【フリーランス向け】インボイス制度はひどい?抜け道は存在する?目的等解説

2023年10月より施行予定の「インボイス制度」。

どの様な政策も、賛否が分かれるのが普通ですが、インボイス制度に関しては、多くの職業の衰退も関係してくるとされ、2023年3月現在、約20万人が反対運動の署名活動を行っています。

このインボイス制度は、
「年間の課税売上高が1000万円以下の事業者」
に影響する仕組みです。

そのため、サラリーマンやパート・アルバイトなどで働いている人は、直接的な関係は薄いです。

インボイス制度の概要はこちら

にも関わらず、これだけの人数が反対運動を起こすのは、どういう理由からなのでしょうか。

今回は、フリーランスの立場から、このインボイス制度を見ていきましょう。

インボイス制度がひどい・やばいと言われる理由

インボイス制度は、ネット上でも「ひどい」「やばい」という検索のされ方をしています。

それだけ多くの人の反感を買う政策なわけですが、その理由を見ていきましょう。

インボイス制度の目的

インボイス制度の目的は、国税庁のサイトに記載されていません。

そのため、多くの所で
「増税したいだけ」
という風に受け止められています。

インボイス制度の詳細は、下記の記事で記載していますが、

インボイス制度の概要はこちら

ざっくりと説明すると、
「売上の低い会社は、商品やサービスを売った時に受け取った消費税を、国に納めなくても良い」
という既存の制度に
「同じ様に納めなくても良いけど、その場合は自分が商品やサービスを売った相手が変わりに消費税を払う」
というルールが追加されるものです。

反対していない人の中には、
「今までが、消費税を優遇されていたため、この優遇が無くなるだけ」
という意見もあるようです。

しかし、こういった意見を述べる人の多くは、年間課税売上高が1000万円よりも大きな企業の人や、直接インボイス制度による損失が無い人でしょう。

実際、反対運動の中でも、小さな事業者やフリーランスとして働く多くの人が、負担を強いられると主張しています。

更に、これらの影響により、フリーランスなどの多様な働き方や、日本のカルチャーを衰退させるとも言われています。

ひどい・やばいと言われる理由

この制度が「ひどい」「やばい」と称される理由の一つは、
「お金の無い人から搾取する」
という構造が、あからさまな仕組みだからでしょう。

前述したように、インボイス制度による実質的な増税は、年間の課税売上高が1000万円以下の事業者に対してです。

つまり、
「そもそもあまり売上のない人から、更に搾り取ろうとしている」
と感じる人が多いからです。

売上の少ない人にとって、現在の10%という消費税は、非常に大きな負担です。

また、スタートアップの1年目から支払う必要性が出てくるなど、力の弱い個人や組織が、より苦労を強いられる制度とも取れます。

業種にもよりますが、フリーランス協会の出す「フリーランス白書2020」では、フリーランスの平均年収は200万円程度と記されています。

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月に換算すると、20万円にも満たない収入です。

更に、1年目のフリーランスとなると、その8割以上が年収200万円以下と言われています。

しかも、フリーランスにはサラリーマンの様な安定した給料はありません。

いつ仕事を切られてもおかしくない状況の中で、月の生活費は15万円程度で暮らす必要がある。

このような厳しい状況の中で、その人達だけが増税になる。

反対運動が起こる理由もわかりますね。

特に日本のアニメ業界は大打撃?

メディアでインボイス制度の反対運動が取り上げられる時に、日本のカルチャーである「アニメ業界」が取り上げられることがあります。

アニメ業界は、下請けとなる原画や背景美術など、多くの人がフリーランスとして働いています。

その年収は、200万円前後の人も多いです。

また、アニメーターの半数以上は自営業やフリーランスと言われています。

そのため、安く買い叩かれているアニメーターが、廃業を強いられる・・・という状況も予想されます。

更に、ネットフリックスなどのVOD企業が、日本のアニメーターとの契約も多くしており、オリジナル配信アニメが増えてきました。

これまでは、日本の産業として注目されていたアニメや漫画などの文化も、海外のお金のある企業に買われ、その独自性が失われる可能性があるなど、大きな打撃を受けると予想されています。

インボイス制度で実質10%利益減は本当?

