Perlとは?他プログラミング言語との違い・メリット・デメリット!Perlを使ってできることについて解説

多くの種類があるプログラミング言語。

それらのプログラミング言語は、古いものでは1950年代から利用されてきました。

その後は次々と改良がなされ、利便性は日々向上しています。

では古いプログラミング言語は今後廃れていくのでしょうか。

今回の記事ではPerlについて紹介します。

Perlは1980年代にリリースされた古参のプログラミング言語です。

Perlの特徴や強みに加え、今後の展望や将来性についてを解説していきたいと思います。

Perlとは?特徴とメリット・デメリット

Perlとは、オープンソースのスクリプト言語です。

WindowsやMac、Linuxと様々な環境で利用することができます。

Perlはスクリプト言語の中では古参の言語であり、その後に開発されたスクリプト系言語のパイオニア的存在という位置付けになります。

Perlは主にWeb開発に使われてきた言語であり、今でも一定の評価は得られています。

しかしながら、最近は他にも同様のジャンルを得意とするプログラミング言語が普及してきたことで、以前に比べて利用の頻度は減少傾向にあるといえます。

Perlのメリット

Perlの1つ目の特徴は、テキスト処理能力に長けていることです。

Perlは他のプログラミング言語と比べて正規表現の機能に優れています。

また、文字列と数値を自動で変換する機能が備わっていることから、簡単に効率良くコードを入力することができます。

Perlの2つ目の特徴は、インタプリタ型のためコンパイルが不要だということです。

インタプリタとは、人間が記述したソースコードをコンピューターが読み取り可能な言語に自動で変換してくれることをいいます。

コードの内容をその都度確認できることから、開発の効率が上がるだけでなく、保守面にも優れているというメリットがあります。

Perlの3つ目の特徴は、互換性の高さです。

中でも後方互換性に優れています。

後方互換性とは、プログラムなどのバージョンアップの際に、古いバージョンでもそのまま利用できることをいいます。

後方互換性が低い場合、バージョンアップに応じて都度プログラムを修正しなければなりません。

例えばPythonの場合は、これまでにも複数回バージョンアップをしてきました。

しかし、後方互換性が低かったことから、コードを大幅に書き換えるといった対応を求められた過去があります。

自社で開発する場合には、自社の人件費が、外注する場合には外注費用が、言語のバージョンアップに伴って、都度発生する事になります。

長期的にシステム運用する場合には、その金額は多大なものになるでしょう。

その点で Perlはプログラムの修正を要しないため、非常に大きなメリットだといえます。

Perlの4つ目の特徴は、コードの読みやすさと書きやすさにあります。

Perlはコードの記述が簡単で習得しやすいスクリプト言語を採用しています。

スクリプト言語はコードの記述が簡単であることから、初心者や第三者にとっても読みやすい構成となっています。

複数人でプログラム設計をするような環境においては、誰が何の作業をしているのかを把握しやすくなり、連携を取りやすいという特性があります。 

Perlの5つ目の特徴は、誰にでも使いやすいことです。

PerlはCPANというモジュールを管理するシステムを通じ、誰でも自由にコードを利用することが可能です。

CPANとは、Perlで利用可能なプログラムコードを公開、共有しているサイトのことをいいます。

公開されているプログラムコードを再利用することで、プログラム設計をする際に効率良く開発を進めることができます。

Perlのデメリット

ここまではPerlのメリット面としての特徴を解説しましたが、デメリットもあります。

1つ目は処理速度が遅いことです。

Perlはインタプリタ型であると解説しました。

インタプリタ型の場合、ソースコードを1行ずつ機械語に変換するため、コンパイル型言語のようにソースコードを1度に機械語に変換する方式と比べると処理が遅くなるというデメリットがあります。

このため、処理の速さが要求されるサービスの開発には不向きであるといえます。

2つ目はコードを統一しにくいことです。

元々Perlはオブジェクト指向型のプログラミング言語ではなく、後々になってその仕様が追加されました。

オブジェクト指向で記述をする場合は、プログラムのメンテナンスがしやすいというメリットがあります。

なぜなら、ソースコードを部分的に変更しても全体に影響を及ぼしにくく、修正にかかる負荷を減らすことができるからです。

Perlは今でこそオブジェクト指向型で記述ができるといっても、元々の設計思想ではないことから有用性という点では見劣りします。

結果的に様々な書き方ができてしまうため、プログラマーによって記述するコードに違いが生じてしまいます。

作成者や開発時の設計に携わる際にはメリットとなり得る部分ですが、引継ぎの際などは弊害となる可能性があり、業務が属人的になってしまうという課題があります。

3つ目はフレームワークが少ないことです。

フレームワークとは、Webアプリに必要な機能を取りまとめた枠組みのようなものです。

フレームワークを使うことで一から開発をおこなう必要がないため、開発効率の向上を図れます。

他のプログラミング言語には優秀なフレームワークがありますが、Perlは他の言語と比べてフレームワークが揃っていないという現状にあります。

他プログラミング言語(PHP/Python/Ruby/Java)との違い

Perlは他の言語と比べてどのような違いがあるのかを解説していきます。

始めにPHPとの違いを解説します。

PHPはPerlと同じく、主にWebサイトやWebアプリケーションの開発に用いられており、企業のホームページから個人のサイトまで、今やPHPは様々な場面で使用されています。

