サポートエンジニアはしんどいのか?仕事内容や将来性について解説

デジタル化が急速に進む中、私たちが日々の生活を送る上でIT機器の活用は、もはや必須であるといえます。

ITは便利である一方、その中身は複雑であることから、ユーザーのサポート体制をいかに充実にするかが重要であり、それが顧客満足度に直結することになります。

そのような状況において、サポートエンジニアという職種の方が不可欠な役割を果たしています。

サポートエンジニアは顧客からの問い合わせやトラブルに日々対応し、システムの円滑稼働に縁の下の力持ちとして貢献しています。

本記事では、サポートエンジニアの仕事内容に焦点を当て、その将来性や業務のしんどさについてを紹介したいと思います。

サポートエンジニアとは

サポートエンジニアとは、主に技術製品やITサービスを提供する企業や組織で、顧客対応や技術面でのサポートを行う専門職です。

サポートエンジニアの役割は、顧客が製品やサービスを安心安全、かつ効果的に使用できるようにサポートし、問題を解決し、技術的な課題を処理することにあります。

製品に関する知識を有していることはもちろんですが、一般的なエンジニアと異なる部分としては、サポート面で直接顧客と接する機会が多いという点です。

例えば、自社サービスを作っている企業のサポートエンジニアは、お客様から使い方の質問を受けるなども仕事です。

そのため、ITに関する知見だけではなく、ビジネスマナーや接客対応などのコミュニケーションスキルも求められるという、難易度の高い職種といえます。

サポートエンジニアの仕事内容

サポートエンジニアの仕事内容は、主に顧客からの技術的な問い合わせや要望に対応し、製品やサービスのトラブルシューティングや解決策の提供をおこなうことです。

サポートの手段は様々であり、電話やメール等での対応がメジャーではありますが、営業に同行して直接顧客先に出向いたり、ユーザー企業に出向、常駐するといったケースもあります。

以下にサポートエンジニアの仕事内容を詳しく説明します。

顧客対応

サポートエンジニアは、電話、メール、チャットなどのコミュニケーション手段を通じて顧客からの問い合わせに対応します。

必要に応じて直接顧客のもとへ出向いて対応をおこなうこともあります。

製品の使用方法やお困りごとなどに関する質問に答え、顧客の要求や問題を理解することで満足度の向上に努めます。

トラブルシューティング

サポートエンジニアは、顧客から寄せられる技術的な問題や障害に対して、原因を特定し解決策を見つける役割を果たします。

各種問題の発生源を特定し、必要な手順や修正を指示してトラブルを解消します。

対応手順の作成

サポートエンジニアは、問題解決の手順やトラブルシューティングガイド、FAQなどのドキュメンテーションを作成・更新します。

これにより、社内でノウハウを共有することが可能になるだけでなく、将来の顧客対応や再発防止策に役立てたり、類似の問題の解決を図ることが容易になります。

場合によっては、それらのFAQを自社サイトに掲載し、
「ユーザーが電話での問い合わせができなくても解決できる」
などのように、先回りした対応が行えるようにするのもサポートエンジニアの仕事です。

レポートラインへの報告

顧客からの問い合わせやトラブル事項について、内容が複雑で解決策が見つからない場合も想定されます。

このような場合には、上位レベルの技術スタッフや開発チームに問題をエスカレーションしなければなりません。

ユーザーの生の声や課題を経営層に伝え、企業として本質的な解決を図るためにサポートエンジニアは重要な役割を果たします。

フィードバックと改善

顧客からのフィードバックを収集し、製品やサービスの改善点を洗い出し、開発チームに提供します。

開発チームはサポートエンジニアからの情報を踏まえた上で、商品の改良や新製品の開発へとつなげます。

以上のとおり、サポートエンジニアは顧客満足度を高め、製品やサービスの品質向上に貢献します。

サポートエンジニアは技術的なスキルやコミュニケーション能力を持ち合わせなければならず、変化する状況に適応しながら効果的なサポートを提供するという責務を負っています。

