人事管理システムとは?役割・メリットや選び方まとめ

今の日本は、どの企業も人材不足と言われる時代です。

そんな中で、人材をどのように管理し、効率的に業務を行うのかは、非常に大きな課題と言えるでしょう。

一方で、会社の将来を担うはずの人材に対して積極的に
「人事が動く」
ということが難しい会社も多いです。

理由としては、人事部にそれだけの人的リソースが無いことや、人事部と他部署の距離感があることなどが挙げられます。

そんな人事部の労力を減らすのが、「人事管理システム」です。

今回は、「人事管理システム」についてその種類や重要性・役割やメリットなどについて見ていきましょう。

人事管理システムとは

人事管理システムは、その名前の通り
「人事が行う業務を効率化するためのシステム」
です。

元々は、
・給与管理システム
・勤怠管理システム
・労務管理システム
・採用管理システム
などが人事管理システムに分類されていました。

ですが、時代が進むに連れて、人事部が担う役割も広くなってきました。

元々は、国に提出する書類や、給与などのお金が関わる業務がメインでした。

しかし、様々な情報をデータベース化出来る様になった現代では、単なる事務作業以上の物を期待される事も多くなったのです。

最近では、人事部には
「人材を上手く活用する」
「人材を育成する」
という役割が強く求められるようになり、

・タレントマネジメントシステム
・人事評価システム

などが人事管理システムに含まれる事が増えてきました。

人事管理システムの役割とメリット

次に、人事管理システムの役割と導入メリットについて見ていきましょう。

役割

人事管理システムの役割としては、大きく分けると5つの役割があります。

1つ目は、社員情報の管理です。

社員の個人情報や、保有しているスキルなどの情報を一元管理します。

マイナンバーを始めとする、個人情報の取扱などは、法律によって厳しく制限されている事もあり、それらに対応するシステムが求められます。

2つ目は、業務の効率化です。

人事部は、間接部門であることもあり、人員が少ない事が多いです。

その中で、必要な業務を行い、更にそれ以上に多くの役割を求められる事もあるため、効率化が必須です。

3つ目は、情報の正確さと安全性の確保です。

人事部は、給与に関連するなど、情報に間違いがあっては困る部署です。

また、それぞれの給与がいくらかという、データベースを他者に見せることなく、適切に管理する必要があるなど、これらをサポートする事が人事管理システムに求められます。

4つ目は、制度や方針の統一です。

人事評価をする際に、「上司によって評価(昇進)が変わる」ということは、基本的に好ましくありません。

だからこそ、システム的に人事評価を管理し、透明性のある人事をする役割を担っています。

5つ目は、組織改革の支援です。

タレントマネジメントシステムなどが該当しますが、
「今いる人材で、より大きな成果を上げる」
事が求められます。

それをサポートするのが、人事管理システムです。

人材の得意不得意を把握したり、過去の経験をデータ化し、最適なチームを構築したり。

様々な部分での活用が期待されています。

ただし、この分野は比較的新しい分野で、まだまだ多くの企業では導入できていないというのが現状でしょう。

メリット

次に、人事管理システム導入のメリットですが、業務の効率化や情報の安全性の確保など、役割の所でお話した内容に加えて、

「従業員満足度の向上」
が考えられます。

人材を適切に管理し、その能力を最大限に活用できる企業になることは、従業員にとっても非常に大きなメリットがあります。

・自分の才能を活かして、成長させてくれる会社
・正確で妥当性のある人事評価をしてくれる会社
・自分との相性が良いチームで働かせてくれる会社
・業務内容に対して適切な人員配置をしてくれる会社

いずれも、多くの人にとって「働きやすい会社」である可能性が高いでしょう。

こういった会社づくりのサポートをしてくれるのが、人事管理システムのメリットと言えます。

人事管理システムの選び方

次に、人事管理システムの選び方についてみていきます。

網羅性

最も重要なのは、網羅性です。

人事業務が複雑化し、業務範囲が広がる昨今では、
「中途半端にシステム化する」
というのが、逆効果になる可能性があります。

例えば、人事情報(氏名や役職などの情報)はデータベースになっているのに、給与計算はエクセルで計算している場合。

通常のパッケージソフトではありえませんが、社内で内製した場合にはこういったちぐはぐな業務が発生することがあります。

このような場合に、給与計算ではエクセルを使っているので、新入社員が入った際に、データベースへの登録と、エクセルに基本給などの情報を入れるなど、2重作業が発生します。

すると、人事情報をデータベース化していなかったときよりも、作業時間が長くなってしまう可能性があります。

この様に、部分的なシステム化は、逆効果になる可能性があります。

そのため、システム導入前には、現状の業務内容をしっかりと把握した上で、可能な限り業務を網羅している事を確認しましょう。

特に、システム導入直後は、
・マスターのメンテナンス
・過去のデータの整理
・組織図の作成
・マニュアルを読む
・操作に慣れる
など、様々な理由により、生産性が一時的に下がります。

