工数管理のやり方・具体的な運用方法をポイントにまとめて解説

現在は、少子高齢化の拡大や労働者人口の減少により、「業務効率化」や「生産性向上」を目指す企業が増えてきました。また、近年注目を集めているDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進など、業務効率化に対する取り組みが加速しています。 これらの取り組みの中で、特に進められているのが「工数管理」です。この記事では、工数管理について概要を説明します。くわえて、工数管理に取り組む際の運用ポイントなど、重要な知識もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

工数管理とは

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工数管理とは、「業務にかかる時間」✕「業務に携わる人数」といった計算式で求められる工数を可視化し、管理をシンプルにする取り組みのことを指します。 工数管理を行うことで、全体的なスケジュール管理が簡単になり、「どの時期までにどの案件を進めればいいのか」「このプロジェクトにはどのくらいのリソースを割けばいいのか」など、効率の良い業務を実施することが可能です。 今まではExcelを活用した工数管理が主流でしたが、最近は工数管理ツールと呼ばれるサービスの提供も増えており、専門的な知識が無い方でも問題なく工数管理に取り組むことができます。 業務効率や生産性を向上させる工数管理ですが、正しい手順で取り組まないと期待した効果を得られない可能性があります。そのため、運用で注意すべき点や具体的な方法を理解することが必須です。 そこで、次の章では工数管理の具体的な運用方法をご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

工数管理の具体的なやり方・運用方法

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工数管理に取り組む際は、以下の3つの手順で進めます。それぞれポイントで解説していきますので、本記事に沿って工数管理の運用を進めてみてください。 1.準備 2.実践 3.分析と改善

準備

工数管理を実施する前に、まずは準備を行います。準備というのは、具体的に「工数管理をまとめる責任者の選定」「工程表の作成」「環境を整える」ことです。 工数管理を実施するにしても、”誰が管理するのか”はとても重要です。従業員に対して状況を聞き出すためのコミュニケーションスキルを持っているか、メンバーを管理するマネジメントスキルが備わっているか、など具体的な指標を決めて責任者を選定しましょう。 ただし、責任者を決めたら全ての業務を丸投げするのではなく、企業も一丸となって協力することが大切です。 次に工程表の作成を行います。工数管理はこの工程表に従って業務の進捗状況や目標達成率を確認します。 もちろん、計画は途中で変更したりと修正が必要になってくる可能性はありますが、最初から精度の高い計画を立てることで、プロジェクトの進みが良くなるでしょう。 ポイントとしては、「メンバーのスキルを考慮する」ことと「スケジュールにバッファ(余裕)を持たせる」のを意識して作成することです。予測していなかった出来事にも対応しやすくなるので、ぜひこのポイントを抑えておきましょう。 その他には、従業員が工数管理に慣れるよう環境を整えることが大切です。 工数管理は業務の達成や登録の度に、Excelやツールに入力してもらう必要があります。そのため、気軽に従業員が扱える操作性の高いツールを導入するようにしましょう。 カレンダーと同期できるツールも多く提供されているので、企業のスタイルに適したサービスを利用し、工数管理を進めていくと良いです。

実践

工数管理の準備ができたら、次はいよいよ実践段階に進みます。実践に当たって、いくつか注意すべきポイントがありますので、確認してみましょう。 まずは工数入力が正しくされているか確認する方法を検討することです。 たとえば、従業員が工数の入力をさぼってしまった場合、プロジェクトの達成度やコスト管理にズレが生じます。実際の状況とデータに相違点が出てしまうと、「納期までに成果物が作成できない」「大幅にコストがかかっている」など、さまざまなトラブルを引き起こすでしょう。 プロジェクト全体に大きな影響を及ぼしてしまうため、日々の工数入力をしっかり管理することが重要です。責任者やプロジェクトのリーダーは従業員の入力確認をするだけでなく、正しく入力されているかの確認をするようにします。 ただし、管理側の負担が大きくなってしまうため、マニュアルの作成や確認作業の頻度など、細かく体制を整えることが必要になります。

分析と改善

最後に工数管理の取り組みを実施したら、分析と改善を行いましょう。 上記で記述したポイントに沿って工数管理を実施すると、業務改善につながる課題点の発見など、質の高いデータを集めることができます。 ただし、「計画通りにプロジェクトを完了できたか」といった視点だけでは不十分です。より視野を広く持ち、プロジェクト単位・チーム単位・個別と細かい単位でデータを分析するようにしましょう。 そうすることで、「A形式のプロジェクトではXタイプのスケジュールが有効」「Bチームは〇〇のようなタイプの人間が多かったためスムーズにプロジェクトが進んだ」など、具体的な要因や特徴が明らかになります。 具体的な課題を明確にすることで、別のプロジェクトに応用したりボトルネックを取り除くなど、さまざまな改善策が生まれるでしょう。実践と分析・改善を繰り返し、質の高い工数管理を行っていくことが大切です。

工数管理に取り組み業務効率化を目指す

この記事では、工数管理のやり方や具体的な運用方法をご紹介しました。 やり方1つで期待以上の効果を生み出したり、反対に、期待した効果が得られないなど、運用方法が大切な工数管理ですが、業務効率化など企業に与える恩恵は大きいです。 ぜひ本記事でまとめたポイントを参考にして、自社で工数管理に取り組んでみましょう。