組織の力を最大化するエンパワーメントとは?重要性や実践方法についてを解説

組織の力を最大化するエンパワメントとは?重要性や実践方法についてを解説

自然災害や技術の発展などにより、企業を取り巻く環境はこれまで以上に変化が早く、将来を予想することも、明確な対策をすることも困難になってきました。

このような不確実性の高い世の中に適応するため、組織の力を最大化するための
「エンパワーメント」
に注目が集まっています。

エンパワーメントを実践することで、組織の従業員が自己決定権を持ち、自己効力感を高めながら働く環境を作ることが期待されています。

この記事ではエンパワーメントの内容、メリットとデメリットについて説明し、エンパワーメントを組織に浸透するための具体的な実践方法について解説をします。

エンパワーメントとは

エンパワーメントとは、個人やグループが自己決定・自己効力感・自己価値感を持ち、自身の現在の状況を改善するための能力や権限を持つことを意味します。

元々は「力を与える」という意味合いのあるこのエンパワーメントは、ビジネスでは前述の様に能力や権限を持つことを意味するようになってきました。

組織の従業員が自らのアイディアを提案し、自主的に問題の解決を図ることで、個々のスキルや能力の向上が期待できるだけでなく、組織としても革新的で生産的な力を発揮することにつながります。

また、エンパワーメントを実践することで従業員の満足度とモチベーションを向上させることができ、結果として組織全体のパフォーマンス向上が可能となります。

エンパワーメントを実践するためには、適切な権限の委譲、透明性の確保、スキル向上の機会提供、フィードバックの文化醸成など、組織としてのサポート体制を充実させることが重要です。

エンパワーメントの重要性

エンパワーメントが組織で重要視されているのには以下の理由が挙げられます。

自己決定権の強化

エンパワーメントは、組織内部における重要な意思決定を個人が下すことが可能となります。

これにより個人の自己決定権の強化が可能です。

自己決定権があることで、個人は自分の価値観や目標に基づいて業務を推し進めることができるようになります。

また、自分で物事を決めることには、モチベーションの向上や責任感の向上に繋がります。
「自分で決めたことなんだから、最後までやり通そう」
という様に、多くの人は「やらされている仕事」よりも高いパフォーマンスを出すことが出来るようになります。

自己効力感の向上

エンパワーメントは、個人が自分の能力を信じ、自己効力感を高める助けになります。

自己効力感とは、「目標を達成する能力を自分自身が持っている」という自信です。

目標が高すぎて、「到底達成不可能」と感じている状態では、個人の能力を発揮することは難しいでしょう。

自己効力感が高まることで、目標を達成する自信が生まれ、積極的に行動したり、困難に立ち向かいやすくなるのです。

社会的・経済的な不平等の削減

エンパワーメントは、社会的な階層やジェンダー、人種などに基づく不平等を削減する手段としても機能します。

個人に権限を与える事で、チャンスを公平平等に与える機会が増えます。

その結果、誰もが活躍できる環境を育むことができます。

持続可能な発展の推進

エンパワーメントは、個人と組織双方にとって持続可能な方法で発展することを可能にします。

自己決定権を持ち、リーダーシップを発揮できる人々は、環境や社会に対する責任を持った行動を形成することができます。

企業で考えると、権限を与えられることで責任感の向上やスキルアップなどをすれば、従業員は会社や仕事に対して良い印象を持ちます。

その結果、離職率が劇的に減る可能性があります。

一方、会社としてもモチベーションが高く、スキルの高い人材が育てば、長期的に利益を出し続けることは難しくありません。

そのため、持続可能な発展が可能になるのです。

エンパワーメントのメリット

エンパワーメントを導入することで企業は多くのメリットがあります。

以下にエンパワーメントのメリットを紹介します。

意思決定が速い

意思決定を迅速におこなうことが可能です。

自らの責任と判断で行動をすることが可能であるため、上司への報連相を必要最低限に済ませられます。

これにより確認に要する時間を省くことができるため、スピード感を伴った業務が可能となります。

考える力の養成

自らの責任と判断で行動することは考える力を養います。

エンパワーメントは他人から指示されたことを単純にこなすのではなく、何を成さなければならないのか、ビジョンや戦略を練った上で業務を推し進めなければなりません。

そのため、自ずと考える力を養成するキッカケとなります。

特に最近の若い人は
「言われたことだけをする」「自分で考えない」
などと言われることがありますが、そういった環境を会社側が作ることも、育成においては重要になってきます。

個としての成長

エンパワーメントを実践することで個としての成長を果たすことができます。

前述したような責任と判断、積極性と行動力を持って仕事に取り組むことで、リーダーシップ、チャレンジ精神、自立心の向上など、様々なポータブルスキルを身に付けることが可能です。

また、巻き込み力など、自身だけでなく周囲への影響力をも高めることが期待できます。

加えて、自己効力感を得ることで、
「自分には目標達成する能力がある」
というプラスの自己認識ができるようになれば、少し難しい案件にチャレンジできるなど、より良い循環が生まれます。