場合によっては、現行の業務との並行稼働も必要になるなど、人事部への業務負担が大きくなる可能性があります。

年末調整の時期や、新入社員が入ってくる4月などに重ならない様に、現状の業務負荷と時期を検討する必要があります。

操作の容易さ

次に、操作が簡単か否かを確認します。

業務を網羅しているようなシステムに多いのは、
「多機能すぎて、使い方が分からない・使いこなせない」
ということです。

システムの導入は、決して安い買い物ではありません。

折角高いシステムを導入したのに、結局使えていないのでは、意味がありません。

そのため、理想としては
「高機能だけど、使い勝手はシンプル」
というものを選びましょう。

他システムとの連携

システムの多くは、それ一つで全ての業務を網羅することができない事もあります。

その結果、他のシステムとの連携が必要になることがあります。

一般的なのは、
「片方のシステムで利用しているデータをCSVで出力し、もう一方のシステムでそれをインポートする」
という方法です。

開発している企業が同じ場合は、別パッケージ同士で同じデータベースを利用するため、連携そのものが必要ないこともあります。

他のシステムとの連携を考える際に注意する点としては、いくつかのパターンがあります。

1つ目は、連携方法の統一です。

片方はCSVでしか出力できないのに、受け取る側はTSVでしか受け取れない。

このように、フォーマットが統一されていない事があります。

他にも、出力する時の列の順序をユーザー側で指定できない場合、一度エクセルなどで列を入れ替えてから取り込む必要があるケースも存在します。

2つ目は、2つのシステムで使用する項目の有無です。

違うシステムなので、片方のシステムでは利用する情報でも、もう一方は利用しない情報もあります。

その場合に、受け取る側の必須項目が抜けていて、毎回手作業で追加が必要になる・・・などは避けたいものです。

回避方法としては、出力側のシステムの予備項目に受け取る側の必須項目を入れる・・・などの方法があります。

3つ目は、文字コードです。

システムによっては、受け取る際の文字コードが指定できない(システム側で固定されている場合)があります。

このような場合に、エクセルで編集を挟むと、文字コードが変わってしまうなどの危険性があります。

業務担当者がシステムに強くない場合も多いので、このあたりを事前に確認しておくべきでしょう。

一般ユーザーの利用環境

次に、ユーザーの利用環境です。

例えば、勤怠管理をする際には、
「スマホから簡単に操作できるシステム」
の方が、営業マンなど直行直帰があるメンバーは、使い勝手が良いです。

こういった環境が自社のセキュリティポリシーと、システムの利用にあたってズレが無いかを確認しましょう。

更に、ユーザーが操作する画面の使いやすさも重要な項目です。

多くの企業で問題になるのが
「システムを導入したのに、現場で利用してくれない」
という事です。

特に、非IT企業でご高齢の従業員の方は、新しいシステムの操作を受け入れてくれない事も多く、非常に難儀します。

現場の人間としても、日常業務で毎日忙しい中で、新しいやり方を覚えたり、教育したりというのは、困難な事もあります。

そのため、誰でも簡単に操作できる者や、権限や役職によって表示項目を管理者側で変え、
「その人が使う画面だけを表示する」
という機能の有無が、システム導入の成否を分ける事があります。

カスタマイズ性

次に、カスタマイズ性。

先程のユーザーの利用と関係してきますが、どうしても今の業務の運用上、システムに合わせられないケースや、従業員が利用しにくい環境があった場合、
「カスタマイズしてもらう」
という方法があります。

これは、別途費用がかかりますし、出来るか否かは、システムによって異なります。

しかし、フルオーダーメイドでシステムを開発するよりも、パッケージソフトをカスタマイズする方が、金額的には非常に安いです。

そのため、カスタマイズ性を意識してシステム導入するのも、一つの基準となります。

人事管理システムの導入はAMELAに

今回は、人事管理システムについて触れてきました。

人事管理システムは、今やどの企業にも必要とされるシステムと言えます。

一方で、導入が進まない企業や、導入したものの運用できていない企業も多いです。

中には、
「折角企業として重要なデータを一元管理しているのに、そのデータを経営に活かせていない」
という企業もあります。

こういった状況を回避する方法の一つは、本文中でもお話した「カスタマイズ」です。

AMELAでは、あらゆるシステムの開発や、スムーズなシステム導入のサポートを行っています。

「単にシステムを作るだけではなく、長期的にビジネスをサポートするような仕組み作り」

という点でも、AMELAは多くの実績を残しています。

是非、一度現状のビジネスの問題点をご相談頂ければと思います。