PHPの特徴としては仕様やコードがわかりやすく、習得がしやすい言語だということです。

市場シェアが高いことだけでなく、使い勝手の容易さについてもPHPのほうが Perlよりも優れているといえます。

次に Pythonとの違いです。

Pythonは機械学習やビッグデータの分野で活用されているだけでなく、Webアプリケーションの開発などにも使われています。

Pythonの特徴はPHPと同様にわかりやすく、かつ覚える構文も少ないことから、初心者のプログラマーでも学びやすい言語だといわれています。

以上のことから、参入ハードルはPerlよりもPythonのほうが低いといえます。

次にRubyとの違いです。

PerlとRubyの違いとしては、オブジェクト指向型か否かが挙げられます。

Rubyはリリース当初からオブジェクト指向型の言語として分類をされています。

一方のPerlは、先に述べたように元々はオブジェクト指向型ではなく、後付けのオブジェクト指向型プログラミング言語です。

そのため、オブジェクト指向型の特性を活かしきれておらず、Rubyのほうが扱いやすさの点で優れているといえます。

最後にJavaとの違いを解説します。

JavaはWebサイトやWebアプリケーションの開発などで利用されるため、利用場面がPerlとバッティングしやすいプログラミング言語です。

JavaはPerlと同じく古株のプログラミング言語になりますが、汎用性の高い言語のため、Perlと市場を奪い合ってきた経緯があります。

ただ、現在の市場シェアを見ると、Javaの方が圧倒的に高く、敢えてPerlを利用するメリットは無いと言えます。

Perlでできること

Perlは主にWebサイトやWebアプリケーションの開発の他、基盤システムの開発などにも利用されます。

また、Perlが得意とすることはテキスト処理です。

テキストファイルであれば高速に処理をすることができるため、データの内容次第では大規模なデータ処理を伴うサービスの開発にも適した言語です。

Perlを用いた開発例

Perlを使った具体的な開発例を紹介したいと思います。

Perlの強みを活かすためには、Webページにチェックボックスのようなものを設けるUIなどは相性がいいといえます。

例えば、画面上にチェックボックスを設けて、ユーザーがそこへ文字や数字を入力します。

入力された内容をサーバーに送って処理をおこない、演算された結果を出力して表示するといったような機能です。

このようなテキスト処理の機能を活かすことができるケースとしては、Webサイトのアンケート入力画面や検索機能、掲示板などがあげられます。

Perlの現状と今後の展望

Web開発に用いられることが多く、誰にでも利用できるPerlですが、最近は利用頻度が少なくなっています。

その背景にはPHPやPython、Rubyなどのより扱いやすいプログラミング言語の普及が進んでいるからです。

ここではPerlの現状と今後の展望についてを解説したいと思います。

他プログラミング言語の台頭

先にも述べたように、最近ではPerlに代わる優れた言語がいくつも普及しています。

例えば、PHPやRubyについては Perlと同様にWeb開発を得意としている言語です。

その中でもRubyはPerlの影響を大きく受けて生まれた言語だといわれています。

RubyはPerlの特徴をいくつも引き継いでいる言語ですが、その大きな違いはオブジェクト指向型の言語で開発されているという点です。

最近のプログラミング言語はオブジェクト指向型が主流となっています。

Perlについてもオブジェクト指向型に対応できるバージョンをリリースしましたが、途中で仕様変更したPerlはその流れに乗ることができず、他言語にシェアを奪われている状況を覆すことはできませんでした。

Perlの需要

では、今後Perlは衰退していく言語なのでしょうか。

確かにPerlによる新規サービスの開発機会は少なくなることが予想されています。

しかし、冒頭でもお話したように、かなり古い時代に作られ、現在もシステム的に利用されている言語です。

様々なところで、プログラミング言語のランキング(エンジニアから人気・・・など)が出されていますが、GO言語やSwiftよりも上位にきているランキングもあります。

そのため、学習の優先度としては高くないものの、運用/保守案件としては、ある程度の市場規模を継続できると考えられます。

Perlの運用保守はAMELAに相談を

今回は、Perlについて見てきました。

多くの言語が登場する昨今、マイナーとなりつつあるPerlですが、前述したように、市場の需要はある程度存在します。

この記事を読んでくれている方の中にも、すでにPerlで開発されたシステムを運用している企業様もいるかと思います。

もしも、今後のシステム運用に不安がある場合など、是非ご相談ください。

新しくシステムを作り変える上でも、弊社のオフショア開発での安価な開発は、お役に立てるかと思います。

また、マイクロサービス化により、今のロジックをそのまま流用するための手段を考えることも可能です。

多種多様な選択肢があるからこそ、経験と実績のあるAMELAにご相談頂ければと思います。