エンパワーメントのデメリット

エンパワーメントは組織にとってメリットがある一方、デメリットもあります。

方向性のズレ

正しい判断を下すにあたっては、その業務の背景を正確に理解しておかなければなりません。

何が正しくて何が間違っているのか、方向性がズレたエンパワーメントを実践してしまうと、組織は大きな損害を被る可能性があります。

ビジョンを見据えたエンパワーメントが実践できるよう、権限を委譲する者は委譲した人に対して業務を丸投げするのではなく、適切なフォローアップが必要です。

誰にでも実行できるわけではない

エンパワーメントは誰にでも実践できるものではありません。

誰しもが責任感や行動力を持って、意欲的に業務に取り組むことができるわけではないからです。

決断力やチャレンジ精神など、エンパワーメントを実践してやり遂げる力があるのかどうかを見極める必要があります。

責任の範囲

エンパワーメントの特徴の一つに責任を委譲することが挙げられますが、委譲する責任の範囲を誤ってはいけません。

能力のない者に必要以上に責任を与えることは組織にとってリスクとなります。

一方で、付与する責任を最低限にしてしまうとエンパワーメント本来のメリットを活かすことができません。

責任の裁量をどの程度とするのか、しっかりと見定める必要があります。

ITを活用したエンパワーメント

エンパワーメントは様々な業界、業種で実践されており、ITを活用したエンパワーメントもその一つです。

ITを活用したエンパワーメントにはどのようなものがあるのか、いくつかの例を紹介します。

全国各地の優秀な人材の採用

現在、リモートワークで働ける職種は増えており、そういった人材は都会で探す必要性はありません。

地方に在住で優秀な人を雇える現在の環境下で、
「優秀な人を雇い、権限を与える」
という形でエンパワーメントを行うことができるようになりました。

計測と分析

近年は、AIなどの発達により簡単にデータの分析ができる様になってきました。

そのため、エンパワーメントを進める中で、
「以前と比較して良くなった点」
を計測・分析できる様になってきました。

例えば、個人の課題や実績の分析をしたり、普段のPCの操作履歴を元に作業スピードなどを分析するなど、様々な取り組みが考えられます。

オンライン教育

オンライン教育を実践するにあたっては、エンパワーメントが役立ちます。

インターネットを通じてアクセスできるオンライン教育プラットフォームは、世界中の人々が高品質な教育資源にアクセスし、新しいスキルや知識の習得が可能です。

これにより、学習の機会が地理的な制約を超えて広がり、個人の能力向上が可能となります。

オンライン教育の実現によって地理的不利な状況が改善されることで、平等な情報をどう活かし、どう役立てていくのか、エンパワーメントを実践し、自ら考えて決断と行動をする環境の醸成が期待できます。

情報の共有

SNSなど、ソーシャルメディアプラットフォームの活用もエンパワーメントに活かされています。

SNS上で意見や情報を共有することは、議論する場が提供されていることと同義です。

世界中から情報を収集することができるため、それらの情報を集約し、自身の生活や業務にどのように落とし込んでいくのかを考えるキッカケになります。

SNSを日々活用することは、自然とエンパワーメントを養うことにつながります。

エンパワーメントの実践方法

エンパワーメントを実践するための具体的な手順を解説します。

組織内でエンパワーメントを実践するためには、以下のような方法が効果的です。

管理職層によるエンパワーメントの理解と浸透

組織の上層部はエンパワーメントの重要性を理解し、それを組織文化に浸透、コミットメントすることを全社的に示さなければなりません。

本来決定権のある立場の人間がエンパワーメントの重要性を正しく認識し、周知展開を図ることで、組織全体に浸透しやすくなります。

情報共有と透明性

組織内での情報共有を促進し、透明性を持ったコミュニケーションを図ります。

従業員が組織の目標や進捗状況を理解し、自身の仕事が組織のビジョンとどのように関連しているのかを知ることがエンパワーメントの基盤です。

教育とスキルの向上

従業員のスキルや知識を向上させ、自己効力感を高めるための教育やトレーニングプログラムを提供する体制を構築します。

スキル向上が個人の自己評価を高め、自信を持って仕事に取り組むことができるようになります。

決定権の委譲

従業員にプロジェクトの決定や問題解決に関与する機会を与え、決定権を委譲します。

権限を委譲することでチームや個人が自分たちの仕事に責任を持ち、自分たちの方法で仕事に取り組むことができるようになります。

適切なフィードバックと評価

定期的なフィードバックの機会を通じて従業員に適切な評価をおこなうことで、課題の認識をさせて個人の成長を促します。

適切な評価とフィードバックは、個人の自己評価を高め、自己効力感の向上につながります。

柔軟な労働環境

フレキシブルな労働時間や、リモートワークなどの機会を提供する体制を築きます。

従業員が仕事とプライベートのバランスを取りやすくなることで、自己決定権を持つことができます。

リスクの許容

失敗を恐れず、新しいアイディアや取り組みに対するリスクを許容する文化を作ることが、エンパワーメントでは重要になります。

失敗から学ぶ機会を提供し、従業員が積極的にイノベーションを追求できる環境を作ります。

チームワークと協力

チーム内での協力を奨励し、異なるバックグラウンドやスキルを持つメンバーがお互いに学び合える環境を提供します。

相互の尊重と高い信頼はエンパワーメントの鍵となります。

これらの方法を実践することで、組織内でエンパワーメントを促進し、従業員がより満足度の高い働き方を実現可能となり、組織の成果を最大限に向上させることができます。

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今回は、エンパワーメントについて見てきました。

これからの組織には、エンパワーメントをはじめとして、「個人の能力を上げる事」や「組織として強い体制を作ること」が非常に重要になります。

そういった企業の体制作りに役立つシステムは、世の中に多数あります。

しかし、実際にこれらを導入・活用できている企業は少ないです。

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