPAを作るより前に必要な工程と言えます。

基本はプログラミングの方が精度が高い

RPAは、「ユーザーと同じ操作をプログラムにさせる」ということを目的にしています。

しかし、本来であればきちんとプログラミングをした方が、精度やスピードは高いです。
例えば、
「社内で利用しているサイトから、自分の部署の売上データを表示して、その数値をエクセルに貼り、それを会議資料用にまとめる」
という仕事を自動化する時。

RPAで実現すると、
1.サイトを開く
2.自分の部署の売上データを検索する
3.エクセルに貼る

という手順が必要になります。

一方で、プログラムから作る際には直接データベースから売上データを検索・抽出して集計することができます。

前者の方が、初心者にはわかりやすいかもしれませんが、スピードや精度が圧倒的に後者の方が良いです。

RPAの場合には、サイトがうまく表示されなかったり、サイトを開くブラウザが最大化していないことが理由で失敗することもあります。

作り方によっては、サイトのHTMLの記述が変わっていれば、それだけでうまく動かないケースもあります。

この様に、できる場合にはプログラミングで作る方がおすすめです。

また、RPAのエンジニアであっても、プログラムができるようになって損をすることはありません。

ですので、並行して勉強していくのがおすすめです。

実行中に思わぬ動きをした時のことを考慮する

RPAを作る際には、
「もしもこの段階で予想外の動きをしたらどうするか」
を考えることが重要です。

もう一度最初から実行するのか、エラーが起きたときにスクショを取って自分にメール送信するのか。

こういったエラーハンドリングが、RPAを複数動かすようなときには重要になります。

仮にRPAを実行している間、ずっとその画面を見ているなら、エラーに気付いてすぐに対処できるかもしれません。

しかし、それは効率的ではありません。
(というより、そもそも自動化した意味がありません)

ですので、基本的には実行中の作業はRPAに任せて、自分は他の仕事をしている必要があります。

また、時間指定で動き出すような仕組みを組み込めば、そもそものRPAの起動も自動化できます。

こういったときに、
「知らない間に止まっていて仕事が進んでいない」
ということが無いように、エラーハンドリングをきちんと決めていくことが重要です。

業務の効率化はAMELAに相談を

今回は、初心者でもRPAが作れるのか・・・ということを見てきました。

いくつかの条件は必要になりますが、初心者でもRPAのシナリオを作成すること自体は可能です。

また、先輩社員にRPAを使ったことがある人がいなくても、ある程度のプログラミング経験がある人であれば、RPAソフトを使うこと自体はそれほど難しくありません。

そのため、プログラマーがRPAを教えることも十分に可能でしょう。

また、業務の効率化に関しては、直接プログラミングをした方が良いとも書きましたが、
「自社の業務が、具体的にどういうアクションで効率化するべきかわからない」
ということであれば、是非AMELAにご相談ください。

AMELAでは、IT人材派遣やITコンサルティングが可能ですので、今の環境から
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