では、インボイス制度が導入されることで、今まで免除されていた消費税の10%分の利益が減るという認識は合っているのでしょうか。

基本的にはその考え方になります。

インボイス制度における、個人事業主やフリーランスの対応としては

1.消費税を国に納めてインボイスの事業者番号を取得する
2.これまで通りに消費税を免除される一方で、発注者に税の負担を強いる

という2つのパターンがあります。

消費税を納めるフリーランスに関しては、その分の利益が圧迫されるという認識で間違いありません。

仕事を失う可能性があるのは本当?

更に、先程の2つめのパターンである、「発注者に負担してもらう」というケース。

こういう対応をする人も、一定数いると考えられます。
(反対運動をしている人は、登録番号を取っていない可能性が高いため)

これらの人は、インボイス制度が始まってしまうと、仕事を失う可能性があります。

発注者側も、
「同じ金額なら、仕入税額控除が利用できるインボイス登録事業者に仕事を依頼しよう」
と考える可能性があるからです。

結果的に、
「利益を減らすか」「仕事を失うか」
という厳しい2択を強いられていると言えるでしょう。

インボイス制度に抜け道はある?

さて、このインボイス制度ですが、抜け道はあるのでしょうか?

制度としての抜け道はありませんが、いくつかの方法で、実質的に回避できる可能性があります。

ただし、事業の状況や個人の状況に大きく左右されます。

負担軽減措置

2022年12月の税制改正大網で、いくつかの負担軽減措置が閣議決定されました。

・税負担を軽減できる2割特例
・帳簿のみの保存で仕入税額控除ができる少額特例
・返還インボイスの交付免除
・適格請求書発行事業者の登録申請期間の延長

これらの制度により、多少の税負担を減らせる可能性があります。

とは言うものの、これらは多くの反対意見を抑え、可能な限りスムーズに増税するための段階的な処置と捉えることもでき、最終的には増税が必須という捉え方も出来るでしょう。

詳細はこちら
「インボイス制度の負担軽減措置(案)のよくある質問とその回答」
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/qa_futankeigen.pdf

事前に既存取引先に相談しておく

これから新規で取引をする取引先の場合には、単純にインボイスを導入しているか否かで判断される可能性が高いです。

しかし、既存の取引先に関しては、
「今のままインボイスを導入しない場合、単価を変えずに契約してくれるか」
を聞いてみるのが良いでしょう。

もしも、これまでの実績や仕事ぶりを評価してくれていれば、クライアント側の負担は多少増えるものの、応じてくれる可能性があります。

ビジネスを仕組み化!システム導入はAMELAに

今回は、フリーランス目線から見たインボイス制度について見てきました。

働き方が多様化しつつある現代でも、多くの事業者は思うような収益を得られていません。

そのタイミングで、今回のインボイス制度のような実質的な増税は、多くのビジネスにダメージを与えるものになるでしょう。

現在フリーランスの多くが、ITを活用したビジネスの仕組み化を行っていません。

これは、非常にもったいない事です。

今の状況を変えるためにも、
・ネットからの集客を自動化する
・お客様へのセールスを自動化する
・市場リサーチなどをシステム化する
・サービスをアプリとしてリリースする
など、ITを活用した事で売上が上がる事業者は多いでしょう。

また、AMELAでは一般的なシステム開発に比べて、非常に安価に開発が可能な「オフショア開発」を行っており、多業種で実績を残しています。

これからインボイス制度が始まり、負担軽減措置が終了すれば、そのタイミングで多くの事業者が廃業になるでしょう。

そうならないためにも、是非今の間から、ビジネスをITで仕組み化してみませんか?