サポートエンジニアの仕事がきついと言われる理由

サポートエンジニアの仕事はきついと言われることが多いです。

個人の性格、経験、業界、企業の文化などによっても異なりますが、サポートエンジニアの仕事がきついと感じる要因をいくつか以下に解説します。

単調な業務が多い

サポートエンジニアはシステムの開発に直接関わることはありません。

既存システムやサービスの保守や問い合わせ対応が主となるため、どうしても単調な業務となりやすい傾向にあります。

「エンジニア=開発に携わる」

と思い職に就いた場合は大きなギャップが生まれてモチベーションの低下につながる要因となります。

製品や技術面に関する深い理解が求められる

問題の解決には高度な技術的な知識が求められることがあり、新しいテクノロジーやシステムの理解が必要です。

特に複雑な問題を解決する際には、専門知識とトラブルシューティングスキルが必要です。

開発に直接携わるわけではないため、システムの設計や開発ロジックが不明な場合も多く、能動的に情報を収集しなければ業務に支障をきたす恐れがあります。

実際にシステム開発をしたことがある人なら分かるかと思いますが、
「自分が実際に設計したり、開発を行った部分はしっかりと理解できる」
というのが一般的です。

開発に全く携わらずに、それでも詳細な機能を理解するのは、少しハードルが高いでしょう。

コミュニケーションの難しさ

サポートエンジニアは、顧客からの問い合わせやトラブルに対応し、迅速かつ正確な解決策を提供する必要があります。

そのため、顧客に対して技術的な内容をわかりやすく説明するスキルが求められます。

しかし、中にはITに疎い顧客もいることから、そのような顧客に対してわかりやすく説明するにはどうすればいいのかを考えなければなりません。

反対に顧客からの意見やフィードバック、エラーの原因調査した結果などを、開発エンジニアに報告する必要性もあります。

その場合は、エンジニアと同じ目線でのコミュニケーションが求められるため、多面的なコミュニケーション力が求められるのです。

過酷な労働環境

顧客からの問い合わせはいつ何時発生するかわからないため、急なトラブルや緊急の要望にも対応しなければなりません。

特に24時間稼働する企業やグローバルなサポートを提供する場合、長時間労働やシフト勤務が必要なことがあります。

これにより、業務時間が不規則になったり、残業をしなければならないことも多く、心身に不調をきたしたり、ワークライフバランスを築くことが困難になってしまいます。

理不尽な要求やクレーム対応

顧客とのコミュニケーションやトラブル解決の過程で、時には理不尽な要求やクレームを主張する顧客に出くわすことがあります。

言葉尻を取られたり、裁判沙汰にするなどといった過激な発言をされるケースも起こり得るため、心の病を発症してしまうリスクが非常に高いです。

スキルが身につかない

サポートエンジニアは、前述したように実際にプログラムを作成したり、設計をするわけではありません。

そのため、技術的なスキルや知識が身につきにくい傾向があります。

また、電話対応など不定期に発生する業務であるため、それ以外の仕事も細切れの時間を活用する必要があるため、自分で勉強するとしても、難しい環境にあります。

結果として、自主学習でのスキルの習得も難しいと言えるでしょう。

更に、サポートエンジニアは
「自社の製品の仕様については詳しくなるけれど、他社では通用しない知識」
も多いので、他社で活かすためには思考の抽象化が必要となります。
 

サポートエンジニアの将来性

先に解説したとおり、業務的には辛い部分が多いサポートエンジニアですが、ポジティブな側面も存在します。

サポートエンジニアは技術の進化や産業の変化によって影響を受けますが、慢性的な人手不足のためニーズは多いです。

また、将来性についても高いと考えられます。

以下にサポートエンジニアの将来性が高いと思われる要素を解説します。

技術の進化

技術は日々進化しており、新たな製品やサービスが登場するたびに、それに関するサポートが必要です。

そのため、新技術に対する知識とスキルを持つサポートエンジニアは重要性が高く、重宝される存在となりえます。

デジタル化の拡大

ますます多くの企業がデジタル化に取り組む中で、デジタル製品やサービスの利用が増加しています。

製品に比例して要望や問い合わせも増加するため、サポートエンジニアのニーズは今後も続くと考えられます。

サポート需要の拡大

グローバルな市場で活動する企業は、さまざまな地域や言語でサポートを提供する必要があります。

多言語対応や異文化コミュニケーションスキルを持つサポートエンジニアは今後の需要が拡大すると想定され、ブルーオーシャンでの活躍が期待できます。

自動化とAIの影響

自動化や人工知能(AI)技術の進化により、一部のルーティンワークは自動化される可能性が高いです。

しかし、複雑な問題解決や人間らしいコミュニケーションスキルは依然として人間のサポートエンジニアに求められます。

新たな分野、市場により活躍の幅が広がることが期待できます。

サポートエンジニアの将来性に関しては以上のとおりですが、業界や特定の技術による影響があるため、常に最新の情報やトレンドを追いかけることが何よりも重要です。

自身のスキルを継続的にアップデートし、変化する状況に適応することが成功への鍵だといえます。

サポートエンジニアになる場合に考慮すべき点

サポートエンジニアの仕事に就くかどうかは、個人の興味・能力・目標によって異なります。

以下に、サポートエンジニアの仕事に就く際に考慮すべきポイントを挙げます。

興味と適性

サポートエンジニアの仕事は技術的な問題解決や顧客対応が中心です。

技術に興味があり、問題解決やコミュニケーションに自信がある人に向いています。

スキルと経験

サポートエンジニアには技術的なスキルやトラブルシューティング能力が求められます。

既に関連するスキルや実務経験がある場合は、スムーズに業務に適応することができます。

ストレス耐性

顧客からの問い合わせやトラブルシューティングに対応するにあたっては、強いプレッシャーやストレスを伴うことがあります。

良い意味で楽観的になれるような、ストレスに耐性があるかどうかを考慮することも長く働く場合には重要な要素です。

将来のキャリアプラン

サポートエンジニアを選ぶ際には、前述の「スキルが身につかない」事を前提にする必要があります。

一方で、サポートエンジニアはシステムエンジニアなどよりも就職のハードルは低いです。

そのため、IT業界に入る一歩目として選択する・・・という意味では向いている人もいるでしょう。

その上で、
・どのくらいの期間サポートエンジニアをするのか
・サポートエンジニアから品質管理などに特化していくのか
・サポートエンジニアから開発に移れるのか
・IT業界での実務経験をつけるだけ付けて転職するのか

など、3~5年スパンでのキャリアを考えて就職する必要があるでしょう。

システム開発・運用相談ならAMELAへ

今回は、サポートエンジニアの仕事について見てきました。

多くの製品が開発される中で、こういったサポートエンジニアによるサポート体制は、顧客からの評価が大きく変わります。

顧客に長く製品を利用してもらい、長期的に付き合ってもらうためにも、こういったエンジニアの活用は必須です。

AMELAでは、ITコンサルティングやIT人材派遣も行っています。

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